パラグラフリーディング徹底解説!おすすめストラテジーは?
「英語のリーディングに時間がかかる」「英語長文が時間内に読み切れない」という声を聞くことがよくあります。
確かにTOEICやIELTSのリーディングは問題の量に比して、制限時間がとても短いですよね。
リーディングが速く・正確にできるようになるためには、もちろん基本的な単語力や文法が必要になりますが、それと同時に正しいリーディングのやり方を理解し、実践することも大事です。
今回ご紹介する「パラグラフリーディング」を習得すれば、英文を読むスピードを格段に上げることができ、また英文読解力も向上させることができます。
英文読解に悩んでいる方、英文をもっと速く読めるようになりたい方は、ぜひこの記事を読んでいただければと思います。
パラグラフリーディングとは
まず、パラグラフリーディングとは、段落ごとに英文を理解し、英文全体の構成や流れを理解することです。つまり、各段落における筆者の主張を理解することで、英文全体を大局的に捉えることができるリーディングの手法です。
英文のニュースや各種英語資格試験のリーディングにある英語の長文は単語数も多く、書いてある事柄も多いですが、どんな英語長文もいくつか(または多数)の段落で構成されています。
そして、各段落で筆者が言いたいことは1つです。筆者が別の事柄について言及したり、また別の意見を主張する場合には、段落を分けて書かれます。
パラグラフリーディングを習得することで、この「各段落で筆者が言いたいこと」を意識しながら英文を読むことができ、速く正確な英文読解力を身につけることができます。
以下では、パラグラフリーディングのメリットや実践の方法について詳しく解説していきます。
パラグラフリーディングをするメリット
まず最初の章では、パラグラフリーディングの概要について、ご紹介しました。
続いては、パラグラフリーディングのメリットについて解説していきたいと思います。
英文を速く読めるようになる
パラグラフリーディングを行い、各段落における筆者の主張を理解することで、段落間の繋がりが見えてきます。
各段落は何らかの形で関連しており、英文全体には一貫性がありますので、「この段落は前(後)の段落とどのような関連性があるのか」ということを意識しながら読むと、英文全体の構成や全体像を把握することができます。
逆に各段落で筆者が主張しようとしていることを理解・把握しないと、各段落の繋がりを見つけることができず、「その英文がどの方向に向かっているか」を見失ってしまう可能性があります。
英文全体の構成を把握することができれば、内容理解が速くなりますので、英文を読むスピードを上げる(速くする)ことができます。
重要な情報を見極めることができる
前述したように、パラグラフリーディングができるようになれば、英文の全体像を把握することができ、「英文全体を通して筆者が何を言いたいのか」を理解することができます。
そのため、パラグラフリーディングの手法で多くの英文を読んでいると、文中に筆者の意見や主旨とは異なることが書いてあった際に「この文章は大事ではない」「この文章はあまり関係ない」という判断を瞬間的にできるようになります。
つまり、英文全体の中で重要な情報を見極めることができるようになるのです。日々練習を積み重ねていき、そういったことを見極める目を養うことが大事です。
英語の論文やニュース、資格試験に出てくるようなリーディングの問題では、筆者ではない第3者(専門家や一般の人々)の意見が書かれていることもよくあります。
こういったものに惑わされないためにも、パラグラフリーディングを通して全体像を把握し、筆者が言いたいことは何かを把握することはとても重要です。
パラグラフリーディングのコツ(おすすめのやり方)
パラグラフリーディングをする際には、抑えておくべきコツがあります。
これらのコツを意識しながら英文を読むことで、迅速に英語を理解することができるとともに、英文の読解力を向上させることができます。
続いては、パラグラフリーディングのコツやおすすめのやり方について解説していきます。
トピックセンテンスに注目する
ニュースや論文のタイトルに注目することはもちろん重要ですが、それと同時に各段落のトピックセンテンスに注目することがとても重要です。
なぜかというと、しばしば段落の最初の英文(=トピックセンテンス)に、その段落で言いたいことやその段落の要約が書かれているためです。また、トピックセンテンスには、全体の英文の中での重要なキーワードやその段落の核となる単語が書かれていることも多いです。
ただし、段落の途中や段落の最後にある英文が全く重要ではないということではなく、筆者の意見や重要な情報が段落の途中などに書かれていることも稀にあるため、注意が必要です。
段落の内容を要約する
パラグラフリーディングをするときは、その段落に書かれていることを要約することが重要かつ効果的です。英文を読みながら「アウトプット」することで、より深く内容を理解することができるためです。
アウトプット(要約)しないまま、その英文を読み続けてしまうと、最後の段落を読み終えた後に「あれ?最初の段落がどんな内容だったか忘れてしまった」という風になってしまいます。
逆に各段落を読み終えるごとにアウトプットをしておけば、読み終わった後に最初の方の段落に戻ってきたときも、その段落の意味をスムーズに理解することができます。
そして、ここでポイントとなるのが、「なるべく自分の言葉で要約をする」ということです。英文に書いてある内容をそのまま書き写すよりも、自分の言葉で要約する方が記憶に定着しやすいためです。
また、パラグラフリーディングをするときには、最初からアカデミックな論文や難解な英文が書かれたニュースなどを読むのはハードルが高く挫折してしまう可能性があるので、簡単かつ短いニュースから始めてみることをおすすめします。
段落を読む順番を考える
パラグラフリーディングのメリットとして、英文全体の内容を把握できることを挙げましたが、パラグラフリーディングでは「段落を読む順番」もとても重要です。
多くの場合、最初の段落で問題提起や話題提起があり、最後の段落にその問題に対する解決策や将来の展望が書いてあります。そのため、最初と最後の段落を読むことで、英文全体がどのような流れで構成されており、どのような主旨の文章か、という全体像を把握することができます。
そして、全体像を把握することができれば、各段落で主張されている内容や情報を「予測」することができます。
例えば、最初の段落に「日本は少子高齢化が進んでおり外国人労働者が必要である」という話題提起があり、最後の段落に「日本は外国人労働者の受け入れ体制をさらに整えるべきだ」という主張があった場合、それらを先に読んでおけば、途中の段落には現在の外国人労働者受け入れの状況や様々な課題に関して具体的に述べられていると予測することができます。
文章の流れを掴む
文章の流れを理解することができれば、パラグラフリーディングを上達させることができます。
そして、その文章の流れを理解するためには、文と文を接続する単語に注目することが肝要です。
例えば、However やNevertheless、 In contrast といった逆説の単語は、文章の流れが逆に変わることを表す表現のため、これらの単語が出てきた際には、その部分からが筆者の意見や主張であることがほとんどです。
また、For example For instance といった例示の単語は、具体例を示す際に使われる単語ですので、筆者が言いたいことの裏付けが述べられます。
英文読解のおすすめの方法として「ディスコスマーカー」といってこれらの接続詞に(蛍光ペンなどで)印をつけるやり方がありますが、英語長文には多くの接続詞が使われているため、全ての接続詞に印をつけてしまうと、本当に重要な部分がわからなくなる危険性があります。
接続詞に注目することはとても重要ですが、その一文は英文全体の中で重要か/そこまで重要ではないかを考えながら読み進めるようにしましょう。
オンライン英会話で習得する
「オンライン英会話でパラグラフリーディング?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、オンライン英会話を活用して、リーディング能力を鍛えることも可能です。
オンライン英会話「QQEnglish」では「News Alert 」 というレッスンがあります。このレッスンでは、国際的なニュース記事を音読して、その後、講師とその記事の内容に関するディスカッションを行います。
また、このレッスンでは、記事の各段落で述べられている内容を理解しながら、それらの内容や情報を整理し、自分の意見をまとめる能力が求められます。
News Alertのレッスンでは、ニュース記事を事前に読む(予習する)ことはできず、レッスン内で講師から直接共有されます。
これは、記事の内容を瞬時に理解し、ディスカッションで自分の意見を主張する必要があるため、リーディング能力とスピーキング能力を効果的に上達させることができる、おすすめの学習方法です。
パラグラフリーディングに役立つ本・参考書
前章では、パラグラフリーディングのコツやおすすめの学習方法について、ご紹介しました。
本章では、パラグラフリーディングを効果的に行うための本や参考書をご紹介していきたいと思います。
パラグラフリーディングのストラテジー
河合塾シリーズの「パラグラフリーディングのストラテジー」は、その文字通り、パラグラフリーディングを習得するための参考書として活用することができます。
ディスコスマーカーの意味や英語長文の読み方、論理的思考について、包括的に説明されているため、これまで長文読解に苦しむ多くの方を救ってきた参考書です。
(1)(2)(3)と各レベルにより3冊に分けられていますが、パラグラフリーディング入門は(1)、より実践的なリーディング能力を磨きたい方は、(2)(3)をおすすめします。
短期で攻める スピード英語長文
『短期で攻める スピード英語長文』は、リーディング能力を伸ばすために、「精読」「速読」「パラグラフリーディング」をバランスよく習得することができるように構成された参考書(問題集)です。
1冊につき7題しかありませんので、1日1題解けば、1週間で1冊終わらせることができます。また、本書はレベル1〜4まで分かれており、レベル1の共通テスト基礎レベルからレベル4の難関大学突破レベルまであるため、自分の目標設定に合ったレベルを選び、学習することができます。
この問題集の大きな特徴は「パラグラフリーディング」を行う際に役立つ「マクロチャート」というセクションです。問題の解説部分にあるこの「マクロチャート」には、英文全体の構造と各段落の要約が書かれているため、自分がその英文をどのくらい理解していたかを確かめることができます。
得点力を高める 標準問題 特訓リーディング
『得点力を高める 標準問題 特訓リーディング』は英文をどのように読み進めるべきかという方法論が記載されており、また解説には各段落の要点が書いてあるため、パラグラフリーディングに役立つ本としておすすめです。
30題の問題数があるにも関わらず、英文構造や構成、各段落の要点に関する解説が豊富にあるため、量と質を兼ね備えた問題集として、試験で使える実践的なリーディング能力を鍛えることができるでしょう。
※パラグラフリーディングを効果的に行うためには、英文を読んだ後に自分の理解が正しかったかを確認することが大事です。参考書や問題集を買う際には、問題の解説や各段落の要約が書かれているか確認してから買うようにしましょう。
終わりに
この記事では、パラグラフリーディングのコツやおすすめのやり方について、解説してきました。
リーディング能力は一朝一夕で身に着くものではなく、練習を重ねることで徐々に上達させることができます。
そして、パラグラフリーディングを行うことで、英文の読解力を身につけることができると同時に、英文を読むスピードを格段に上げることができます。