関係代名詞を省略できるときとできないときの違いって何なの?
英文を読むとき、逐一文法を考えないという方も多いはずです。
英文ニュースや論文を読むだけならば、要旨を把握できれば良いでしょうし、翻訳ツールを使用すればある程度正確な解釈も可能です。
ただ学問やビジネスで英文を書く機会がある方は、文法理解が重要になります。
関係代名詞や関係副詞は名詞や動詞、形容詞などを説明するときに便利な文法で、関係詞を使いこなせなければ“and”や“but”など接続詞で単文を繋げるだけの変化のない、少し幼い印象を与える文章になります。
関係詞は英文の読み書きには欠かせない要素ですので、苦手意識がある方は、ここでしっかり理解しておきましょう。
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忘れてしまった!関係代名詞ってどんなもの?
関係代名詞は、文字通り代名詞のひとつといえます。
代名詞は、太郎くんを“he”や“him”で表現しますが、関係代名詞も別の単語の代わりに使用します。
2つの文を例示します。
“I have a sister.”と”She likes vegetables.”を別々に訳し、”and”で繋げば「私には妹が一人います」そして「彼女は野菜が好きです」となります。
これでも意味は通じますが、「私には野菜が好きな妹が一人います」と一文で表現すれば文が引き締まります。
「野菜が好きな妹」と妹を修飾するために関係代名詞を使用します。修飾される語を先行詞と呼び、先行詞が人であれば主格“who”又は目的格“whom”などになり、物であれば“which”などにそれぞれなります。
事例の場合、先行詞は“a sister”で「人」なので”who”又は”whom”、”whose”のいずれかを選択します。2文目で”a sister”を表すのは”She”で主語ですから”who”になります。
”I have a sister who likes vegetables.”となります。
関係代名詞を省略できる場合って?ポイントは?
”I have a sister who likes vegetables. ”「私には野菜が好きな妹が一人います」この場合、”who”は従属節の主語の役割をしています。
この場合は省略できません。
では”I have a sister.”と”Children respect her.”を関係代名詞で繋いだ場合はどうでしょうか。
”I have a sister whom children respect.”と従属節の目的格になります。
ポイントはこの関係代名詞が目的格であることです。目的格であれば関係代名詞を省略しても構いません。
別の事例で”He wears a shirt. ”と”She laughed at it. ”の場合も先行詞は”shirt”で後の文章”it”がそれを表し目的格になります。
したがって、”He wears a shirt which she laughed at. ”の”which”は省略できます。
先行詞が人や物に拘らず目的格の場合は原則省略できると考えていいでしょう。
関係代名詞を省略できない場合って?
実は目的格に該当しても省略できない場合があります。どういった点に違いがあるのでしょうか。
それは、”He wears a shirt which she laughed at. ”「彼は彼女が笑ったシャツを着ている」で”at”の位置がポイントです。
”laugh”に伴って後ろに置かれているならば省略できますが、”He wears a shirt at which she laughed. ”と”which”の前に置かれると省略できません。
こうした前置詞の後に目的語を取る動詞の場合は注意が必要です。
もう一つ、関係代名詞が二重に限定する場合も省略できません。”The curry that I have ever eaten which a cucumber entered is ~. ”「私が今まで食べた」と「きゅうりが入った」はいずれもカレーを修飾します。
この場合、先の”that”は省略できますが、後の”which”は省略できません。
省略できる場合できない場合の違いを良く理解しましょう。
まとめ
文法はあくまで原則であり、口語では規則通りにいかないことが多々あります。
目的格でなく主格でもThere is構文やIt is構文では主語述語が分かり易いために関係代名詞は省略できます。
”There is a man (略)wants to see you. ”「あなたに会いたいという男がいます」や”small room(略)there is”「存在する小さな部屋」などはS+Vが比較的明確です。
関係代名詞の知識は複雑な文章を書いたり読んだりするには必須ですので、多少面倒でもしっかり理解しましょう。
端的に言えば修飾する節を作る代名詞で、先行詞をこれから説明の合図と考えると分かり易いでしょう。
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