ヒップホップがよくわかる!頻繁に使われる英語略語(スラング)10選
今回は、「RIP SLYME」や「RHYMESTER」、現在大ブレイク中の「Creepy Nuts」など、日本でも市民権を得たといっても過言ではない、音楽ジャンル「ヒップホップ」から学ぶ英語について見ていきます。
英語圏発祥の音楽であるヒップホップでは、日本のアーティストの曲であっても英語が出てくることがとても多いです。今回はそんなヒップホップに特有の英語表現をいくつかご紹介します。
ヒップホップの特有の表現とは
ヒップホップはストリートを中心として発展してきたことや、ラップバトルも「相手より自分が優位である」という姿勢で行われることから、砕けた表現や攻撃的な表現、勢いのある表現が特徴的です。
この後は、そんなヒップホップに特有の面白い英語表現を見ていきましょう。
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ヒップホップでよく使う英語
【1.MC(エムシー)】
ヒップホップ関連でなくても、パーティー等の進行役をこのように呼ぶこともありますね。
ヒップホップでのMCは、「ラップをする人」つまり「ラッパー」を指します。もともとは”master of ceremonies”の略語で、ヒップホップにも最初はその意味で取り入れられましたが、後に“microphone controller”という「ラッパー」に特化した意味が付け足され、現在はヒップホップにおける“MC”は後者の略語であると解釈されることが多いです。
【2.a.k.a.(エー・ケー・エー)】
初めて見ると読み方に戸惑うこちらの単語は、“as known as”の略語で、「~として知られる」「別名~」「またの名を~」のような意味を表します。
ラッパーは、一般的に本名のままではなくMCネームを用います。MCネームとはいわばペンネームのようなもので、それぞれのラッパーのバックグラウンドや思いが込められた、深みのある名前であることが多いです。そのようなMCネームを名乗る際に、「本名 a.k.a. MCネーム」のような形で用います。「MCネーム a.k.a.通り名」のように使われることもあります。
・例:山田太郎 a.k.a. MC YT、MC YT a.k.a.山田町の番犬 など
好きなラッパーができたら、そのMCネームの由来を探ってみると楽しいかもしれませんね。
【3.heads(ヘッズ)】
こちらは「頭」の複数形、という文字通りの意味ではなく、「ヒップホップが好きな人々」「ヒップホップファン」を指します。「頭」がたくさん→人がたくさん→ヒップホップが好きなたくさんの人々、というイメージで考えるとしっくりきますね。
【4.vibes(バイブス)】
もともとは「振動」を表す英単語“vibration”の略語で、「雰囲気」や「気合」などの意味で使われます。「その場の空気」「言葉にしなくても伝わること」のようなものを指すと考えればわかりやすいかもしれません。
日本語にもカタカナで取り入れられており、ヒップホップに関係のない場面でも「バイブスが上がる」のように用いられることがあります。かなり漠然とした表現のため、あまり間違いを気にせず「いい雰囲気だな」と思った時などに使ってみてください。
【5.rollin’(ローリン)】
最後の“ ‘ ”の部分は“g”の省略を表しており、動詞“roll”のing形になっています。通常であれば「回転」「(雷の)とどろき」のような意味ですが、ヒップホップでは「お金がたくさんあって贅沢な暮らしをする/している人/している状態」を表します。
【6.dawg(ドッグ)】
ヒップホップ特有の単語で、「仲間」や「いい友達」という意味で用います。“friends”と言うよりも、おしゃれでかっこいい感じがしますね。「犬」を表す“dog”と同じ発音で、由来もこの“dog”にあるとされています。
友人への呼びかけや、特に意味はなくとも文末に付けることで親しみを表現する意図でも使われます。
・例:What’s up, dawg? (調子どう?)
【7.posse(ポッセ)】
これもヒップホップに特有の単語で、「志を一つにした(目的を同じとする)仲間、集団」という意味で用いられます。
上記の“dawg”もそうですが、ヒップホップの英語には仲間や友達を表す表現が豊富にあり、そのような表現は「俺たちがいれば怖いものなしだ」「自分たちは固い信頼関係で結ばれている」「最高の仲間」といった文脈や意図で使われることが多いです。
ラッパーと言うと個人のイメージがありますが、ヒップホップは本来仲間を大切にする文化なのだと言えるでしょう。
【8.chill(チル)】
通常は「寒気」「~をひやりとさせる」「~を冷蔵する」のような意味を持つ単語ですが、ヒップホップでは「リラックスする」「くつろぐ」のような意味で用います。
“chill out”の形でもよく使われ、近年ではヒップホップの文脈以外でも、主に若い人に用いられています。(例えば形容詞的に「チルい〇〇」)
日本でもTシャツなどの雑貨にプリントされていることがあるので、目にしたことのある人は多いかもしれませんね。
【9.wack(ワック)】
本来は「奇人、変人」という意味の単語ですが、ヒップホップにおいては「つまらない」「良くない」のような意味で用いられます。
先ほど見た“dawg”や“posse”とは異なり、自分や仲間について述べる時というよりは、ラップバトルのような場面で相手をけなす際などに使います。マイナスな意味の言葉なので、使う場面を間違えて失礼になってしまわないように注意してくださいね。
【10.do or die(ドゥ オア ダイ)】
文字通り解釈すれば「やる、あるいは死ぬ」という感じになりますが、ヒップホップ用語としての意味も「やるかやられるか」なので、文字通りの意味に比較的忠実な使い方と言えそうです。「死ぬ気でやる」「当たって砕けろ」のようにも使われます。
・例:It’s do or die. (やるしかない状況です。)
くよくよしたり言い訳したりすることを嫌い、カジュアルで勢いのある文化であるヒップホップにぴったりの表現ですね。
まとめ
既にヒップホップのファンだという人も、これまで全く聴いてこなかったという人もいるかと思います。
どちらの方も、これを機にヒップホップ特有の英語表現をマスターして、ヒップホップの世界に踏み込んだり、あるいはもっと深めたりしてみてくださいね。