英文法における『補語』とは? 基礎から発展まで分かりやすく解説します!

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更新日:2025年1月15日 英文法

英文法における『補語』とは? 基礎から発展まで分かりやすく解説します!

complement

英語学習をするうえで『補語』という言葉を耳にしたことがあると思います。

補語とは文を構成する要素のことで、主語や動詞、目的語といった言葉と一緒に登場したり、文型に関係する文法事項を説明したりする際によく用いられます。

しかし、名前を知っていたとしても「どのように、いつ使ったらよいのか分からない」「目的語と補語の見分けがつかない…」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では補語をマスターしてもらうべく、基本的な使い方から発展的内容まで幅広くご紹介していきます。これから英語を勉強したい方も、より文法理解を深めたい方もぜひ一読してくださいませ!

1.文を作る要素について【基本】

基本的に英文は主語と動詞を置き、それに目的語、補語、修飾語を加えることで成り立っています。

つまり、補語を理解するには、これら文を構成する要素を全て知っておくことが大切です。また、これら要素はアルファベットを使って表記されることが多いです。

以下に、文の要素を一覧にしたのでご覧ください。

文の主要素

主語(S)Subject

名詞。「〜は」「〜が」

動詞(V)  Verb

自動詞または他動詞。「〜する」「〜である」

目的語(O)Object

名詞。動詞によって影響を受けるもの。動作や状態の対象となるもの。

補語(C)Complement

名詞または形容詞。主語や目的語を詳しく説明するもの。

 

修飾語(M)

Modifier

主語、動詞、目的語、補語をより詳しく説明するもの。

※文の主要素ではない

これらを踏まえたうえで、次に重要なものが文型です。

文型とは「文の要素をどのように並べたら良いのかを体系化したもの。」

つまり、主語や補語となる様々な英単語を知ったうえで文型を理解しておけば、正しい英文を綴ることができるのです。

以下に基本となる5つの文型をまとめました。補語には下線を引いています。

基本5文型

第1文型 SV

Alex smiled suddenly.

「アレックスは突然笑いました。」

第2文型 SVC

Alex is a Youtuber.

「アレックスはユーチューバーです。」

第3文型 SVO

Alex creates great movies.

「アレックスは素晴らしい映像を創っています。」

第4文型 SVOO

Alex bought his friend a camera.

「アレックスは友人にカメラを買ってあげました。」

第5文型 SVOC

Alex painted the wall of the room green.

「アレックスは部屋の壁をグリーンに塗りました。」

 

2.補語とは【基本】

それでは、具体的に補語とはどういうものなのでしょうか。補語の特徴を下に記しました。

補語(C)

補語の役割

主語や目的語を詳しくすること

補語になれる品詞

名詞もしくは形容詞

補語を置ける場所

動詞もしくは目的語の後ろ

続いて補語がどのように「主語や目的語に情報を加えているのか」例文を参考に確かめてみましょう。

I am a Japanese teacher.「私は国語の先生です。」 

 

私という漠然とした主語が、補語のおかげで国語の先生であることが明らかになっています。

補語:a Japanese teacher(名詞)

Leaves became red.「葉っぱが赤色に変わった。」

 

葉っぱが主語、そして動詞は変化を表す”become”が使われています。そしてどのような変化が起こったのかを補語”red”で把握することができます。

補語:red(名詞)

He fell asleep during the class.「彼は授業中に寝てしまった。」

 

彼が主語で、動詞は”fall「落ちる」”です。その後に形容詞”asleep「眠って」”があるおかげで、主語がどのような状態に落ちたのかが明白です。

補語:asleep(形容詞)

これらが補語の基本的な内容です。

3.第2文型と第5文型の特徴【基本】

続いて、文型で補語を必要とするのは第2文型と第5文型です。それぞれ特徴があるので、まずはその特徴をおさえて補語への理解を深めましょう。

3-1.第2文型SVCの特徴

第2文型SVCの最大の特徴は『S=C』の関係が成り立つということ。

基本的にbe動詞は「〜である、〜でいる」という状態や存在を表す動詞なので、主語がどういうものかを表す補語を取りやすいです。be動詞は第1文型もしくは第2文型を作ることを覚えておきましょう。

下記に例文を示しています。

She is my mother.「彼女は私の母親です。」

 

日本語訳からも分かるように、主語である”She”と補語の”my mother”がイコール関係で結ばれています。

You are honest.「あなたは正直者です。」

 

『あなた(S)=正直者(C)』の関係が成り立っています。

3-2.第5文型SVOCの特徴

第5文型SVOCの最大の特徴は『O=C』が成り立つこと。下記にあるように、目的語と補語が密接な関係となっています。

They call me Bruce.「彼らは私をブルースと呼びます。」

 

『私(O)=ブルース(C)』の関係が成立しています。

I will make you happy.「私はあなたを幸せにします。」

 

『あなた(O)=幸せな(C)』の関係が成立しています。

※この”make”は「作る」という意味ではなく「〜させる」という意味。

4. 補語が必要かどうかは動詞で決まる

さて、文型の特徴を理解しても、いざゼロから英文を作るとなると「どの文型になるのか分からない」と疑問が浮かんでくるはずです。

しかし、ご心配には及びません。補語を取るか取らないか、第2文型になるのか第5文型になるのかは”動詞”によって決まります。

つまり動詞の意味と役割を押さえておけば文型に対する理解度がぐんと上がります。

それぞれジャンル別にまとめたので、参考にしてください。

4-1. 第2文型を作りやすい動詞の一覧

以下の動詞は第2文型SVCを作りやすいことを覚えておきましょう!

状態を表す動詞

be動詞「〜である」

keep「〜の状態を保つ」

remain「〜のままである」

stay「〜のままでいる」

(例)My boss remained silent.「上司は黙ったままだった。」

変化を表す動詞

become「〜になる」

grow「(次第に)〜になる」

get「〜になる」

※補語に形容詞を取る

turn「〜に変化する」

(例)He grew rich.「彼は金持ちになった。」

様子を表す動詞

look「(客観的に)〜のように見える」

seem「(主観的に)〜のように思える」

appear「〜のように見える」

※”look”よりもフォーマルな英単語

(例)The baby looks hungry.「赤ちゃんは腹ペコそうに見える。」

感覚を表す英単語

feel「〜に感じる」

smell「〜の匂いがする」

sound「〜に聞こえる」

taste「〜の味がする」

(例)This sweet tastes good.「このスイーツはおいしい味がする。」

4-2. 第5文型を作りやすい動詞の一覧

以下の動詞は第5文型SVOCを作りやすいことを覚えておきましょう!

make「〜させる」

paint「〜に塗る」

keep「〜の状態を保つ」

leave「〜のままにしておく」

call「〜と呼ぶ」

name「〜と名付ける」

think「〜と思う」

believe「〜と信じる」

consider「〜と思う」

find「〜だと分かる」

get「〜にする」

  • (例)She kept the door open.「彼女はドアを開けたままにした。」
  • (例)They named the baby Yume.「彼らはその赤ちゃんをユメと名付けた。」
  • (例)I think  the movie interesting.「私はその映画を面白いと思う」

4-3. 補語かどうかを見分けるテクニック

動詞の”get”は上の表に登場しているように、第2文型にも第5文型にもなれる動詞です。そのためどちらの文型なのか見分けがつきにくいこともあるでしょう。

その際は『補語と、主語もしくは目的語をbe動詞でつなげてみる』ことをオススメします。するとどちらの文型であるのかが一目瞭然です。

補語と思われる単語と、主語もしくは目的語をbe動詞で繋いでみる

  • 補語と主語がbe動詞で結ばれた場合⇨第2文型
  • 補語と目的語がbe動詞で結ばれた場合⇨第5文型
  • 補語と、主語もしくは目的語がbe動詞で結べなかった場合⇨それは補語ではない

 

I got kind.「私は親切になりました。」

⇨”I am kind.”という文が成り立つ⇨S=Cなので第2文型

I got a taxi.「私はタクシーに乗りました。」

⇨”I am a taxi.”という文は成り立たない⇨S≠Cではなく第3文型SVO

I got my bike stolen.「私は自転車を盗まれました。」

※”stolen”は「盗まれている」という形容詞(過去分詞)

⇨”I am solen.”は成り立たないが、”my bike is stolen.”は成り立つ⇨O=Cなので第5文型

このように一般動詞をbe動詞で置き換えて意味が成立する場合は、その単語が補語である可能性が高いので、ぜひテクニックの一つとして覚えておいてください。

5. 名詞の塊も補語になる【発展】

補語になることができる品詞は『名詞もしくは形容詞』と述べましたが、名詞の働きをする名詞の塊、つまり名詞句や名詞節も補語になることがあります。ぜひチェックしてみてください。

ピンと来ない方は「動名詞・不定詞・接続詞」の理解を深めましょう!

動名詞(動詞を~ing形にして名詞化する表現法)

My favorite pastime is playing the drums.【第2文型】「私の大好きな娯楽はドラムを演奏することです。」

不定詞(動詞を”to+動詞の原形”にして名詞の働きをさせる表現法)

His dream is to be an author.【第2文型】「彼の夢は小説家になることです。」

接続詞(that「〜ということ」は後ろに文をつないで大きな名詞節を作る)

The news is that the era name will change next year.【第2文型】「そのニュースは元号が翌年変更されるだろうということである。」

6. おわりに

補語とは文を作るために必要な基本の要素の一つです。きちんと正しい知識を身につけておくことで、英文法の理解度が上がります。

文型は英検(実用英語技能検定)や大学入学共通テストなどで高得点を取るためにも、必要な知識なのでぜひ習得しておきましょう!

皆様の英語ライフが充実したものになるよう、陰ながら応援しています!

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