新卒でも海外就職はできる?働きやすい国や日本での就活との違いを解説
ブラック企業、サービス残業、パワハラ、低賃金での重労働…
日本企業に関する悪い情報が溢れている中で、「思い切って海外で就職してみよう」と考える学生が増えています。
ただ周りに新卒で海外就職をしている人が少ないと、
「どこが働きやすい国がわからない」
「そもそも新卒でも海外就職はできるの?」
「英語はできないとダメ?」
など様々な不安や疑問が出てきます。
そこでこの記事では、新卒の海外就職におすすめの国や日本での就活の違いをわかりやすく解説します。
新卒でも海外就職はできる!おすすめは東南アジア
結論からお伝えすると、新卒でも海外就職はできます。
ただし国の選択を誤ってしまうと、なかなか採用が決まらず日本に帰国してしまう人もいます。
特にアメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどは採用時に高いスキルが求められるなど海外就職のハードルが高い国々です。
一方で、新卒で海外就職をする場合、就労ビザの取りやすさや求人の多さ、住みやすさなどから次のような東南アジアがおすすめです。
【新卒の海外就職におすすめの国】
- タイ
- マレーシア
- ベトナム
それぞれに簡単に解説します。
タイ
新卒の海外就職に、もっともおすすめの国はタイです。
その理由は以下の5点があります。
- 治安が安定している
- 親日国で初めての海外でも日本人が住みやすい
- 日系企業が多く進出していて日本人が多い
- タイでの就職を支援してくれる会社が多い
- 新卒の現地採用でも高い給与水準が受けられる場合がある
グローバル人材の紹介事業をおこなうジェイ エイ シー リクルートメントによると、タイの年代別の給与相場は以下の通りです。
年代 |
給与(現地通過) |
日本円換算(1バーツ=4円) |
20代 |
50,000〜70,000バーツ |
200,000〜280,000円 |
30代 |
60,000〜80,000バーツ |
240,000〜320,000円 |
40代 |
70,000バーツ以上 |
280,000円以上 |
(上記は目安で、実際の給与は会社や個人の能力によって異なります。)
タイでは、日本人が働く際の最低給与を50,000バーツ(約20万円)と法律で定めています。
物価や家賃が比較的安いため、日本と同程度の生活レベルが期待できます。
また求人では営業職が多いことが特徴です。
英語はできるに越したことはないですが、タイに進出する日系企業の窓口として、日本語が話せる社員は重宝されるでしょう。海外生活に不慣れな人でも、新卒の海外就職はタイがもっともチャレンジしやすい国の1つです。
マレーシア
タイの隣国のマレーシアも新卒の海外就職におすすめです。
その理由は以下の通りです。
- 治安が安定している
- 日本の食材やスーパーもあり日本人が住みやすい
- 新卒や第二新卒を採用している企業もある
- 高い英語レベルが必要ない
- マレーシアでの就職活動を支援してくれる会社がある
マレーシアでの年代別の給与相場は、以下の通りです。
年代 |
給与(現地通過) |
日本円換算(1リンギット=33円) |
20代 |
7,000〜8,000リンギット |
231,000〜264,000円 |
30代 |
8,000〜12,000リンギット |
264,000〜396,000円 |
40代 |
10,000〜15,000リンギット |
330,000〜495,000円 |
(上記は目安で、実際の給与は会社や個人の能力によって異なります。)
マレーシアでは外国人の最低給与が5,000リンギット(約165,000円)と定められています。また実際にはそれ以上の額が支給されることが多く、ほとんどの人は不自由のない生活を送れるでしょう。
求人を出している日系企業には、商社や物流、メーカーなど幅広い業界があります。
日系企業向けの営業職やコールセンターの募集もあり、英語が必須ではない求人も簡単に見つけられますよ。
生活のしやすさや給与水準、進出企業している日系企業の多さなど、マレーシアも新卒の海外就職におすすめの国です。
ベトナム
ベトナムも、以下の理由から新卒の海外就職におすすめです。
- 治安が安定している
- 生活インフラが整っており生活がしやすい
- 製造業を中心に日系企業が進出している
- 高い英語レベルが必要ない
- ベトナムでの就職活動を支援してくれる会社がある
ベトナムでの年代別の一般的な給与相場は、以下の通りです。
年代 |
給与(現地通過) |
日本円換算(1ドル=155円) |
20代 |
1,800〜2,500ドル |
279,000〜387,500円 |
30代 |
2,000〜3,500ドル |
310,000〜542,500円 |
40代 |
3,500ドル〜 |
542,500円 |
(上記は目安で、実際の給与は会社や個人の能力によって異なります。)
日本からは主に製造業が進出していることから、製造業の営業ポジションの求人が多いことが特徴です。
他の日系企業やローカル企業の人との接点を作りやすく、プライベートでも交流している人も多数います。充実した生活が送りやすいことから、新卒の海外就職にベトナムはおすすめです。
新卒の海外就職と日本での就活の違い
ここからは、新卒の海外就職と日本での就活の違いをご紹介します。
主な違いは次の3点です。
- 海外就職には新卒採用がない
- インターンシップが重視される
- 即戦力が求められる
それぞれ解説します。
海外就職には新卒採用がない
海外の企業には、日本のように新卒を一括で採用するシステムはありません。
事業の拡大や前任者の退職などを理由に、人員が不足した際に募集をおこなうことが一般的です。
海外就職と日本での就職には、次のようなメリットとデメリットがあります。
海外就職 |
日本での就職 |
|
メリット |
希望する職種があれば通年で応募ができる 実力主義の環境で経験が積める |
新卒であることがブランドになり大手企業にも入りやすい 同期が複数いて仲間意識ができやすい |
デメリット |
実務経験や実績が求められることが多い 研修が少なく実務を通じて業務を覚える必要がある |
自分のペースで就活ができない 他人と比べてしまい悩んでしまう人もいる |
日系企業では、入社後の研修やOJTなどで丁寧に業務を教わることで、少しずつ成長することができます。
一方で、海外就職では入社してすぐにプロジェクトに参画させてもらえるなど、早期から実践経験を積める点が魅力です。
新卒採用はなくとも、それぞれにメリットとデメリットがあるので、海外就職に興味がある場合はチャレンジしてみましょう。
インターンシップが重要視される
海外就職ではインターンシップが重要視されるケースが多くあります。
インターンシップとは「入社前に実際に職場で仕事を経験できる制度」です。
日本と海外でのインターンシップには、次のような違いがあります。
期間 |
目的 |
|
日本 |
数週間から1ヶ月程度の短期間 |
職場環境を知ること 業務を体験すること |
海外 |
最長1年の長期間 |
採用を見越して業務を経験させること 入社後に活躍できるかを見極めること |
このように、海外のインターンシップには入社前の採用選考の役割があり、重要視している企業が多くあります。
インターンシップの情報は各企業のホームページに掲載されていますが、個社ごとに探す必要があり、時間がかかります。海外就職に強いエージェントを活用することで、情報収集が楽にできますよ。
即戦力が求められる
海外就職では、即戦力となる人材が求められます。
前述の通り、海外就職には新卒の一括採用がありません。空いたポジションで活躍できる人を求めて採用活動をおこないます。そのため、必要なスキルが具体的に示されていることが一般的です。
一方、日系企業の新卒採用では、個人のポテンシャルが重視されます。今はスキルが低くても、中長期的に育成し、会社に貢献できる人材を採用します。
新卒であることを強みとするなら、日系企業がおすすめです。ただし企業が求めているスキルにマッチする人は、海外就職の方が活躍の幅が広がります。
まとめ
今回は新卒の海外就職におすすめの国と、日本での就活の違いについて解説をしました。
新卒の海外就職は、日本の合同企業セミナーなどがほとんどないため、情報が集まりにくく不安も大きくなりやすいものです。
海外就職を成功させるために、海外就職に強いエージェントを活用し、一緒に不安を解消しながら進めてみてはいかがでしょうか。