英語の長文読解力を高めたい方、必見!便利&実践的な練習法・解き方をご紹介!
TOEIC(トーイック)やTOEFL(トーフル)などのテストにおいても、また多くのビジネスシーンでも求められる『長文読解力』。
リーディングスキルは英単語の暗記や文法理解などと異なり、スキルアップに時間がかかる技能なので、思うように成長できず伸び悩んでいる方も少なくありません。
さらに練習方法も多岐に渡るため、ただ闇雲に英語を読んでいるという方も多いでしょう。
そこで本記事では、リーディング問題の練習と解き方に使えるティップス(Tips)をご紹介していきます。それらを実践して、ぜひ長文読解力をブラッシュアップしてください!
「大学入学共通テストのスコアが上がらない……」
「いつも漠然と読んでいるからコツを知りたい……」
「長文を読むのに時間がかかっている……」
このようなお悩みを抱えている方はぜひ一読してください。
1. 長文を読み解くために必要なスキルとは?
リーディングスキルは複合的な知識・技能です。ただ単に単語だけ覚えれば良いということではなく、様々なスキルを磨いていくことが求められます。
それぞれの技能を高めていけばだんだんと速く、正確に読み進めることができるのです。まずは自身に足りていないものを明らかにして、それらを意識的に鍛えていきましょう!
1-1. スキーマ(既存知識)
私たちが持っている既存の知識のことを「スキーマ(schema)」と呼びます。
①ボキャブラリー(語彙力)
まず読む上で直接的な関わりを持っているのが語彙力(単語・熟語・イディオム)です。長文を読むなかで、それぞれ一文一文の内容が何も分からないという方は、語彙を優先的に覚える必要があります。
1冊の単語帳を用意して、例えば全300ページあるのであれば、1週間に25ページ分を暗記すると目標を立てて、3ヶ月で1周します。
そして次の3ヶ月で同様に1周し、それを繰り返していきます。3周する頃にはある程度の英単語が頭のなかに暗記されているはずです。
最近は語彙力増強を目的としたアプリケーションも数多く開発されているのでぜひ活用してみてください。
②グラマー(文法)
「単語の意味は分かるのに、前後の文脈が読み取りきれない」という方は文法力が足りていないかもしれません。
文法を熟知していると英文を論理的に秩序立てて読むことができるので、前後文とのつながりを意識して読み進めることができます。
また、TOEIC(トーイック)や英検(実用英語技能検定)などの資格テストを受験したあとに「解答・解説」をきちんと理解できるようになるため、間違った箇所を知り自身のミスリーディングの原因を浮き彫りにすることが可能です。
高等学校で用いられている参考書を読みながら練習問題をどんどん解いていきましょう!数多くの問題に触れることで文法理解が進み、なおかつ論理的思考力も鍛えられます。
③社会一般的・専門的な知識
長文を読んでいくなかで「この内容知ってる!」といった場面に出会ったことはありませんか?
長文読解では教育・自然科学・歴史・政治など幅広いトピックが主題となるため、物知りであればあるほど、精通している話題が登場した際、自身の知識を元に本文内容を推測することができます。
例えば自然環境を熟知している方は「地球温暖化に関する考察と将来的な予測」というトピックの長文を読むとき、たとえ意味の分からない文が登場しても予想を立てて読むことができるのです。
以下、大学入学共通テストの問題文にも引用されたことがある英語サイトを載せておきます。
サイト内にある様々な論文を読むことで、英語の知識だけでなく社会一般的な知識を身につけられることでしょう!
1-2. 圧倒的な経験値
「読むスピードが遅くて制限時間内に読み終わることができない」と悩んでいる方をよく目にします。そのような方はまず読むこと自体に慣れていきましょう。
特に英語を読みながら一語一語を日本語に置き換えている場合は、読む量が足りていない可能性が高いです。
英語に慣れていないせいで、母語である日本語の影響を強く受けているサインです。
そして、英語と日本語は単語の語順が大きく異なるため、わざわざ和訳していると時間がかかります。
そのような方は、後述する『多読』を取り入れて見ると効果的です。それぞれ日本語に訳さなくても、英語を読むだけで場面や風景が頭のなかに浮かんでくるようになります。
1-3. 文章全体をつかむ要約力
長文に必要なスキルは、トピック全体を鳥瞰的に見渡せる要約力です。
テスト受験時に「本文を読み終わっていざ問題を読んでみると内容を忘れていた……」なんてことはありませんか?
それには文章の段落、そして文章全体をつかみ取れていないことが原因として挙げられます。
学校教育では一文一文を取り上げて正確に読んでいく『精読』が行われることが多いので、文章全体を読み取る訓練をしたことがない方が多いのです。
要約力を磨くためには、後述する『パラグラフ・リーディング』に取り組みましょう。段落それぞれの主張が理解できるようになり記憶力も上がります。
2. 長文読解の練習法
続いて、長文読解スキルを高めるための効果的な練習法をご紹介します。
2-1. 多読(extensive reading)
多読とはその名の通り「英文をたくさん読むこと」です。
用紙いっぱいに書かれた英文を見ると気持ちがどんよりしてしまう……という方は、まずは英文に触れる回数を増やし英語そのものに慣れていきましょう。
実は母国語以外の言語に触れるとき、脳が複雑な作業をしているため強いストレスを感じてしまいます。
しかし、私たちはどんな環境にも柔軟に対応できる適応力を持っています。読む動作そのものに慣れて英語脳を鍛えていくことが大切です。
その際、意味の分からない英単語があっても調べることなく読み飛ばし、スキーマ(既存知識)をフルに活用して、英文内容を推測しながらどんどん読み進めていってください。
そのため最初はなるべく簡単で、面白いと感じられる内容のものを選びましょう!読むことへの抵抗感が薄れてきたら、徐々に難しいレベルの内容に変えていくと効果的です。
自然と脳が英語を読むことに慣れてきます。
関連記事:今こそ、英語上達のための『多読』!その方法とオススメ無料サイト&アプリをご紹介!
2-2. パラグラフ・リーディング(paragraph reading)
パラグラフとは「段落」のこと。つまり一語一語を丁寧に読み解いていくのではなく、大雑把に段落構成を意識し、要点を捉えて読み進める方法です。
従来型の英語の授業では、教科書の長文を1文ずつ取り上げて主語や動詞に分解していく『精読』が主流だったので、最初は流し読みすることに抵抗があるかもしれません。
しかし、単語の意味が分からなくても読み飛ばしながら、その段落が主張していることについて大枠を捉えることを意識しましょう。
そして英文は大まかに次のような流れでつづられています。
文章全体の流れ |
|
序論 |
長文全体の主張と要点の提示 |
本論 |
主張の理由や具体例、裏付け、反論 |
結論 |
本論を踏まえたまとめ |
続いてそれぞれの段落もある程度のパターンが決まっていることが多いです。
段落ごとの流れ |
|
主題文 |
議論するトピックを提示 |
トピック・センテンス |
段落で最も主張したいことの提示 |
裏付けや詳細 |
主張に対する効果的な理由や具体例 |
これら大まかな流れを踏まえた上で読み進めることで、頭のなかに議論の流れを思い浮かべながら読み進めることができます。
単なる内容理解だけでなく、トピック全体を客観的にまとめることができるため記憶にも定着しやすいです。
2-3. 音読(oral reading)
多読とパラグラフ・リーディングだけでは英文を正しく読むスキルが養われません。そのため英語を声に出して読む音読も取り入れることをオススメします。
発声をしながら内容を理解しようと試みることで、わざわざ英語を頭のなかで日本語に訳さなくても、スッと内容が情景として入ってくるようになります。
しかし、ただ音読するだけではスキル上達につながりません。次のポイントを意識してチャレンジしてください。
どこを区切って読めば内容が理解しやすいかを意識して読んでください。つまり他者に読み聞かせるように読むということ。文法と意味の関係性を考えながら、文中にスラッシュを入れるように音読しましょう。
流通している長文読解テキストの解答・解説や高等学校で使われている教科書のスクリプトでは、以下のように英文のまとまりごとにスラッシュで区切られていることが多いです。
初めのうちはこれらを参考にすると分かりやすいかと思います。
上述の3つの方法を取り入れると、次第に英語を速く、そして正確に読めるようになってくるはずです。ぜひ継続してみてください。
3. 長文読解のコツ
最後にテストにおけるリーディング長文問題の解き方のコツをご紹介します。
3-1. 問題文の先読み
先ほど長文を読むにあたってスキーマ(既存知識)が大切とお伝えしましたが、長文問題における問題文と選択肢から内容に関するヒントを手に入れることができます。
例えば次の問題文をご覧ください。
Q: Why do many people not know much about bats? 1 They are only interested in birds. 2 They are not friendly to animals. 3 Bats are not birds but mammals. 4 Bats cannot exist in the country where they live. |
問題文とその選択肢を見るだけで「コウモリ」に関するトピックだと分かりますし「人々がなぜコウモリについて知らないのか」という視点を持って本文を読み進めていくことができます。
TOEICや英検ではぜひ先読みをして事前に情報を獲得しましょう!
3-2. ディスコースマーカーに線を引く
ディスコースマーカーとは「英文の流れを示す重要な目印」のこと。例えば以下のような英単語が挙げられます。
逆説 |
対比 |
||
but, however, yet |
しかし |
while, meanwhile |
一方で |
although, though |
だが |
on the contrary |
むしろ |
条件・仮定 |
原因・理由 |
||
as long as |
〜する限りは |
because of |
〜のせいで |
in case |
〜の場合に備えて |
due to |
〜によると |
結果・結論 |
追加 |
||
as a result |
結果として |
furthermore |
さらに |
therefore |
したがって |
in addition to |
加えて |
言い換え |
根拠 |
||
in other words |
言い換えると |
according to |
〜によると |
in short |
要するに |
based on |
〜に基づいて |
英語長文のなかでこれらの英単語が登場した際には、ぜひ線を引いておきましょう。これらは本文内容の流れをつかむ重要なヒントになります。
特に資格テストでは、ディスコースマーカーの前後に解答の根拠があることが多いです。
関連記事: 英語の長文の簡単な読み方!ディスコースマーカーを意識した英文読解とは?
4. おわりに
長文読解力は一朝一夕では身につきません。本記事でご紹介した多読とパラグラフ・リーディング、そして音読を継続的に続けましょう!
最初のうちは読むこと自体にストレスを感じると思いますが、だんだんと慣れてスラスラと読めてくると思います。
そのうち英字新聞の内容も手に取るように分かってきて、趣味の一つになるかもしれません。みなさまの有意義な英語ライフを陰ながら応援しています。