誰もやっていない方法でやる | QQ English創業物語 | オンライン英会話ならQQEnglish

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第1章 オンライン英会話編

第9話 誰もやっていない方法でやる

自分の力でやってみる

海外でビジネスを始めるのに誰かにやらせようとしてもダメです。「コンサルタントに頼んで分析をして現地の専門家にお願いする」一見妥当な選択に思えるのですがお勧めしません。新しいことにチャレンジするのに他人に聞いても答えがあるはずもありませんし、相談された方もリスクがあることはアドバイスできないからです。先ず現地に乗り込み自分の目で見て感じ、そして自分自身で行動するしかありません。
海外で起業すると騙されたり想定外の事がたくさんおきます。しかし自分で一から経験していると何があっても対応できるのです。

2009年になって直ぐにオンライン英会話の事務所探しがスタートしました。
レストランを任せていたエリート男性のアル。
アルがどんどん情報も持ってきました。「僕の知り合いに不動産屋がいる。らいこう、会ってみないか?」
「外人が会社を作れるエリアがある。税金の免税特区にもなっている。税理士の知り合いがいるから頼んでみるか?」
全ては手探りで始まったのです。
オンライン英会話はレストランとは許認可も、要求される書類の内容もまるで違います。しかしビジネスをしていた経験は役に立ったのです。
11年前、フィリピン留学の受付で出会い、4年間のレストラン経営で出来た関係を頼りに進めていきました。日本人相手にビジネスを助けるコンサルタントもあるのですが、アルの伝手を探って一つずつ自分たちでやっていったのです。
自分で行動しないと経験にならないし、せっかくフィリピン留学で英語を勉強し、人脈もあるのだから自らの手でやってみたいと言う気概もありました。
基本的にフィリピンでは外国人が会社を100%の出資比率で持つことができません。しかしペザと言われる特別区があり、オンライン英会話なら外国人が100%出資でき、かつ5年間の税金免除を受けられるエリアがあったのです。
本来は輸出をする製造業だけに認められていたのですが、最近ネットビジネスにも適用が始まりインターネットを使って海外の顧客が7割以上であればペザが認められるようになりました。

ITパークで勝負する

私が選んだIT特区、ITパークは当時セブ島でネットビジネスのペザが認められる唯一のエリアだったのです。広々とした敷地にゆったりと20棟ほどのビルが建っています。空地には芝生が敷き詰められていて、ここだけ見るとシンガポールにでも来たような錯覚に陥ります。
オンライン英語で一番重要なのはネット環境です。フィリピンはまだまだ発展の途上にあるのでブロードバンドが普及していません。ビルの施設が整っていて光ファイバーが来ているのもITパークだけだったのです。
日本でいえば六本木エリアのようなイメージの所で、セブ島のヒルズです。IT系の会社がたくさん集まり、アメリカのコールセンターが立ち並ぶ場所なのです。IBMを始めJPモルガン、アメリカンホームダイレクト、グーグルなど色んな業種のコールセンターが集まっていました。

当時ITパークは日系どころか韓国系のオンライン英会話すら進出していません。
家賃が高い場所なのでコストを重視するフィリピン留学やオンライン英会話からは見向きもされていなかったのです。
合理的に考えると二の足を踏みますが私の直感はITパークでした。韓国と同じことをやっても仕方ありません。誰もやっていない方法を考えることにしたのです。
イメージがいいので良い人材を集めやすい。品質を重視して「一番いい場所で一番の学校を作る」と決意したのです。

セブ島に長く住んでいる年配のかたから
「藤岡さん。ITパークは昔かしセブの飛行場だったんですよ。そこを再開発してビルが建っているのです。第二次世界大戦の時、初めての特攻隊がレイテ島に向かって飛んだのはITパークの飛行場からなのです。いろんな外資系の会社が進出してきていますが私達日本人にとって思い入れのある場所です。何としても成功してください」
セブにも色々な歴史があるのだと初めてしりました。私のオンライン英会話はITパークの一番小さなオフィスからのスタートでしたが「絶対に成功するんだ」と心に誓ったのです。

企画書が作れない

今回新しく始めるオンライン英会話事業に企画書はありません。前例がない新しいビジネスなので何をどうしたらいいのか事前には予想できないからです。今までやっていたレストランは合理的に考え事前に問題を提起し解決策を準備して始められました。しかし今回はできません。とにかくいろいろ起きる想定外の問題にそのつど対処していくしかないのです。
企画書は既にあるビジネスを新たに始める時の為にあります。誰もやったことがないビジネスを先陣切ってやるのには無意味だと思っています。企画書を書いて成功しそうに思えるアイディアは参考になるビジネスがある二番煎じが多いですし、誰もやっていないビジネスは企画書を書くと問題点が多すぎて止めたくなるからです。
理想を決めたら感じたままに挑戦すべきだと思います。行動すると失敗し、失敗するから脳が活性化され解決策が出てくるのです。

不思議と気持ちはとても前向きでした。誰もやったことがないビジネスを海外でやるので興奮していたのです。地図の無い林道にオフロードバイクで入っていく感じです。ワクワクしていました。

アルの紹介で、ITパークにできたばかりのビルの一角に仮の事務所を確保しました。
アルの友達がオーナーの家庭教師をしていた関係で実績がないのに優遇してもらえ400平米のスペースを借りることができたのです。初めからそれほど大きな場所は必要なかったのですが、さすが一等地です。小さいサイズでは貸してもらえませんでした。

オンライン英会話をやるのに一番想定外だったのがネット回線の利用料金です。
「アル。信じられない、担当者をもう一度呼んでほしい。見積もりが間違っている」
契約はドルで表示されていました。
日本では100メガの回線を5000円程で契約できます。フィリピンの値段をみてびっくりしました。
「1メガ500ドル、え、100メガで一か月500万円もかかるのか?」
日本が安いといっても違いすぎます。10倍程度の値段の差ならわかりますが1000倍は信じられません。
「らいこう、間違いないよ。マネージャーもサインしているし」
「よし、もう一度営業を呼ぼう。そしてそのマネージャーも一緒に頼む」

結果、アルの持ってきた見積もりで間違いなかったのです。
100メガ、1か月500万円で計算しなくてはならなくなりました。
「オンライン英会話をやるのに一回線どれだけの容量がいるんだ? 1メガで何回線使えるんだ?」すべて手探りでの準備だったのです。
やってみないとわからない事が多いです。常識が違うので日本では考えられない予想外のコストがかかってしまいました。