香港って英語が通じるの?どのくらいのレベルがあれば大丈夫?その疑問にお答えします!
手軽な海外旅行先の候補として挙げられる香港。
飲茶(ヤムチャ)や雲呑麺(ワンタンメン)、カステラを揚げたような鶏蛋仔(ガイダンジャイ)をはじめとする香港料理や、高層ビルと湾岸が映し出す優雅な夜景など、魅力的なものがたくさんある街です。
羽田空港から香港国際空港までおよそ4〜5時間で行くことができるため、卒業旅行はもちろんのこと、ビジネスの場としても人気が集まっています。
そして、海外旅行のお悩みといえばその土地の言葉ですよね!
もし全く喋れないとしても、少しはフレーズを覚えていざ話してみると、いつも以上に海外旅行が楽しくなるはずです。
なかでも香港は西洋と東洋の文化が入り混じった街と言われるほどで、現地の方と英語でのコミュニケーションを取ることができます。
しかしどれくらいの英語力があれば通じるのか、香港英語の特徴はあるのかなど、様々な疑問が浮かんでくることだと思います。
そこで本記事では、香港の歴史的背景を踏まえながら、香港でどのくらいの英語力が必要なのかご説明していきます。
これから香港に行く予定がある方も、海外旅行先を探している方も、一読していただけると幸いです!
香港の歴史的背景について
19世紀に勃発したアヘン戦争において、当時の中華人民共和国(以下、中国)の清朝は敗北し、香港はイギリスの植民地となっていました。
植民地時代は英語が唯一の公用語であったため、住民たちはパブリックな場では英語を使うことを余儀なくされます。
つまり、日常的に広東語(香港で話される中国語の一種)に触れながら、司法や行政などの政治的な場では英語を使わなければならない環境にいたのです。
英語を知らなければ自身の権利を主張することができなかったため、自発的に英語を学習せざるを得ない状況にあったことが容易に想像できます。
その後、1974年には中国語(北京語と広東語)も公用語となり、1997年に香港は中国に返還されます。
しかし国として独立はせず、中国の特別行政区という位置付けになります。
そのため中国政府とは別の、独自の政府と法体系を持っており「一国二制度」を採用している場所として知られています。
実際、中国は社会主義国ですが、香港は資本主義制度なのです。
今では世界屈指の金融センターとして機能しており、世界各国の銀行や証券会社が集まりビジネスで盛んとなっています。
2.香港の公用語とは?
現在、香港の公用語は中国語(北京語と広東語)と英語です。
地元の方がコミュニケーションを取る場合はほとんどが広東語ですが、観光地の看板や標識は英語でも書かれているので、英語を頼りに街を散策することができるでしょう。
ちなみに書き言葉は、北京語でされることが多いようです。
香港英語のレベルはどれくらい?
English Firstが2024年に掲載した記事「The world’s largest ranking of countries and regions by English skills」には、英語を母語としない100ヶ国を対象に、成人に対してどのくらいの英語力があるのかを調査した結果が載っています。
結果、データでは香港の現地人の英語力は世界ランクで32位です。
日本は92位であり、一般的に香港人の英語力は私たち日本人より格段に高く「日常会話を行えるレベル」の英語力を持っています。
つまり香港では、英語で話しかければ、ある程度のコミュニケーションを図ることができます。インターネットに載っているようなレストランやデパートなどでは英語を話せると思って良いでしょう!
特にビジネスシーンでは、英語が積極的に使われる場面が多いです。
一方で、トップクラスのビジネスパーソンや一流ホテルのスタッフは流暢に話すことができますが、ローカルな地域に行けば行くほど広東語しか話せない人々もいます。
そのため、タクシーや地元の方で賑わう食堂では通じない可能性もあります。
ちなみに大学の授業では、原則として英語で行われるところが多いようです。
そもそも外国人も多く住んでいるため、人生の幅を広げるには英語を習得していた方が有利な場面が多いのでしょう。
香港英語の特徴とは?
イギリス英語が浸透している
歴史的な背景によりイギリス英語が浸透しています。
日本ではアメリカ英語が主流のため、イギリス英語とアメリカ英語の違いにより戸惑う場面もあるかもしれません。以下に、両者の代表的な違いを記したのでご確認ください。
日本語 |
イギリス英語 |
アメリカ英語 |
センター |
centre |
center |
エレベータ |
lift |
elevator |
秋 |
autumn |
fall |
1階 |
ground floor |
first floor |
実感する |
realise |
realize |
地下鉄 |
underground |
subway |
中国語由来の英語がある
母国語である中国語が英語に影響を及ぼしています。
例えば香港では”add oil”という表現がありますが、こちらは元々中国語で「頑張って」を意味する「加油」に由来しています。
英語で応援する際は本来”do your best.”や”good luck.”なので、欧米では使われていない英語も存在します。
ちなみに”add oil”は「オックスフォード英語辞典」に登録されています。
声の調子(ピッチ)の高低差がある
元々広東語は音の高さで単語の違いを出す言語なので、その影響もあり、香港英語は音の高さが強調されることが多いです。
日本語は声のピッチが低く、高低差があまりないので初見では少し聞きづらいかもしれません。
子音が欠落することがある
広東語では語尾が「P」「K」「T」の場合、音をほとんど出さないという特徴があります。
それが英語を話すときにも影響を与え、例えば”chip”だと最後の「プ」の音が日本人には聞こえにくいでしょう。
ほかにも”kick”や”cut”などは「キッ」や「カッ」と聞こえてしまい、何度か聞き返さないと理解できないかもしれません。
そもそも日本人である私たちが英語を話す際は、”chip”の語尾に母音を加えて「チップ」と言ってしまいがちですよね。
英語圏で”p”は破裂音となるためカタカナの「プ」とは言いません。
その影響もあり、余計に聞こえにくい可能性があります。そのような時は”Could you say that again?「もう一度言ってもらえませんか?」”と聞き返しましょう!
ちなみに中国と香港の英語表記は以下の通りです。
中華人民共和国
(People’s Republic of China)
香港
(Hong Kong)
覚えておきたい広東語!
香港に訪れた際によく言われるフレーズや、ぜひ覚えておきたい言葉をピックアップしました!
日本語 |
広東語 |
英語 |
ありがとう |
唔該(ンゴイ) |
Thank you. |
ドリンクは何にしますか? |
飲咩呀(ヤンメアー) |
What would you like to drink? |
こんにちは |
哈罗(ハァールゥオ) |
Hello! |
もしもし |
喂(ウェイ) |
Hello? |
お会計をお願いします |
買単(マイタン) |
Can I have the check, please? |
さようなら |
再見(チョイギン) |
See you. |
自分から話しかける際は、自身が外国人観光客であることを伝えるためにも、英語を使うと良いでしょう!
香港ってどんなところ?
続いて、筆者が香港に行った際の写真をご紹介します。
香港を代表する観光スポットのビクトリアハーバーです。2019年に筆者が香港を訪れた際に撮影しました。
個性的な建物が多く、高層ビルと入江の風景を一望することができます。
こちらは香港で優雅なひとときを過ごせる高級ホテル「ザ・ペニンシュラ香港」です。
建物の写真を撮る観光客で賑わっていました。
おわりに
本記事では、香港の歴史的背景を踏まえ、どの程度の英語が通じるのか、また香港英語の特徴についてお伝えしました。
現在、香港の経済は高層ビルが立ち並んでいることからお分かりの通り、経済的に発展し続けています。
つまり英語をマスターすれば、ビジネスのシーンで活躍するチャンスが訪れるかもしれません。
その際に上述してきた香港英語を詳しく知っておくと、周りに差をつけることができるでしょう!もちろん海外旅行の際にも役立つはずです。みなさまの英語ライフを、心から応援しています。