タイでは英語が通じるのか?タイ人の英語レベルは世界で何位?
タイといえば、グリーンカレーやパッタイ、タイ式マッサージを思い浮かべるでしょうか。タイは、最近世界中の国々から注目を集めており、コロナ禍が収束し、日本からも多くの観光客がタイを訪れています。
しかし、ここで気になるのが「タイでは英語が通じるのか」ということです。旅行先や出張先で英語が使えるのと使えないかは、現地滞在中の生活に大きく関わるため、重要です。
そこで今回は、「タイでは英語が通じるのか」ということについて解説し、タイの英語教育やタイ語の特徴などについてもご紹介していきたいと思います。
1. タイの概要
タイの正式名称は、「タイ王国」といい、東南アジアに位置している、人口6600万人ほどの国です。そして、90%を超えるタイ人が仏教徒です。
首都はバンコクにあり、その他にもチェンマイやプーケットが有名な観光都市です。ベトナムやシンガポールなどの東南アジアの国々は多くの人気を集めていますが、特にタイは東南アジアの中でもトップレベルに人気な国です。
実際に、2023年にタイを訪れた外国人観光客は2,809万人というデータもあり、2022年の1,106万人から153.94%増になったことが報告されています。この数字は東南アジアで1位であり、タイが益々
海外の国々から注目を集めていることが分かります。
そして、タイでは公用語としてタイ語が話されています。
2. タイでは英語通じる?
さて、それでは、そんな「観光大国」とも言えるタイでは、英語が通じるのでしょうか。
(1)タイでは英語が通じる?
タイでは、英語が通じる場所もありますが、観光都市を除くと通じない場所が多いです。
タイの三大都市とも言われている「バンコク」「チェンマイ」「プーケット」では、ホテルやレストラン、空港、観光スポットなどで英語を使った会話をすることができます。
ただし、このような観光都市であっても、日常的に観光客と会話をしない人(スーパーの店員さんやバス・タクシーの運転手など)には、英語が通じない可能性もあるので注意が必要です。
また、それ以外の地域に行ってしまうと、英語が通じる可能性は低く、タイ語でのコミュニケーションが必要になります。
(2)タイ人の英語レベル
では、そんなタイに住んでいる人々の英語レベルはどのくらいなのでしょうか。
世界的に英語教育を拡大しているEF English社が実施した英語能力指数に関する調査によると、タイは111カ国中、101位に位置しており、「low profeciency」(とても低い能力:5段階中下から1番目)と評価されています。
なお、日本人の英語力は、111カ国中、87位に位置しており、「low profeciency」(低い能力:5段階中下から2番目)と評価されています。
数値だけで英語能力を測ることは難しいので、優劣は付けがたいですが、「日本よりもタイの方が若干英語が通じない」というイメージを持っていただければと思います。
3. タイの英語事情
ここまでは、タイ人の英語能力について、解説してきました。
ここからは、タイにおける英語教育の実態やタイ語と英語の類似性・違いについて、解説していきたいと思います。
(1)タイの英語教育
タイでは、2011年に小学校からの英語教育が義務化されており、中学校、高校においても英語が第2言語として教えられています。
しかし、実際には学校で英語を教える英語教師の質には大きな差があり、それが授業の質や内容にも影響しています。
そのため、学校での授業に加え、英会話教室に通う学生もいます。また、最近では、バンコクやチェンマイなどの主要都市において、インターナショナルスクールが流行しています。
しかし、英会話教室やインターナショナルスクールは経済的に余裕がある人のみ通うことができるので、それ以外の人は学校の授業のみで英語力を向上させなければなりません。
(2)タイ語と英語の関係
前述のように、タイでは、一部英語が通じる場所もありますが、観光都市を除くと通じない場所が多いです。
続いては、タイ語と英語の関係を見ながら、「なぜタイ人は英語が苦手なのか」について解説していきたいと思います。
①文法
まず、タイ語には、時制に関する文法がないため、過去(形)、現在(形)、未来(形)という英語
の文法は真新しく、複雑なのです。
例えば、「行く」と表現するとき、英語では、過去を「went」、現在を「go」未来を「will go」と表現しますが、タイ語には、そういった区別がないため、この時制の習得に苦労するのです。
他方、逆に単語の語順については、英語とタイ語は同じになっており、基本的に「主語」+「動詞」+「目的語」の順で単語が並べられます。
日本語の場合、英語と語順が異なり、「私は」(主語)「英語を」(目的語)を「勉強します」(動詞)という語順です※ので、慣れるまで大変ですが、この点、タイ語と英語には共通している文法事項もあると言えます。
※英語の場合:I(主語) study(動詞) English(目的語)
②発音
日本人が話す英語も「日本人っぽい」発音の特徴があるように、タイ人が話す英語にも独特の特徴があります。
聞いたことがある方はわかるかもしれませんが、タイ人が話す英語の発音やアクセントには、とても独特な訛りがあります。
これは公用語のタイ語の発音の影響が大きいと考えられています。
タイ語には、5つのパターンの声調があり、タイ人は日常的にこの「音の高低」を意識しながら単語を区別しています。そのため、英語を話す時もそのタイ語のアクセントが入るので、独特の発音になってしまい、英語を話していても他の言語に聞こえてしまうこともあります。
また、タイ語には、丁寧語として語尾に「カ」や「ナ」を付けるのですが、英語で話す時もこの語尾を付けてしまい、それが独特なイントネーションを生んでいるのです。
その他にも、アルファベットの「S」や「L」を上手く発音することができないという特徴もあります。
なお、タイ人にとっては、母国語であるタイ語を習得することも難しいため、英語学習にまで手を伸ばせないといったこともあるようです。
4. まとめ
本記事では、「タイでは英語が通じるのか」というテーマに沿って、タイの英語に関する事情やタイの特徴について解説してきました。
タイの首都「バンコク」を中心とした一部の観光地では英語が通じますが、他の地域では英語が通じないことがありますので、事前に訪れる場所の言語事情を把握しておくことが重要です。
ご紹介した通り、タイには益々多くの外国人観光客が訪れることが予想されますので、特に観光都市においては、今後英語を使ったサービス向上に焦点が当てられていくかもしれません。
本記事も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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