「マイルストーン」を徹底解説!英語の意味やビジネスでの使い方をご紹介
ビジネスにおける「マイルストーン」は、プロジェクトの進捗を管理するうえで非常に重要な要素です。
しかし、似たような言葉が飛び交うビジネスシーンにおいては、言葉の使い方として正しいのかどうか悩む方がいるかもしれません。
そこで、この記事では「マイルストーンの使い方」をテーマに、次のポイントを詳しく解説します。
- 「milestone」の語源と英語の本来の意味
- ビジネスで使う「マイルストーン」の意味と使い方
- 「ロードマップ」「スケジュール」「タスク」「ガントチャート」との違い
- 「マイルストーン」の書き方
- 「milestone(マイルストーン)」の言い換え表現3選
この記事を読んで、マイルストーンの基本的な知識から関連するビジネス用語の使い方まであわせてマスターしましょう。
「milestone」の語源と英語の意味
カタカナ語の中には、ネイティブには通じない和製英語が数多く存在するため、注意が必要です。
「マイルストーン」の場合はというと、和製英語ではなく、英語表記でもそのまま「milestone」です。
距離を表す単位「mile(マイル)」と石を表す単語「stone(ストーン)」の組み合わせから成るこの言葉は、古代ローマ時代に一定の距離ごとに目印として設置されていた石碑に由来します。
現在でも、下記の例文のように「道しるべ」の意味で使われることもあります。
We took a picture of the roadside milestone, which marked 10 miles to the nearest town.
(私たちは一番近い町まで10マイルを示す道路脇の標石の写真を撮りました。
また、「milestone」はもともとの意味から派生して、比喩的に「人生や歴史における重要な出来事」「節目」のことも意味します。
例文:
Finishing the marathon was a personal milestone for my father.
(マラソンを完走することは父にとって個人的な節目でした。)
His promotion to manager was a significant milestone in his life.
(彼の人生にとって部長への昇進は重要な節目となりました。)
ビジネスで使う「マイルストーン」の意味と使い方
「milestone」には、「道しるべ」や「節目」といった意味があることを解説しましたが、ビジネスシーンで使う場合は、また別の意味を持っています。
ビジネスで使う「milestone(マイルストーン)」の意味は、「最終目標に向けて通過すべき地点」や「中間目標」です。
プロジェクトによっては、最終目標を達成するまでに多くの工程と時間を要する場合があるでしょう。
そういった状況下で使うのが、「マイルストーン」です。
「マイルストーン」を設定すれば、進捗状況が可視化され、計画の調整がしやすくなります。
ビジネスシーンで使う場合の英語の例文をご紹介しましょう。
We set a milestone to complete the first phase by the end of the month.
(我々は月末までに第1段階を完了させるというマイルストーンを設定しました。)
【例文のポイント】
「マイルストーンを設定する・置く」と英語で言いたい場合は、動詞「set」を用いましょう。
Our team worked hard to achieve the important milestone this week.
(我々のチームは今週重要なマイルストーンを達成するために懸命に働きました。)
【例文のポイント】
「マイルストーンを達成する」と英語で言いたい場合は、動詞「achieve」または「reach」を用いましょう。
I received the milestone payment after the first phase was completed.
(私は第1段階が完了した後に、マイルストーン払いを受けました。)
【例文のポイント】
仕事をいくつかの段階に分割し、マイルストーンごとに報酬が支払われる場合があります。このような分割払いのことを「マイルストーン払い」と言い、英語では「milestone payment」と表現します。
「ロードマップ」「スケジュール」「ガントチャート」「タスク」との違い
ビジネスシーンで使われる「マイルストーン」には、同じ状況で使われるせいか、混同されやすい言葉がいくつもあります。
ここでは、「ロードマップ」「スケジュール」「ガントチャート」「タスク」の4つの言葉の意味を確認して、「マイルストーン」との使い方の違いをはっきりさせましょう。
ロードマップ
ロードマップとは、プロジェクト全体の計画や方向性など、戦略を示したゴールまでのマップのことです。
スケジュール
スケジュールとは、プロジェクトの開始から終了までの時間計画を記した表のことです。ロードマップを元に、「誰が」「いつまでに」「何を」するのかを決めて、スケジュールを組むことが多いでしょう。
ガントチャート
ガントチャートとは、スケジュールを視覚的に表して進捗状況を管理するグラフのことです。ガントチャートの中で、マイルストーンやタスクを設定します。
タスク
タスクとは、プロジェクトの中で発生する具体的な作業のことです。業務の最小単位を指します。
まとめると、最初に戦略的な計画や方向性を示したロードマップを作成し、それを元にスケジュールを組みます。
スケジュールを組むのに、有効なツールがガントチャートです。ガントチャートを使ってマイルストーンやタスクを設定すれば、プロジェクトの進捗状況を管理しやすくなるでしょう。
「マイルストーン」の書き方
「マイルストーン」に関連した用語の意味や使い方を解説したところで、具体的にマイルストーンの設定の流れを確認しましょう。
手順に決まりはありませんが、一例として以下の流れでご説明します。
- タスクと担当者の設定
- マイルストーンと期日の設定
- ガントチャートの作成
プロジェクトが決まったら、まずはタスクの洗い出しを行い、必要なタスクと担当者の設定を行いましょう。
それが終われば、最終目標までに通過したいマイルストーンと期日の設定です。
プロジェクトの期日や各マイルストーンの達成予定日が決まれば、計画に基づいて効率的にタスクが進められるでしょう。
最後に、ここまで設定したことをガントチャートにまとめます。
ガントチャートのテンプレートは、無料でダウンロードできたりお使いのソフトによっては用意されていたりするので、ぜひ活用しましょう。
「milestone(マイルストーン)」の言い換え表現
前述したとおり、「milestone」には「重要な出来事・節目」の意味と、ビジネスシーンで使う「中間目標」の意味があります。
ここでは「節目」の意味で使われる言い換え表現を2つ(turning pointとlandmark)、「中間目標」の意味で使われる表現を1つ(merkmal)ご紹介します。
「turning point(ターニングポイント)」
転換点や変わり目のことを「ターニングポイント」と言いますが、英語表記もそのまま「turning point」と表します。
「マイルストーン」も「ターニングポイント」も、重要な出来事や節目を表す時に使いますが、「ターニングポイント」は状況の変化に焦点を当てた表現です。
His discovery was a major turning point in the history of science.
(彼の発見は科学史における大きな転換点となりました。)
「landmark(ランドマーク)」
「ランドマーク」といえば、東京のシンボル・東京タワーやニューヨークのシンボル・自由の女神など、その土地の象徴となるような建築物のこと表す時に使う単語です。
しかし「landmark」には、「重要な出来事」といった「milestone」と同じ意味もあり下記例文のような使い方ができます。
The invention of the smartphone is a landmark in the history of technology.
(スマートフォンの発明はテクノロジーの歴史において画期的な出来事です。)
「merkmal(メルクマール)」
「merkmal」はドイツ語で「目印」や「指標」を意味する単語です。
ビジネスシーンでは、「中間目標」や「判断基準」といった意味で使われます。
「マイルストーン」も「メルクマール」も、「中間目標」を意味する言葉として使われていますが、使い方に微妙な差があります。
「メルクマール」がプロジェクトの進捗状況を測るための基準や指標に焦点を当てているのに対し、「マイルストーン」は達成点や節目に焦点を当てています。
まとめ
最後に、この記事で解説した重要なポイントをおさらいしましょう。
【マイルストーンについて】
- 「milestone」の意味:道しるべ、節目、重要な出来事
- ビジネスで使う「milestone」の意味:中間目標
【関連用語】
- ロードマップ:プロジェクト全体の方向性や計画を示したもの
- スケジュール:特定の期限内に完了すべき行動や時間を設定した予定表
- ガントチャート:スケジュール表の一種で、視覚的に進捗を把握しやすくした表
- タスク:プロジェクトで発生する業務の最小単位
【milestoneの言い換え表現】
- turning pointの意味:転換点
- landmark:転機となる出来事
- merkmalの意味:中間目標
マイルストーンは、日常会話もさることながらビジネスシーンでも広く使われる重要な単語です。
この記事で解説した使い方を取り入れて、さまざまな場面でマイルストーンを活用してみましょう。