過去の慣習"would"の意味とは?"used to"との違いを解説

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更新日:2024年7月30日

過去の慣習"would"の意味とは?"used to"との違いを解説

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「過去の習慣」を表す “would” と”used to” 。

日本語ではどちらも「〜したものだ」と訳されるので、使い分けに迷う人も多いと思います。

would は 「意思未来」(〜するつもりだ)、「単純未来」(〜だろう)を表す助動詞 will の過去形です。

「過去の習慣」以外にも、「可能性・推量」「過去における単純未来・想像・推定」、「丁寧な依頼表現」、「仮定法」などの意味合いを持ちます。

ここでは、そんな would の主な意味・使い方5つと、would とused to の使い分けのポイント3つを押さえ、意図を明確に伝えられるようになりましょう。

「would」の使い方

would の主な用法①「可能性・推量」

助動詞 will の過去形である would は、たしかに「過去形」ではあるのですが、「(ひょっとすると)〜かもしれない、(たぶん)〜でしょう」という意味で、

「確信度が will よりもやや低い可能性・推量」を表すのに、現在の文脈で使われることがよくあります。

現在形の will を、過去形にすることでやや婉曲的にして確信の度合いを低めている、と捉えるとよいでしょう。

例)If he left two hours ago, he would be at home now.
(彼は2時間前に出たのなら、もう家についているでしょう。)

この場合、he will be 〜 とすると、話し手のより強い確信を表すことになります。

would の主な用法②「過去における単純未来・可能性・推量」

would は「過去における単純未来・可能性・推量」(〜だろう)の意味で用いられることも多くあります。

例)過去における単純未来(時制の一致により will が過去形になったもの)

She told me that she would be free in a few minutes. (間接話法)

(=She said to me, “I will be free in a few minutes.”(直接話法) )

(すぐに手が空きますと彼女は私に言った。)

直接話法は、聞いたことを引用符(” “)を用い、そのまま表す話法です。

上の例文では、引用符の中のセリフでは助動詞には will が用いられています。(引用符内の主語が she ではなく I であることにも注目。)

それに対して、間接話法は伝達動詞 (say、tell、askなど)を使ったり、接続詞 that を用いて、報告する言葉を導きます。(引用符は使いません。)

上の例文では 、that 節を使い、「彼女が伝えた内容」を導いています。

英語ではこの時、「時制の一致」と言って、主節(ここでは She told me)と従属節(ここでは that she would be 〜 minutes)の時制が一致する必要があり、

従属節(that節)内の助動詞は will ではなく過去形の would になっています。(that 節の主語が I ではなく she であることにも注目です。)

例)過去における可能性・推量

I would have been three years old when that earthquake had happened.
(その地震が起きた時、私は3歳だったと思う。)

「過去のある時点」において、「〜だったと思う」と可能性・推量を表す際も、will の過去形である would を用います。

would の主な用法③「丁寧な依頼表現」

would にはまた、「丁寧な依頼表現」の意味があります。

現在形(will)ではなく過去形(would)を用いることで、婉曲的により丁寧に依頼することができます。

例)Would you please make a copy of this document?
(この書類のコピーを取っていただけませんか?)

これは助動詞 Can も同じで、現在形の Can you 〜? で依頼するよりも、 過去形 Could you 〜? で依頼する方が丁寧になります。

併せて覚えておくとよいでしょう。上の例文のようにplease を you の後ろ、もしくは文末に添えるとより丁寧です。

wouldの主な用法④「仮定法」

would には、will の仮定的な意味で「(もし…であれば)〜(する)であろう/〜だった[した]であろう」の意味もあります。

現在形の will ではなく、過去形を用いることで、「現在(=現実)とは違う」ことを表している、と捉えるとよいでしょう。

例)If I were rich, I would go on space travel .
(もしお金持ちなら、宇宙旅行に行ってみたい。)

ここでは仮定法の条件節(If I were rich :ここでも are ではなく過去形の were が使われています)に対する帰結節として、I would go on 〜 と助動詞 would が使われています。

If he were a little smarter, he would be a good leader.(彼がもう少し賢かったら、よきリーダーになのに。)

ここでも条件節(If he were a little smarter)に対する帰結節(he would be 〜)でやはり would が使われています。

現実は、

As he isn’t smart enough, he isn’t a good leader. (彼は十分賢いわけではないので、よきリーダーではない。)

ということですね。

would の主な用法⑤「過去の習慣」

いよいよ、「過去における習慣・習性・反復的動作」を表す would です。

この場合の would は、「きまって[よく]〜した(ものだ)」のニュアンス。

used to より多少文語的で、しばしば頻度を表す副詞(句)を伴うことがあります。

例)

・After lunch I would take a nap.(昼食後、私は昼寝をする習慣があった。)

Sometimes he would talk about the wonder of the universe.(時々彼は宇宙の不思議さについて語るのであった。)

On occasion, she would take a short rest. (時おり彼女は短い休息を取るのであった。)

上の例の2つ目と3つ目では、sometimes(時々)、On occasion(時おり)といった副詞(句)が一緒に使われていますね。

ここで意識したいのが、would を使った「過去の習慣」は、あくまで過去のことについて述べているだけであり、

「現在との対比」は含まない、つまり現在もその習慣があるかどうかはわからないということです。

「used to」との使い分け

used to の would との使い分けポイント① 期間が長い

would と同じく「過去の習慣」を表す used to (よく〜した、〜するのが常だった)ですが、would との使い分けのポイントを見ていきましょう。

まず1つ目、used to は「過去のかなり長い期間に及ぶ常習的な習慣」を表します。

(※この場合、その習慣が現在なくなってしまっているかは問題にはされません。)

対して、wouldは通例「比較的短い期間にわたる反復的な動作」に重きを置く時に好まれます。

例)He used to go to the museum on Sundays.
(彼は日曜日にはその博物館に行くのが常だった。)

ここでは、「(毎週)日曜日に行く」(≒1ヶ月、半年、それ以上…)という比較的長期的なスパンでの常習的な行動に対して used to が使われています。

used to の would との使い分けポイント②特徴的な習慣である

「長期間」以外にも、「特徴的な習慣」である場合は used to が好まれます。

例)She used not to go shopping in the morning.
(彼女は朝に買い物に行く習慣はなかった。)

ここでは、「朝買い物に行く」という「特徴的な習慣」(がなかったこと)に対してused to が使われています。

used to を否定にする際の not は used と to の間に入ることにも注意しましょう。

(can’t や wouldn’t のように助動詞的に use(d)n’t to 〜 とすることもあります。)

used to の would との使い分けポイント③現在との対比を含む

さらに used to では「(現在に比べて)昔[以前]は〜していた[したものだった]」の意味を表し、その習慣や状態が「今現在は存在していない」ことも表せます。

「今現在」との対比を含むこの場合、would は普通用いられません。

例)

・I’m not so tough as I used to be. (昔ほどタフじゃなくなったよ。)

・There used to be a nice Italian restaurant on the corner.

(昔はその角にいいイタリアンレストランがあった。)

「現在との対比」を強調して、but now 〜、but not 〜 any more などに導かれた節が続くことが多いのも、この used to の使い方の特徴です。

例)She used to have lots of friends but they have all gone now.

(彼女には大勢友人がいたが、今ではみんな去ってしまった。)

ここまで読めば、次の文でなぜ would ではなく used to が使われているか、もうおわかりですね。

例)

・I used to like rock music.(私はかつて、ロック音楽が好きだった。)

・I used to go fishing every Sunday. (私はかつて、毎週日曜日は釣りに行っていた。)

    まとめ

    日常のさまざまな場面で使える過去形の助動詞 would。

    そこには主に、

    • 可能性・推量
    • 過去における単純未来・可能性・推量
    • 丁寧な依頼表現
    • 仮定法
    • 過去の習慣

    の5つの意味合いがあることを見てきました。

    さらに、「過去の習慣」を表すused to という表現の would との使い分けの大きなポイントは、

    • 期間の短長
    • 特徴的な習慣か
    • 現在との対比を含むか

    にあることを確認しました。

    まずは will の過去形としての would の基本的な意味を押さえ、そこから used to との違いを押さえると覚えやすいはずです。

    基本を押さえた上で、文脈に応じて適切に使い分けられるようにしたいですね!

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    Ayaka Tanaka
    執筆者

    Ayaka Tanaka

    QQEnglish編集部

    東京外国語大学にて第二言語習得・英語教育を学んだ後、日本の大手教育出版社で約10年英語教材編集者として勤務。2022年4月オーストラリア ブリスベンへ移住、英文ジャーナル編集に従事。(TOEIC950 /英検1級)ツールとしてだけでなく、言語の背景にある文化や価値観の違いも含め、英語を学ぶ面白さ・奥深さを感じてもらえたら幸いです。

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