名詞の複数形の作り方は? 不規則変換のルールや使い方も紹介!
英語では、名詞の数量を的確に表す用法として「複数形」が用いられます。
しかし、さまざまなルールが存在するため、どのように形を変化させ使用すればいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
単語によって形を変える必要がない場合もあるため、例外も踏まえしっかり理解することが大切です。この記事では、名詞を複数形にする場合のルールや不規則に変化する際のポイントなどを紹介します。
名詞の複数形とは?
名詞の数が1つまたは1人の場合を単数形と言い、2つ以上のものや人などを表す場合は「複数形」と言います。これらの用法は、名詞の数が単数または複数かを区別するために用いられます。
- 単数形:a pen(1本のペン)
- 複数形:two pens(2本のペン)
英語では名詞の「数量や程度」を明確に表現するため、このように名詞の数を具体的に表す「複数形」が用いられます。
名詞には可算名詞と不可算名詞がある
英語の名詞には個数が数えられる「可算名詞」と、数えられない「不可算名詞」があります。
複数形を理解する上で可算・不可算名詞の違いや見分け方もしっかり把握しておきましょう。
可算名詞とは
可算名詞とは、「数えられる名詞」を指します。例えば本やりんご、人や動物などが挙げられます。
- I have a book.(私は1冊の本を持っています。)
- I eat an apple.(私はりんごを1つ食べます。)
上記のように、可算名詞は単数形と複数形を用いて明確な個数を表すことができます。
不可算名詞とは
不可算名詞とは「数えられない名詞」を指します。例えば、水やお茶などの液体、砂糖や塩などの材料、幸福や親切さなどの感情が挙げられます。下記は主な不可算名詞です。
- tea(お茶)
- water(水)
- coffee(コーヒー)
- rice(米)
- bread(パン)
- meat(肉)
- salt(塩)
- sugar(砂糖)
- kindness(親切)
- happiness(幸福)
- peace(平和)
- weather(天気)
- music(音楽)
- information(情報)など
不可算名詞は明確な数を表せませんが、程度を表現することは可能です。
その場合は「たくさん」を意味する「much」や「a lot of」、「少量」を示す「little」や「a bit of」、「いくつか」を表す「some」や「any」などを名詞の前に置いて、「量」や「数」を表します。
これにより、どれくらいの量があるのか、またはないのかを示すことができます。
I bought a lot of sugar.(私はたくさん砂糖を買いました。)
I will give you some information about it.(私はあなたにそれについてのいくつかの情報を提供します。)
上記のように、不可算名詞であっても量や程度を強調させることができます。また「a lot of」「some」「any」は、可算名詞にも使用することができます。
規則的に変化する名詞
名詞が複数形に変化する場合、下記の4つの規則が存在します。ほとんどの名詞は基本的に下記のルールで複数形が成り立つため、しっかり覚えておきたいポイントです。
①名詞の語尾に「s」を置く
名詞を単数形から複数形に変化させる場合は、単語の最後に「s」を置きます。
単数形 |
複数形 |
book(本) |
books |
dog(犬) |
dogs |
flower(花) |
flowers |
②名詞の最後に「es」を置く
名詞の語尾が「s・x・z・ch・sh」の場合は、「s」ではなく、「es」を置きます。
単数形 |
複数形 |
class(授業) |
classes |
box(箱) |
boxes |
buzz(ざわめき) |
buzzes |
match(試合) |
matches |
dish(皿) |
dishes |
語尾に「es」を置く理由は、単語本来の発音はそのまま綺麗に保ちながら発話をスムーズにするためです。
③「y」で終わる名詞は「i」に変えて「es」を置く
名詞の語尾が「y」で終わる場合は、「y」を「i」にかえて「es」を置きます。
単数形 |
複数形 |
baby(赤ちゃん) |
babies |
lady(女性) |
ladies |
city(都市) |
cities |
ただし、例外も存在します。
そのひとつとして「toy(おもちゃ)」が挙げられます。この場合、複数形は「toys」と変化するため注意が必要です。
④「f」または「fe」で終わる名詞は「ves」に変える
名詞の語尾が「f」や「fe」で終わる場合は、「ves」に変えます。
単数形 |
複数形 |
leaf(葉っぱ) |
leaves |
wife(妻) |
wives |
knife(ナイフ) |
knives |
この場合も例外が存在し、語尾に「s」を付けて複数形にする名詞もあります。例えば「roof(屋根)」の複数形は「roofs」と変化します。
不規則に変化する名詞
複数形になると、イレギュラーに変化する名詞もあります。
例えば、複数形になると異なる単語に変化したり、常に複数形で使用する単語などがあります。不規則に変化する名詞は規則的なルールが当てはまらないので、しっかり覚えておきましょう。
①複数形にすると違う単語に変化する
単数形から複数形に変化すると、単語そのものの形が変化する名詞があります。
単数形 |
複数形 |
man(男性) |
men |
foot(足) |
feet |
child(子供) |
children |
複数形になると単語が変わる名詞は、変母音によって形が変わる特殊なタイプです。基本的な母音が変化して新しい複数形が誕生する例外の名詞であるため、正しい使い分けが必要です。
②単数形と複数形が同じ形
単数形と複数形が同じ名詞は、「単複同形」と言います。
単数形 |
複数形 |
sheep(羊) |
sheep |
species(種) |
species |
deer(鹿) |
deer |
単複同形の場合は、下記の例文のように「sheep(羊)」が複数存在しても「many sheeps(たくさんの羊)」とはせず、「many sheep」と表現します。
There is one sheep.(1匹の羊がいます。)
There are many sheep.(たくさんの羊がいます。)
③常に複数形で使用する
単数で使用しない名詞は、常に複数形として扱います。
常に複数形で使用する名詞の特徴として、対となる2つの部分から構成されているものや集合体、抽象的な概念を表すものが挙げられます。
- scissors(はさみ)
- pants(ズボン)
- jeans(ジーンズ)
- pajamas(パジャマ)
- glasses(メガネ)
- shoes(靴)
- socks(靴下)
- binoculars(双眼鏡)など
上記のように2つで1セットと認識するものは、常に複数形を使用します。
また数量を表す場合は、「some(いくつか)」や「a pair of(1組の)」などの数量詞を名詞の前に置きます。
- some pants(いくつかのズボン)
- a pair of jeans(1着のジーンズ)
- two pairs of glasses(2つの眼鏡)
④単数形でも複数形として扱う
単数形でも文脈では「複数形」として扱われる名詞があります。これを「集合名詞」と言い、下記の名詞が該当します。これらは常に複数形として使用します。
- people(人々)
- police(警察)
これらの名詞を主語にする場合、be動詞は「are」または「were」となるため注意しましょう。
There are many people in the office.(オフィスにたくさんの人々がいます。)
The police are investigating the crime.(警察はその犯罪を調査しています。)
⑤複数形でも単数形として扱う
名詞の形が複数形であっても、文脈上では「単数」として使用するものもあります。
下記は、単数と捉える名詞です。
- news(ニュース)
- series(シリーズ)
- means(手段)
- economics(経済)
- electronics(電子工学)
- politics(政治)
- athletics(運動競技)
- Pilates(ピラティス)
- Olympics(オリンピック)
- diabetes(糖尿病)
- rabies(狂犬病)
- the United States(アメリカ)
- the United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
- the United Nations(国際連合)など
上記のように主に学問や競技、病気や地名が該当します。
⑥用法によって単数形と複数形が変化する
文脈や用法によって単数扱いになったり複数扱いになる名詞もあります。
- company(会社)
- family(家族)
- team(チーム)
- government(政府)
- staff(スタッフ)
会社や家族を1つのまとまりで捉える場合は数えられる名詞となり、「a company(1つの会社)」や「two companies(2つの会社)」と表すことができます。
Our company is launching a new product.(私たちの会社は新製品を発売します。)
There are two companies in this building.(このビルには2つの会社があります。)
しかし、「company(会社)」に所属する一人ひとりに焦点を当てる意味合いなら、複数扱いになる場合もあります。
名詞の複数形には規則的なルールがあり、単数形と複数形を区別することが求められます。
しかし、名詞によってはこのルールが当てはまらない場合もあるため、正しく認識する必要があります。文脈に応じて適切な使い方を理解しておきましょう。