英語【三単現】とは?つけ方のルールを徹底解説!
中学英語の基本的な文法事項である「三単現のs」ですが、その意味やつけ方のルールは、意外に正しく理解されていないことも多いです。
本コラムでは、「三単現のs」とは何か、つけ方やスペルのルール、肯定文、否定文、疑問文のつくり方などについて解説します。
「三単現のs」をつけるか、つけないか、注意が必要な名詞についてもあわせて紹介するのでご覧ください。
1. 三単現とは? ルールをわかりやすく解説【基本】
英語の「三単現」とは、主語が「三人称単数」で、動詞が「現在形」のときに、動詞の最後に「s」をつけるルールのことです。
「三人称単数現在形のs」を略して「三単現のs」と呼びます。
主語 |
動詞が現在形 |
|
一人称 |
単数 |
I play tennis. (私はテニスをします) |
複数 |
We play tennis. (私たちはテニスをします) |
|
二人称 |
単数 |
You play tennis. (あなたはテニスをします) |
複数 |
You play tennis. (あなたたちはテニスをします) |
|
三人称 |
単数 |
He plays tennis. (彼はテニスをします) |
複数 |
They play tennis. (彼(女)らはテニスをします) |
例文はどれも同じ「テニスをします」という文章ですが、主語が三人称単数のときは、動詞の「play」の語尾に「s」をつけます。
1.1 三単現:三人称とは?
三人称とは話し手(私、私たち)と聞き手(あなた、あなたたち)以外の、全ての人・もの・ことを指します。
一人称:I(私)、We(私たち)
一人称とは、話し手(私、私たち)のことです。英語では、「I」と「We」が一人称にあたります。
二人称:You(あなた)、You(あなたたち)
二人称とは、聞き手(あなた、あなたたち)のことです。英語では、「You」が二人称となります。
「You」は単数形、複数形、どちらも同じ「You」です。
三人称:He(彼)、She(彼女)、It(それ)、They(彼ら、彼女ら)A compnay (会社)、Ken and Emi(ケンとエミ)、These pencils(これらの鉛筆)など
三人称とは、話し手と聞き手以外の、全ての人・もの・ことです。「I」「We」「You」以外は、全て三人称と覚えるといいでしょう。
1.2 三単現:三人称単数とは?
三人称単数とは、主語が「三人称」であり、なおかつ「単数」の人・もの・ことを指します。
例えば、「He」「She」「It」「A company」は三人称であり、一人、または一つなので、三人称単数となります。
一方、「They」「Ken and Emi」「These pencils」は三人称ですが、二人・二つ以上であることがわかります。つまり「複数」なので、三人称単数には含まれません。
1.3 三単現:三人称単数現在形とは?
三人称単数現在形とは、主語が三人称単数で、動詞が「現在形」の文章のことです。
「現在形」とは英語の時制を表す言葉。「過去」でも「未来」でもない、「現在」の習慣や状態のことを指します。
また、三人称単数現在形、つまり三単現のsがつくのは一般動詞の場合のみです。be動詞(is)の場合、三人称単数現在形でも、「is」は「is」のままなので、注意しましょう。
2.三単現のsのつけ方:スペルのルール【基本】
三単現のsは、一般動詞の最後に「s」をつけるのが基本パターンです。
しかし、動詞の語尾のスペルによって、「es」をつけることや、語尾を変えて「ies」をつけることもあるので注意しましょう。また、例外となる単語も存在するため、覚えておく必要があります。
次で、三単現の「s」のつけ方、スペルのルールを詳しく解説していきます。
基本パターン:「s」をつける
(例)
drive→drives
start→starts
work→works
read→reads
sleep→sleeps
語尾が「o」「s」「x」「ch」「sh」の一般動詞の場合:「es」をつける
(例)
go→goes
focus→focuses
fix→fixes
catch→catches
brush→brushes
語尾が「子音+y」の一般動詞の場合:「y」を「i」に変えて、「es」をつける。
(例)
fly→flies
carry→carries
study→studies
※語尾が「母音+y」の一般動詞の場合は、基本のパターンとなる。
(例)
pay→pays
buy→buys
enjoy→enjoys
形が変わる動詞
have→has
「have」は三単現のsをつけると、形を変えて「has」となる。例外として覚えておこう。
3.三単現のsの例文【基本】
三単現のsのつけ方を例文で解説していきます。肯定文、否定文、疑問文、それぞれの作り方をみていきましょう。
3.1 三単現のs:肯定文
三単現の肯定文は、「主語(三人称単数)+一般動詞(s/es/ies)」の形をとります。
一般動詞の最後に「s」をつけるのが基本パターンです。ただし、一般動詞の語尾のスペルによって、「es」や「ies」をつけることもあるので、スペルのルールの章を参照ください。
(例文)
He plays the piano. (彼はピアノを弾きます。)
My mother likes cats.(私の母は猫が好きです。)
Sara studies French.(彼女はフランス語を勉強します。)
This bus goes to Kyoto station.(このバスは京都駅行きます。)
3.2 三単現のs:否定文
三単現の否定文は、「主語(三人称単数)+does not(doesn’t)+動詞(原形)」の形をとります。
主語と動詞の間に「does not」、または省略形の「doesn’t」が入ります。
「does not」や「doesn’t」の後に続く動詞は原形のままです。
(例文)
She doesn’t like cooking.(彼女は料理が好きではありません。)
My father doesn’t play basketball.(私の父はバスケットボールをしません。)
Tom doesn’t go to school by train.(トムは電車で学校に行きません。)
It doesn’t suit me.(私には似合いません。)
3.3 三単現のs:疑問文
三単現の疑問文は、「Does+主語+動詞(原形)〜?」の形をとります。
「Does」を文章の最初にもってきて、主語、動詞、そして、最後に「?」をつけます。
(例文)
Does he live in London?(彼はロンドンに住んでいますか?)
Does your niece like reading books?(あなたの姪は本を読むのが好きですか?)
Does Emma exercise often?(エマはよく運動しますか?)
Does the building have an elevator?(その建物にエレベーターはありますか?)
4. 三単現のsの注意点【発展】
三単現のsについて、その他の注意点を説明します。
英語の名詞のなかには、単数形を使うか、複数形を使うか、迷いやすいものがあります。多くの人が間違えやすいところなので、しっかりと理解しておきましょう。
4.1「不可算名詞」は単数形
「不可算名詞」、つまり数えられない名詞は、単数扱いとなります。
「可算名詞」、つまり数えられる名詞が一人、一つの場合、単数形となるのは理解しやすいでしょう。一方で、「不可算名詞」、具体的には「抽象名詞」「物質名詞」「固有名詞」といった、数えられない名詞も単数扱いとなるので、注意が必要です。
「抽象名詞」:抽象的な概念を表す名詞
(例)
honesty(誠実)
kindness(親切)
peace(平和)
「物質名詞」:気体や液体など、分割して数えられない名詞
(例)
water(水)
air(空気)
fire(火)
「固有名詞」:特定の人・こと・ものの名を表す名詞
(例)
Mr.Yamada(山田さん)
Japan(日本)
The Times(タイム誌)
不可算名詞は、主にこの3種類であることを覚えておこう。
4.2「every-」「some-」「any-」は単数形
「every-」「some-」「any」に「body」「one」「thing」がつく単語は単数扱いとなる。
「every-」
everybody, everyone(みんな), everything(全部)
「some-」
somebody, someone(誰か), something(何か)
「any-」
anybody, anyone(誰でも), anything(何でも)
これらの単語は、一人ひとり、または一つひとつ、個々のものを指しながら全体を表しているため、単数扱いとなる。
4.3「集合名詞」は単数形と複数形の両方がある
「集合名詞」は、単数形と複数形の両方の場合がある。
「集合名詞」:同じ種類の人やものの集合体を表す名詞
(例)
family(家族)
audience(聴衆)
government(政府)
staff(職員)
例えば「family」の場合、家族を一つのまとまりとして意識する場合は単数形を使う。
(例文)
My family consists of five.(私の家族は5人です。)
一方、家族を構成する一人ひとりを意識する場合は複数形となる。
(例文)
My family are safe. (私の家族は無事です。)
ただし、このように、構成する個々の人やものを意識して、複数形をとるのは主にイギリス英語である。
アメリカ英語では、ほとんどの場合、集合名詞は単数形として扱われるため、注意が必要だ。