「おもてなし」は英語でどう言う?外国人観光客に使えるフレーズもご紹介
「おもてなし」は、国際的にも高く評価されている日本ならではの文化です。
心のこもった「おもてなし」は、日本を訪れる海外の観光客に特別な体験を提供することができるでしょう。
そんな日本の文化の一つといえる「おもてなし」を英語で表現する場合、どんな言葉が適切なのか悩んだことはありませんか?
この記事では「おもてなしの英語表現」をテーマに、次のことを詳しく解説します。
- 「おもてなし」は英語でなんと言う?
- 日本と海外の「おもてなし」の違い
- 「ホスピタリティ」と「サービス」の違い
- 「~をもてなす」の英語表現
- 外国人観光客にそのまま使える!おもてなし英語
- 飲食店・宿泊施設・ビジネス接待で使える食事のおもてなし英語
英語での「おもてなし」を考えている方は、この記事をとおして英語の語感やフレーズをマスターしましょう。
「おもてなし」は英語で「hospitality」
「おもてなし」とは、相手を大事に扱い思いやりを持って振る舞うことを表します。
「おもてなし」を英語で表現する場合、最も意味の近い単語が「hospitality(ホスピタリティ)」です。
「ホスピタリティ」はカタカナ語として浸透しているため、ご存じの方も多いでしょう。
この単語は、ゲストや訪問者に対して歓迎の態度を示す時に使われます。
「hospitality」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
例文:
The staff at the hotel showed me great hospitality.
(ホテルのスタッフは素晴らしいもてなしをしてくれました。)
Thank you very much for your hospitality over the past few days.
(この数日間のおもてなしに感謝します。)
日本と海外の「おもてなし」の違い
「おもてなし」の英語は「hospitality」で表現できることを前述しました。
しかし、文化の違いから「おもてなし」と「ホスピタリティ」の語感には違いがあります。
日本の「おもてなし」で重視されていることは、「丁寧さと気配り」ではないでしょうか。
例えば、雨の日の買い物で雨よけカバーを付けてくれることがありますが、相手のニーズを先回りしたこの丁寧な対応はおもてなし精神の表れと言えるでしょう。
一方、「ホスピタリティ」で重視されていることの一つとして、「親しみやすさ」が挙げられます。
「hospitality」の類義語を英語の辞典で調べると、どの辞典にも「friendliness(親しみやすさ、親切)」が出てきます。
海外旅行や留学先で、店員と客がお喋りしているのを見たことがある方も多いでしょう。
海外ではちょっとした雑談(スモールトーク)をして、楽しく会話をしたり相手をいい気分にしたりすることが、大事とされています。
このように英語の「hospitality」と日本語の「おもてなし」の語感に違いがあるためか、「おもてなし」は「Japanese Hospitality」やそのまま「Omotenashi」とローマ字表記されることもあります。
「おもてなし」を英語で表現する時は「hospitality」を使う場合が多いですが、こうした語感の違いを知っておくことも大切です。
「ホスピタリティ」と「サービス」の違い
「ホスピタリティ」と混同しやすい言葉に「サービス」があります。
serviceの語源は、「奴隷、奉仕」を意味するラテン語が由来です。
言葉の語源から感じ取れるように、「サービス」には上下関係が存在します。
「顧客」に対して「給仕者」が対価を求めて提供するものが、サービスです。
一方、「ホスピタリティ」における「ゲスト」と「ホスト」の関係は対等です。
対等な関係の中で、見返りを求めずに相手を思いやった振る舞いがホスピタリティといえるでしょう。
「もてなす」の英語表現
「hospitality」は名詞ですが、「客をもてなす」など、動詞として使いたい場合もあるでしょう。
「hospitality」の言い換え表現ともいえる動詞の英単語を2つご紹介します。
entertain
娯楽を意味する言葉に「エンターテインメント」がありますが、その動詞形が「entertain」です。
この動詞には「楽しませる」「もてなす」などの意味があります。
例文:
We entertain guests with tasty food at our house every Sunday.
(我が家では毎週日曜日に美味しい料理でゲストをもてなします。)
We will entertain our important client with a special dinner.
(大事な顧客を特別なディナーでおもてなしします。)
welcome
「もてなす」は、動詞「welcome」を使って表現することもできます。
この単語は「歓迎する」「迎え入れる」という意味があるので、ゲストを迎える際によく使われます。
例文:
The school warmly welcomes international students every year.
(毎年その学校は留学生をあたたかく迎え入れています。)
We welcomed travelers from all over the world.
(私たちは世界中からの旅行者を歓迎しました。)
外国人観光客に使えるおもてなし英語
外国人観光客が増加傾向にある昨今、たとえ流暢に英語が話せなくても、ちょっとした英語での声掛けが「おもてなし」につながります。
これから紹介するフレーズを活用して、海外からの観光客をもてなしてみましょう。
「何かお困りですか?」
道に迷っている様子の外国人観光客を見かけた時に、使えるのが次の表現です。
Do you need any help?
May I help you with something?
他の表現として
Are you looking for something?
(何かお探しですか?)
があります。
これは店員さんが話しかける時にもよく使われる表現です。
「写真を撮りましょうか?」
写真を撮ってあげる行為は、相手の立場に寄り添ったおもてなし精神の表れです。
相手から要求されるのではなく、こちらから声をかける場合は次のフレーズを使ってみましょう。
Shall I take a picture of you?
Would you like me to take your photo?
「picture」も「photo」も「写真」を意味する単語なので、両方使えます。
違いは、「photo」には「写真」の意味しかありませんが、「picture」は写真だけでなく絵画や画像なども含まれるということです。
「良い旅を」
道案内に限らず、宿泊施設や接客シーンでも使える別れ際の挨拶には、次のような表現があります。
Enjoy your trip!
Have a safe trip!
「Have a safe trip!」は「お気をつけて」の意味合いを含んだ表現です。
何かおもてなしをして感謝された後に、You’re welcome.(どういたしまして。)だけで終わらずに一言添えたい場合に使えます。
ちょっとした言葉ですが、こうしたさりげない一言を別れ際に言えると、相手にいい印象を抱いてもらいやすいでしょう。
飲食店・宿泊施設・ビジネス接待にも使える英語表現
日本食は、海外の人が楽しみにしていることの一つです。
飲食店や宿泊施設で働いている方はもちろん、海外取引先との会食予定がある方など、食事をとおして相手をもてなすことは多いでしょう。
そこで食事にまつわるおもてなしフレーズをご紹介します。
「日本で食べたいものはありますか?」
もてなす側にとって相手の食べ物の好みを確認しておきたいものです。
相手の嗜好を尋ねる時は、次のような英語表現を使いましょう。
例文:
What kind of Japanese food would you like to try?
(どんな日本食を食べてみたいですか?)
What Japanese food do you like?
(好きな日本食は何ですか?)
もし嫌いな食べ物を尋ねる場合は、「like」を「dislike(嫌い)」に変えれば、
What Japanese food do you dislike?
(嫌いな日本食は何ですか?)
と表現できます。
「アレルギーや食事制限はありますか?」
アレルギーはときに命に関わることもあるため、アレルギーの有無を質問することは大切です。
また、宗教的な理由によって特定の食べ物を避ける人もいるでしょう。
最近では、動物性食品を一切食べないビーガンを選択する人も増えてきました。
尋ね方の例として、次のようなフレーズが挙げられます。
例文:
Do you have any allergies or dietary restrictions?
(アレルギーや食事に関する制限はありますか?)
Is there anything you can’t eat?
(食べられないものはありますか?)
一つ目の「dietary」は「食事に関する」という意味の単語で、「restriction」は「制限」を意味する単語です。
二つ目の表現は、食べられないものを広く尋ねた表現です。
アレルギーの有無や宗教的な理由だけでなく、ベジタリアンやビーガンなど食事スタイルが多様化してきているので、「allergy(アレルギー)」という言葉を使わない尋ね方もおすすめです。
まとめ
「おもてなし」に近い英単語は「hospitality」ですが、場合に応じて「Japanese Hospitality」や「Omotenashi」を使用することで、日本特有のおもてなしをより正確に伝えることができるでしょう。
相手を気遣った言葉は「おもてなし」につながります。
気遣いが感じられる英語フレーズをぜひ活用して、相手をもてなしてみましょう。