IELTSとTOEFLの換算点とは?試験内容や違いについて徹底解説
「IELTSとTOEFLどっちを受けたら良いだろう?」「換算するとどのくらいのレベルになるだろう」と疑問の声が多く聞かれます。
これから留学や海外移住、または就職活動する際に必要になる試験ですよね。そのため目的に合った英語試験を受けることが重要になります。またスコア換算することで、他の英語試験と比べ、どのレベルなのか目安になります。
ここではIELTSとTOEFLの違い、それぞれの試験について、換算表を用いてどのくらいのレベルなのかを解説します。
これから英語試験を受ける方、どちらの試験を受けるか悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
IELTSとTOEFLとは
IELTSはイギリス主催の英語試験であり、主にイギリス英語が使われています。そのため、イギリス英語圏のオーストラリアやニュージーランドの大学や移住する場合に強い指標となります。
一方TOEFLは、アメリカ主催の英語試験で主にアメリカ英語が使われています。そのため、アメリカやカナダといったアメリカ英語圏に強い試験となります。
しかし、どちらのスコアも世界的機関に認められているため、基本的に自分のスコアとして提出することができます。ただ日本の英語教育はアメリカ英語のため、IELTSの試験は難しく感じるかもしれません。
他にどのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
IELTSとTOEFLはどう違うのか
IELTSとTOEFLの違いについて、大きく4つに分けて解説します。
IELTS |
TOEFL |
|
英語の種類 |
イギリス英語 |
アメリカ英語 |
試験形態 |
ペーパー/コンピューター |
コンピューター |
解答方法 |
記述式、選択式 |
選択式 |
スピーキングの違い |
試験管 |
録音 |
1)イギリス英語とアメリカ英語
先ほどもお伝えした通り、IELTSはイギリス英語・TOEFLはアメリカ英語が使われます。つまり「発音・アクセント・語彙」が大きく違います。
そのため、意味は同じでも言い回しが違ったり、リスニングが難しく感じるかもしれません。しかし、文法は同じなので基本の勉強方法に変わりはありません。
2)試験形態
ペーパー試験とは試験場で行うことです。IELTSは試験場またはコンピューターどちらかを選択でき、TOEFLはコンピューターのみとなっています。TOEFLは自分のタイミングに合わせて始められると言うことです。
3)解答方法
IELTSは選択式・記述式どちらもあります。選択式といっても複数選択する問題も見られ、質問に対する正しい答え方をする必要があります。つまり、解答がわかっていてもスペルミスなどがあると点数を失うことになります。
一方TOEFLは、選択問題となります。4択問題となっていて、主に英文の内容や類義語・同義語を問う問題となります。
4)スピーキングの違い
IELTSは試験管と一対一の面接方式となります。つまり、レスポンスの速さや話し方などが重要になります。なので初めての方は緊張するかもしれません。
一方TOEFLは、マイクを使ってスピーキングを録音する方式となります。また、質問に対して解答時間があり、自分のペースで進めることができます。
IELTSとTOEFLの換算表
IELTSとTOEFLの換算方法を知ることで、自分がどのレベルなのか把握することができます。
ただ、IELTSとTOEFLは試験内容や試験形式、また採点方法も違います。それぞれの機関や大学が出している換算表により多少のズレがあります。そのため、あくまでも目安として参考にしてください。
IELTSとTOEFLの換算表
IELTS(オーバーオール9.0) |
TOEFL(総合点120) |
9.0 |
120 |
8.5 |
119 |
8.0 |
117~118 |
7.5 |
109~116 |
7.0 |
100~108 |
6.5 |
90~99 |
6.0 |
80~89 |
5.5 |
69~79 |
5.0 |
61~68 |
4.5 |
52~60 |
4.0 |
45~51 |
3.5 |
33~44 |
3.0 |
29~32 |
2.5 |
20~28 |
2.0 |
12~19 |
全ての大学に当てはまるわけではありませんが、ある大学英語レベルの指標が最低点TOEFL:100、IELTS:6.5とされていることもあります。
IELTSの設定基準が、TOEFLより少し低い場合もあります。このように、換算表や基準点について違いが見られるため、必ず自分が受ける大学や就職先の公式サイトで基準点を確認しましょう。
採点方法について
換算表の通り、IELTSは各セクションのスコアが0.5刻みで評価されます。つまり、各セクションの合計を4で割った数字が最終のスコアとなります。
またIELTSでは、最終スコアをオーバーオール、0.5刻みのスコアをバンドスコアと呼びます。さらに。スコアの少数第2位は0.25未満は切り捨て、0.25〜0.75未満で0.5になり、0.75以上は切り上げとなります。
少し複雑になりましたね。以下に例を使って解説します。
リスニング |
リーディング |
ライティング |
スピーキング |
平均点 |
オーバーオール |
6.0 |
4.5 |
5.5 |
6.5 |
5.62 |
5.5 |
リーディングが0.5上がったとします。
リスニング |
リーディング |
ライティング |
スピーキング |
平均点 |
オーバーオール |
6.0 |
5.0 |
5.5 |
6.5 |
5.75 |
6.0 |
このような換算方法となります。この0.5が最終スコアアップに繋がるでしょう。TOEFLは各セクションのスコアは1点刻みで30点満点となります。各セクション30点満点で最終スコアは120点満点になります。
リスニング |
リーディング |
ライティング |
スピーキング |
最終スコア |
15 |
20 |
26 |
18 |
79 |
こう見るとTOEFLの方が計算しやすいですね。
IELTSとTOEFLの難易度
どちらも難しいと言われる英語試験ですが、実際はどうなのでしょうか。
結論から言うと、IELTSの方がスコアが伸びやすいと言われています。理由を以下の4つに分けてみました。
1)単語の難易度
IELTSは全体的に社会・経済・日常生活で使う一般的な単語を中心として出題されます。そのため、わからない単語が出てきても、文脈から読み取ることができます。
一方でTOEFLは専門的な単語が出題されます。例えば、無脊椎動物、針葉樹林、細胞分裂、夜行性といった感じです。そのため、文脈では理解することが難しいので語彙力が必要になります。
2)スコアの付け方
採点方法をご覧の通り全く違いますよね。IELTSは各セクションのスコアを0.5上げるとオーバーオールが上がります。それに比べてTOEFLは、1点刻みとなっています。
例えば、条件点数が80点以上だと79点では認められません。そのためIELTSの方が比較的スコアを上げやすいと言えるでしょう。
3)問題の内容
IETLSは記述問題と複数選択問題となります。なので、スペルミスや正しい選択をしていない場合は失点に繋がります。また文字数も自分でカウントする必要があります。図やグラフを分析したり、自分の意見を含めてまとめる傾向があります。
一方でTOEFLは、スピーキングとライティングの問題で要約が必要になります。つまり、全てのセクションで、リーディング力が必須です。
4)所要時間
IELTS・TOEFLどちらも時間管理は難しいと言われています。そのため、どちらの試験も各セクションの問題傾向と必要な語彙力の対策が必要となります。つまり、各セクションの対策と時間管理が重要となります。
IELTS所要時間
リスニング |
リーディング |
ライティング |
スピーキング |
合計 |
40分 |
60分 |
60分 |
11分 |
171分 |
TOEFL所要時間
リスニング |
リーディング |
ライティング |
スピーキング |
合計 |
60分 |
60分 |
50分 |
20分 |
190分 |
IELTSとTOEFLどちらが適しているか
まずは、自分が受験する大学や就職先で必要な英語の試験について調べてみましょう。
どちらの試験も世界機関に認められているため、正直どちらを受けても問題ない場合が多いでしょう。ただ一番わかりやすい例としては、イギリス圏の大学進学や渡航を考えている場合はIELTS、北米の大学進学や渡航を考えている場合はTOEFLをお勧めします。
そして、実際に試験を受ける前に練習問題を解いてみるのも一つの方法です。
IELTSとTOEFLを比較すると違いがたくさんありますよね。英語の種類だけではなく問題形態、解答方法、スコアの出し方なども違います。また、換算表で自分の指標が分かるのと他の英語試験のレベルを見ることができるでしょう。
これから受験する方や受験を考えている方、ぜひ参考にしてみてください。