最大の危機「私達を売って」 | QQ English創業物語 | オンライン英会話ならQQEnglish

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第1章 オンライン英会話編

第4話 最大の危機「私達を売って」

必ず生徒を取るわ

ノリーンが話し始めました。
「オンラインで稼ぎましょう。幸いフィリピン留学がダメでもオンライン英会話の生徒は減っていないわ。むしろ台風の情報が気になって増えているじゃないの。オンライン英会話で売り上げをあげるのよ」
そく反応したのがドーリーです。
「私達が教えましょう! 今からシフトを組むのよ。直ぐにやれるわ。らいこう、100ポイントで私達を売って。必ず生徒を取るわ」
オンライン英会話では色々なポイントで教えている先生がいて一番の新人は25ポイント、普通は50ポイントで教えています。最近はベテランで人気の高い先生をスーパーティーチャーと呼んで75ポイントで教え始めているのです。
そもそものスーパーティーチャーは今いるスーパーバイザー達の呼び名でした。当時イギリス人のスタッフがスーパーティーチャーは変だ。シニアティーチャーが普通だと意見したのですが、スーパーティーチャーはスーパーモデルみたいでかっこいい。結局ネイティブのイギリス人が折れて私達の上級ティーチャーはスーパーティーチャーなのです。イギリス人のジェームズはオックスフォード大学の言語学部を首席で卒業しマスターを3つも持っている天才なのですがね。
今、元祖スーパーティーチャーであるスーパーバイザーが7人、その下に直接授業を持っていないトレーナーの先生が20人、そして現場のリーダーであるスーパーティーチャーがいます。
ドーリーはスーパーティーチャーの上を売り出せと言っているのです。
「私達スーパーバイザーなら100ポイントは当たり前よ。絶対売れるわ。いいえ売ってみせるわよ」

今まで、ゼットは問題が起きるたびに先頭にたって解決をしてきました。現場のカリスマ的存在です。400人の尊敬を一身に浴びていると言って過言ではありません。
「まずはチームリーダを招集しましょう。ミーティングよ。現場にもさらに頑張って貰わなくちゃ。彼らにはリピート率を上げてもらわないとね。目標は高ければ高いほどいいわ。デザリー、一緒に作戦を練りましょう。20%は増やすわよ」

危機の乗り切り方

今回の危機を乗り切るのに二つの方法があります。一つはリストラです。先生を100人程切ってしまえば解決できます。
もう一つはやる気にさせて力を発揮してもらう日本式の方法です。
私は彼らを信用して「縁」「人情」「継続」「絆」で乗り切る方法を選択しました。信じてくれる仲間の期待に応えたいと思う気持ちが発揮する力を使うのです。

さっそくチームリーダが招集され7階、10階のフィリピン留学から30人、9階のオンライン英会話から10人が加わりました。
殆んどがスーパーティーチャーになっていて75ポイントの先生たちです。
一チームは10人で構成されていて40チームあります。普段、チームは生徒の満足度やクレームが出た時の対応から出席率や生徒の維持率などで競争しています。
そしてチームリーダを束ねているのがデザリーです。
デザリーが話し始めました。「これからはみんなにも協力してもらわなくてならないわ。わかっていると思うけど留学生が減って一大事なの。」
「そう思っていたわ、昼の留学生が全然いないのだもの」
チームリーダ達が口々に答えます。
「私達にできることはないの?」
一人が話すとゼットが
「今あるオンライン英会話の生徒に全力で当たるしかないわ。授業がない先生はオンライン英会話を手伝ってちょうだい」
デザリーは指示を出し始めました。
「直ぐにシフトを作り直すのよ。そして皆はチームを締め直してちょうだい」

チームはいつも「絆」を大切にしていて毎日ミーティングをしています。チーム内の成績が悪かった先生を助け合ってレベルアップをはかっているのです。
日本式のリーダーは多くのスタッフに慕われ心を一つにして一丸となって戦える仲間を持つ人です。トップから末端のスタッフまで繋がっている会社は心が一つで一丸となって戦えるから強いのです。
リーダーがまるで自分の事のように下の者を大切にして面倒見ていると信用して付いてくるのが人間の習性です。

「今こそ頑張り時よ。みんなで団結しましょう」困ったときに利害を考えずに助け合う。彼女たちの得意技です。
「私のチームは30%底上げできるわ」
「私達も残業する。土曜日とか、日曜日に出てきても構わないの?」
どんどんアイディアがでてきます。
ゼットが
「スーパーバイザーも100ポイントで参戦するわ。久々に実践だから腕が鳴るわよ」
気持ちが盛り上がってきたのか口々に
「そもそも私達がスーパーティーチャーと呼ばれていたのよ。みんなには負けないから」
「らいこう、東京に連絡してちょうだい。直ぐに授業の数を増やしましょう」
「スーパーバイザー7人とトレーナー20人で27人分多く枠を作って頂戴」
「オンライン英会話とフィリピン留学の両方をする先生をオンライン専門にシフトさせるので、その分もね」
「私達も残業も忘れないで」

「縁」「人情」「継続」「絆」は一日にしてできるものではありません。しかし一度信じ合う心ができあがれば優れたリーダーが合理的に解決するのとは違い助け合って解決していきます。何か予期しない問題が起きた時チームワークで信じられない力を発揮するのが日本人です。戦後の復興にせよ東北大震災からの復興にせよ世界が驚嘆する力を発揮するのです。

一か月で1500万円以上のマイナスが出ているので27人の先生を高値で売ってオンライン英会話の先生を増産したとしてもまだまだ足りません。
私がどのようにして人間関係を作り想定外の困難を乗り切っていったのかをお話します。