英語の語彙力を増やすなら「シソーラス類語辞典」がおすすめ
「いつも同じ単語ばかり使ってしまう」「単語を覚えても、すぐに忘れてしまう」
多くの英語学習者が抱える問題です。筆者も英語で話をする度に、自分の語彙力の無さに悩んでいた時があります。ある日、その悩みを知り合いのネイティブの方に伝えると、シソーラス(THESAURAS)を使って勉強することをすすめられました。
シソーラスとは、類語辞典のことです。英和辞典や和英辞典は使い慣れているけれど、類語辞典は使ったことがない、という人は案外多いのではないでしょうか。
筆者もそれまで聞いたことも見たこともなかったのですが、いざ使ってみると、今までの知らない単語に出会う度に英和辞典を引いていた勉強方法とは全く違い、効率的に、且つ効果的に語彙力を伸ばすことができました。
その便利なツール、シソーラスについて紹介します。
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シソーラスをおススメする理由
シソーラスは、毎回同じ単語を使ってしまう人や、語彙力が伸び悩んでいる人におすすめのツールです。
シソーラスを使って学習するメリットは、この3点です。
1.単語を効率的に増やすことができる
2.単語を関連付けてニュアンスでインプットするので、表現の幅が広がる
3.英語のまま単語を覚えるので、応用力が身につく
【1.単語を効率的に増やすことができる】
「私は○○と思います」という文を、毎回「I think…」と言ってしまう方、結構多いのではないでしょうか。伝えたい意味は通じるものの、同じ単語ばかり使ってしまうと、どうしても語彙力が少ない稚拙な英語に聞こえがちです。
しかしながら、「I think…」と一度インプットした言い方を、他のフレーズに変えようと思っても、何と言い換えれば良いのか分かりません。
シソーラスを使えば、「think」と同じ意味を持つ類義語を簡単に複数知ることができ、単語の幅が格段と広がります。
【2.単語を関連付けてニュアンスでインプットするので、表現の幅が広がる】
シソーラスは、1単語につき多ければ30個以上の類義語が表示されるため、それらの単語を関連付けてニュアンスでインプットすることができます。
例えば、「think」の類義語を検索すると、「guess,consider,believe」などの単語が出てきます。
それらの単語を、一つ一つ正確な意味でインプットするのではなく、「think」と同じような意味を持つというニュアンスのまま、インプットするのです。
そうすると、下記の様なイメージで頭の中に単語を増やしていくことができます。
(画像はvisual thesaurusより引用)
「思う」という意味の引き出しに、「think」しか入っていなかったのが、「guess」も「consider」も「believe」も入れることができます。
こうして、ニュアンスで単語をインプットできると、状況によって単語が使い分けれるようになり、表現の幅が広がります。
【3.英語のまま単語を覚えるので、応用力が身につく】
例えば、「price」「amount」「bill」「cost」という似たような意味を持つ単語を覚えるとき、皆さんはどうやって覚えますか。多くの方が、まず日本語に訳して覚えるのではないでしょうか。
これらの単語を英和辞書で調べると、
Price=価格、値段
amount=総計、総額
bill=勘定書、請求書
cost=費用、経費
と出てきて、それぞれの意味は覚えられます。
しかし、これらの単語をいざ使おうと思った時、覚えた日本語の意味でしか使うことができません。日本語の意味に囚われてしまい、限定された使い方しかできなくなってしまうのです。
シソーラスは、上述したように、ニュアンスのまま類義語を複数インプットします。
「price」「amount」「bill」「cost」を”お金にまつわる単語”として英語のままインプットすることで、リスニングでは理解力の幅が、スピーキングでは状況に応じて使い分ける応用力を身につけることができます。
シソーラスの使い方
肝心の使い方ですが、いたってシンプルで簡単です。元々は辞典ですが、分厚い辞典を持ち歩くのは現実的ではないので、ここでは無料ウェブサイトのTHESAURUS.COMとスマフォアプリの使い方を説明します。
Webサイト: https://www.thesaurus.com/
【動詞”think”を検索してみよう】
まず、検索枠に調べたい単語を入力し、検索ボタンを押します。そうするとSYNONYMS「類義語」が表示されます。例えば、「think」を検索してみます。
「assume,consider,see,take」など全部で39個の同義語がでてきました。より意味の近い類義語が濃い赤色で表示されます。それ以外はオレンジ色で表示されます。
更に、文章でも入力することができます。「I think so」と入力すると、類義語に置き換えられた似た意味を持つ文が表示されます。
I guess so, I consider soなど、「I think so」と似た意味を持つ文章が表示されます。毎回「I think…」と同じフレーズばかりを言ってしまう人は、これらの単語に置き換えて文章を作ってみると良いでしょう。
また、ここに表示されるフレーズが自然と口から出てくるように、何度も口に出して練習することがおススメです。
【ANTONYMS FOR 〇〇〇】
ANTONYMS「対義語」も表示されます。対義語に関しても、一つ一つの意味を日本語に訳すのではなく、全体のイメージとして、「think」の反対の意味だと思って頭にインプットします。
【名詞”price”を検索してみよう】
「think」の様な動詞だけでなく、名詞や形容詞、副詞でももちろん使えます。名詞の例:「price」を検索してみます。
「price」はそもそも金額や値段など、お金にまつわる単語ですよね。類義語として表示された「amount,bill,cost」などをそれぞれ”お金にまつわる単語”としてインプットします。
例えば、The amount is incorrect. 「その金額は間違っています」と言われたとします。この時に”amount”の正確な意味が分からなくても、お金にまつわる単語だと覚えていれば、話の内容の理解に役立つでしょう。
【形容詞”good”を検索してみよう】
形容詞でも検索してみます。例:「good」を検索してみます。形容詞も言いなれた言葉ばかりを使ってしまいがちです。似たような意味をいくつかインプットしておければ、表現のバリエーションが広がります。
副詞の例:「immediately」を検索してみます。動詞、名詞に比べて副詞を使いこなすのはハードルが高いですが、これも英語のニュアンスで覚えることから始めましょう。
【スマートフォンアプリ版シソーラスの使い方】
アプリ名:Dictionary.com (無料ですが、アプリ内課金あり)
また、手軽にスマートフォンで使いたいという方にはアプリ版がおすすめです。使い方はWebサイトと同様、検索欄に調べたい単語を入力し、検索ボタンを押すだけです。
SYNONYMS「類義語」とANTONYMS「対義語」が表示されます。
シソーラスのサービスの発展と注意点
シソーラスを使って勉強すると、単語の引き出しは増え、語彙力は上がります。しかし、実際に、どのシチュエーションで、どの単語を使えばいいのか、に関しては残念ながら説明されていません。
例えば、曇り空に変わっていく空を見上げて、「雨が降ると思う・・・」と言いたい時、「I think it will rain soon」「I guess it will rain soon」どちらを使えば良いのか・・・などと、状況によって使う単語も変わるし、同時に、使う単語によって伝わるニュアンスも変わってきますよね。
その使い方を知るには、まず、ネイティブスピーカーが使用している言葉を実際に聞くことが大切です。
例えば映画やYoutubeなどで、どのような状況でどのような単語を使っているのか?を聞いて、使い方を学んでいくのも、有効かもしれません。
例を挙げるなら、セリフを覚えてしまっているくらい何度も見た映画やアニメのシーンを、英語字幕且つ英語吹替えで見てみると、単語のニュアンスが場面によって想像しやすいので、そうやってシソーラスで覚えた単語を自分で当てはめると、より効果的にニュアンスを掴みやすいかもしれません。
語彙力は、英会話上達においてなくてはならない要素です。使える単語が増えれば増えるほど、英会話はどんどん楽しくなり、より様々なトピックを、自分らしい言葉で話せるようになるでしょう。