色々なシチュエーションで使おう!"even"の使い方と解説
「偶数の」を意味する単語としてお馴染みの”even”は形容詞ですが、状況によって副詞としても用いられます。
副詞は動詞や形容詞を修飾する単語です。”rather”(いくぶん)や”firmly”(しっかりと)や”more”(さらに)などがこの仲間で、極端なことを言えばそれがなくても文章が成立してしまう性質を持ちます。
だからと言ってこれを軽んじるのは厳禁ですよ。
QQ Englishでは、公式ラインアカウントにて「英語に関する情報・お得なキャンペーン情報」を配信しています。この機会にぜひ登録を!
副詞の”even”はこんなシチュエーションに!使えそうなフレーズ
副詞用法の”even”も、客観的事実の伝達という意味ではあってもなくても変わらない単語と言えます。
これがあることによって得られる効果は、語句の強調です。
つまり、情緒豊かな表現と言えるでしょう。
例えば、アップルパイに飛びつく子供を見て、「大人だって焼きたてのアップルパイには敵わない。」と言いたいなら、”Even an adult can’t put up with an appetite for a freshly baked apple pie.”のように言います。
また、学校で習った”even if / then / though”はこの用法の仲間です。
強調は何か傑出したものに対して用いるわけですが、この単語の場合、経験の程度や状況の厳しさだけでなく、変動のない安定した状態を誉めるシチュエーションでも使えます。
例えば、”The new model of the fan is running even.”(新開発のファンは滑らかに回転している。)といった表現です。
さらに、差がない様子から派生して「互角に」という意味があり、”Those two boxers fought even.”(二人のボクサーは互角に対戦した。)のようなフレーズも成立します。
形容詞の”even”のイメージと使えるフレーズ
形容詞の”even”は意味が沢山あるにも関わらず、人によっては「偶数の」という意味で用いられるイメージが支配的に大きく、副詞の意味ともあまり統一性を感じられないことから、捉えどころのない単語に思われがちです。
しかし、実は中心にあるのは「完全に平らな面」のイメージなのです。
これを中心に考えれば、おのずと全体像が見えてくるはずですよ。
真っ平らな面には凸凹がなく、どこまで行っても高さは同じです。そこから来る意味は「滑らかな」や「比率・温度が変わらない様子」となります。
カステラを真ん中から2つに切れば、分割後のそれぞれは同じ大きさですよね。
この概念が「偶数」や「公平、公正」といった意味へと通じます。
また、剰余がないことから”just”と同じ意味でも使われる単語です。
使えるフレーズの例は以下のようになります。
“Before a baseball game starts, the field is even.” (野球の試合が始まる前、球場は平らだ。)
“Keep at an even temperature of 23 to 27 degrees Celsius.” (23~27℃の均一な温度に保ってください。)
My dinner came to an even $10.00. (夕食代は10ドルちょうどだった。)
実践で使えるフレーズを副詞用法から説明します。
“I don’t even think that he draws.” (彼が絵を描くなんて思いもしなかった。)
これは、ある人にイラストを描かせたら、思いのほか良い出来だったシチュエーションで驚きを強調する時に使います。
この場合、上手い下手以前の問題として、彼は絵とは無縁の人間であると決め込んでいた背景が伺えるため、「彼」に対しては幾分失礼な言い方となってしまいます。
“I’ll carry out this troublesome assignment even if it takes considerable time.” (例えかなりの時間が掛かるとしても、この面倒な課題をやり遂げてみせる。)
こちらは定番の用例で、”it”以下が普通のことと判断されてもという意味です。
続いて形容詞用法です。
“Men’s rooms are located on even floors and women’s rooms are on odd ones.” (紳士用トイレは偶数階に、婦人用は奇数階にあります。)
アメリカではこのような構造のデパートが珍しくないので覚えておくと役に立ちます。
偶数のイメージは絶対に忘れないでしょうから、”even”の全体像を端的に捉えるのであれば、形容詞用法にも副詞用法にも当てはまる「すべすべした完全な平面」のイメージを抑えておくのが効率的です。
まとめ
例えば8行8列のマスで構成されるチェスボード。平らな板を舞台に二人の人が互角に対戦しているイメージなどどうでしょう。
携帯用のボードなら真ん中から二つに折り畳めますから、まさに”even”のイメージにぴったりではないでしょうか?
そこで戦う人の力も互角であれば、「彼らの実力はイーブンだ」なんて言いますよね。これが“even”のイメージなので、イメージを掴んで“even”を使いこなしてみてくださいね。