最大の試練「泣きっ面に蜂」 | QQ English創業物語 | オンライン英会話ならQQEnglish

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第2章 フィリピン留学編

第35話 最大の試練「泣きっ面に蜂」

黒田バズーカ砲

2013年になって直ぐでした。日銀の黒田バズーカ砲で撃たれたのです。最前線で必死に戦っている最中に後ろから味方に撃たれた心境です。
やっと軌道に乗り始めてきた英会話ビジネスが一気に窮地に陥りました。オンライン英会話とフィリピン留学の相乗効果でやっと黒字化できる寸前の所で、急激な円安に襲われたのです。世界で活躍している日本の同胞は死にそうだったと思います。
私にはどうして自国の通貨の力が落ちる事が良い事なのか解りません。

日本は世界で日本人しか使わない日本語のバリアで自国を覆い、外からの文化も風習もシャットダウンして独自の進化を遂げています。輸出、輸出といっても日本の輸出依存度はたった11.4%しかありません。
せっかく日本は世界最高の工業立国になりながらグローバル展開ができていないのです。現在の日本はグローバル展開できる企業が沢山ありながらグローバル人材がいないことにより技術だけが流出しているのです。
私が考えるに、たった11.4%の輸出依存度しかないのに円安で景気が良くなるのは日本人が英語を話せないからだと思います。日本人が英語を話し海外で自由に活躍する力があるのなら円高の方が良いに決まっているからです。

もしこのまま円安が続いたら海外に出ていくチャンスはますます奪われ、最後には海外の資本に日本の技術は買いたたかれてしまうと思います。
日本人に必要なのは先ず英語を話せるようになり海外に出ていく事なのです。そのためにはどうしても円高が必要です。少子化が進む日本は海外に打って出るしか活路がないからです。
これからは日本国内にいて、せこく円安を期待して海外に何かを売るのではなく、自国の通貨高を利用して世界中の良いものを呼び込み、そして世界のあらゆる所で世界最高の物を生産するべきです。
バイク便の私でもオンライン英会話とフィリピン留学を使い海外で勝負しているのです。海外で戦う同胞の為にも黒田バズーカ砲で円安誘導するのでなく、グローバル人材の育成に力を入れて王道で世界と戦ってもらいたいものです。

今回はオンライン英会話とフィリピン留学の売り上げが3割も吹っ飛んでしまったので泣きそうでした。

セブ島大地震

2013年10月15日に大きな地震がセブを襲ったのです。セブは大きな自然災害が無いと信じられていたのですが、世界中安心できる場所はないと思い知らされました。
日本人としてはたいしたことない震度4位の揺れだったのですが、セブの人にとっては大きな揺れです。先生と留学生が一斉に非難をした姿を見せしたかったです。フィリピン留学の生徒を連れて一階まで下りて学校の前の広間にチームごとに集まって次の指示を待つ。あまりに秩序良く避難したのでびっくりしました。
実は今の話の2年前に序章があるのです。セブで大きな地震は私が来て二度目なのです。大きいと言っても前回は今回より一回り小さい震度3程だったのですが、初めて地震だったのでパニックになりました。
当時はITパーク内の別のビルでしたがフィリピン留学をやっていなかったので先生とスタッフで50名程でした。しかしもう大騒ぎです。丁度スカイプで東京と話していいて「少し揺れているね。セブでも地震があるんだ」などと呑気な話をしていたら、真っ青な顔をした7人のスーパーティーチャーが走ってきました。
「みんな逃げているわよ。らいこうも早く」
「この程度なら問題ないから逃げないように話してきなさい」
「何言っているよ!」
血相を変えて怒っています。
先生たちはパニックを起こし殺気立っていました。過呼吸を起こして倒れている先生もいて
「人工呼吸をしなくちゃ~~」
と蜂の巣を突っついたようになっていたのです。
秩序もくそもなく一目散に逃げていって、事務所がシーンと静まり返ったと思ったら次の瞬間
「わー」
と言って先生が階段を駆け上がってきたのです。
当時のオフィスは7階でした。
「らいこう大変よ。津波がくる」
「私達死んじゃう。どうしよう」
「屋上に逃げなくちゃ。らいこうもいっしょに逃げるのよ」
と泣きながら言ってくるのです。
「ちょっと待ってよ、震度3程だからたいした事ないでしょう。ここは海から離れたビルの7階だよ。津波がきても大丈夫だ」
全く通じませんでした。
「もう、ショッピングモールまで津波が来ている」
「海沿いは全滅した」
とチャットやらメールやらでデマが飛び交っていたのです。
やっと落ち着かせて話ができるようになるのに2時間以上費やしたのでした。
当然、津波も何も来ないのでオンライン英会話の授業を再開させたかったのですが
「家族が心配だ」
「津波で家がないかもしれない」
「助けにいきたい」
どう考えても大丈夫だと思ったのですが優しさとホスピタリティーはフィリピン人の利点です。あきらめて授業をストップすることにしました。
そのあと東京のオペレーターはオンライン英会話の全生徒に事情を話していかなくてはならなかったので、大変だったと思います。

この時の教訓で避難訓練を義務づける事にしたのです。
前回より酷い揺れだったのですがフィリピン留学の生徒を含めて訓練通りできたのは、経験と訓練があったからです。

10月の地震でセブの歴史的な建造物に被害がでました。
もっともITパークで最新のビルにいる私達の学校はびくとしていません。引っ越し先を探す時のポイントに地震も入れていました。構造計算をした図面を見せてもらっているのですがマグネチュード8でも大丈夫です。