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第2章 フィリピン留学編

第29話 言い訳した時点で敗北

すべては自業自得

海外でビジネスをしていると思わぬ困難に出会います。確率からすると誰もが必ず騙されたり、想定外の困難に出会うはずです。それを言い訳にして撤退した時点が負けなのです。今、海外に残っている方はみんな乗り越えてきたのです。わたしもこの程度でへこたれるわけにはいきません。

フィリピン留学への投資は大きいのでどうやって対処するのがいいのか悩みました。すぐに行動してもめても困るのでコンサルタントのミスタージョンに相談へ行ったのです。
「フィリピンは銃があるから訴えたらダメだ。慎重に行動しよう」
「でも証拠はある。電気屋も証言してくれるし、その他の業者の見積りも取り直した」
それでもジョンは
「でも業者は証言しないぞ、自分でも一割抜いたのを認めるわけがない。電気屋だけだと弱い」
「レストランもアルの名義でやっている。売り上げをプールしているお金も数百万円、彼の口座にある。これだけでも取り戻したい。なんとか上手い方法を考えて欲しい」
「よし、作戦を考えてみるよ。少し時間をくれないか。でも早まって警察に言ったらだめだぞ。ここはフィリピンで危険だからね」
コンサルタントのジョンもアルとの「絆」だったのです。相談した瞬間に電気屋に手を回して証言を変えさせ、レストランのお金も引き出されてしまいました。

アルとは10年前に出会って一緒にレストランを作り、念願のオンライン英会話とフィリピン留学を融合させた学校をオープンさせる寸前のところまで来ていました。
しかし自業自得です。今思えば私の心の中に純粋な「人情」ではなく便利なアルを利用する気持ちがあったのです。Give and TakeのTakeを考えた瞬間に人情ではなくいくらGiveしても「絆」にならなかったのです。
幸い早く気が付いたので致命傷ではありません。私のオンライン英会話もフィリピン留学も始まったばかりです。この程度でへこたれるわけにはいきません。

ねじり鉢巻きで300人、陣頭指揮に立つ

オンライン英会話もフィリピン留学も工期は待ってくれません。即、別な方法を考えなくてはなりませんでした。
アルのチームは外さなくてはならないのでマネージメントがいなくなります。結局自分でやることにしたのです。
ねじり鉢巻きをして300人の総指揮をとることにしました。ようは職人相手なので英語でやる以外は慣れています。

先ず、300人のワーカーを減らさなくてはなりません。
今までは必要以上に多く雇い、職人の給料から10%ピンハネをしていたのです。それで人数が膨れ上がっていたのです。
仕入れの方法も変えました。買い物はエッサンに回らせて金額だけ交渉させます。後はドライバーに取りに行かせ、支払いは必ず学校の事務所に来てもらいヘルガから払うようにしました。
そして仕入れ先も定期的に変える。同じ仕入先を使い続けると癒着がでてしまうからです。

マネージメントは得意のバイク便式です。
小さな会社を率いるのに戦国時代の武将のような気持ちでやると上手くいきます。
「先頭にたって馬にまたがり刀をもって攻め込む」といった感じです。後ろから指示をだしても上手くいきません。いわゆる「やって見せて、言って聞かせて、させてみて、褒めてやる」方式です。
昔からマネージメントの基本はやる気にさせてなんぼです。一緒に走って仲間意識をもたせるのがバイク便式なのです。

大工のスピードは一緒にやることで劇的に改善しました。
とにかく具体的に頼むようにするのです。90センチで100枚、切った残りは2分割、その内50枚は4分割と言った感じです。ただ単に棚を作れとは命令したら上手くいきません。すべて自らわかりやすく絵をかき設計図を書いて板をどう切っていくのかも説明していきます。ドア一枚、棚ひとつ全部図面を書きました。もちろん素人なので展開図も手書きで、長さもすべて現場で測って進めていったのです。
結構何とかなるものです。キャドがとか、コンピュータで設計して、なんて必要ありませんでした。電卓で計算したら紙にどんどん書いていき、組み立てていくのです。
組み立てる順番も支持しなくてはなりません。先にこっちに釘を打って、その後こっち、それを100セットといった感じです。初めに1500人分のロッカーをベニヤ板で作らせたのです。そしたら扉の向きは右についたり左に着いたり、大きさまでバラバラで高さは凸凹になってしまいました。日本なら通販で買ってしまうのですがね。
前にも言いましたがフィリピンで職人を呼んで作らせるといっても大工さんはノコギリもカナヅチも持っていません。電気屋さんはドライバーすらありません。もちろん塗装屋さんはペンキどころか塗る刷毛も持っていないのです。
すべて自前で買い揃えました。学校が完成するころには電動ノコギリ、電動カンナにドリル。塗装用にコンプレッサーだけでも5台所持するようになっていました。
すでに建築屋さんを創業できるくらいの設備をもっています。私の経験から発展途上の国では行動をしているといくらでもビジネスチャンスがでてきます。その気になればオンライン英会話やフィリピン留学だけでなく建築屋もできると思いました。

6ヶ月かけてオンライン英会話の授業をする机1000以上、そしてフィリピン留学の教室は130部屋、食堂にステージ、自習室、など、ついに4400平米の学校を作り上げたのです。
引っ越しが成功した時は感無量でした。

ついにフィリピン留学が始まりました。もちろん順調ではありません。