英語に当てはまる表現がない!?英語にするのが難しい日本語8選を例文付きで解説します
日本語と英語は構造的な部分から根本的に異なる言語です。
そのため、日常会話において日本語で何気なく言っていることが、英語にするのが意外と難しいということも多々あります。
ただ会話をしたいだけなのに、言いたいことが伝えられないのは困りますよね。
今回は、英語にするのが難しいとされる日本語について解説するとともに、それらに対する英語表現の作り方を例文付きで解説します。
これを身につけることによって、日常会話における表現の幅は大きく広がることになると思いますので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。
英語にするのが難しい日本語について
なぜ英語にするのが難しい日本語があるのでしょうか?
1番の原因は、日本語の持つ性質と、日本人独特の文化、考え方にあると言われています。
例えば、よく言われているのは、日本人は空気を読む文化を持つことが指摘されています。
「言わぬが花」など、外国人に理解してもらうのは難しそうですよね。
ここから派生して、日本語の、いろいろな言葉を省略したり、曖昧な表現を使った表現を好む、という特性に繋がってきます。
以下の例でも紹介しますが、例えば「微妙だな」などは英語に直訳したら全く意味不明ですよね。
こう言った日本語や日本人の曖昧さがマイナスに評価されることもありますが、これ自体は言語の特性ですし、この曖昧さが例えば松尾芭蕉の俳句のような芸術性と結びついて語られることもあるため、「そういうものだ」と思う他ないと考えます。
日本語の表現を具体的にしてから、対応する英語表現を探す
では、こういう表現を英語にするときはどうするべきなのでしょうか?
日本語は曖昧な言語と言いましたが、逆を言えば英語は非常に具体的・直接的な表現の多い言語です。
まずは、その表現を通じて、相手に何を伝えたいのかを明確にします。
その上で、その具体的な表現を英訳すればうまくいくケースが多いです。
例えば、「お疲れ様」であれば、相手が商談の帰りであれば「大変な商談でしたね。(I bet it was a challenging meeting for you.)」とかになります。
日本語で会話するとどうしても抽象性の高い内容になりがちなので、慣れるまではワンステップ置いて、「で、それってどういうこと?」と意識してみるといいでしょう。
この「具体化」のスピードは、アウトプットの回数を増やしていくことで鍛えることができますよ。
英語にするのが難しい日本語表現8選
さて、ここから英語にするのが難しい表現を見ていきます。
状況は一つではないので、毎回同じ訳になるとは限りませんが、考え方の参考にしてください。
微妙
「ちょっと違う」「何かが足りない」「判断に迷う」という場面で日本語では連発される表現です。
状況を見極めて、その場面ごとに適切な英語を使うようにします。
I’m not sure about what they are explaining about…
(あいつらの説明ちょっと微妙なんだよな…)
ただいま/おかえり
英語圏では、日本のように家に帰ったときに、ただいまやおかえりを言う習慣がないため、完全にこれに当たる表現は存在しません。
その代わり、家に帰った時に、「帰ったよ!」と返して、そこから会話を繋げるパターンが一般的です。
おかえりに相当するとすれば、家族間で交わされる”Hey!”や”Hi!”が比較的近いと思いますが、これ単独で使うと言うよりは、この後に何かしらの会話を繋げます。
例文:
A:I’m home!
(帰ったよー!→転じて「ただいま」)
B:Hey! How was your competition?
(おかえり!試合はどうだった?)
いただきます/ごちそうさま
日本は食事に対し「命をいただく」という概念が強いためこのような表現がありますが、英語圏ではこのような表現はそもそも存在しません。
現地の方と食事をすると、皆さん何も言わずに食べ始める事が多いですが、その前後に使われる表現が代替えできるケースがあります。
例外的にキリスト教の食前の主へのお祈りがありますが、少しニュアンスが違うためここでは省きます。
例文:
レストランで片方が先にメニューが届いたとして
A:Oh, You can go ahead!
(あら、お先にどうぞ!)
B:OK, thank you!
(ありがとう、いただきますね!)
その後、食べ終わり店を出る時店員に
B:Thank you! It was so delicious!
(すごく美味しかったよ、ごちそうさま!)
よろしくお願いします
あいさつやお願い事をするときに使われます。
日本語では枕詞として使われるケースもあるのではないでしょうか。
その「よろしくお願いします」の具体的な状況を考えながら英語を使っていきましょう。
例文:
A:It was a pleasure meeting you.
(お会いできて光栄でした。)
B:Likewise! I look forward to working with you.
(こちらこそ!今後ともよろしくお願いします。)
お疲れ様です
日本語ではねぎらいの言葉として使うこともあれば、挨拶でメールの頭に使うこともありますが、これも英語では該当する言葉がありません。
これも、具体的なニュアンスを思い浮かべながら英語を使っていきます。
もしこの言葉自体に意味がない場合は、思い切って訳さない方がうまく伝わるケースもあります。
例文:
A:Thanks for your hard work Ken! It should be a hard job.
(ケン、お疲れ様!大変だったよね。)
B:Thank’s for asking me, actually, it was.
(ありがとう、ホントそれだよ。)
空気を読む
言語化すると「場の空気を察して、その場その場にて最適な行動をする」ことになりますが、これも完全に合致する英語はありません。
「行間を読む」「場のサインを読み取る」といった表現を使えば、ある程度状況をカバーする事ができます。
Why did you do that? You should have picked up on the social cues!
(なんでそんな事をしたのさ!もっと場の空気を読まないとダメだよ!)
もったいない
これは言語化すると「何かを無駄にするのが惜しい」と言う意味になりますが、一言で英訳するのは少し難しいでしょう。
2020年の東京オリンピックの招致の際「Mottainai」と言う形で、日本的な文脈で持続可能性に絡めたアピールに使われた事を覚えている方もいるかもしれません。
Don’t throw the toothpaste away yet! There’s still some left!
(まだその歯磨き粉捨てないで!まだ残ってる!→転じて、もったいない事を伝えています。)
難しい
難しいと言うのは、「難易度が高い」と言う場合と「(例えば事業などが)不可能である」と言う場合があります。
難易度が高いことは不可能ではないため、誤訳によっては認識の差異が生まれてしまうので、注意したいところです。
It is impossible for us to make a decision regarding the investment.
(その投資の判断を下すのは我々には難しい。)
まとめ
今回は英語にするのが難しい表現が発生する理由について、日本語と英語の特性の違いに注目した解説をしました。
その上で、英語にするのが難しい表現の例と、その例文についてみてきました。
日本語と英語が正反対の性質を持つ言葉であるからこそ起こることですが、逆に英語は日本語と比べ文や会話で誤解が生じづらい、とも言えるのではないでしょうか。
こういった構造の差を含めて、英語学習を楽しんでいただければと思います。
この記事が皆さんの英語表現の幅を広げる手助けになれば幸いです。