英語の語源をマスター!単語の根っこを知ると英単語が忘れられなくなる!?【現役教師が32種類を厳選】
毎日英単語帳を見ているけれど、なかなか覚えられない…。そんな苦い経験はありませんか?
世の中に英単語は約170,000語あるため、英語を使いこなすにあたって暗記しなければならない単語は山ほどあります。それらを1つ1つ覚えていくのはまさに至難のワザ …。
そこで、語彙力を伸ばすために、語句の語源を覚えて単語の根幹を知ることをオススメします。
語源とは単語の起源そのもの。単語の源(始まり)を理解することで、英単語そのものが記憶に定着しやすくなるほか、知らない単語に出会っても意味を類推できるようになります。
本記事では、皆さんの語彙力増強に繋がる英語の語源を30種類ご紹介するので、英語学習を始めたばかりの方はもちろん、英語を長い間勉強している方もぜひ一読ください。
1.語源を知って派生語をマスターしよう
英単語はそれぞれ『独立したもの』と思われがちですが、実は『①接頭語②語根③接尾語』の三つの要素から成り立っているものが多いです。
単語の意味の中核を成す語根に、接頭語や接尾語のパーツが加えられて1つの単語を作っているのです。そしてこれらを合わせて語源と呼んでいます。
①接頭語=単語の頭にくっついて特定の意味を加えるもの
②語根=単語の意味を成す根幹となる部分のこと
③接尾語=単語の後ろにくっついて特定の意味を加えるもの
例えば以下のイラストの”discussion”は接頭語”dis”の「分離」と、語根”cus”の「揺さぶる」、接尾語”ion”の「もの」から成り立っています。
そして以下のように「議論」という意味が形成されているのです。
dis「分離」+ cus「揺さぶる」+ ion「もの」 ⇨揺さぶってそれぞれを分離させるもの ⇨(言葉を)揺さぶって分解するもの ⇨(言葉を)言い合って問題や謎を紐解いていくもの ⇨論じ合うもの ⇨議論 |
これらを知ったうえで、例えば”discussable”を見ると初見でもなんとなく意味が伝わってきませんか?
これは”discuss「議論する」”に接尾語”able”の「〜できる(形容詞)」を組み合わせたものです。
つまり意味は「議論の余地がある」ということ。
語源を知っていればほかの品詞や似たような形の名詞が登場したときに、意味を類推することが可能です。
ちなみに”cus”を含む英単語は”concussion「脳震盪」”や”percussion「パーカッション」”などが挙げられ、どれも『揺さぶる』意味合いが含まれています。
2. ぜひ覚えて欲しい語源
現役英語教師が選り好みした語源を32種類ご紹介します。
TOEIC(トーイック)や実用英語技能検定(英検)などの資格テストでも活用できそうなものを選んだのでぜひ覚えてみてください。
清水建二による『語源とイラストで一気に覚える英単語』(明日香出版社)を一部参考にしています。
2-1.phobia「恐怖症」
◼︎ nomophobia「携帯電話がない状態に対する恐怖心」
no「ない」 + mobile「携帯」 + phobia「恐怖症」
※Z世代に話題の新出英単語
◼︎ nyctophobia「暗所恐怖症」
◼︎ cosmophobia「宇宙恐怖症」
◼︎ acrophobia「高所恐怖症」
◼︎ anthophobia「花恐怖症」
2-2. aqua「水」
◼︎ aquarius「水瓶座」
aqua + rius「場所」
◼︎ aquarium「水族館」
aqua + rium「場所」
◼︎ aquatic「水の」
aqua + tic 「形容詞を作る」
2-3. aster, astro「星」
◼︎ disaster「災害」
dis「分離」+ aster
※『星々が離れる⇨星回りの運勢が悪い⇨不運の予兆⇨災害』
◼︎ astrology「占星術」
astro + logy「学問」
◼︎ astronaut「宇宙飛行士」
astro +naut「人」
◼︎ astronomy「天文学」
astro + nomy「往還」
2-4. uni「ひとつ」
◼︎ uniform「同じ形の、制服」
uni + form「形」
◼︎ university「大学」
◼︎ community「共同体」
com「共に」+ uni + ity「名詞化」
◼︎ united「結ばれた」
◼︎ opportunity「機会」
◼︎ universe「宇宙」
◼︎ unit「ひとつ」
◼︎ uniqueness「独自性」
◼︎ union「結合」
◼︎ reunion「再開」
re「再び」+ uni + on「名詞化」
2-5. mount「山」
◼︎ mount「上がる、登る」
◼︎ amount「額、総計、量」
◼︎ dismount「降りる、降りること」
dis「離れて」+ mount
◼︎ paramount「最重要な、最高の」
para「そばの」+ mount
2-6. riv,ripp「川、流れ」
◼︎ rival「匹敵する人、競争相手、匹敵する、競争する」
◼︎ arrive「到着する」
ar「〜の方へ」+ riv
◼︎ ripple「さざ波、小波」
ripp + le「小さい」
◼︎ derive 由来する、引き出す
de 〜から + riv 川
2-7. mar,mer「海」
◼︎ marine「海の、海軍の、船舶の、海に住む」
◼︎ submarine「潜水艦」
sub「下に」+ marine
◼︎ maritime「海事の、海の、沿岸に住む」
◼︎ marsh「湿地、沼地」
2-8. nav,nau「船」
◼︎ navigate「操縦する、航海する、航行する」
nav + ate「〜する、〜させる」
◼︎ navy「海軍、海軍の軍艦」
◼︎ nausea「吐き気、船酔い」
◼︎ nautical「航海の、船舶の」
2-9. ann,enn「年」
◼︎ anniversary「記念日、記念祭」
ann + vers「回る」 + any
◼︎ annual「1年の、1年に1回の」
ann + al
◼︎ centennial「百年祭の、百年の、百周年」
cent「百」 + enn + ial
◼︎ perennial「永遠の、一年中続く」
per「通して」 + enn + ial
2-10. journ「日」
◼︎ journal「日記、新聞、雑誌」
◼︎ journey「旅行、旅程」
◼︎ adjourn「延期する、休会する」
ad「〜の方へ」+ journ
◼︎ sojourn「遺留する、滞在する、遺留、滞在」
so「下に」 + journ
2-11. voc 「声」
◼︎ vocal「声の、口調の、声楽の」
voc + al
◼︎ vocation「天職、適正」
voc + ion
◼︎ advocate「支持する、唱える、支持者、擁護者」
ad「 〜の方へ」 + voc + ate「〜する、〜させる」
◼︎ vocabulary「語彙、単語」
2-12. cant,chant「歌、魔法」
◼︎ chant「聖歌、讃美歌、単調な歌、賛美する」
◼︎ enchant「うっとりさせる」
en「~の中へ」+ chant
◼︎ recant「撤回する、取り消す」
re「もとへ」 + cant
◼︎ incantation「呪文、まじない」
in「~の上に」 + cant + tion
2-13. cand,kind「白、火」
◼︎ candid「率直な、公平な」
cand + id
◼︎ candor「率直、誠実」
cand 白い + or「状態」
◼︎ candidate「候補者」
◼︎ kindle「火をつける、燃やす」
2-14. cap,cab,catt「頭、つかむ」
◼︎ cape「岬、ケープ」
◼︎ capital「大文字、首都、資本、大文字の、資本の」
cap + al
◼︎ cattle「牛、家畜」
◼︎ escape「逃げる、逃れる」
es「外に」 + cap
2-15. am,em「愛、友」
◼︎ amateur「未熟な、アマチュア、愛好家」
am + eur「人」
◼︎ amiable「愛想のいい」
am + able「〜できる」
◼︎ amicable「友好的な」
am + able「〜できる」
◼︎ enemy「敵」
en「ない」+ emy
2-16. carn「肉」
◼︎ carnal「肉体の、世俗の、物質的な」
◼︎ carnation「(赤い)カーネーション、淡紅色」
◼︎ carnivorous「肉食の」
carn + ous「満ちた」
◼︎ incarnation「肉体を持った存在になること、化身、具体化」
in「~の中に」+ carn + ate「〜する、〜させる」 + tion「名詞化」
2-17. cor,cord「心」
◼︎ core「芯、核心」
◼︎ cordial「友好的な、心からの、思いやりのある」
cord + ial
◼︎ according「よって、従って」
ac「~の方へ」 + cord + ing「している」
◼︎ discord「不調和、不一致、不協和音」
dis「離れて」 + cord
2-18. dent,dan「歯」
◼︎ dandelion タンポポ
dan + de「フランス語でof」 + lion「ライオン」
※ライオンの歯の形に似ていることに由来
◼︎ dental「歯科」
den + al
◼︎ denture「入れ歯」
den + ture「状態」
◼︎ indent「刻みをつける、段落の1行目を字下げする」
in「中に」 + dent
2-19. fac,fic「顔」
◼︎ face「直面する、顔、表面、外観」
◼︎ facade「正面、外見」
◼︎ facet「一面」
◼︎ superficial「表面的な」
super「上に」 + fic「顔」 + ial
2-20. flor, flour「花、最高のもの」
◼︎ floral「花の、植物の」
flor + al
◼︎ florid「 赤らんだ、華やかな、派手な」
flor + id
◼︎ flour「小麦粉」
※中世において穀物のなかで小麦は最良のものだった
◼︎ flourish「繁栄する、栄える、繁殖する」
flour + ish「〜にする」
2-21. form「形」
◼︎ reform「改革する、再構成する」
re「再び」 + form「かたち」
◼︎ inform「知らせる」
in「中へ」 + form
◼︎ conform「従う、一致する」
con「共に」 + form
◼︎ perform「上演する、実行する」
per「完全に」 + form
2-22. host,hospit「客、敵」
◼︎ hospitalize「入院させる」
hospital + ize「〜にする」
◼︎ hospitable「快適な、もてなしのよい、快く受け入れる」
hospit + able 「〜できる」
◼︎ hostage「人質」
host + age「状態」
◼︎ hostile「敵の、敵意のある」
host + ile
2-23. hom,hum「人」
◼︎ human「人間の、人間らしい、人間」
hum + an
◼︎ humanity「人間性、人類」
hum + an + ty「状態」
◼︎ humane「慈悲深い、人情のある」
◼︎ homage「敬意、尊敬、君臣の関係」
hom + age「状態」
◼︎ hostage「人質」
ho + ostage「敵」
2-24. namin,onym「名」
◼︎ nominate「指名する、任命する」
nomin + ate「〜する、〜させる」
◼︎ anonymous「 匿名の」
a「~がない」 + nonym + ous
◼︎ antonym「反意語」
ant「反対の」+ onym
◼︎ synonym「同義語、別名」
syn「共に」 + onym
2-25. mal「悪」
◼︎ malady「病」
mal + ady「持つ」
◼︎ malice「悪意、敵意、殺意」
◼︎ malignant「 悪性の、有害な、悪意のある」
mal + ant「〜な性質の、人」
◼︎ malevolent「悪意に満ちた、憎しみを持った」
mal + vol「意思」 + ent「〜な性質の、人」
2-26. man(u)「手」
◼︎ manuscript「原稿」
manu + script「書かれた」
◼︎ manipulate「操作する、うまく扱う」
man + pul +ate「〜する、〜させる」
◼︎ manifest「明らかな、はっきりした、証明する」
man + fest「打つ」
◼︎ manage「何とか〜する、管理する、処理する」
2-27. port 「運ぶ」
◼︎ porter「運搬人」
port + er「人」
◼︎ portable「持ち運び可能な」
port + able「可能な」
◼︎ sport「スポーツ」
s=dis「分離して、離れて」+ port「運ぶ」
※仕事から人を離れさせるという由来
◼︎ export「輸出する」
ex「外へ」+ port
◼︎ import「輸入する」
im=in「中へ」+ port
2-28. mit「送る」
◼︎ transmit「伝達する」
trans「向こうに」+ mit
◼︎ commit「専念する、約束する」
com「共に」 + mit
◼︎ permit「許す」
per「完全に」+ mit
2-29. in,im,i「否定」
◼︎ impossible「不可能な」
im + possible「可能な」
◼︎ invisible「目に見えない」
in + visible「目に見える」
◼︎ illegal「違法な」
i + legal「合法の、法律の」
2-30. anti「反対する」
◼︎ antipathy「嫌悪」
anti + pathy「感情」
◼︎ antibiotic「抗生物質」
ant + biotic「生物的な」
◼︎ antithesis「対立、正反対」
anti + thesis「置く」
◼︎ antibacterial「抗菌性の」
anti + bacterial「細菌の」
2-31. temp「時」
◼︎ tempo「ペース、速さ」
◼︎ tempest「大あらし、暴風雨」
◼︎ temporary 「一時的な」
◼︎ contemporary「同世代の、現代の、現代人」
2-32. bar「棒、木、障害物」
◼︎ barrier「障害、柵」
bar + er「もの」
◼︎ embarrass「困らせる」
em「~の中へ」 + barre 「障害物」
3. おわりに
英単語の語源を知ることで、単語をイメージとして覚えることができ記憶の定着につながります。
また同じようなスペルの単語と出会った際に、語根、接頭語、接尾語のいずれかを知っていれば意味を類推することが可能です。
- 英単語を覚えるのが苦手かもしれない
- 知らない単語を推測しながら長文を読みたい
このような方はぜひ語源に着目してボキャブラリー力を身につけてみてください。あなたの英語ライフが素敵なものとなるよう陰ながら応援しています!