IELTSの難易度は?TOEICなどの他試験とのスコア換算まとめ
IELTSは、TOEFLやTOEICに比べて総合的な英語力を測定する試験で、特にスピーキングとライティングの評価が厳しい点が特徴です。
特に日本人にとってはスピーキングセクションが難関で、高得点を取ることは簡単ではありません。しかし、IELTSは国際的な英語試験のため、英語力を他者に示す優れた資格でもあります。
今回は、IELTSの試験概要からTOEICなどの日本で有名な英語試験とのスコアの比較をします。その他の英語試験のスコア換算表を見ることで、IELTSの難易度をリアルに知ることができるので、ぜひ最後までご覧ください。
IELTSと他の英語試験のスコア換算を活用しながら、自分の目標に合った試験対策を行い、必要なスコアを目指しましょう。
IELTSの試験内容・概要
まずは、IELTSの試験概要について解説します。
IELTSと他英語試験との違い
IELTSはリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの英語4技能の能力をすべて測定できる英語資格です。スピーキング力なども測定できるため、より実践的な英語力の証明として人気を博しています。
特に、イギリス英語圏を中心に世界140カ国以上で認められており、年間350万人以上が受験する国際的な試験です。そのため、海外大学への進学や海外移住、外資系企業への転職を目指す方が高得点を目指す試験となっています。
一方で、日本で有名なTOEICや英検は国際的な資格ではないため、海外でのアピールには不向きです。どちらかの試験が良い・悪いではなく、それぞれに一長一短の特徴があるので、各自の目的にあわせて最適な試験を受験しましょう。
IELTSの試験概要
前述したように、IELTSは以下の4つのセクションで構成されています。
- リーディング (60分)
- リスニング (30分)
- ライティング (60分)
- スピーキング (11-14分)
試験時間は約3時間と長いのも、IELTSの特徴のひとつです。
IELTSの採点基準は0〜9のバンドスコアで評価されます。合格・不合格といった基準はなく、現段階の英語力がスコアで数値化されるのが特徴です。
受験する際には「コンピュータ版テスト」か「ペーパー版テスト」のどちらかを選択します。資格としての価値が高い試験はペーパー版なので、試験スケジュールに問題がなければ紙による試験の受験をおすすめします。
IELTSの試験難易度は?
では、IELTSの試験難易度はどの程度なのでしょうか。
結論からお伝えすると、IELTSの試験難易度は英語中級から上級レベルの英語力を要する試験と言えます。
合格・不合格が決まる試験ではないため、誰でもスコアが計算されますが、多くの大学や企業が条件としている「6.0〜」を超えるためには、英語中級者レベルの総合的な英語力が必要不可欠です。
日本人受験者の平均スコアが約5.8と言われており、これは英検準1級からTOEIC 740-820点程度に相当します。
IELTSの難易度が高い理由のひとつに、英語4技能を万遍なく鍛える必要がある点が挙げられます。TOEICであればリーディングとリスニングに特化できますが、IELTSは総合的な英語力が高くないと高得点が取れないのです。
裏を返せば、IELTSで高得点を取ると第三者に自身の英語力を根拠を持って示せるので、強い資格であるとも言えます。
特に、スピーキングテストは面接官との1対1の対面式で行われるため、オンライン英会話などで日頃から英語でコミュニケーションを取る習慣を作る必要があります。
IELTSの難易度は高いですが、適切な対策と継続的な学習により着実にスコアを上げることは可能です。ただし、短期間での大幅なスコアアップは難しいため、目標に応じた十分な準備期間を設けることが重要でしょう。
IELTSのスコア別の英語力とは?一覧表で解説
IELTSのスコア別の英語力の指標を一覧表で確認しましょう。
IELTSでは1〜9の17段階(0.5刻み)で採点されます。IELTSの公式HPで各点数の英語力の指標が示されています。
9 |
エキスパート・ユーザー |
英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。 |
8 |
非常に優秀なユーザー |
不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生じる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。 |
7 |
優秀なユーザー |
不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。 |
6 |
有能なユーザー |
不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。 |
5 |
中程度のユーザー |
不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。 |
4 |
限定的なユーザー |
慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。 |
3 |
非常に限定的なユーザー |
非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。 |
2 |
散発的ユーザー |
慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。 |
1 |
非ユーザー |
単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。 |
0 |
試験放棄 |
必要な情報が提供されていない。 |
(引用:IELTS 9段階評価(バンドスコア))
IELTSと他英語試験のスコア換算【TOEIC/TOEFL/英検】
スコア別の英語力の指標を紹介しましたが、あまりイメージが沸かないという人も少なくないでしょう。
ここでは、IELTSのスコアを他の人気英語試験3つと比較します。そうすることで、IELTSのレベル感が見えてくるはずです。
その比較表がこちらになります。
IELTS |
TOEIC |
TOEFL iBT |
英検 |
9.0 |
ー |
120 |
ー |
8.5 |
ー |
119 |
ー |
8.0 |
ー |
117-118 |
ー |
7.5 |
970-990 |
109-116 |
ー |
7.0 |
870-970 |
100-108 |
1級 |
6.5 |
820-870 |
90-99 |
ー |
6.0 |
740-820 |
80-89 |
準1級 |
5.5 |
600-740 |
69-79 |
ー |
5.0 |
550-600 |
61-68 |
2級 |
4.5 |
500-550 |
52-60 |
ー |
4.0 |
450-490 |
45-51 |
準2級 |
3.5 |
300-440 |
33-44 |
ー |
3.0 |
250-290 |
29-32 |
3級 |
2.5 |
200-240 |
20-28 |
ー |
2.0 |
150-190 |
12-19 |
4級 |
1.5 |
100-140 |
ー |
5級 |
1.0 |
10-100 |
ー |
〜6級 |
※「ニュージーランド留学センター」さんの表を参考に作成しています。
この表を見ても分かる通り、TOEIC満点であってもスコア換算ではIELTSの7.5レベルです。そのため、IELTSやTOEFLなどの英語4技能の能力を測定する試験の難易度が高いことがわかるでしょう。
次の項目では、IELTSで目的別に目指すべきスコアの基準を解説します。
【目的別】IELTSで目標スコアの設定方法
IELTSでは各自の英語力が1.0〜9.0の間で測定されるため、自分の英語力を数値化できる良い機会となります。そのため、転職や海外大学の入学基準などにIELTSのスコアが採用されていることも多いです。
ここでは「IELTSでどれくらいのスコアを取ればいいのか?」という疑問を解決します。
外資系企業へ就職・転職するならIELTS6.0点
外資系企業では英語力のアピールが大事になりますが、そこでIELTSのスコアを活用できますが、その基準としてはIELTS6.0以上を目指しましょう。
「ビジネス英語としてはTOEICが有名じゃないの?」と思われるかもしれませんが、外資系企業ではより実践的な英語力が求められます。そのため、スピーキング力が測定できないTOEICよりもIELTSやTOEFLなどの資格保持者を優遇する傾向にあるのです。
特に海外事業を展開していたり、業務で英語を使うシチュエーションが多い職種の場合は、IELTSスコアは大きく役に立つでしょう。IELTS6.0の取得は簡単ではありませんが、日頃から英語を話す習慣を身につけ、IELTS対策を行えば必ず到達できるスコアです。
外資系企業への就職・転職を目指す方は、IELTSの試験勉強を頑張ってみてはいかがでしょうか。
留学するならIELTS6.5〜7.5点
海外へ留学する、海外大学へ進学する際にもIELTSは有効になります。特に、大学進学の際には入学条件として「IELTS◯点以上」が設定されていることも多く、必須の資格となってくるでしょう。
留学先や専攻によって要求されるスコアは異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 学部レベル: 6.0〜6.5
- 大学院レベル: 6.5〜7.0
- トップ校: 7.0〜7.5
ただし、入学後の授業がすべて英語で行われることを考慮すると、最低でも6.5以上を目指す方が良いでしょう。
特にIELTSはイギリス英語寄りの試験のため、イギリスやオーストラリアへ留学する予定の方はぜひ取り組んでいただければと思います。
まとめ:QQEnglishでIELTSのスピーキング対策を使用
今回は、IELTSの試験概要から他英語試験とのスコア換算について解説しました。
IELTSはスピーキングやライティングといった、英語のアウトプット力も測定する難易度が高いとされる英語試験です。しかし、高得点を取れれば、第三者に英語力を証明できる優れた資格だと言えます。
QQEnglishのオンライン英会話レッスンを活用して、コスパよく日本にいながら英語をアウトプットしてみてください。