IELTS 6.5の難易度は?取るべきメリットとおすすめ勉強法・参考書を解説
皆さんは「IELTS」という英語資格をご存知でしょうか。
IELTSはTOEICや英検などの資格とは違って、世界的に浸透している英語資格のひとつです。
IELTSを持っていると、海外留学やビザ申請に有利になるため、日本人英語学習者でIELTSに挑戦している人も少なくありません。
そこで、本記事では「IELTSでオーバーオール6.5を取る方法」について徹底解説します。
スコア6.5を取ることの難易度や、取るべきメリット、おすすめの勉強法などについてもあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
はじめに:IELTS 6.5の難易度・レベル感は?
まず、IELTSのスコアの考え方を簡単に解説します。
IELTSは最低スコアが1.0、最高スコアが9.0に設定されており、英語4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)ごとに点数(バンドスコア)が算出されます。
そして、各バンドスコアの平均値から算出した総合スコアを「IELTS◯点(オーバーオール◯点)」といった形で表記しているのです。
では、IELTSのスコアはそれぞれどれくらいの難易度なのでしょうか。
IELTS公式からスコア0〜9.0までの英語力の目安が示されているので、そちらをご覧ください。
スコア |
英語力 |
0 |
試験放棄 必要な情報が提供されていない。 |
1 |
非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。 |
2 |
散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。 |
3 |
非常に限定的なユーザー 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。 |
4 |
限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。 |
5 |
中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。 |
6 |
有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。 |
7 |
優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。 |
8 |
非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生じる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。 |
9 |
エキスパート・ユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。 |
IELTS6.5は「英語をある程度使いこなせる能力がある」といったレベルだと言えるでしょう。
ただ、これだけではあまりIELTSでスコア6.5を取得する難易度がピンとこないので、オーストラリア留学センターの「IELTS/ケンブリッジ/TOEFL/TOEIC/英検スコア換算表」を見ていきましょう。
IELTS |
ケンブリッジ |
TOEFL iBT |
TOEFL CBT |
TOEFL PBT |
TOEIC |
英検 |
9 |
CPE |
120 |
297-300 |
673~677 |
– |
– |
8.5 |
119 |
293 |
670 |
– |
– |
|
8 |
117~118 |
287~290 |
660~667 |
– |
– |
|
7.5 |
109~116 |
267~283 |
630~657 |
970~990 |
– |
|
7 |
CAE |
100~108 |
250~263 |
600~627 |
870~970 |
1級 |
6.5 |
90~99 |
233~274 |
577~597 |
820~870 |
– |
|
6 |
FCE |
80~89 |
213~230 |
550~573 |
740~820 |
準1級 |
5.5 |
69~79 |
192~212 |
521~549 |
600~740 |
– |
|
5 |
61~68 |
173~190 |
500~520 |
550~600 |
2級 |
|
4.5 |
PET |
52~60 |
150~170 |
470~499 |
500~550 |
– |
4 |
45~51 |
130~149 |
450~469 |
450~490 |
準2級 |
|
3.5 |
33~44 |
110~129 |
400~449 |
300~440 |
– |
|
3 |
KET |
29~32 |
100 |
391~399 |
291~299 |
3級 |
2.5 |
20~28 |
90 |
390 |
270~290 |
– |
|
2 |
– |
12~19 |
– |
350~389 |
260~269 |
4級 |
1.5 |
– |
– |
– |
– |
100~259 |
5級 |
https://au-ryugaku.com/comparison-table/
この表を参考にすると、IETLS6.5はTOEIC800点台、英検準一級以上のレベルということがわかります。
そのため、IELTSでスコア6.5を取るのは決して簡単ではありません。
しかし、その分6.5を取得すれば、日本・海外の両方で通用する英語力の証明書が手に入るので、勉強を頑張るメリットは多いと言えます。
IELTS 6.5を取るべき3つのメリット
では、具体的にIELTSで6.5を取ることにはどんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、下記の3つのメリットについて取り上げていきます。
- 海外の大学・大学院への出願できる
- 海外ビザが申請できる
- 自分の英語力を数値で示せる
ひとつずつ見ていきましょう。
メリット①:海外の大学・大学院への出願できる
スコア6.5を取得していると、海外の多くの大学への出願条件を満たすことになります。海外の大学への入学を希望すると、たいていの場合IELTSやTOEFLのスコアが求められます。
そんなIELTSでは、スコア6.5を出願条件としている大学は非常に多く、海外の大学に入学するための第一関門と言えます。
大学によって「オーバーオール6.5」や「どのバンドスコアも6.5」などの条件は異なるので、各大学のホームページをチェックしてみてください。
また、日本の大学への入試にも適用できます。
例えば、早稲田大学なら一部の学部を覗いて、スコア6.5の実績を使って有利に試験を進めることが可能です。
メリット②:海外ビザが申請できる
将来的に海外移住したり、海外で働くことを視野に入れている人にとって、ビザ取得は大きな壁となります。
でも、ご安心ください。そんな海外ビザの申請にもIELTSのスコア6.5は有利に働きます。
ビザや永住権の申請基準は国によって異なりますが、オーストラリアやカナダではビザ申請にもIELTSが使えるので、取得しておいて損はないでしょう。
メリット③:自分の英語力を数値で示せる
また、数字という客観的な指標で自分の英語力を証明できるのもIELTS6.5を取るメリットのひとつです。
日本での就職や転職の場面を想定してみてください。
ただ漠然と「英語を話せます」と自己アピールするよりも、「◯ヶ月の勉強でIELTS6.5を取得しました」といった方が説得力がありますよね。
また、世界的に見てもIELTSは英語力を証明するのに十分な資格です。一方で、TOEICや英検の指標はほとんど参考にされません。
海外就職や外資系企業への転職を考えているなら、IELTSを持っている方が有利に働く場面が多いので、IELTSの勉強に取り組むことをおすすめします。
IELTS 6.5を取るために必要な勉強時間
では、IELTS6.5を取るためにはどれくらいの勉強時間を確保する必要があるのでしょうか。
一人ひとりの英語レベルによっても異なるので、一概に何時間と断言できません。しかし、目安の時間を知っておくことは計画を立てるのにも役立つので、チェックしておいてください。
ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)のサイトで公開されているCEFRのレベル別学習時間を参考におおよその数字を見ていきましょう。IELTS6.5はCFERの「B2レベル」に相当し、CEFR B2へ到達するための勉強時間は500〜600時間です。
参考:Guided learning hours|Cambridge Assessment English
ただし、このデータは日本人のみならず欧州の人々も対象にしているため、非英語圏の我々日本人にとってはより難易度が高いものと考えられます。
そのため、ゼロから英語を勉強し始めるならこの2−3倍程度(約1000〜1800時間)はかかると見ておきましょう。
ここまでが、IELTSの試験に関する概要でした。
次に、IELTSでスコア6.5を取得するための勉強法を4技能別に解説していくので、気になるところだけでもチェックしてみてください。
IELTS 6.5を取るためのおすすめ勉強法
IELTSで高スコアを取るためには、英語4技能を偏りなく鍛えることが大事です。ここでは、IELTSでスコア6.5を取るための勉強を技能別に解説していきます。
リーディングで6.5を取るための勉強法
リーディングで高スコアを目指すためには、下記の3点がポイントになります。
- 語彙力を増やす
- 文法事項を再確認する
- 問題形式に慣れる
IELTSに限った話ではありませんが、どんな英語試験を受けるにしてもその英語試験に特化した語彙力を鍛える必要があります。
IELTSで6.5を目指すなら、3000〜4000語程度の語彙力が必要と言われており、IELTSに特化した単語帳の重要単語から順に覚えていくとよいでしょう。
また、文法事項を再確認することも忘れないでください。なぜなら、IELTSの長文を速く・正確に読めるようにしたいからです。
易しい英文であれば、単語の意味だけでも内容は読み取れますが、IELTSの英文ではそうはいきません。
文法通りに読まないと意味を取り違えてしまうこともあるので、IELTSでは頻出の「関係代名詞」や「分詞構文」は復習しておきましょう。
さらに、IELTSのリーディング特有の問題形式に慣れておくことも大切です。
IELTSのリーディングパートでは40個の問題が出題されますが、パッセージ自体はすべてで3つだけ。
スコア6.5を目指すなら、最低でも7割程度(27問)は正解しなければいけません。
問題パターンも10種類以上あるため、初見でこれらの問題を解くことは非常に困難です。
事前に模試を解いたり、問題形式別の対策法を押さえておくことで正答率を上げられるので、問題形式に慣れることも勉強のひとつと言えるでしょう。
リスニングで6.5を取るための勉強法
リスニングで高スコアを目指すなら、下記の3点がポイントになります。
- 「英語を聞き取る力」を鍛える
- 「英語の意味を理解する力」を鍛える
日本人はリスニングが苦手な人が多いですが、その原因は大きく分けて2つあります。
原因 |
対策 |
①英語が聞き取れない |
英語特有の発音を学ぶ |
②英語は聞き取れるが意味がわからない |
速く英語を理解する力を身につける |
リスニングが伸びない原因がどちらなのかを明らかにして、それぞれの原因に適した対策を打つことが大切です。
①英語が聞き取れない
英語が聞き取れないという方は、「ディクテーション」を英語学習に取り入れましょう。ディクテーションとは、英語の音声を聞いて英単語を一字一句そのまま書き取る練習のことです。
ディクテーションをすることで、自分が聞き取れる英語と聞き取れない英語を視覚化できます。
IELTSの問題集の音源を使って、毎日コツコツ行えば、どんどん書き取れるようになります。
②英語は聞き取れるが意味がわからない
英語は聞き取れるけど、意味がわからない人はリーディング力が不足していることが多いです。そのため、長文を速く・正確に読む練習をしましょう。
また、リスニング力を同時に鍛えるなら「シャドーイング」をするのもオススメです。シャドーイングとは、英語の音声を聞いて、それを少し遅れて発音するというもの。
シャドーイングはリアルな英語音声のスピードで内容を理解する力と、英語の発音を矯正する効果があります。
ただし、シャドーイングは難易度が高い英語学習法です。「①英語が聞き取れない」の原因を解決することにも役立つので、ぜひ取り入れてみましょう。
スピーキングで6.5を取るための勉強法
IELTSのスピーキングは面接官と1対1で行われ、面接官からの質問も英語でされます。
YouTubeにはIELTSの模擬面接の様子がたくさん上がっているので、雰囲気を知りたい方はこちらをご覧ください。
>>https://youtu.be/jVWMMZPEvXc?si=XwSoe4ZR66pA5Cms
そんなIELTSのスピーキングでスコア6.5を目指すなら、下記の3点がポイントになります。
- 発音を強化する
- 複文で回答する
- 日頃からニュースをチェックする
まずは、英語の発音を強化しましょう。
IELTS6.5はある程度流暢に英語を話す能力が求められますが、どれだけ滞りなく英語を話しても、カタカナ発音だったらスコアは伸びにくいです。
決して完璧である必要はありませんが、できるだけネイティブに近い”英語らしい発音”を日頃から鍛えておくことが大切です。
発音力を強化するには、先ほど紹介したシャドーイングを録音しながら行うのがおすすめです。また、スマホアプリの「ELSA」を使ったり、オンライン英会話でネイティブの方に指摘してもらうことで、日本にいながら英語発音を矯正できます。
発音はなかなか独学で磨くのは難しいので、このようなサービスの利用も検討してみてください。
また、複文で回答することを意識することで、スコア6.5に到達しやすくなります。
単文 |
I have a dog. His name is taro. |
私は犬を飼っています。彼の名前は太郎です。 |
複文 |
I have a dog whose name is taro. |
私は太郎という犬を飼っています。 |
スラスラ話すと言っても、上のような単文を話しているだけでは英語が話せる人っぽくありませんよね。
「関係代名詞」や「接続詞」などを活用して、10単語程度で構成された英文を話せるようになると、面接官にも良い印象を与えられます。
そのためには、文法事項の復習が必要不可欠です。
また、普段から複文で話すことを習慣化するようにしましょう。オンライン英会話などを使って、アウトプットの機会を増やせば自ずと複文で話す習慣が身につきますよ。
日頃から世界のニュースをチェックしておくこともIELTS対策になります。
スピーキングの試験ではあるトピックについてスピーチするよう指示されますが、どれだけ英語を話す能力が高くても、そのトピックについて何も知らなければ流暢に話すことは困難です。
裏を返せば、英語力がネイティブ並みではなくても、自分のよく知る分野の話であれば、ある程度スムーズに話せるため、ニュースチェックはIELTS対策になります。
おすすめは、英語ニュースを1日1本読むこと。日本語で情報収集するのも良いですが、英語ニュースを読めば、ニュースに関連した英単語も同時にインプットできるため、一石二鳥です。
ライティングで6.5を取るための勉強法
IELTSのライティングでスコア6.5を目指すなら、下記の2点がポイントになります。
- 文章のパターンを覚える
- ケアレスミスを減らす
IELTSのライティングでは誤字脱字や文法ミスだけでなく、文章同士の繋がり(論理展開)も点数を決める重要なファクターとなります。
しかし、ご安心ください。
IELTSのライティングには減点されにくいパター(型)というものがいくつか存在するので、その型通りに書く練習をしましょう。ただし、自分で書いた文章はプロの方に添削してもらってください。
自分でチェックするのには限界があるので、オンラインの添削サービスを利用するのがおすすめです。
また、オンライン英会話を使った添削も有効です。英語を日頃から使っている外国人の方にチェックしてもらえるので、スピーキングと同時に添削も受けられますよ。
ケアレスミスを減らすことも得点アップには非常に重要です。
スペルミスや文法事項のちょっとしたミス(三単現のsの付け忘れなど)には細心の注意を払いましょう。
ケアレスミスを減らすコツは見直す以外にありませんが、日頃のライティング勉強の際から実際に手を動かして書くことに慣れるのは大事なことです。
IELTS 6.5を目指す人におすすめの参考書3選
ここでは、IELTS6.5を目指す人におすすめの参考書を計3つ紹介します。
- IELTS必須英単語4400 [音声DL付]
- スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集
- IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集
ひとつずつ見ていきましょう。
【単語を覚えたいなら】IELTS必須英単語4400 [音声DL付]
『IELTS必須英単語4400 [音声DL付]』は、IELTSで必須の英単語3300語と英熟語を計1100個収録している単語帳です。
ただの単語と熟語の羅列ではなく、試験によく出てくるフレーズや関連語も同時に覚えられます。
IELTS6.5を取得するために語彙力を強化したいなら、これ1冊で十分に対策できるでしょう。
【対策法を知りたいなら】スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集
『スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集』は、ケビン・ダン氏によって書かれたIELTS6.0超えを目指すための対策本です。
英語4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)それぞれについて、ハイスコアを取るための戦略・対策法が記されており、それを実践するための模試も2回分付属しています。
IELTSやTOEICなどの英語試験は、英語力があれば必ず高得点が取れるというものではありません。対策法を知っておかないと、自分の英語力を最大限発揮できないので、本書を使ってIELTS対策をインプットしておきましょう。
【模擬試験を受けたいなら】IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集
『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』は、日本初のブリティッシュ・カウンシル公認のIELTS問題集です。
4技能の完全対策+模擬試験という構成ですが、本書を購入する方々のほとんどはIELTS公式が作成する模試の方でしょう。
また、すべての解答にスクリプトがついてくるため、模試を解いたらそれで終わりではなく、復習段階ではシャドーイングもできるため、1冊で2度美味しい参考書です。
まとめ:IELTS 6.5を取れば世界中で証明できる英語力が身につく!
今回は、IELTS6.5の取得について網羅的に解説しました。
IELTSは決して簡単な試験ではありませんが、オーバーオール6.5を取れれば多くのメリットを享受できます。
本記事の内容を参考にして、ぜひIELTS対策を始めてみてはいかがでしょうか。
TOEICとは違って、「話す」「書く」といったアウトプットの能力も必要になるIELTS対策。日本にいながら独学で行うのは簡単ではありません。
それでも挑戦したいという方は、ぜひオンライン英会話の利用も検討してみてください。
オンライン英会話を使えば、日本にいながら英語を話す機会をコスパ良く得られるため、IELTSのスピーキング対策もできますよ。
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