【ジャンル別】ネイティブがよく使うイディオム・熟語表現30選を解説
英語のイディオムや熟語は、ネイティブの表現力を理解し、自分自身の英会話スキルを向上させるために必要不可欠です。
この記事では、ネイティブが日常的によく使うイディオムを計30個に厳選してジャンル別に紹介します。それぞれの意味と例文をセットで紹介しているので、スムーズに記憶に定着するはずです。
この記事を最後まで読めば、英語表現の幅が今よりもぐんと広がり、ネイティブとのコミュニケーションがよりスムーズになるでしょう。
はじめに:イディオムと熟語の違いは?
イディオムと熟語はどちらも英語学習において重要ですが、両者の違いを正確に認識している人は多くありません。両者の違いを一言で表すと以下のとおりです。
- イディオム:言葉の組み合わせによって全く異なる意味を持つ表現(単語からは意味が推測できない)
- 熟語:特定の意味を持つ単語の組み合わせ(単語から意味が推測できる)
つまり、イディオムは知っていないと理解できないのに対し、熟語は話の流れや使用されている単語からある程度の意味を推測できるのです。
例えば、後で紹介する「break the ice」というイディオムは直訳すると「氷を壊す」ですが、実際には「場を和ませる」という意味になります。
その一方で「make a decision」という英熟語は直訳すると「決断を作る」になりますが、実際の意味は「決断する」です。概ね意味を推測できますよね。
本記事では、覚えてなければ意味が理解できないイディオムを中心に、ネイティブが良くつ開くものだけに厳選して解説します。
【ジャンル別】ネイティブがよく使う英語イディオム・熟語表現30選
ジャンル別でイディオムを紹介するので、ぜひ読了後はオンライン英会話などでアウトプットしてみてください。
「日常会話」でよく使われる英語イディオム
1. break the ice 「場を和ませる」
初対面の場などで緊張をほぐし、会話を始めやすくするための行動や発言を指します。日本語でも「アイスブレイクする」と言ったりしますよね。
16世紀には「氷を砕いて船を進める」という意味で使われていましたが、18世紀以降から社交の場で使われるようになりました。
- Let’s play a game to break the ice.(場を和ませるためにゲームをしましょう。)
2. bite the bullet 「辛いことを我慢する」
困難な状況に直面したときに、それを我慢してやり抜くことを意味します。
戦場で麻酔なしに手術を受ける際、兵士が痛みをこらえるために弾丸を噛んだことに由来します。
- You need to bite the bullet and finish the project.(プロジェクトを終わらせるために辛いことを我慢する必要があります。)
3. hit the nail on the head 「的を射る」
問題の核心を突く、正確に言い当てるという意味です。
直訳すると「釘の頭を打つ」となり、大工仕事で釘を正確に打つ様子が由来となっています。
- You hit the nail on the head with your analysis.(あなたの分析は的を射ています。)
4. under the weather 「体調が悪い」
体調が優れない、病気気味であることを表します。船乗りたちが悪天候で体調を崩していたことが由来です。
- I’m feeling a bit under the weather today.(今日は少し体調が悪いです。)
5. cut to the chase 「本題に入る」
無駄な話を省いて本題に入るという意味です。映画のクライマックスシーン・見どころである追跡シーン(chase)に早くたどり着くことから来ています。
- Let’s cut to the chase and discuss the main issue.(本題に入って主要な問題を話し合いましょう。)
「ビジネス」でよく使われる英語イディオム
6. a win-win situation 「どちらにとっても利益がある状況」
双方にとって利益がある状態や解決策を指します。日本語でも「ウィンウィン」という言葉が良く使われていますが、その元ネタです。
- We need to find a win-win situation in this negotiation.(この交渉で双方に利益がある状況を見つける必要があります。)
7. back to the drawing board 「最初からやり直す」
計画が失敗した後に、ゼロからやり直すことを意味します。20世紀初頭に設計士やエンジニアが新たな設計図(drawing board)を作る様子から来ています。
The project failed, so we have to go back to the drawing board.(プロジェクトは失敗したので、最初からやり直さなければなりません。)
8. think outside the box 「型にはまらない考え方をする」
常識や既成概念にとらわれず、新しい発想をすることを指します。1970年代にマネジメントの分野で広まりました。「箱(枠)の外を考える」という比喩です。
- Let’s brainstorm and think outside the box.(ブレインストーミングをして、型にはまらない考え方をしましょう。)
9. get the ball rolling 「物事を始める」
物事を始める、進行させることを意味します。
- Let’s get the ball rolling on this project.(このプロジェクトを始めましょう。)
10. in the loop 「情報が共有されている状態」
関係者の間で情報が共有されている状態を指します。20世紀中頃に、電信や電話で情報を伝える際の「ループ」から来ています。
- It’s important to keep all team members in the loop.(チーム全員が情報を共有していることが重要です。)
「学校・教育」でよく使われる英語イディオム
11. hit the books 「一生懸命勉強する」
本を開いて熱心に勉強することを意味します。こちらのイディオムは、20世紀初頭のアメリカの学生の間で広まり、定着しました。
- She’s been hitting the books all week.(彼女は一週間ずっと一生懸命勉強しています。)
12. learn the ropes 「基本を学ぶ」
仕事や活動の基本的なやり方を学ぶことを指します。
【例文】
He’s still learning the ropes, but he’s improving quickly.(彼はまだ基本を学んでいる最中ですが、すぐに上達しています。)
13. burn the midnight oil 「夜遅くまで勉強や仕事をする」
深夜まで勉強や仕事を続けることを意味します。昔の人が夜遅くまで油ランプを使って仕事をしたことが由来です。
【例文】
I had to burn the midnight oil to finish my paper.(論文を仕上げるために夜遅くまで勉強しなければなりませんでした。)
14. pass with flying colors 「優秀な成績で合格する」
試験や挑戦に際して優れた成績で成功することを指します。船が旗(colors)を高く掲げて港に戻る様子から来ています。
【例文】
He completed the course with flying colors.(彼はコースを優秀な成績で修了しました。)
15. the ball is in your court 「あなた次第」
「次の順番は君だよ」と伝える際に使用します。テニスやバスケットボールなどの球技でボールを渡して、相手のターンの開始を伝える様子から来ています。
【例文】
I’ve done my part, now the ball is in your court.(私は自分の役割を果たしたので、次はあなたの番です。)
「旅行・観光」でよく使われる英語イディオム
16. off the beaten path 「観光客の少ない場所」
一般的な観光ルートから外れた場所を指します。
【例文】
Let’s explore some places off the beaten path.(観光客の少ない場所を探索しましょう。)
17. live out of a suitcase 「旅行を続ける」
旅を続けている状態で、常に荷物を整理せずにいることを意味します。20世紀初頭の旅行者が、短期間の滞在を続ける様子から来ています。
【例文】
Ken has been living out of a suitcase for months.(ケンは数ヶ月間旅行を続けています。)
18. travel light 「荷物を少なくして旅行する」
必要最低限の荷物だけを持って旅行することを意味します。こちらのイディオムが誕生した背景には、20世紀に航空旅行が普及し、荷物を軽くすることの重要性が高まり始めたことが挙げられます。
【例文】
I prefer to travel light when I go on a trip.(旅行に行くときは荷物を少なくして行くのが好きです。)
19. hit the road 「出発する」
旅行や旅に出ることを指します。
【例文】
They hit the road early in the morning.(彼らは朝早くに出発しました。)
20. on cloud nine 「非常に幸せな」
非常にハッピーな気持ちを表現するときに使用されます。気象学における雲の分類から来ています。
【例文】
She was on cloud nine after getting the news.(その知らせを聞いて彼女は非常に幸せでした。)
「人間関係」でよく使われる英語イディオム
21. get along with 「仲良くする」
他人と仲良くやっていくことを意味します。
【例文】
I get along well with my coworkers.(私は同僚と仲良くしています。)
22. hit it off 「意気投合する」
初対面で意気投合することを意味します。19世紀のアメリカで、化学反応がうまくいくことを意味する「hit off」から派生して、今のような使い方がされています。
【例文】
I hit it off with my new roommate.(新しいルームメイトと意気投合しました。)
23. see eye to eye 「意見が一致する」
意見や見解が一致することを意味します。
【例文】
They don’t always see eye to eye, but they respect each other.(彼らはいつも意見が一致するわけではありませんが、お互いを尊重し合っています。)
24. bury the hatchet 「仲直りする」
争いを終わらせ、和解することを意味します。北アメリカの先住民が戦争の終結を示すために斧を埋めたことに由来します。
【例文】
It’s time to bury the hatchet and move on.(仲直りして次に進む時です。)
25. give someone the cold shoulder 「冷たくあしらう」
誰かに対して冷たく接することを意味します。19世紀のイギリスで、歓迎されない客に冷たい肩肉を提供したことから来ています。
【例文】
Don’t give him the cold shoulder, try to understand his side.(彼に冷たくしないで、彼の立場を理解しようとしてください。)
「健康」でよく使われる英語イディオム
26. in good shape 「体調が良い、体が引き締まっている」
体調が良い状態や、健康的な体つきである様子を言い表します。
【例文】
I’m trying to stay in good shape by walking in the morning.(朝の散歩で体調が良い状態を保つようにしています。)
27. break a sweat 「汗をかく」
物理的な努力をして汗をかくことを意味します。19世紀のスポーツ界で広まりました。
【例文】
I broke a sweat running to catch the bus.(バスに間に合うように走って汗をかきました。)
28. run out of steam 「力尽きる」
疲れ果てて力が尽きることを意味します。蒸気機関車が蒸気を使い果たして止まる様子から来ています。
【例文】
She worked all day and finally ran out of steam.(彼女は一日中働いて、ついに力尽きました。)
29. take it easy 「無理をしない」
リラックスしてストレスを減らすことを意味します。洋画などでも”Take it easy.(気楽になれよ/無理しないでね)”といった台詞が頻繁に登場します。
【例文】
Take it easy and don’t stress yourself out.(無理をせずに、ストレスを溜めないようにしてください。)
30. under the knife 「手術を受ける」
手術を受けることを意味します。
【例文】
She’s going under the knife next week.(彼女は来週手術を受ける予定です。)
まとめ:英語のイディオムを使いこなして、ネイティブ並の英語力を身につけよう
今回は、ネイティブがよく使う英語イディオムを計30個に厳選して紹介しました。一度ですべてのイディオムを覚えることは難しいので、何度も復習していただければ幸いです。
効率よく長期記憶に残したいなら「インプットとアウトプットをセットで行う」のがおすすめです。
見るだけでは使える知識にはなりません。オンライン英会話などで実際に使う練習をして、実践の中で覚えていくことをおすすめします。