haveとhave gotの意味、違い、英会話での実践的な使い方とは?
英語を勉強していく上で、避けては通れないのが「単語は違うのにその意味は同じ」という現象。
今回は、その中でとりわけ区別が難しいhaveとhave gotについて取り扱います。
皆さんも、もしかするとネイティブがhave gotを使っている場面を見たり、聞いたりして、「haveとの違いは何だろう?」「これってgot(得る)の完了形かな?」といった疑問を抱いた経験があるかもしれません。
そこで今回は、この曖昧なhaveとhave gotの意味の違いや、それぞれの使い方の違いまで、いつもより少しだけ深くだけ掘り下げて学んでみましょう。
haveとは
それではまず、違いを比較する前にhaveという単語がどのような意味を持っているのかを復習しましょう。
みなさんが英語を勉強し始めた初期に登場するであろうこのhave。みなさんの中には「持つ」という意味で教わった方も多いかもしれません。
実は、このhaveの「持つ」、かなり広い意味で使われています。具体的に言うと、「自分の力、所有権の及ぶ身近な範囲に持つ」といった感じです。
少し難しいので、例文を見ながら深堀してみましょう。
こちらの例文はものすごい頻度で見かける文ですね。こちらは、読んで字のごとく、「ペンを所有している」ということなので、ペンが所有権の及ぶ範囲にある感覚、自分のテリトリー内にある感覚が伝わると思います。
ですので、実際に手に「ペン」を持っていても、ポケットにペンがあっても、「所有している」のであればhaveですね。それでは次の例文も見てみましょう。
先ほどのペンの時と同様に、自分のテリトリー内に「彼女」を持っているのが伝わりますね。決して、「彼女」という人間を手に持っているわけではないですが、こちらもhaveで「持っている」と表現できます。
こちらの例文のように、持つものが目に見えないもの、例えばここで使われている「時間」などでもhaveを使って表すことができます。
これも、自分のテリトリー内にある残された「時間」についてお話しているので、haveの持つ「所有」という考え方が良く伝わるかと思います。
このような使い方の他に、have a lunch.(ランチを食べる)や、have a baby.(子どもを産む)といった使い方もできます。これらもすべて、「身の周りに所有する」という感覚があるのが分かると思います。
これらの例文で見てきたように、haveという単語は「持つ」という意味ではありますが、その「持つ」は、モノを「所有」している時や、身の回りにある「状況」などについて表すことができます。
haveは「自分のゾーン」の意識が強い単語ということをぜひ覚えておきましょう。
have gotとは
続いて、have gotについて学んでみましょう。have gotを学校教育の中で詳しく学んだという方はそこまで多くないかと思いますが、こちらのhave gotもhaveと同じように、「持つ」という意味で使われています。
特にイギリス英語などでよく耳にするhave gotですが、こちらをもう少し詳しく説明すると、先ほど説明したhaveの「自分のゾーン」の感覚に、getが持つ「得る」という感覚が合わさったイメージです。
日本語にするならば「手に入れて持っている」でしょうか。
have gotを使う際に注意が必要なのは、have gotは手に入れて「持っている」なので、haveと同じ意味で「持つ」と言いたい時に使えたとしても、gotの「得た」と言いたい時には成り立たない場合もあります。
それでは、いくつか例文を見てみましょう。
こちらの例文では、ほぼI have some money.と同じ意味なので、どちらでも同じように使うことができます。
疑問文にするとどうでしょうか。haveであれば、疑問文にする時はDo you have a car?となりますが、have gotでは例文のように、Haveから始まる疑問文となります。
こちらもhave同様の意味合いで使われていますね。
では、先ほど述べた、have gotはhaveの意味で使われることがあっても、gotの意味とは少し違うというお話を覚えていますか?これを例文を並べてみてみましょう。
I have got a car.(車を(手に入れて)持っている。)
I got a car.(車を手に入れた。)
さて、①と②の例文はほぼ同じことを言っていますね。ですが③の文はどうでしょうか。
こちらは、gotを使った分で、「得た」という過去の事実の部分に焦点が当たっていますね。
これでは、haveやhave gotが伝えたい「持っている」とは言っていないので、違いを頭に入れておきましょう。
haveとhave gotの違い
さて、ここからは既に説明したhave(自分のゾーン)とhave got(手に入れて持っている)の意味を踏まえた上で、それらの使い方の違いを、両方の例文を並べて見ていくことにしましょう。早速こちらの例文を見てください。
I have got a car.(車を持っている。)
さて、こちらは両方同じ意味で使われる典型的なパターンです。
実際に何かを「持つ」、「所有する」という表現をする場合は、haveはもちろんですが、have gotも意識があるのはhaveの方なので、どちらを使用しても大丈夫です。続いてこちらの例文を見てみましょう。
I have got headaches often.(×)(よく頭痛がする。)
さて、こちらの文では、どちらも「頭痛がある」と言っているように見えますが、実はこの表現を②のようにhave gotで表すことができません。
「習慣」や、「日常的」な事柄に対しては、have gotは使用することができないので注意しておきましょう。
なぜかと言うと、先ほどhave gotで説明した通り、have gotは「手に入れて持っている」です。
「日常的」なことに対してこの「手に入れて」という感覚が合わないのです。分かりやすく次の例文を見てください。
I’ve got a headache today.(今日頭が痛い。)
こちらの「(今日)頭が痛い」と言いたい場合であれば、「日常的」なことではないのでhave gotも使うことができます。「自分のゾーンに頭痛が入り込んできた」イメージですね。
だんだん違いに慣れてきましたか?最後にもう1ペアの例文を見てみましょう。
(たまにご近所さんとパーティーするんだ。)
Sometimes I’ve got a party with my neighbors.(×)
(たまにご近所さんとパーティーするんだ。)
さて、ここまで勉強してきた皆さんなら、この②のhave gotの文がなぜ使えないのかすぐに答えが出せるはずです。
そうですね。「日常的」な事柄だからですね。
sometimes(時々)と言ってはいるのですが、ご近所さんとパーティーするという「習慣」について述べているのでこちらもhave gotは適さない文です。
まとめ
haveとhave got、同じようで若干ニュアンスの違う表現でしたね。
haveは「自分のゾーン」に持っている。have gotは「手に入れて」持っている。さらに、have gotはhaveと同じ使い方はできるが、gotと同じ使い方はできないなど、詳しく見てみると使い方まで違ってきます。
もちろん、どこへ行っても通じる表現ではありますが、イギリス英語などの方がhave gotをより多く使う傾向でもあります。
また、こちらのhave gotですが、have to「~しなければならない」を同じような意味でhave got toと表現することもできますし、話し言葉ではhave gotのhaveが省略されて、gotのみで使われることも多いです。
haveもhave gotも非常に使い勝手の良い単語・表現なので、たくさん聞いて、練習して使いこなせるようになりましょう。会話の幅が広がること間違いなしです。