使役動詞を使えば英会話の幅が広がる!4種類総まとめ
英文法には、主に4種類の使役動詞があり、これらを使うと「〜させる」「〜してもらう」を英語で表現できるようになります。しかし、これらの動詞の意味や使い方は混同しやすいので、使い方を間違えてしまうことや、場合によっては会話の聞き手に対して誤解を与えてしまうこともあります。
そこで今回は、この使役動詞4種類「make」「let」「have」「get」の意味と使い方について、ご紹介していきたいと思います。
使役動詞「make」
まずは、4つの使役動詞の中でも英会話で1番使われる、「make」について解説していきたいと思います。
(1)makeの意味
「make」は通常「作る」という意味の動詞で使われますが、この「make」には「〜させる」という意味の使役の役割もあります。
1つの単語が2つの意味を持つと紛らわしいですが、英文の構造や文脈を見て、どちらの意味か判別することが重要です。
使役の「make」は単に「〜させる」というよりは、人やモノに対して「強制的に〜させる」という意味を持ちます。
(2)makeの使い方
使役動詞「make」には主に、2つの用法があり、①make+O(人、モノ)+動詞の原型②make+O+過去分詞に分類されます。それでは、2つの用法をそれぞれ見ていきましょう。
①make+O(人、モノ)+動詞の原型
例文:
・He made me play the guitar.(彼は私にギターを弾かせた。)
・My mother always makes my shirt very clean. (私の母はいつも私のシャツをとても綺麗にする。)
※このように、モノ(shirt)が目的語になると、必ずしも「強制的に〜させる」という意味にはならず、「モノを〜状態にする」という意味になります。
②make+O+過去分詞
Make +O +過去分詞の形は、特殊で用法は限られていますので、以下の2つの熟語を覚えておきましょう。
❶make oneself heard
意味:「自分自身を聞かせるようにさせる」→「自分の声が届く」
例文:
・It was difficult to make myself heard on the train.
(電車の中で私自身の声を聞かせるようにさせることは難しかった。⇨私自身の声を届けることは難しかった。)
❷Make oneself understood
意味:自分自身を理解させるようにさせる→「自分自身を理解してもらう」
例文:
・I could not make myself understood in English on my first trip to Australia.
(私は初めてのオーストラリア旅行で、英語で私自身を理解させるようにすることはできなかった。⇨私の英語は理解してもらえなかった、私の英語は通じなかった。)
③make の受動態
使役動詞の「make」は受動態を使って表現することも可能です。上述の通り、「make」は「〜させる」という意味を持ちますので、これを受動態にすると「〜させられる」という意味になります。
そして、「make」を受動態にする時は、「be +make to」という形になります。
例文:
I was made to study in the library . (私は図書館で勉強をさせられた。)
なお、下記でご紹介する使役動詞「let」「have」「get」は「make」のように受動態の形で使うことはできませんん。
使役動詞「let」
(1) let の意味
「make」が「強制的に〜させる」という意味だったのに対し、「let」は「〜することを許可する、〜したいことをさせる」という少しニュアンスのことなった意味になります。
「let」は現在形も過去形も「let」ですので、文脈によって、現在/過去を判断する必要があります。
(2) letの使い方
「let」を使う際には、「let+O+動詞の原型」の語順になります。
例文:
・He let me enter this room. (彼は私をこの部屋に入れてくれた。)
・My boss let me leave the office when I was sick.(私の上司は私が病気の時、退勤させてくれた。)
使役動詞「have」
(1)haveの意味
動詞の「have」は通常「持つ」「持っている」という意味で使用される単語ですが、「have」は使役の意味で使用されることもあり、その場合「〜してもらう」「〜させる」という意味を持ちます。
使役動詞の「have」は「make」のような「強制的に〜させる」というニュアンスはなく、「その人がやることが当然のことをさせる、やってもらう」という意味を持ちます。
また、後述の通り、使役動詞の「have」は過去分詞と一緒に使うことで、「被害」(〜される、〜された)を表現することができます。
(2)haveの使い方
使役動詞の「have」には主に2つの用法があり、①have+O+動詞の原型と②have+O+動詞の過去分詞に分類することができます。それでは、2つの用法について詳しく見ていきましょう。
①have +O(人)+動詞の原型
まず、1つ目の「have + O(人)+動詞の原型」は「人に〜してもらう」という意味を表します。
例文:
・My mother had the repairman repair her bicycle.(私の母は修理業者に自転車を修理してもらった。)
※ここでは、修理業者に自転車を修理してもらうことが「当然」であり、「強制的に修理させた」わけではないので、「make」ではなく、「have」を使います。
②have+O(モノ)+動詞の過去分詞
2つ目の「have+O(モノ)+動詞の過去分詞」の意味は「(モノ)を〜してもらう」「(モノ)を〜される」という意味を持ちます。
例文:
・I had my phone repaired by my friend.(私は私の友達に携帯電話を修理してもらった。)
・My father had his bicycle broken yesterday. (私の父は昨日、自転車を壊された。)
・My son had his watch stolen at school. (私の息子は学校で時計を盗まれた。)
※例文の2つ目と3つ目は「壊された」「盗まれた」とあるように、「被害」を表しています。
使役動詞「get」
(1)getの意味
動詞の「get」は通常「手に入れる」という意味を表しますが、「get」には使役の意味もあります。
使役動詞の「get」は「have」と意味が似ており、「〜してもらう」「を〜される」という意味を持ちます。
ただし、「have」は「当然のことをしてもらう」というニュアンスがありますが、「get」には「当然」というニュアンスはなく、「頼んだ結果、やってもらう」という意味があります。
(2)getの使い方
①get +O(人)+to 動詞の原型
使役動詞の「get」にはこれまで上記でご紹介してきた使役動詞と大きな違いがあります。
使役動詞「get」には2つの用法があるのですが、1つ目は「get +O(人)+to 動詞の原型」というように動詞の原型を使わず、目的語(人)の後にくるものはto 動詞の原型(不定詞)となります。
上記でご紹介したものは全て「使役動詞+O+動詞の原型」でしたので、「to」を入れることを忘れないようにしましょう。
例文:
・He always gets his father to cook dinner.
(彼はいつも父に夜ご飯を作ってもらっている。)
②get+O(モノ)+動詞の過去分詞
そして2つ目の用法は、「get+O(モノ)+動詞の過去分詞」という形で、これは、「have」と同じように、(モノ)を〜してもらう」「(モノ)を〜される」(被害)と訳すことができます。
例文:
・I got my room cleaned by my mother.
(私は母に部屋を掃除してもらった。)
・I got my baggage stolen at the airport.
(私は空港で荷物を盗まれた。)
まとめ
本記事では、英文法の「使役動詞の意味と使い方」について解説してきました。
使役動詞の「make」 、「let」、「have」、「get」 をそれぞれ使いこなすことができれば、英会話における表現の幅をグッと広げることができます。今回ご紹介した例文や下記の表を参考にしながら、実際に使役動詞を使う練習をしてみましょう。
本記事も最後まで読んでいただきありがとうございました。
使役動詞の使い方
原型の動詞(do) |
不定詞(to do) |
過去分詞(done) |
|
make |
◯ |
× |
◯ |
let |
◯ |
× |
× |
have |
◯ |
× |
◯ |
get |
× |
◯ |
◯ |