使い分けられていますか? How about~? とWhat about~? の表現

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更新日:2024年8月28日

使い分けられていますか? How about~? とWhat about~? の表現

difference_whatabout

会話の最中に小さな疑問や思い付きを提案する場合、どのような表現を使えばよいでしょうか。

“now”や”then”だと流れを遮って全く関係のない方向へと話題を変えるイメージや、強制的に話を終了して結論を導くイメージがあるので適当ではありません。

ただ、これは日本語でも同じだと思うのですが、いきなり言いたいことを喋り出すのはちょっと失礼ですよね。

そのような時に活躍するのが How about~?や What about~? を用いた表現です。

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2つの表現と両者のニュアンスの違い

How about~?とWhat about~?は、 大雑把に言えばどちらも「~はどうですか」を意味する質問の表現です。

相手の発言に反応して自分の意見を伝える時に使われます。使い分けが難しそうなこれらを文法的に区別する糸口は、使われている疑問詞howとwhatです。

How about~?のhowは、 How was your holidays? と同じ用法であり、根幹にあるのは「どのように」という意味です。

従って、How about~?は行為を提案する表現となり、通常はそれまで話題に上らなかった新たな意見を披露する時に使われます。

厳密に訳せば「それならば、~するのはどうでしょうか」とするのが適当です。

他方、whatは「何」を意味する疑問詞です。 時間や場所といった特定の概念に支配されず、「何」が対象とする事物に関しても特に枠を設けないのが特徴です。

そのため、それまで会話に加わらなかった友人が What about me? と切り出す際にも使えます。 What about~の意味は 「~はどうなるの」です。 少しの疑念や不満を含むニュアンスが含まれています。

英語で考えると、かなり異なる2つの表現の意味

英文を和訳した後の表現を見ると、この2つの表現はほとんど同じ意味に捉えられてしまいます。

そのため、日本人にとっては、「気分によって好きな方を使えばよいのでは」と思われがちです。

しかしそれは、誤りです。

曖昧に覚えてしまうと後で考えを直すのに苦労しますから、初めからきちんと使い分けを覚えることが肝心だと言えるでしょう。

実際のところ、 How about~?とWhat about~?は互いに置き換え可能な表現ではありません。

共通しているのは、共に会話の出だしには使えないことと、会話の中で何らかの提案をするのに使えるということだけ。 使われる状況を比較した場合、How about~?の方がより限定的です。

How about~? が使えるのはアドバイスを求められ、 「最後に決めるのは君だよ」という配慮を持ってそれに回答する時です。

語気は言い方によって様々な形に変化しますが、基本的に押し付けの概念は含まず、 「こういう選択肢もあるけど検討してみてはどうですか?」 という気持ちを込めた、質問返しの表現とも言うことができます。

論より証拠、具体例で学びましょう

「アリスの誕生日パーティーに何を持って行くべきかなあ」 と相談された場合に使うのは How about some wine? (ワインなんかどうですか。) という表現でしょう。

また、置き換え可能な表現として Why not some wine? (ワインがいいよ。)があります。

ここにWhat about wine?を持ってくると、 「ワインじゃダメなのか。」と、 不満げのニュアンスを含む表現になってしまうので要注意です。

「新しく買った車が納車されるから、明日はドライブだ。」と嬉しそうに独り言を言う同僚に、 What about your job? (仕事はどうする気なの) と言うのは普通です。

ポイントは、質問されたわけでもないのに自発的に応答しているところ。

心理的には、「それでいいのか」という注意喚起のニュアンスが含まれます。

これをHow about your job? としてしまうと 「仕事するのが良いんじゃないのか。」の意味になり、正しく使えば温和な表現であるHow about~?がかなり嫌味な表現に変わってしまいますから、誤用は厳禁です。

まとめ

これら2つの表現を使い分けるために覚えるべきポイントはたった2つです。

1つめは、 How about~?”が使えるシチュエーションの把握です。 必ず、意見を求められた場合の返事として自分の意見を伝えるために使うことが求められますが、基本的には思いやりを伴う言い方です。

2つめは What about~?の語気の強さでしょう。 もちろん言い方によりますが、基本的には「○○についてはどうするつもりなの?」と詰め寄るくらいのイメージが伴うと覚えておくのが安全です。

シチュエーションやその時の会話の流れによって使うべき表現が変わりますので、しっかりとどんな場面で、どちらの表現を使うのが適切かを覚えておき、相手に違和感のない表現を使えるようにしましょう。

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