名詞・代名詞の使い方~比較thanのあとの格~
thanを接続詞として扱った場合、thanの後の語は、名詞か代名詞の主格にするのが文法的に正しい表現です。
正式には、主格+動詞です。than I do のように書くのが正式な文章です。
ただ、わかりきった動詞であるdoは、文章でも省略されがちです。口語では、thanの後に目的格を使うことが多いようです。than meといった使われ方をします。
これはthanを前置詞として扱ってのことで、誤りではありません。口語ではthanを前置詞とし、その後に目的格を使うのが普通となっています。
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比較級の表現で多用されるthan
比較級の表現では、thanがよく用いられます。文章表現では、このthanを接続詞として扱い、thanの後には主格+動詞が続くのが正式な文章です。
しかし、この場合の動詞は、すでにthanの前の文で出てきている動詞であるため、一般動詞ならdoで代用されますし、動詞自体が省略されることもあります。
そのため、than I. といった文になることもあります。これは動詞を省略したために主格で文が終了したもので、口語ではほとんど用いられません。
口語では、thanを接続詞ではなく前置詞として扱い、thanの後に目的格を使います。
than me.といった文末になるわけです。
これは、文法的には誤りであるけれど、口語だから通用しているという解釈もあるようですが、thanを前置詞と考えた場合は、正しい文章です。
日本では正誤問題にされることも
日本の教育現場では、than I.のみを正解とし、than me.を不正解として教えることもあったようですが、現実として口語では、than me.が使われています。
これは、誤りでも口語だから多用されているわけではありません。
thanを前置詞として用いているためです。前置詞の後に目的格が来るのは正しいことです。そのため、than I.もthan me.も、両方とも文法的には正しいと言えるでしょう。
論文などを書く場合は、thanの後に名詞か代名詞の主格と動詞をはっきりと書いたほうが、意味を取り違えられる可能性が低くなるため、好ましいとされます。
そのため、両方の文法を知っておくに越したことはありません。thanを接続詞として使った場合は、thanの後には主格+動詞がくるのが正式であり、動詞は省略可能であるということを知っておくことが望まれます。
thanの後の格の正誤
以上のことからも、thanの後の格を正誤問題に出すのは、好ましくないでしょう。than I.もthan me.も、文法的に正しい文章です。
thanの後の動詞が省略されると、意味が取り違えやすくなる状況を想定し、その場合に的確な対応ができるよう促すような問題であれば、出してもいいでしょう。
単に主格か目的格かを問うのは意味がありません。両方とも正しいのですから。
than I.という文章の成り立ちも知っておいた方がいいでしょう。
本来、主格で終わるというのは不自然なことです。それゆえ、口語ではほとんど使われていないのでしょう。
than I.は、thanを接続詞として扱っていて、動詞の繰り返しを避けるために動詞を省略したことで、主格で終わることになった文章です。間違いではありませんが、聞く分にはあまりしっくりとこない表現のようです。
まとめ
thanの後には、主格がきても目的格がきても構いません。どちらも文法的に正しい文章です。
thanを接続詞として扱っている場合は、その後に主格と動詞が並ぶのが正式な文章です。その動詞は、thanの前の文で既に使われているため、動詞の繰り返しを避ける目的で省略され、主格で終わるという形になったものです。
thanを前置詞として使っている場合は、その後に目的格が来ます。このため、than I.もthan me.も、どちらも正しい用法です。