間違えやすい”ill”と”sick”の適切な使い分け方って?
似た意味をもつ単語の使い分けは日本語でも大変ですが、英語ならばもっと難しくなります。
英語圏で生まれ育ち見聞きした時間が長ければ、理屈ではなく習慣によって使い分けが身につきますが、外国語として英語を学ぶ場合にはどうしても理屈が必要になります。
”ill”と”sick”の違いも英和辞典を引くだけでは「病気」以外に知ることはできません。
問題なのは、英語圏での習慣を知らずに日本語の「病気」を適当に”ill”や”sick”を使って話したり書いたりすると、ときに非常識になることがあります。
ですから使い分けの理屈をしっかり学習し、適切に使い分けられるようにしましょう。
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“ill”と”sick”の適切な使い分け方って?
どちらも一般的に良くないことや、健康上望ましくない状態を指します。そして似た文脈中で用いられますが、明確な違いがあります。
先ず”sick”ですが、この単語は期間が短い病気に対して使います。例えば風邪や咳、熱、喉の痛みなどです。また胃の病気や吐き気にも使われます。
一方”ill”は、長期の深刻な病気に対して使われ、例えばガンや肺炎、脳卒中などです。
ただしこの単語がいつでも重度の病気を表すわけではなく、軽度の病気を意味することもありますので、使うタイミングを間違えないようにしましょう。
そしてどちらも肉体的だけでなく、精神的な病にも使われることがあります。
これでは、両方の単語に明確な違いがないように思えますが、病気の軽重以外に、”sick”がくだけた表現でありアメリカでよく用いられ、さらに人間でない動物にも使用される一方で、”ill”は正式な表現でイギリスで好まれる傾向があります。
“ill”は「結構深刻な病気の状態」の時に?”ill”を使った例文集
sickとの違いを意識して例文を見てみましょう。
”She looks ill. ”「彼女は病気のようだ」 ”He is seriously ill. ”「彼は大病だ」など、”seriously”や”dangerously”などと共に用いられ病気の重大さを表します。
”I became mentally ill. ”「精神を病んでしまった」と心の病にも用いられるので覚えておきましょう。
”He has been ill for a long while. ”「彼は長く患っている」”She appeared to be very ill. ”「彼女はとても体調が悪い様子だった」という文にの中には”sick”に代えられる表現もあります。
期間などを意識すると代替できない文もあるので間違えないよう気を付けましょう。
使い方を間違うと”ill manner”「無作法」になることもあります。
“sick”は「気分が悪い位の状態」”sick”を使った例文集
”I might be sick. ”「僕は病気かもしれない」のような発言は、命に関わるような病気というより比較的軽度の病といえます。
前後の文脈によりますが、胃のむかつきを表すこともあります。
”I felt sick because I ate too much. ”「食べ過ぎたのでむかむかした」
”He is sick with the flu. ”「彼は風邪をひいている」
”I feel sick when I drink whisky. ”「ウイスキーを飲むと気分が悪くなる」
”My father has been sick for three days. ”「私の父は3日間病気である」と、例示したように風邪やめまいなど軽度な状況に使用しますが、まだ他にも様々な例文があるので、頻繁に用いられる状況を細かく見て行くと、ネイティブのニュアンスが少しずつ理解できるでしょう。
まとめ
似た意味の単語は何度も使ってみなければ、明確な違いを感じることが難しいでしょう。
しかし、一定のルールや習慣は必ずあり、英語圏の人々が状況によってどのように使い分けているのか、できれば英語学習者向けの英語表記の本で調べると良いでしょう。
こうした本は英語学習者が間違えそうな文法や単語などの問題を丁寧に解説しており、違いを示してくれるので大変有用です。
また例文を沢山読むことも重要で、英文に触れる時間が長ければその分だけ、理屈でなく感覚として正しいか間違っているか判断できるようになります。
”ill”もsickも理屈でなく感覚で間違えなくなるまで例文を読むと良いでしょう。