「色彩」についての英語表現を学ぼう!基本色から流行色まで(カラーコード付き)
1. 色と文化は関係している! 人類に共通する色とは?
「黒は300色ある!」というアンミカの言葉は有名ですよね。色とは面白いもので、民族ごとに色に対する認識は異なり、色を表す言葉が出現したり消滅したりを繰り返しながら今日に至っています。
日本人が太陽を描くときは「赤」を選びがちですが、フランス人が太陽を描くときは「オレンジ」を選ぶ傾向にあるそうです。文化によって色彩感覚はそれぞれ異なり、色の境界線はさまざまです。
特に、日本人の色彩感覚は繊細と謳われることもあり、薄い藍色の”浅葱色”や赤みの薄い茶色の”團十郎茶色”など日本の固有色が存在します。
そもそも瞳の色でさえ千差万別なので、個人の虹彩によって色の感じ方が変わるのは十分にあり得ます。
文化や価値観に違いがあっても、全ての民族に共通している色を「基本色彩語」と呼びます。
人類や人種と聞けば差異について考えがちですが、時代にかかわらず人類が持っている普遍的な一面に意識を向けることも大切です。基本色彩語は全11色あります。
以下の表を作成したので、確かめてみてください。どれもポピュラーな色だと思います。
日本語 |
English |
カラーコード |
白 |
white |
#ffffff |
黒 |
black |
#000000 |
赤 |
red |
#ff0000 |
緑 |
green |
#008000 |
黄色 |
yellow |
#ffff00 |
青 |
blue |
#0000ff |
茶色 |
brown |
#a52a2a |
紫 |
purple |
#800080 |
桃色 |
pink |
#f5b2b2 |
橙色 |
orange |
#ffa500 |
灰色 |
gray |
#808080 |
そのほか、日本人にとって認識がなかった色は、専用の日本語が存在しないため主にカタカナ語で表記されるようになりました。
現代はグローバル化に伴い世界中の文化が入り混じっているので、例えば「カーキ(khaki)」は元々日本語にはない色ですが、現在では誰しも使う言葉になっていますね。
使用例
A: Hi there! What are you planning to wear today?
「やあ!今日の服装はどうするの?」
B: Hmm, I’m not sure yet, but I’m leaning towards these new khaki pants.
「まだ決まっていないんだ。でも多分、この新しい カーキのパンツを履こうかな。」
A: Sounds good! What about pairing them with?
「いいね!それに何を合わせるの?」
B: I’ll probably go for a white t-shirt and a black jacket.
「おそらく、白いTシャツと黒のジャケットかな。」
2.「color」と「colour」の違いとは?
「color」は「色」という意味を持ちますが「colour」も同様に「色」を表します。英語を学習していると、こういった綴りが若干異なる単語と出会うことがあります。
思わず「どちらが正しいの?」と疑問に思ってしまいそうですが、どちらも間違いではなく正しい英単語です。ですが、微妙に違いがあるため下の表にまとめてみました。
綴り |
発音記号 |
種類 |
意味 |
color |
【kˈʌlɚ】 |
アメリカ英語 |
名詞: 色・色彩・着色・顔色・精彩・校色・外見・音色・色調・砂金の小粒 動詞:色を塗る・染める・影響を与える・顔を赤らめる 形容詞: 色彩の・皮膚の色の |
colour |
【ˈkʌl.ə(ɹ)】 |
イギリス英語 |
「color」はアメリカ英語で「colour」はイギリス英語です。
イギリスはフランスに支配されていた過去があり、イギリス英語にはフランス語の影響を受けた単語が今でも使われています。
「color」のように英語で語尾が「-or」で終わっているアメリカ英語は、イギリス英語では「-our」に変化していることがあります。
例えば「労働」を表す「lobor」が「lobour」になったり、「ユーモア」を表す「humor」が「humour」と綴られたりすることがあります。どちらも間違いではありませんので億劫になる必要はありません。
同様に「灰色」を表す「gray」はアメリカ英語、「grey」はイギリス英語です。最近の大学入学共通テストでもイギリス英語が登場することがあるので、受験生の方も覚えて損はないと思います。
また「color」の品詞には名詞だけでなく動詞と形容詞もあります。合わせて覚えておきましょう。
3. 流行りのアースカラーを覚えてオシャレに!
地球温暖化や異常気象などの環境問題が世界的に取り上げられるようになって、自然を想起させる「アースカラー」という言葉を耳にするようになりました。
特にファッション業界で流行っており、アースカラーを基調とした洋服がトレンドになっています。
そもそもアースカラーとは地球にある自然物を彷彿とさせるカラーです。大地や空、緑、海を感じさせ、主張が少なくナチュラルで落ち着いた印象を与えるものが多いです。
英語で「earth color」と言いますが、カジュアルに「earthy color」と言うことも多いので、ぜひ覚えておきましょう。
今回は、トレンドになっているカラーを下にまとめてみました。X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでもよく見かけるカラーです。
日本語 |
English |
カラーコード |
ベージュ |
beige |
#eedcb3 |
カーキ |
khaki |
#c5a05a |
テラコッタ |
terracotta |
#bd6856 |
マスタード |
mustard |
#a7894b |
キャメル |
camel |
#bb8d5f |
使用例
A: My closet is filled with earthy colors.
「私のクローゼットのなかはアースカラーでいっぱいなの。」
B: You are influenced by trends.
「君は流行に影響を受けやすいからね。」
4. 英語で肌色は? 注意すべきポイントも!
多様性(diversity)の重要性が謳われている今日、人種やジェンダーなどで不適切な表現が改められています。
そういったあらゆる差別的な表現をなくす動きのことを「ポリティカルコレクトネス(Political Correctness)」と言いますが、色もいわゆる「ポリコレ」の対象になることがあります。
その一つに挙げられるのが「肌色」です。「肌の色」と書くので「skin color」だと表現してしまいがちです。しかし2024年においてはナンセンスだと思われてしまいかねません。
肌の色は千差万別であり、そもそも肌の色の違いについて語ることすらおかしな話です。差別意識への意識が高まって以来、「肌色」に関して色鉛筆は「うすだいだい」へ、ファッション業界は「ベージュ」へと表記を改めています。
ネイティブがいわゆる「肌色」を表現する際は「beige」か「peach」が多いようです。日本人が「肌色」と聞いて想像しているものは「peach」に近いように思います。
しかし、過剰に反応しすぎた「ポリコレ」が問題になることもあります。
ある広告に女性のキャラクターを起用しただけで「性的搾取」などの批判があったりと、その差別や偏見の判断は難しいところです。自分の表現で相手を傷つけてしまったときは、素直に謝りましょう。
同じく自分が傷ついたときは指摘してあげましょう。こういった衝突は避けられないところがあるので、思いやりのある主張と理解が必要です。
使用例
A: You know, it’s better to avoid using the term ‘skin color,’ right?
「肌色っていう表現はひかえたほうがいいよね」
B: I agree with you on that. We should use beige or peach.
「うん。賛成だよ。ベージュかピーチを使うべきだ。」
5. 色をぼかせる「ish」表現
英語で色を語るうえで「〜ぽい/〜がかった」を意味する「ish」を覚えておきましょう。
私たちが認識できる色は100万色以上あるため、普段の生活のなかでも「この色だ!」と言い切れないことがあります。その際「ish」を使うことで表現をぼかし「〜っぽい色だ」と言うことができます。
例を下に記したので、ぜひ参考にしてください。基本的にはどの色にも使えるので、臨機応変に組み合わせてみてください。
日本語 |
English |
赤みがかった |
reddish |
灰色っぽい |
grayish |
紫がかった |
purplish |
緑っぽい |
greenish |
ちなみに、英語でも色の濃淡を表すことができます。表現の幅が増えるのでぜひ覚えてみてください。
日本語 |
English |
明るい/薄い |
light |
淡い |
pale |
暗い/濃い |
dark |
使用例
A: He is so hot.
「彼ってイケてるよね!」
B: Really? He used to have reddish hair when he was a kid. He dyed his hair black.
「本当? 子どもの頃の彼は赤っぽい髪だったんだよ。黒に染めたんだね。」
6. 色を使ったイディオム
日本語には「青写真」や「黒幕」などの慣用句がありますが、英語にも色を使ったイディオムがたくさんあります。日常生活や海外ドラマなどで耳にするものをまとめたので、ここぞというときに使ってみてください。
イディオム |
意味 |
color a lie |
(嘘を)もっともらしく見せる |
white lie |
思わずついた悪気のない嘘のこと |
red flag |
危険だと喚起するサインのこと |
to paint the town red |
出先で豪遊すること |
once in a blue moon |
非常に稀であること |
yellow bellied |
臆病な |
pink slip |
解雇の通知のこと |
to be black and white |
選択肢が両極端であること |
greenhorn |
新米や素人のこと |
使用例
A: When did you see your grandfather?
「いつ祖父に会いましたか?」
B: About five years ago. I see him once in a blue moon now.
「5年前かな。今ではほんのたまにしか彼女に会わないよ。」
7. 終わりに
様々な色にまつわる英語を覚えれば、表現の幅がグッと広がること間違いないです!
特に英語圏では、容姿に関して服装を褒めることが多いです。身につけているものを話題にすることで会話が広がるでしょう。
またwebコンテンツをデザインするときに使うHTMLの装飾では、カラーコードだけでなく色を指す英単語を使うこともあります。
例えば「magenta(マゼンタ)」「Cyan(シアン)」「Lime(らいむ)」「Gainsboro(ゲインズボロ)」などです。色の知識を増やせばデザインのスキルも高まるので、ぜひ覚えてみてください。
色は文化と密接な関わりにあります。色への理解を深めることでその国の歴史や文化に詳しくなることができます。ぜひ気になった方は、国ごとの色彩感覚について調べてみてください。