スイスやドイツでは英語が通じるのか?ヨーロッパの英語力ランキングも紹介!
旅行に行くときに心配することの1つとして、「その国では英語が通じるのか」ということだと思います。現地で食事をしたり、買い物をするときに、英語が通じないと不安になりますよね。
そこで、今回は旅行先として人気のあるスイスとドイツに焦点を当てて、「スイスとドイツでは英語が通じるのか」ということについて解説していきます。また、他のヨーロッパの国々の英語力についてもご紹介していきます。
スイスの概要
スイスは中央ヨーロッパに位置している永世中立の国です。国土の大部分を覆うアルプス山脈を見ようと、毎年多くの国々から観光客がスイスを訪れます。
スイスの首都はベルンにあり、人口880万人ほどの国です。
国際連合の欧州本部や世界貿易機関、世界難民機関など、スイスには多くの国際機関があり、その影響もあって、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの公用語があります。
スイスは英語が通じるのか
公用語が4つもあり、様々な言語が飛び交うスイスでは、実際に英語は通じるのでしょうか。
(1)スイスでは英語が通じる
一般的にスイスでは、英語が通じます。
特に観光地のチューリッヒやバーゼル、国際都市のジュネーブでは、英語でコミュニケーションをとることが一般的で、レストランやホテルなどでは英会話に困ることはほとんどありません。
全世界的に英語教育を拡大しているEF English社の調査によると、スイスの世界英語能力指数は世界の111カ国中、30位に位置しており、「high profeciency」(高い能力:5段階中上から2番目)と評価されています。
同調査によると、スイスの中でも1番英語能力が高いと評価された場所はバーゼルで、31歳〜40歳の年齢層が優れた英語能力を持っているというデータもあります。
なお、日本人の英語力は、111カ国中87位に位置しており、「low profeciency」(低い能力:5段階中下から2番目)と評価されています。
(2)スイスで英語が通じる理由
それでは、なぜスイスでは英語が通じるのでしょうか。
続いては、スイスで英語が通じる背景や理由について、2つに分類して解説していきたいと思います。
①言語的な特徴
スイスで英語が通じる理由の1つとして、スイスで話されている言語が挙げられます。
スイスにはドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語が公用語として話されているとご紹介しましたが、その中でも特に、ドイツ語とフランス語は、英語ととても近い距離にある言語です。
そのため、ドイツ語かフランス語のいずれかを話すことができれば、英語を習得することはそこまで難しくないのです。
まず、ドイツ語と英語の関係ですが、英語とドイツ語はゲルマン語派なので兄弟のような関係にあり、文法や単語に類似性が見られます。例えば、英単語「have」はドイツ語では「haben」と表現されるため、とても似通っていることが分かると思います。
次にフランス語と英語の関係です。フランス語はロマンス語派なので、英語との言語的距離は若干遠いのですが、語彙を見ると、英語とフランス語には共通するものが多いことに気づきます。
英単語の中には、フランス語から借用した語彙が多く、例えば、議会のことを英語では「council」と言いますが、フランス語では「conseil」と言います。
このように、ドイツ語、フランス語は英語と類似しているため、スイスでは、公用語であるドイツ語かフランス語を話すことができれば、英語を習得することは比較的容易なのです。
②スイスの英語教育
スイス人の英語力の高さは、スイスにおける充実した英語教育も関係しています。スイスでは、学校のカリキュラムにおいて、英語が重要な位置を占めています。
スイス政府の教育方針としては、4つの公用語のうちいずれか2つをマスターし、そして、3つ目の言語として英語を習得することを掲げています。
スイスの学校では(州によっても異なりますが)、小学校1年生から英語教育が開始されます。または、幼稚園のカリキュラムに英語が組み込まれているケースもあります。
また、ジュネーブなどの国際的都市では、海外から学びにくる留学生も多いため、大学や高等教育機関においては、多くの授業が英語で実施されています。
このように、スイスでは初等教育から高等教育まで、長期に渡って充実した英語教育を受けることができるのです。
ドイツの概要
ドイツと聞くと、ビールやソーセージを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
フランクフルトやベルリン、ミュンヘンなど、様々な観光都市があり、世界中の観光客に人気の国です。
ドイツは中央ヨーロッパに位置し、ヨーロッパの中でも最大規模の経済力を誇ります。首都はベルリンにあり、人口は約8,500万人ですが、人口の約25%を海外からの移民が占めています。
そして、ドイツにおける公用語はドイツ語です。
ドイツでは英語が通じるのか
さて、それでは、ドイツでも英語は通じるのでしょうか。
(1)ドイツでは英語が通じる
スイスと同様に、ドイツでも一般的に英語が通じます。
また、ドイツ人が話す英語には癖のあるアクセントなどなく、日本人にとってとても聞き取りやすい英語です。
そして、上記でご紹介したEF English社の調査によると、ドイツの世界英語能力指数は111カ国中、10位に位置しており、「Very High Profeciency」(とても高い能力:5段階中トップ)と評価されています。
また、ドイツにおいては、21歳〜25歳の年齢層の英語能力が高いというデータも公表されており、ドイツ人の中でも特に若年層の英語レベルが高いことが分かります。
(2)ドイツで英語が通じる理由
それでは、ドイツ人の英語能力はなぜそこまで高いのでしょうか。
ドイツで英語が通じるのは、ドイツにおける英語教育水準の高さや社会的な要因が関わっています。続いては、ドイツで英語が通じる理由について詳しく見ていきましょう。
①ドイツの英語教育
ドイツの英語教育はドイツ人の英語力向上に大きな役割を果たしています。
学校や地域によっても多少異なりますが、ドイツでは平均的に小学校3年生から、必修科目として英語教育が開始されます。
ドイツの英語教育では、「聞く」「話す」に焦点が当てられ、日本で行われる単語・文法学習、「読み」「書き」を重視した教育方法とは大きく異なります。つまり、ドイツでは、日常的に使うことができる「実践的な英語」が学校で教えられており、これがドイツ人の英語能力向上に貢献しているのです。
また、中学校以降は通常の英語学習に加え、英語で他の科目(理科や社会など)を学ぶクラスや英語で討論を行うクラスも設けられています。
このように、ドイツでは、初等教育や10代の頃から実践的な英語を学ぶ慣習があるため、ドイツ人は「英語をツールとして使える」ようになるのです。
②社会的要因
ドイツには、多くの外国人、移民が住んでいるため、日常的に英語を使う機会があります。前述した通り、ドイツの人口のうち、約25%もの人が海外から移り住んだ移民とのことです。
特に最近は紛争やテロなどの影響により、中東の国々やウクライナ等から移民として移り住む人が増えています。
ドイツに移住した人々がドイツ語を習得していなければ、英語を使ったコミュニケーションが必要になるため、自然と英語を話す機会が増えるのです。
日本では、約2%のみが外国人のため、あまり日常的に英語を話す機会はありませんが、今後外国人労働者の割合が増えてくると、日本でも英語を話す機会が増えるかもしれません。
ヨーロッパでは、他にどの国で英語で通じるのか
スイスとドイツは、一般的に英語力が高く、様々な場所で英語が通じることをご紹介してきました。
それでは、他のヨーロッパの国々でも、英語が通じるのでしょうか。
ヨーロッパの国々における英語力は国や地域によって異なりますが、多くの国では英語が通じます。実際に、上記でご紹介したEF English 社の調査によると、111カ国中の上位20番目までに16カ国ものヨーロッパの国がランクインしているのです。
特に英語教育水準の高い北欧諸国の国々が突出しており、デンマークが第4位、ノルウェーが第5位、スウェーデンが第6位、フィンランドが第14位に位置しています。
また、オランダ人の英語力はとても高いです。多くのオランダ人の英語の発音はとても綺麗で、流暢な英語を話すことができます。EF English 社の調査においても、2022年、2023年と2年連続でトップの座を勝ち取りました。
まとめ
今回は、「スイスとドイツでは英語が通じるのか」というテーマを中心に解説してきました。
どちらの国でも主に都市部や観光地では、英語を使ったコミュニケーションに困ることはありません。
しかし、地方や田舎の場所に行くと、現地の言葉しか通じないというケースもありますので、事前に現地の言語事情については把握しておくようにしましょう。
本記事も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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