【意外と間違いやすい表現3選】I don't know / Do you understand? / What time is it? の落とし穴
急速なグローバル化によって、仕事の場面でも英語を使うフレーズが増えてきました。今回は、意外と間違えて使ってしまうことが多い英語表現を3つ、そして正しい英語表現を例文付きで紹介します。
仕事の場面でも使うことが多い表現から紹介していくので、是非参考にしてください。
「わかりません」といえば、”I don’t know”?
突然ですが、”When will he come back?”(彼はいつ戻ってきますか?)と聞かれて「わかりません」と答えるとき、使うことができる表現は次のうちどちらでしょうか?
(A) I don’t understand (B) I don’t know (C) I’m not sure
答えは、”(C) I’m not sure”です。「彼はいつ戻ってきますか?」と聞かれて、”(A) I don’t understand”もしくは”(B) I don’t know”を使って答えてしまうと、相手に対して誤解を与えてしまう可能性があります。
ここからは、 1.なぜ” I don’t understandと” I don’t know”を使わない方が良いのかの解説 2.I’m not sure.の使い方 を説明していきます。
1.なぜ” I don’t understandと” I don’t know”を使わない方が良いのか?
【I don’t understand.の意味とは?】
Understandという単語には「言われたことの意味を理解する」という意味があります。そのため、”I don’t understand.”と言うと、こういうニュアンスになってしまうのです。
・「あなたの言っていることの意味が分かりません」 ・「あなたの言っていることが理解できません」
【間違いの例】
A:When will he come back?(彼はいつ戻ってきますか?) B:Sorry, I don’t understand.(すみません、あなたの言っていることの意味が分かりません)
A:Would you tell me the way to the nearest station?(最寄りの駅までの道を教えてもらえますか?) B:Sorry, I don’t understand.(ごめんなさい、あなたの言っていることが理解できません)
「相手の言っていることが言葉として理解できません」、というとても失礼な言い方になってしまうので、間違って使ってしまわないように注意してください。
【I don’t know.の意味】
I don’t know.は強めで、はっきりと「知りません。」という意味になってしまいます。I don’t know.と答えてしまうと、「知りません。」という意味としてはあっていますが、相手に冷たい印象を与えてしまいます。
特に仕事で付き合いがある人、初対面の人に対して使うことはおすすめできません。
【間違いの例】
A:Could you tell me what time it is?(今何時でしょうか?) B:Sorry, I don’t know.(すみません、知らないです!)(裏の意味:時間なんて知らないよ)
A:Could you tell me how to go to the meeting room?(会議室までの行き方を教えてくれませんか?) B:Sorry, I don’t know.(すみません、知らないです!)(裏の意味:私に聞かないでよ)
「よく分からないなぁ」「さあね」などの意味で友達や家族との会話では自然な意味で使うことができる”I don’t know.”ですが、間違いの例の和訳に書いたような裏の意味で相手に伝わってしまう可能性があるので、使い方に注意してください。
2.”I’m not sure.”の使い方
【I’m not sure.の意味】
sureが「確信している」という意味で、否定形にすると「あまり自信がない..」と言ったニュアンスで相手に伝えられます。
”I’m not sure.”を使うと、”I don’t know.”(知りません!)よりも柔らかく「自信がありません、はっきりとは分からないです」と伝えることができるので、仕事で付き合いがある人や、初対面の人に対して使う場合に、一番ぴったりの表現になります。
さらに、”I’m not sure.”で「あまり自信がないです」と答えたときには、”I’m not sure, but…”(あまり自信がないのですが…)と、”but”の後に「多分こうかな…」という情報を付け足すことがよくあります。
本当に自信がないときだけではなく、強い印象を与えるのを避けたい場合にもおすすめの表現です。
【I’m not sure.の使い方】
A: When will she come back?(彼女はいつ帰ってきますか?) B:I’m not sure, but I think she will come back in two hours.(あまり自信がないのですが、彼女は2時間以内に戻ってくると思いますよ)
A:Could you tell me the way to the nearest hospital?(最寄りの病院までの行き方を教えていただけますか?) B:I’m not sure, but I think there’s a one just around the corner.(自信がありませんが、この角を曲がったところにあったと思いますよ)
「私の話は伝わっていますか?」は”Do you understand?”?
【“Do you understand?”の意味】英語で話しているとき、「ちゃんと相手に自分の言いたいことが正しく伝わっているかな…」と心配になること、ありますよね。
「私の話はきちんと伝わっていますか?」と英語で聞きたいとき、“Do you understand?”と言ってしまうことはありませんか?
文法的には正しい英語ですが、実は「上から目線」のニュアンスとなります。
・「自分はちゃんと説明してますよ、あなたはちゃんと理解できていますか?」 ・「あなたは私の話についてこられていますか?」
・”This is our business plan for the next season. Do you understand?” (こちらが我が社の次期の事業計画です。お分かりいただけましたか?) (裏の意味:私はしっかり説明しました。あなたにはこの説明を理解する能力がありますか?)
もし”Do you understand?”と仕事で聞く場合があるとすれば、上司がなかなか説明を理解できない部下に対して「こうすればいいんだ。分かったか?」と厳しく伝える場面などです。
・”All you need to do is sending those messages to clients. Do you understand?” (君がしなければいけないことは、これらをお客様にメッセージで送るだけだ。分かったか?)
仕事のことで相手に対して「私の説明は伝わっていますか?」「私の説明で十分でしょうか?」と聞きたい場合は、このように聞いてみましょう。
・”Am I making sense?”
“Make sense”(筋が通っている)と言う意味なので、”Am I making sense?”と聞くと…
・「理解してもらえるのに、私は十分な説明ができていましたか?」 ・「もし分かりにくい部分があれば、きちんと説明し直します」
このような意味も持たせることができるのでおすすめです!
時間を尋ねるのは”What time is it?” ?
最後に紹介する間違って使いやすい表現は、”What time is it?” です。日本では学校でも「何時ですか?」と相手に対して聞くフレーズとして使ってしまいがちですが…
文法だけで考えると、正しい英語です。しかし、実は”What time is it?”はとてもカジュアルな言い方で、ニュアンスとしては「ねぇ、何時?」のような言い方になってしまいます。
友達や家族に対してはあまり問題ないのですが、少しぶっきらぼうな言い方です。そのため、初対面の人や、仕事でかかわる相手に対して時間を聞きたいときに”What time is it?”と聞くのは避けましょう。
ここから、「今何時?」と友達に聞きたいときと、「今何時ですか?」と丁寧に聞きたいときのフレーズを紹介します。
丁寧に「今何時ですか?」と聞きたいときには、こちらの言い方がおすすめです。
・”May I ask the time please?”(時間を聞いても良いですか?) ・”Could you tell me what time it is?”(何時か教えてもらっても良いですか?)
”Could you tell me what time it is?”と聞くときは、what timeよりも後ろの部分の語順が”What time is it?” のときとは逆になることにも注意しましょう。
ちなみに、単体で使うとぶっきらぼうに聞こえてしまう”What time is it?”ですが、
・Could you tell me what time does the meeting start?(会議は何時から始まりますか?) ・Could you tell me what time does the train to Tokyo arrive? (東京行の電車は何時に到着しますか?)
などと他の情報を付け加えて誰かに時間を聞く場合には、”What time~?”のフレーズを使うことができます。
さらに、仕事での関係の人や、初対面の人に何かの時間を聞く場合には”Can you~?”ではなく、もっと丁寧な形の”Could you~?”を使うこともポイントです。
まとめ
今回紹介した表現は、しっかり使い分けができると相手とのコミュニケーションがとてもスムーズになる表現です。
仕事で英語で話す機会があるときには、是非今回の内容を参考にして相手と気持ちよくコミュニケーションをとることに役立ててください。