すべてはトラブルの中で始まった | QQ English創業物語 | オンライン英会話ならQQEnglish

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第1章 オンライン英会話編

第19話 すべてはトラブルの中で始まった

世界一への第一歩ついに始まる

400平米のオフィスが74ブースに区切られそれぞれ授業用の机があります。後ろを歩く人を気にする必要がない作りです。薄いクリーム色に塗られた壁やブースが真新しく光って見えました。
2009年8月初日、入り口には花が飾られついにオンライン英会話が本格オープンしたのです。

当時、一か所に先生を集めて教えるスタイルは誰もやっていませんでした。事務所を使わないで自宅に待機するフィリピン人とのマッチングシステムが主流だったのです。自分の好みの経歴を持つフィリピン人と安くオンライン英会話をするのが目的で教育するというより出会い系サイトのような感じでした。
私はしっかりとトレーニングを積んだプロの教師とスカイプを使って本格的に勉強できるオンライン英会話の学校を作ったのです。

スタートした初日は大変でした。誰もやったことがないスタイルの学校を初めての先生が初め使うシステムでやるのですからトラブルがないわけがありません。
予想外のトラブルで私の脳だけでなくすべてのスタッフの脳が活性化されていたのです。
7人のスーパーティーチャーがバタバタしています。
「らいこう、システムがバグっているわ。違う生徒がいる」
「予約が取れないのよ。どうすればいいの?」
「すぐに日本に連絡をしなさい、ここで言っても仕方がないでしょ」
「スカイプの音が聞こえない」
「生徒さん日本語で怒っているわ」
「支払いについて聞いてきたけどよく知らないの」
「電源が入らないわよ。どうもこのコンセントに電気がきていない」
「うわ~~停電よ」
「すぐにバックアップの自家発電機が動くわよ」
「あ、システムが落ちた、バッテリーがついてないわ」
今、思い出しても大変な騒動でした。しかし私が指示を出すこともなく、現場で乗り切っていたのです。
かなりテンパった状態でしたが彼女らが次々対応していくのを見ながら誇らしく、これからどんな試練がこようが乗り切っていけると確信しました。
たくさんの失敗を経験することによりそれぞれが自らの判断で解決できるようになっていったのです。

韓国人の友達からのアドバイスを思えています。
「フィリピン人は韓国や日本人と違って時間も守らないし真面目に働かない、すぐにごまかしてサボるから期待しちゃだめだ。韓国の会社がフィリピン留学で成功しているのは彼らを信用しないでマネージメントも、経理も、トレーニングもすべて韓国人が韓国式でやっているからなんだ。失敗したくなかったら日本人でやらなくちゃだめだよ」
私は彼のアドバイスには従いませんでした。
日本のコンサルタントを使い日本人で準備をしていけばもっとスムーズにスタートできたのかもしれません。でも良いのです。
今がゴールではなくスタートラインに立った所です。これから始まる未知のビジネスをフィリピンでやっていくのです。フィリピンの仲間と一緒に失敗から学び成長しないと意味がないと思ったからです。
忙しかった準備期間が終わりやっと世界一のオンライン英会話とフィリピン留学への第一歩が始まりました。

玉砕に次ぐ玉砕

新しいビジネスは甘くはありません。一生懸命宣伝するのですが生徒が集まらないのです。全くの素人が教育産業に参入したのだから仕方ありません。

何とかオンライン英会話の生徒を集めなくてはならない。東京のバイク便が頑張りました。
発想は運送屋ですから、先ずはパンフレットを配ったのです。学校がスタートするまで続いたデモ生徒役でフィリピンの先生との絆は強くなっています。今度は本業でバックアップするのでめちゃくちゃ気合が入っています。パンフレットを10万枚作ってライダーみんなで都内に配る事にしました。バイク便は10万枚なら週末だけで配ってしまうほどの実力者の集まりです。
ライダーが集まって準備をしています。
私が
「一人がどれぐらい配れるんだ?」
と訪ねると
「そんなの荷箱いっぱいに詰めて最後まで配ってくるよ。数は何枚でもいいから詰めるだけ詰めてくれ」
ネットで拡散させる方法は苦手ですが現物を配るのであれば得意です。10万枚が瞬く間になくなっていったのには驚きました。フィリピンチームを何とか助けたかったのです。

24時間受け付けているオペレーションセンターでドキドキしながら電話を待ちました。
10万枚パンフレットを配ってどの程度反応あるかわかりますか?
なんと「0.01%」ではなく、「ゼロ」だったのです。全くの反応無し、ショックでした。
後で考えてみると誰も知らないオンライン英会話をスカイプでフィリピン人と勉強する。ましてバイク便がやっているわけですから簡単にいくはずがありませんでした。

パンフレット作戦に玉砕して次にやったのはバイク便のライダーが荷物の集配先で直接パンフレットを配り説明をすることです。
毎日企業に1000件以上配送しているし、顔見知りになっている取引先も多いのでポスト投函より期待しました。結果はこちらも玉砕です。
バイク便の担当者は当然会社の社長さんのわけがなくメール室の嘱託さんか受付のお姉さんが多かったのです。結局、会社の経営陣まで話が進むことはありませんでした。

もちろん営業部隊も頑張りました。一軒一軒飛び込みでオンライン英会話を説明して回ったのです。
話を聞いてみると先ずスカイプを知らない、コンピュータも殆んど無いか使っていない。昼間家に残っている主婦はだいたいそんな感じでした。
「ダメです。スカイプすら知らないです。無料の海外電話といった瞬間にドアを閉められてしまいます」
「タダほど怪しい」と思うのですね。無料のテレビ電話でフィリピン人とオンライン英会話、それをバイク便、、、今思えば僕でもやらなかったと思います。飛び込み営業も玉砕しました。

思ったよりスカイプの認知が低いのが意外でした。海外と取引があると当たり前のように使っていたのですが普通の生活だと必要なかったのです。
また英語、英語と叫ばれていたのですが日本全体からしたら、たいしことありませんでした。新しいものを売るのがこんなにも大変なかと改めて思い知らされたのです。

エリートとの決定的な違い

頭の良い人とのビジネスと決定的な違いがあります。エリートは行動の前に問題を提起して解決策を考えますが私は理想に向かって解決策が見つかっていなくてもやってしまいます。今回も事務所費、人件費、通信費、設備費を考えるとできません。たくさんの先生を一か所で教育して品質を上げて勝負する。違いが理解されて生徒が集まれば軌道に乗るはずですがどうやって生徒を集めるのかは失敗しながら探すしかなかったのです。

今回、生徒が集まらないのも想像通りと言えばその通りです。
「先生は全員フィリピン留学のベテランでプロフェッショナルの正社員」と謳っても普通の人はそこまで気にしません。まして半年やそこいらのトレーニングではバイトを使った話し放題の学校とそこまで決定的な違いがでなかったからです。
最後まで自分の理想が正しいと信じるしかありません。いつか必ず我々の品質が理解される。ただ単に会話を楽しむだけでなく英会話の勉強をオンライン英会話でやる時代が来ると信じてがんばったのです。結論を出すのは最後の最後でいい。それまではチャレンジするのみです。

私は誰もやったことがないビジネスに対し「問題を提起して解決策を考えて準備して」という事が本当にできるのか興味があります。事前に問題が提起できて解決策が分かるようなら大した問題ではありませんし、解決策が思いつかないからと言ってやってみないと脳が活性化されずヒラメキがおきません。私が理想とした幽霊会員を期待しない方法も事前に答えを見つける必要があったらスタートできなかったと思います。経営に一番重要なのは、明確なビジョンとそれを実現させるパッション(熱情)なのです。

少し余談ですが、実は夢があっていつかアメリカで最先端のビジネスを学んでみたいと思っています。大学を出ていないのでどうなるか分かりませんがMBAで自分のやった方法が正しかったのかどうかが勉強してみたいのです。普通は学んだことをビジネスに繋げるのでしょうが私は逆になってしまいました。ビジネスを成功させることができたら検証してみたいのです。私が学んだ自慢のフィリピン英語でライバルのエリートがどのような発想でオンライン英会話作っていたのか勉強したいと思っています。

思わぬ転機が来ました。実は重要な事を忘れていたのです。次からはフィリピン留学編になります。