「論文」の英語表現は?例文付きで様々な言い方を解説します!

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更新日:2025年3月7日 英文法

「論文」の英語表現は?例文付きで様々な言い方を解説します!

paper

「論文」について話題にする場面は思いの外多いものです。

「卒業までもうすぐなのに卒論終わってないよ…」

などが思い付きますし、ネットニュースでは論文が引用されることも多いと思います。

英語圏でも同じで、「論文」の言い回しを使う機会は意外と多いです。

ただ、日本語と違い、英語には何パターンか「論文」に相当する表現があります。

今回は、そんな「論文」の言い方について、例文付きで解説していきます。そして、なぜ英語には同じ意味の単語がニュアンス別に多数あるのかについても触れていきます。

英語表現の幅を広げる役に、また英語の論文を読む役にも立ちますので、最後まで読んでみてくださいね。

「論文」を表す英語表現

英語で論文を表す表現は、以下の通りたくさんあります。状況や表現したい内容によって使い分けます。

Paper

論文を表す、ある意味一番馴染みのある単語ではないでしょうか。

理系の方であれば「そのデータの大元のペーパー見せて」と言った表現を日本語でもよく聞くかもしれませんね。

いわゆる学術論文から小論文まで、カバーする範囲は広いです。

例文:
I am now working on a research paper on microbiology.
(今、分子生物学の研究論文に取り組んでいます。)

Thesis

こちらは「卒論」「修士論文」のような階層の論文を指します。

冒頭の例で使った例は、このThesisを使って表現できるということですね。

例文:
He is now making the final revisions to his master’s thesis. 
(彼は今、修士論文の最終校正をしている。)

Dissertation

Thesisよりも、もっと規模の大きな研究の論文を指す場合は、dissertationを使います。

博士論文や、企業の社会実験などがそれにあたります。

例文:
We are reviewing the dissertation from the mobility company on the interaction between autopilot systems and mobility.
(我々はその自動車会社の出している、自動運転と車社会の関係性についての論文を査読中です。)

Essay

こちらは先の二つと比較すると、より短いものを指します。大学の授業の課題で、小論文が出された時などが該当します。

本題から外れますが、我々がよく目にする「エッセイ」の意味にもなりますので、文脈で使い分ける事になります。

例文:
I am now preparing a 1500-word essay for the class, I don’t have the luxury of time!
(今クラスのために1500語の小論文を用意してるけど、もう時間がない!)

Article

学術論文や新聞、オンラインメディアに掲載される社説などが該当します。

また、転じて、ヨーロッパ諸国の法律や条約の「◯◯条」としても頻繁に使われます。

例文:
The article written by the mayor and published in the news media does not make sense to us at all.
(市長が新聞に寄稿した論文は全くもって意味不明だ。)

Manuscript

世に出る前の論文や原稿のことを指します。これが出版されたり学術誌に掲載されると「Article」や「Paper」になります。

文脈によっては、例えば中世の写本のような、古文書や歴史書を指すこともあります。

例文:
My latest research manuscript is currently under review for inclusion in the book.
(私の最新の研究論文はその本に掲載されるために査読中です。)

論文にて使われる表現

論文を読み進めていくと、論文という単語以外にもいくつか重要な単語が出てきます。

以下の単語は、特に学術論文には章立てで必ず載っています。

併せて知っておくと、実際の論文を読み進める時に助けになるでしょう。

Abstract (要旨)

論文の冒頭にある、論文の内容の要旨です。ここを読めば、論文の大まかな内容が把握できます。

Material&Method (材料と方法)

特に実験を伴う場合には必ずあります。

実験に使われた器具や試薬、実験手法が全てこの章にまとまっています。

Materialの部分は分野によって訳され方が微妙に変わりますが、章の大意を覚えておけば問題ありません。

Result (結果)

実験結果が載っています。

ここではあくまで結果が載せられていて、基本的に考察は後ろの方でなされる事が多いです。

Conclusion (考察)

結果を元に、考察がなされる章です。

ここが論文の良し悪しを決める箇所になりますので、訳や解釈も注力するところになります。

Reference (参照)

外部からデータを取ってくる際の引用論文が載っています。

類似の論文を探すときはここから探すと効率がいいです。

なぜこんなに論文を指す言葉があるのか?

日本語であれば、ほぼ全てのシチュエーションを「論文」で表現できてしまいますが、なぜ、英語ではこんなにも論文を指す言葉があるのでしょうか?

理由を押さえておけば、「論文」に限らず、複数の単語を覚えておくことの重要性がわかると思います。

英語の特性

まずは、英語の言語特性として、曖昧さを避ける方向にある点が挙げられます。

つまり、書いてある情報が全てで、そこに書いていないことや、述べられていないことは、「無い」という傾向があるということです。

文にない情報や、話し手の属性までが文脈に影響する、日本語の曖昧さとは真逆の特性と言っていいでしょう。

これは「論文」に限定された話ではなく、例えばhouse (建物としての「家」) とhome (居場所としての「家」) のように、どういう特性のものか、という点を明確にする事が多いです。

日本語話者の私たちからすれば覚えることは増えるのですが、逆を言えば、それだけ日本語に比べ誤解は生じづらいと言えます。

学術文化における英語

英語は世界共通語として機能しています。

そのため、論文を意味する単語も意味を明確にしておかないと、誤解が生じる事になります。

論文と一口に言っても、それが大きなテーマでの研究 (Dissertation) なのか、雑誌に載る一本の研究 (Article) なのか、卒論 (Thesis) なのかが明確でないと、その後の議論に混乱が生じてしまいます。

学術文化に英語が影響を受けたのかについては論点がズレるので書くのはやめますが、事実論文の9割以上は英語で書かれていることからも、学術の世界において英語が上手く嵌まっているのは間違いないでしょう。

他言語の影響

英語はラテン語やフランス語の影響を強く受けており、そのせいで同じ意味を持つ多数の言葉が存在してしまっている側面があります。

例:

  • Thesis→ラテン語由来
  • Dissertation→フランス語由来

歴史的なものもあるので仕方がない側面がありますが、こう言った違いも楽しみながら英語を学習していきたいですね。

まとめ

この記事では、論文を表す英語表現を6つ取り上げてきました。

また、学術論文を読み進めるために知っていると役立つ単語、英語と日本語の特性の違いにも触れてきました。

場面やニュアンスによって使い分けができると、より英語が相手に正確に伝わりやすくなりますので、意識してみてください。

この記事が英語表現の幅を広げるお役に立てば幸いです。

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