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更新日:2024年11月13日 コーチング

「音声知覚」と「意味理解」の違いとは?第二言語習得理論から解説


「自分から話すのはいいけど、相手から振られた時とっさに理解できなくて…」
「なんとなく、いつも雰囲気で類推して答えているけど、100%自信がもてなくて…」

英会話でそんな悩みを抱えている方は、リスニングのスキルを掘り下げて考えてみると、自分の悩みの原因が見えてくるかもしれません。

リスニングのスキルを構成する要素は何か、また、具体的にどのようなトレーニングが効果的なのでしょうか。

英語ネイティブと日本人との会話の通訳経験も多数ある、オーストラリア在住の筆者が「音声知覚」と「意味理解」の違いについて主に解説します。

 

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リスニングに必要な2つのスキル:「音声知覚」と「意味理解」

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「音声知覚」と「意味理解」の関係

「英語4技能」というと「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の4つを指しますが、その中のリスニングは、実は「音声知覚」と「意味理解」という2つのスキルに分けて捉えることができます。

この「音声知覚」と「意味理解」は密接に関連しており、どちらか一方だけではリスニングは成立しないと言われています。
そして通常、音声知覚と意味理解は同時に進行します。

以下で具体的に見ていきましょう。

「音声知覚」とは

headphone

「音声知覚」とは、聞き取った音を「言葉」として認識することを指します。

具体的には次のようなことです:
・発音の違いを聞き分ける(例:shipとsheep)
・連続した音声を区切る(単語の切れ目を見つける)
・音声の抑揚やイントネーションを捉える

音声知覚が正確に行われないと、意味を正しく理解することはできません。

音声知覚が磨かれることで、聞き取り能力だけでなく自身の発音が改善されたり、「リエゾン(リンキング)」(子音と母音をつなげて発話される現象)などの英語特有の音声変化のリズムを捉えた発話もできるようになります。

「意味理解」とは

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「意味理解」とは、聞き取った言葉を、文脈の中で理解し、意味を把握することを指します。

具体的には次のようなことです:
・単語の意味を理解する
・文法構造を理解する
・聞き取った内容を背景知識と結びつける

音声知覚に基づいて、初めて意味理解が行われます。

一般的に日本人学習者は意味理解の方が得意で、音声知覚の方が苦手な傾向があると言われています。
良くも悪くも日本は英語からの借用語・カタカナ英語が多く、そのアクセントや印象に引っ張られてしまうことも多くあります。

実際に筆者も、英語ネイティブと日本人の方との間のコミュニケーションを助ける際、日本人の方から「今の英語って、日本語でつまりこういう意味ですよね?」と誤った解釈を提示され「いえいえ、そうではなくて・・・」と訂正に入ることも多々あります。

先日も、英語ネイティブが
“I framed the artwork you gave me in my bedroom!”
(いただいた作品を額に入れて寝室に飾っています。)
と言ったのを、日本人の方が
「え、私の作品、友達にあげちゃったんですか?」
と誤解してしまい、悲しそうな顔をされた場面がありました。

すぐに「ご自分で大切に飾っていますよ」と訂正に入りましたが、どうやらこの方は “framed”(額に入れた)を “friend”と聞き間違えたようです。

このように、音声知覚が不十分だと、自分の知っている語から類推して全く異なる文脈理解をしてしまい、結果ミスコミュニケーションに繋がってしまうということも、悲しいですが往々にしてあるのです。

関連記事:英語リスニングの勉強法ガイド!英語が聞き取れない状態から上達する方法とは?

音声知覚の能力アップに効果的なシャドーイング

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音声知覚能力の不足からくるミスコミュニケーションを避けるためにも、どうやったらこれを鍛えることができるでしょうか?

それには昔から外国語学習の手法として根付いている「シャドーイング」が非常に効果的です。

シャドーイングとは

シャドーイングとは外国語学習の方法の一つで、話し手(音源)の言葉から少し遅れて、影(シャドー)のように発話を繰り返すトレーニングのことです。

シャドーイングの重要性

シャドーイングを行うことで、リスニング力の強化を目的とすると同時に、英語特有の発音やアクセント、イントネーションの習得にもつながってきます。

筆者は小学5年生から大学生まで10年間、毎月NHKラジオ英会話のテキストを使って学習していました。
学年と共に基礎英語からビジネス英会話まで講座をレベルアップさせていきましたが、どのレベルの講座でも、レッスンにはほぼ毎回シャドーイングのコーナーがあり、それだけシャドーイングが英語学習に重要であることが今になってよくわかります。

シャドーイングの正しいやり方や手軽に取り組めるおすすめアプリは、関連記事で詳しく紹介しています。

関連記事:シャドーイングの効果と正しいやり方を超解説!最新おすすめアプリも紹介
関連記事:【決定版】無料から有料までシャドーイングアプリおすすめ9選!効果的な英語学習法も紹介

意味理解の能力を強化する「単語・発音・文法」と「背景知識」

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音声知覚のレベルアップにはシャドーイングが効果的なことがわかりましたが、では、もう1つの柱である意味理解はどうしたら強化できるでしょうか。

それには英語学習の基礎である「単語・発音・文法」そして「背景知識」が大きく関わっています。

単語を知らなければ始まらない

日本語なら知らない単語でも漢字で表記してあればなんとなく意味を推測できますよね。
英語にも接頭辞・接尾辞は存在するが、音だけでは全く歯が立たないことがほとんどでしょう。

例えば、ビジネスシーンで「deduction」(税の控除・控除額)を「ディダクション」と聞き取れて、-tionから名詞であることは理解できても、結局deduction自体が何なのか知らないと話にならないでしょう。

他にも英語特有のイディオム(2つ以上の単語が結びつき、特別な意味を持った言葉)を知らなければ会話が途中でちんぷんかんぷんになってしまうこともあります。

ビジネスシーンで新製品の発売日や競合他社の情報収集について話していて、相手に
“Don’t spill the beans. “と言われた時。

「spill the beans」(秘密を漏らす)というイディオムを知っていれば、それが「他言無用」のニュアンスだとわかりますが、知らなければ「ビーンズ?なんで急に豆?」と混乱してしまうかもしれません。

新しい単語は発音もセットで覚える

英語の発音はつづりと音が一致しないことが多く、その規則性もまた複雑です。

歴史的な経緯や、他の言語からの借用など、さまざまな要因が絡み合っているため、一概に説明することはなかなか難しかったりもします。

例えば、頻度を表す基本単語のoften(しばしば)は、「オフトゥン」に近い発音ですが、中学生の頃スペルを覚えるのに「オフテン」と暗記した人も多いのではないでしょうか。
women(女性・womanの複数形)も「ウーマン」ではなく「ウィメン」ですよね。

他にも特にカタカナ英語を多用している日本人学習者には、実際の英単語のアクセントの位置も混乱の原因になることがしばしばあります。

例えば、garage(倉庫・ガレージ)は「ガレージ」と発音したいところを、最初の「ga」の部分にアクセントを置いて「ギャラージ」と発音します。

同様に document (書類)はカタカナ英語では「ドキュメント」ですが、英語では最初の「do」の部分にアクセントを置いて「ダキュメント」に近い音になります。

文法規則は会話のルール

日本のTV番組の海外ロケなどを見ていると、単語の羅列でもそれなりに現地の人とコミュニケーションを取っている様子がよく映りますよね。

「単語で十分!私もこれで海外でもサバイブできる!」
と思うことがあるかもしれません。
(そして海外ロケには往々にして現地コーディネーターさんが付いていることもお忘れなく…)

確かに、ちょっとした海外旅行であれば道を尋ねたり、食事を注文したりと会話のパターンもある程度決まっているので単語と身振り手振りで乗り切ることは不可能ではありません。

しかし、双方にストレスのないスムーズな日常会話をしたい、通訳なしで相手と対等に英語でビジネスをしたい、というのなら単語の羅列というわけにはいきません。

近頃のニュースでは、日本の若者がワーキングホリデーで海外に出てみたは良いものの、実際には英語力不足で職探しが難航、アルバイトの面接で英語での質疑応答をできない...という話なんかも聞きます。

厳しいですが、それが現実でもあります。

反対に言うと、コツコツと英語を勉強し、語彙力に加え、正しい文法規則を身に付けておくことで、相手の次の文章を予測し、聞き取りに余裕が生まれ、円滑なコミュニケーションを紡ぐことができるのです。

例えば、仮定法をきちんと理解できれば、相手が「If I were 〜(もし私が〜だったら)」で話し始めた時、「条件を表すif節が来たから、この後に帰結節(….だろう)が来るな」と脳内で自然に予測ができるようになり、聞き取りの心構えができるようになる、といった具合です。

文脈からの推測力を高める背景知識

学生時代、国語や英語の論説文の読解で
「新聞やニュースをよく見て、背景知識を増やしなさい」
と先生から指導された覚えはないでしょうか。

語彙力や文法知識を強化することと同じくらい、実は背景知識の強化もコミュニケーションにおいては重要です。

未知の単語が出てきた時も、
「このトピックでこの文脈だからおそらくこういったニュアンスなのでは」
と自然と推察力を発揮してくれます。

例えば、ニュースで次のような文章があったとしましょう。
The United Nations sent a delegation to visit the site.

delegation(代表団)が何かわからなくても、国際情勢に関する背景知識や時事問題が頭に入っていれば、United Nations(国連)が to visit the site(現地訪問に) sent(派遣した)となれば、「物資」ではなく何かしらの「人・団体」ではと推測することは可能です。

関連記事:第二言語習得理論から考える英語スピーキングの効果的な上達法

マンツーマンで音声知覚&意味理解を強化!オンライン英会話レッスン

シャドーイングで「音声知覚」を鍛え、単語・発音・文法そして背景知識で「意味理解」を強化する。

もちろん、自主学習でそれらの個々の鍛錬は必要ですが、同時に全面的にカバーしつつ強化に役立つのがマンツーマンでのオンラインレッスンです。

1回50分・週6日のカランメソッド

Callan Method Texts

1回50分・週6日のカランメソッドでのレッスンでは、会話のキャッチボールの要となるアウトプットの基礎力を徹底的に鍛えます。

カランメソッドはイギリスで50年の歴史があり、世界30カ国以上で使用されてきました。
QQEnglishは日本では初めての正規認定校として、オンラインレッスンを通じて数多くの方に利用されています。

特に、徹底的に反復するように設計されているのが大きな特徴です。
カランメソッドでは、教師のハイスピードな質問を聴き取り、それに対して瞬発的に回答することを求められます。

相手の発言を聞いて(音声知覚)理解し(意味理解)、自分の考えをまとめスムーズに答えるための英語の反射神経を徹底的に磨いていきます

カランメソッドでトレーニングを積むことで、ビジネスの場に必要なリスニング・スピーキング力を自然と伸ばすことができます。

そして、教師は「生徒の間違いを即座に指摘する」というのが前提かつ目標として含まれているため、意味理解の強化に必須の「正しい英語の文法と発音」をレッスンの中で身につけていくことができるのです。

関連記事:カランメソッドの効果とは?日本初の正規認定校が解説!

25分・100回の英会話レッスンで背景知識を強化

QQEnglish Teacher Online Lesson

Boost Coachingの受講者はカランメソッドでのレッスンに加えさらに、25分・100回分のオンライン英会話レッスンを利用することができます。

あなたの学習ゴールやビジネス的なバックグラウンドに応じ、より実際的な練習を積み重ねることができます。

50分・週6日のカランメソッドのレッスンが音声知覚・意味理解の2本の柱を築く土台作りだとしたら、こちらはより自由度の高い応用練習の位置づけです。

自分はこの分野には疎いんだよなと思うトピックや場面設定をあえて選ぶことで、自身が予習・復習段階で関連情報を調べ、かつそれを元に教師とレッスンでやり取りをしていくことで、背景知識を強化していくことが可能になります。

自身での情報収集は日本語でもかまいませんが、特に高度な語彙や専門用語などは日本語だけではなく英語でもと言うかも押さえておくことが大切です。

自分が足りないと感じるトピックや場面練習に特化し、それを英語でレッスンすることで、表現力の幅を広げることができます。

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日本人学習者への指導経験が豊富なフィリピン人教師との英会話レッスン

QQEnglish Teachers

「鍛えたいのはスピーキングじゃなくリスニング。」
「単純にリスニング能力を鍛えたいなら英会話でなく多聴を続けていればいいんじゃ?」

そう思う方もいるかもしれません。

TOEICや英検のリスニングテストで高得点を狙うだけなら、ひたすら自習トレーニングを重ね、リスニング素材を聞き、問題を解いていれば良いかもしれません。

しかし、現実世界でのリスニングは圧倒的に「相手の発話を聞いて、受け答える」「相手に投げかけ、相手の発話を聞く」、リスニングとスピーキングの繰り返しであることがほとんどです。

そのトレーニングにはプロの英語教師と対面でのレッスンを繰り返す、これが王道であり正攻法と言えるでしょう。

日本人学習者への指導経験が豊富なフィリピン人教師との英会話レッスン

QQEnglishの教師は全員が正社員のフィリピン人教師です。

仕事もプライベートも日本語で完結!というEFL(English as a Foreign Language)環境に身を置く日本人学習者は特に、聞き取りはできたとしてもいざ自分が英語で発言する際に「自分の話し方はつたなく、聞き苦しいのでは…」とためらう気持ちや不安もあるかもしれません。

日本人英語学習者への指導経験も豊富な彼らは、そんなあなたの気持ちに寄り添い、背中を押してくれることでしょう。

母語としてではなく、公用語としての英語話者であるフィリピン人教師との英会話レッスンを重ねることで、多様な英語に慣れ、自信を付けることができます。

きめ細かい個別サポートで学習進捗を管理するコーチング

QQEnglish Coaching

実際のトレーニング面でサポートするのが教師なら、学習の継続そのものをサポートするのがコーチングです。

QQEnglishの Boost Coachingでは、カランメソッドレッスンと、100回の英会話レッスン(前述)に加え、あなた専任の英語コンサルタントが週次でカウンセリングを行い、学習者の進捗を確認します

自宅ではシャドーイング練習にオンライン英会話レッスン、通勤時間は単語集の暗記に、ニュースで背景知識を広げて…と一度に一人であれもこれも抱えながら続けていくのは精神的にも大変なことです。

そこで、日々の業務で多忙なビジネスパーソンであっても、専任コンサルタントのサポートがあることで、次のカウンセリングまでの1週間の目標をスモールステップで設定し、個別指導を受けながら無理なくリスニング能力を向上させていくことが可能になります。

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関連記事:英語コーチングは本当に効果あり?最大限に効果を高める方法も徹底解説!

まとめ

「リスニング能力をアップさせる!」
と言うと漠然としており、つい闇雲に英語の聞き流しをひたすらするといった傾向に陥りがちです。

一度立ち止まり、実際にリスニング能力とは何から成るのかを分解して捉え、個々の要素にどのようなトレーニングが効果的なのかを知ることで、自分が今日から何をすべきかが明確に見えてくるでしょう。

シャドーイングも、カランメソッドも、世界中で長年用いられているのには必ず理由があります。
王道・正攻法で一歩ずつ、スキルアップしていきましょう。

Ayaka Tanaka
執筆者

Ayaka Tanaka

QQEnglish編集部

東京外国語大学にて第二言語習得・英語教育を学んだ後、日本の大手教育出版社で約10年英語教材編集者として勤務。2022年4月オーストラリア ブリスベンへ移住、英文ジャーナル編集に従事。(TOEIC950 /英検1級)ツールとしてだけでなく、言語の背景にある文化や価値観の違いも含め、英語を学ぶ面白さ・奥深さを感じてもらえたら幸いです。

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