英語【比較】原級・比較級・最上級を例文で徹底解説!
英語の「比較」は、一般的に「形容詞」と「副詞」を3つの形に変化させて表現します。
3つの形には、「原級」「比較級」「最上級」があります。この3つの「比較」について、基本的なところから発展的なところまで例文を紹介しながら解説していきますので、ぜひご覧ください。
【基本】英語の「原級」
英語の「原級」とは、「形容詞」と「副詞」の語形が変化しないそのままの形のことです。
「原級」は、AとBを比べて両者の程度が同程度の場合に使われます。
「A … as 原級 as B」の形で表され「AはBと同じくらい…」と訳されます。
例文を紹介します。
「A … as 原級 as B」
His father is as tall as him.
(彼の父親は彼と同じくらいの背丈である)
She can run as fast as he can.
(彼女は彼と同じくらい速く走ることができる)
上記の例文は、それぞれ形容詞「tall」と副詞「fast」を使い、2者の性質や様態を比べて同程度であることを表しています。
比較の対象には「him」と「he can」が使われています。「him」のように「人称代名詞の目的格」を用いるケースは、口語が多いです。
「人称代名詞の主格」を用いる場合は「he can」のように通常「(助)動詞」を伴います。この使い分けは、「比較級」の「than」の後の語句でも同様です。
「A … not as 原級 as B」
「as 原級 as」に「not」をつけると「AはBほど…ではない」という意味になります。「AはBと同じくらい…ではない」という意味にはならないので注意が必要です。
(この映画は前回の映画ほど面白くない)
「差」を表す
「as 原級 as」は両者が同程度であることを表す表現ですが、1つ目の「as」の前に倍数詞(half、twice、three timesなど)を置いて「差」を表現することができます。
He is half as tall as his older brother.
(彼の身長は兄の半分である)
Her room is twice as large as mine.
(彼女の部屋は私の部屋の2倍ある)
【基本】形容詞・副詞の語形変化
「比較級」と「最上級」の作り方には、大きく分けて3つあります。
「原級」の語尾に「-er」「-est」をつけるもの、「原級」の前に「more」「most」をつけるもの、「原級」とは異なる語に変化するものです。
最初の2つに関しては、「音節」が関係します。
「音節」とは、発音の際に区切られる音のまとまりのことです。例えば「useful」は「use・ful」で区切られる2音節の単語です。
「音節」ごとの語形変化(原級 – 比較級 – 最上級)を紹介します。
「-er」「-est」をつけるもの:1音節
主に1音節の語は、「原級」の語尾に「-er」「-est」をつけて「比較級」「最上級」を作ります。
- tall – taller – tallest
- young – younger -youngest
- near – nearer – nearest
上記の基本的な語形変化とは少し違った作り方をするものがありますので、例を紹介します。
「発音しない-e」で終わる語は「 -r」 「-st」だけをつける
- large – larger – largest
- safe – safer – safest
「短母音 + 子音1字」で終わる語は子音字を重ねて 「-er」「 -est」をつける
- hot – hotter – hottest
- big – bigger – biggest
語尾が「-y」で終わる語は「y」を「i」に変えて「-er」「 -est」をつける
- dry – drier – driest
「-er」「-est」をつけるもの:2音節の一部
2音節の語の大部分が「原級」の前に「more」「most」をつけますが、一部の語は語尾が変化します。
例を紹介します。
語尾が「-y」で終わる語は「y」を「i」に変えて「-er」「 -est」をつける
- happy – happier – happiest
- early – earlier – earliest
- likely – likelier – likeliest
語尾が「-le」で終わる語は「 -r」 「-st」だけをつける
- simple – simpler – simplest
- noble – nobler – noblest
語尾が「-er」「-ow」で終わる語は「-er」「 -est」をつける
- clever – cleverer – cleverest
- narrow – narrower – narrowest
上記に語尾が変化する2音節の単語を紹介しましたが、中には「-er」「-est」と「more」「most」の両方が使えるものもあります。「clever」「simple」などがそうです。
また「likely」のように、「more」「most」をつけるほうが主流になってきている語もあるので、注意が必要です。
「more」「most」をつけるもの:2音節の大部分、3音節以上
2音節の大部分と3音節以上の語は、「原級」の前に「more」「most」を置いて「比較級」「最上級」を作ります。
- useful – more useful – most useful
- popular – more popular – most popular
- interesting – more interesting – most interesting
不規則に変化するもの
音節に関係なく不規則に変化するものがあります。日常的に使われる語の例を紹介します。
- good – better -best
- well -better – best
- bad – worse – worst
- many/much – more – most
- little – less – least
【基本】英語の「比較級」
英語の「比較級」とは、2つのものを比べて一方の程度が他方よりも高い(低い)ことを表す形です。基本的に「形容詞・副詞の比較級 + than …」の形で表され、「…よりも〜」と訳されます。
I‘m kinder than him.
(私は彼よりも優しい)
形容詞「kind」の比較級「kinder」を使った例文です。
I woke up earlier than he did.
(私は彼よりも早く起きた)
副詞「early」の比較級「earlier」を使った例文です。
(その車は私が予想していたよりも高価だった)
形容詞「expensive」の比較級「more expensive」を使った例文です。比較対象の「I expected」は「私が予想していた値段」を表し、「実際の程度」と比較しています。
She sang better than usual.
(彼女は普段より上手に歌った)
副詞「well」の比較級「better」を使った例文です。比較対象の「than usual」は「普段の状態」を表し、「実際の状態」と比較しています。
【基本】英語の「最上級」
英語の「最上級」とは、3つ以上のものを比べてその中の1つの程度が一番であることを表す形です。
基本的に「the + 形容詞・副詞の最上級 (+ 名詞) + in/of … 」の形で表され、「…の中で一番〜」と訳されます。
He is the fastest runner of them all.
(彼は彼ら全員の中で一番速いランナーだ)
形容詞「fast」の最上級「fastest」を使った例文です。「…の中で」を表す部分には「of」が用いられていますが、「of」の後ろには主語と同類を表す「複数名詞」がきます。
(家族の中で私が一番早く起きた)
副詞「early」の最上級「earliest」を使った例文です。副詞の最上級の場合、「the」を省略することもできます。「…の中で」を表す部分に「in」が用いられていますが、「in」の後ろには集団や範囲を表す「単数名詞」がきます。
Mt. Fuji is one of the most beautiful sights in Japan.
(富士山は日本で最も美しい名所の1つです)
形容詞「beautiful」の最上級「most beautiful」を使った例文です。例文のように「最上級」の前に「one of」を置くと、「最も〜の中の1つ」という意味を表現できます。
This is the best movie I have ever seen.
(これは私が今まで見た中で一番いい映画だ)
形容詞「good」の最上級「best」を使った例文です。例文のように「最上級」の後に現在完了形を置くと、「(主語)が今まで〜した中で」という意味を表現できます。
【発展】慣用表現を使った例文
「比較」を用いた慣用表現は数多く存在します。ここでは日常的に使われる慣用表現を例文で紹介します。
「原級」の表現
as ~ as possible「できるだけ~」
I will leave as early as possible.
(私はできるだけ早く出発します)
「比較級」の表現
比較級 and 比較級「ますます~、だんだん~」
The nights are becoming colder and colder.
(夜がますます寒くなってきている)
the + 比較級 ~, the + 比較級 …「~すればするほどますます…」
The more you give, the more you receive.
(与えれば与えるほど多くを受け取る)
「最上級」の表現
make the most of ~ 「(与えられた機会などを)最大限に活用する」
Let’s make the most of this sunny day.
(この晴れの日を最大限に活用しよう)
make the best of ~ 「(不利な状況や制限のあるものを)最大限に活用する」
We should make the best of this small room.
(私たちはこの狭い部屋を最大限に活用すべきだ)