英語の「動名詞」とは?英文での使い方や不定詞との違いを徹底解説!
基本的な英文法のひとつである「動名詞」は、動詞をing形に変化させて名詞として使用する用法です。
しかし、動名詞は文法的に複雑な概念やルールが多いため、不定詞との使い分けに悩む方も多い用法だといわれています。
この記事では、動名詞の使い方や不定詞との違い、動名詞を活用した慣用表現などを紹介します。
動名詞とは?
「動名詞」は、動詞に「ing」を付けて名詞として使用しますが、動詞本来の意味を含む場合もあります。それゆえ、動詞と名詞、両方の性質を併せ持つのが動名詞の特徴です。
動名詞には、下記の3つの役割があります。
①動名詞が「主語」になる場合
動名詞は「〜すること」と主語を表します。この場合の主語は不可算名詞と捉えるため、文法は三人称単数の形になります。
例文ではReading books (本を読むこと)が主語となります。
②動名詞が「補語」になる場合
名詞と動詞のみで文章が成り立たない場合、主語を補って文章を完成させる役割をする用法を補語といいます。
主語=補語となるのが特徴です。上記の例文では、「My hobby(私の趣味)=playing the piano(ピアノを弾くこと)」となります。
③動名詞が「目的語」になる場合
動名詞が目的語になると、動詞の内容をより具体的に説明する役割をします。
例文ではdrinking coffe(コーヒーを飲むこと)がenjoy(楽しむ)という動詞の説明をしているため、目的語を使用することによって何を楽しんでいるのかが具体的に分かります。
また、動名詞が目的語となる場合は次の2つのパターンがあります。
1.動詞の「目的語」
動詞に連なる動名詞は、動詞の「目的語」と捉え、動詞の内容をより明確に説明します。
例文の場合、started(始めた)が動詞でplaying golf (ゴルフをすること)が目的語となり、「何を始めたのか」を具体的に説明しています。
2.前置詞の「目的語」
前置詞のあとには必ず「名詞」がくるため、動名詞に変換して「名詞」として使用します。
be good at〜(〜が得意)の前置詞である「at」の後ろに、speaking English(英語を話すこと)が並び、何が得意かを明確にしています。
「動名詞」と「to不定詞」の違い
動名詞と似た働きをする文法用法に「to不定詞」が挙げられます。どちらも「〜すること」を表すためニュアンスがよく似ていますが、文法的に大きく異なる点があります。
今一度しっかり確認して使い分けを理解しておきましょう。
「動名詞」のみを目的語にする場合
下記は頻出度が高い「動名詞」のみを目的語にする動詞です。これらは「to不定詞」を目的語にすることはできません。動名詞の特徴として、「過去のニュアンス」が含まれているケースが多いです。
動詞 |
例文 |
finish (終える) |
I’ve finished reading the book. (私は本を読むことを終えた。) |
avoid (避ける) |
You should avoid walking on this street. (あなたはこの通りを歩くことを避けるべきだ。) |
enjoy (楽しむ) |
She will enjoy watching movies. (彼女は映画を観ることを楽しむだろう。) |
mind (気にする) |
Do you mind closing the door? (ドアを閉めることを気にしますか?) |
suggest (提案する) |
I suggest making the documents. (私はその書類をつくることを提案する。) |
「to不定詞」を目的語にする場合
下記は頻出度が高い「to不定詞」のみを目的語にする動詞で、「動名詞」を目的語にすることはできません。またto不定詞では、「未来のニュアンス」を含むケースが多いです。
動詞 |
例文 |
decide (決める) |
We decided to go shopping. (私達は買い物に行くと決めた。) |
plan (計画する) |
Taro is planning to clean his room. (タロウは彼の部屋を掃除することを計画している。) |
want (~したい) |
I wanted to buy shoes. (私はくつを買いたかった。) |
need (必要とする) |
Keiko needs to get a ticket. (ケイコはチケットを取る必要がある。) |
promise (約束する) |
We promised to see next week. (私たちは来週会う約束をした。) |
「動名詞」と「to不定詞」の両方を目的語にする動詞
「動名詞」と「to不定詞」にはどちらも目的語として使用できる動詞があります。その場合、それぞれ文脈の意味が同様である場合と異なる場合があります。
「動名詞」と「to不定詞」で意味が同じである場合
「日常的に繰り返し行われる動作」を表す場合は、動名詞とto不定詞どちらを使用しても同じ意味となります。
動名詞 |
to不定詞 |
I like playing the piano. (私はピアノを弾くことが好き。) |
I like to play the piano. (私はピアノを弾くことが好き。) |
I started listening to music. (私は音楽を聴き始めた。) |
I started to listen to music. (私は音楽を聴き始めた。) |
「動名詞」と「to不定詞」で意味が異なる場合
to不定詞は「未来のこと」を、動名詞は「過去のこと」を表すニュアンスを含みます。下記のように同じ動詞を使用しても文章全体の意味合いが異なる場合があるため、使い分けが必要です。
動名詞 |
to不定詞 |
I stopped eating lunch. (私は昼食を食べることをやめた。) |
I stopped to eat lunch. (私は昼食を食べるために立ち止まった。) |
I remember opening the windows. (私は窓を開けたことを覚えている。) |
I remember to open the windows. (私は窓を開けることを覚えている。) |
【応用】動名詞の「完了形」と「受動態」とは
動名詞は「完了形」と「受動態」として使用するケースもあります。それぞれの違いをチェックしてみましょう。
「完了形」の動名詞
完了形はhave+過去分詞と表しますが、動名詞だと having+過去分詞 の形に変化します。つまり、動名詞が完了形=主節より過去に行われた出来事だと認識できます。
She is proud of having won the prize. (彼女はその賞を取ったことを誇りに思っている。) Having lived in Japan for years, she speaks Japanese fluently. (日本に何年も住んでいたので、彼女は日本語が流暢だ。) |
「受動態」の動名詞
受動態はbe動詞+過去分詞で表します。受動態が動名詞の場合は、「being+過去分詞」の形にし、「~されること」という受け身の意味を表します。
The bridge is being repaired now. (その橋は今修理されている。) A new road is being built near my house. (私の家の近くで新しい道路が建設されている。) |
動名詞の慣用表現を紹介
動名詞を使用した慣用表現の中で特によく使われるフレーズを紹介します。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使える表現が揃っているため、ぜひ活用してください。
慣用表現 |
例文 |
feel like ~ing (~したい気がする) |
I feel like taking a nap. (私は昼寝がしたい気分だ。) |
be worth ~ing (~する価値がある) |
This book is worth reading. (この本は読む価値がある。) |
be used to ~ing (~することに慣れている) |
I am used to waking up early. (私は早起きに慣れている。) |
far from ~ing (決して~ない) |
She is far from understanding the problem. (彼女はその問題を理解するどころではない。) |
on ~ing (~するとすぐに) |
On hearing the news, she burst into tears. (その知らせを聞くとすぐに彼女は泣き出した。) |
動名詞は似ている文法表現が多いため混同しやすい用法ですが、ポイントを理解すると大いに活用できる表現です。ぜひ積極的に使ってみてください。