have doneとhave been doingの意味、違い、正しい使い方とは?
皆さんが学校や塾などで英語の文法を習った際に、「現在完了形」や「現在完了進行形」という項目を勉強したことがあるのではないでしょうか。
これらを習った際に「have+過去分詞」や、「have+been+動詞ing」「継続」「経験」「完了」などを勉強し、「~してきた」という風に覚えている方も多いのではないでしょうか。
そこで、現在完了形と現在完了進行形の意味や使い方の違いについて悩んだ方も多いと思います。
そこで、今回はこれら二つをちょっとだけ深く掘り下げて、それぞれの意味や使い方の違いについて勉強していきましょう。
現在完了形「have done」とは
二つを比較する前に、少しだけそれぞれの文法を復習してみましょう。
まずは現在完了形(have done)です。現在完了形は多くの場合、これ一つで「継続」「経験」「完了」といった三つの使い方があるという風に説明されています。
実際に、英語の現在完了形の文を日本語に訳する場合、どちらかに当てはまる場合が多いのも事実です。
そこで多くの方が、「なぜ一つの形で三つも意味があるのか」という疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
これは実は、現在完了形が持つ一つのイメージを日本語に当てはめた時、日本語では単に三つに分類した方が説明しやすいだけの話で、英語話者が現在完了形を使う際にわざわざ三つの用法から選んで使っているということではありません。
現在完了形の持つイメージとは、「(過去にやった)経験を今も持っている」というイメージです。これでhaveが使われる理由が分かりますね。少し例文を見てみましょう。
(英語を5年間勉強してきた。)
この文では、「私は今、過去に5年間英語を勉強したという事実をまだ持っている」という感覚で話ししています。
この「今も持っている」という感覚は現在完了形のとても大切なイメージなので、ぜひ覚えておきましょう。
両手で過去の出来事、経験を抱えている、そんなイメージです。それでは、現在完了形の使い方のバリエーションを例文を交えてご紹介します。
最近あった事柄を話する場合
現在完了形を用いて、最近あった出来事について述べることができます。「今も持っている」という感覚が身近な出来事を話すのにちょうど良くフィットしていますね。それでは例文を見てみましょう。
(ちょうど夕飯終わったところだよ。)
I have already finished my homework.
(もうすでに宿題終わったよ)
ここで使ったjustは、間近にあった出来事を表すのにぴったりの言葉ですね。これも、「夕飯が終わった」という出来事を「今も持っている」という感覚なのが伝わると思います。
alreadyは「もう既に」という意味を表す単語です。これも完了形のイメージにぴったりの単語なので一緒に覚えておきましょう。
~したことがある(経験)
過去に合った出来事を「今も持っている」という感覚が現在完了形の大切な意味だと言いましたが、その感覚がばっちり会うのがこの「〜したことがある」と言いたい時です。
過去の経験を話したい時は、迷わず現在完了形を使いましょう。それでは例文をどうぞ。
(前にカナダに行ったことがあるよ。)
Have you ever been to other planets?
(他の惑星に行ったことある?)
Yes, I have. I went to Mars last year.
(えぇ。去年火星に行きました。)
どうでしょうか。「今も持っている」感が伝わってきますね。
②の文は疑問文は完了形で聞いているのですが、答えている方は過去形を使っています。
それは答えている文が「今経験を持っている」と言っているのではなくて、「去年行った」という過去の事実を話しているだけだからです。
ずっと~している(継続)
現在完了形の中でも注意を向けてほしいのはこの使い方です。上の二つの使い方はどちらも「過去にあった出来事を今も持っている」という感覚でした。
実際に今まで紹介した二つの使い方は過去の出来事、経験を持っているという文でしたが、今回は「ずっと〜している」という使い方です。
過去から今まで続いている出来事を「今も持っている」という感覚です。それでは例文を見てみましょう。
(1995年から日本に住んでいる。)
この文では、日本に住んでいるという出来事を1995年から今も持っているという感覚ですね。
どうでしょうか。現在完了形の「今も持っている」という感覚が伝わったでしょうか。
それでは続いて、現在完了進行形も見ていきましょう。
現在完了進行形(have been doing)とは
勘のいい方は名前を見ただけで気づいたかもしれませんが、現在完了進行形とは、先ほど説明した「現在完了形」と「現在進行形」が合体した形です。
ですので、それぞれの意味を理解していれば、have been doingがどのような感覚なのかも理解できると思います。
先ほど現在完了形は「(過去にあった出来事を)今も持っている」と説明しましたね。
そこで、現在完了進行形を理解する上で大切になっている現在進行形(be doing)について少しお話します。
be doingは、「(今まさに)~している」という言わば「動画」的なフレーズです。
I study English.が「普段から英語を勉強します。」という勉強している姿が「写真」的な感覚なのに対して、I’m studying English.というと「(今まさに)英語を勉強しています。」という、勉強している姿に動きが生まれ、「動画」的な表現になります。
この現在進行形が持つ「動き」がとても重要な働きをします。
現在完了進行形は、現在完了形が持つ「(過去にあった出来事や経験を)今も持っている」という感覚に、現在進行形の「動き」が加わります。
例文を見てみましょう。
(もう三時間も待っているんだけど!)
I have been cleaning my house since this morning.
(朝から家の掃除しているよ…)
この、現在完了形にはなかった「動き」が連続している感覚が伝わってきますね。
この「動き」、「動画的」な意味合いを含むことから、「〜し続けている」という感覚が非常に強くなるのがこのhave been doingの表現です。
こちらの現在完了進行形も頻繁に出てくる表現なのでぜひたくさん練習してマスターしましょう
have doneとhave been doingの違い
さて、ここまで現在完了形と現在完了進行形を少し掘り下げて説明してみましたが、ここできっちり違いを分けてみましょう。それでは二つの例文を見てみましょう。
(1995年から日本に住んでいる。)
I have been cleaning my house since this morning.
(朝から家の掃除しているよ…)
さて、ここで二つの文を並べてみました。①の文は、現在完了形の「ずっと〜してきた」の文で、②の文は現在完了進行形の説明で取り上げた例文です。
①の文に比べて、②の文は「動き」が伝わるのが感じ取れると思います。「朝からcleaningで動きっぱなしなんだよ」と心の声が聞こえてきそうな感じです。
それに対して、①の文は、動きではなく、過去から今までつづく事柄を「私」が抱えているような感覚を感じ取れると思います。
このことから、have doneは「経験」などを言った時にすごくばっちり当てはまり、have been doingは「(連続している動作)をやってきている」とアピールしたい時にすごく当てはまる表現になります。
ここで、分かりやすく二つの似たような例文を並べてみましょう。友達と待ち合わせをしている場面です。
(3時間も君のこと待ってたんだよ。)
I have been waiting for you for three hours.
(3時間も君のこと待っているんだよ。)
さて、①は、友達が3時間遅刻してきて、会ったあとに言うフレーズですね。
「3時間も待った」という出来事を持っている感覚があります。
それに対して②の例文は、おそらく電話やテキストなどで「待っている最中」に友達に言っている内容だと分かります。
「3時間も待ち続けている」という、今でも待っている感覚が伝わってきますね。
これが、have done が持つ「過去の出来事を持つ」という感覚と、have been doingの「連続した出来事をやってきて、(今もやっている)」という感覚の違いですね!
まとめ
さて、よく混同してしまう現在完了形(have done)と、現在完了進行形(have been doing)の違いをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
have doneは「(過去の出来事、経験を)今も持っている」、have been doingは「(連続している動作)をやってきている」です。
もちろん、両方とも日常会話にも頻繁に登場する表現方法ですので、違いを理解したうえでこれからも反復練習を怠らずに頑張っていきましょう。