英会話の中での”Listen.”と”Look.”の使い方と使い分け、しっかりできていますか?
大勢の人に重要なことを伝える場合、先に彼らの意識をこちらに向かせる必要があります。騒がしい状況下なら、手拍子などで合図するのが効果的でしょう。
大きめの声でこと足りるなら、「良く聞いてください。」や「注目してください。」など手短な言葉で十分です。
この考え方は英語でも同じで、似たような状況では”listen”や”look”を含んだ命令調のフレーズが日常的によく使われます。
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”Listen.”と”Look.”の意味やその違いは?
“listen”のイメージは、聴覚をそちらに向けることです。
単に耳から入った音を脳で感じることを意味する”hear”とは異なり、それまで他にあった興味の対象を、声を掛けてきた人などに切り替える行為を含む単語です。
力関係に例えれば、情報源が主体で、それに人間が引っ張られるようなイメージと言えるでしょう。
例えば”I listen to the radio.”はラジオの音楽に聞き入る状態を意味し、”I heard it on the radio.”はラジオで夕立の予報をなんとなく聞いて知っていたと言いたい時に使います。
“look”は視覚に関する動詞です。
類語の”see”との対比から考えると性質が”listen”に似ていて、目で認識するだけの”see”に加えて、視線を他の何かから新たな対象物へと移す動作を含んだイメージを持ちます。
多くの場合、目だけでなく体の動きが伴うと考えるのが妥当です。
日本語でも、何かをしながら人の話を聞いているのか聞いている振りをしているのか判断がつかない人に対して、「こっち向いて聞けよ。」と言うことがあるように、「ちゃんと話を聞いてください。」という意味ならば、どちらを使っても大した違いはありませんよね。
つまり”Look.”と”Listen.”どちらを用いてもOKなの?
共に注意を引き付ける時に使われる”Look.”と”Listen.”ですが、視覚と聴覚は互いに置き換え不可能な感覚ですから、きちんとした使い分けが存在します。
“look”を使う状況を把握するのは簡単です。
パンフレットやプロジェクターの画面、指先にある物体を文字や形や色として認識してもらいたい時に、”Look on page 31.”(31ページをご覧ください。)、”Look at the photograph.”(この写真を見てください。)、”Look!”(あれを見て!)のように使います。
ちなみに、この単語の否定形には嫌疑を掛けられた場合に使う、日本語によく似た感じのフレーズがあります。
それは”Don’t look at me!”です。
直訳は「私を見るな。」ですが、しばしば「俺は犯人じゃないよ。」のように訳されることもあります。
“listen”は話を聞き取り、きちんと解釈して欲しい時に使います。
資料として写真や文章を含むこともありますが、それらはあくまで補助であって、主体は話の内容です。
“Listen to me.”(わたしの話を聞いてください。)や”Listen to Dr. White.”(ホワイト博士の話を聞いてください。)のように使います。
”Listen.”と”Look.”の使い分けるポイントって?
使い分けのポイントは、そこに見るべきものがあるかどうかに尽きます。
“Look.”は視覚の集中ですが、日本語の「こっち向いて!」とは違って、具体的に何かを見せたい、あるいは何かに注目して欲しい時に使う単語です。
それなのに、声がした先には見るべきものが何もなく、また声の主が何も指差していない状況は呼び掛けと現状に矛盾が生じるため、呼ばれた人が混乱します。
単にこちらを向いて欲しいだけなら、”Now everybody,”や”Excuse me,”とでも言うべきです。
“Listen.”が使えるのは、声の主に気持ちを向かせたい時だけではありません。
音の出ているスピーカーを指差せば、そこから流れる音楽やニュースを傾聴して欲しい意味で使えます。
また、サマーキャンプなどで、かすかに聞こえる野鳥の鳴き声を聞かせたい場合なども、耳に手を当てながら”Listen!”と言えば意思を伝えることが可能です。
ちなみに、こちらが聞いているのかどうかを疑われていることを感じた場合は、”I’m listening.”(聞いてますよ。)と返事します。
大雑把に言えば日本語の「注目してください。」に相当する”Listen.”と”Look.”の根本的な違いは、聴覚的誘導と視覚的誘導です。
視覚情報を伴わない対象に”Look.”は使えませんし、聴覚的イメージにつながらない対象に”Listen.”を使うことはできません。
まとめ
ただ、注目の対象は呼び掛けた人だけに限られないので、”Listen to~”や”Look at~”に続けて目的語を付加することによってその対象を指定することが可能です。
どちらの表現も注目を集めたいときに使うもので、何か「見る」ものがあるときは“look”を使い、何か「聞く」ものがあるときは”listen”を使うと覚えておきましょう。