TOEFL ITPの難易度は?TOEICなどの他英語試験とのスコア換算表を紹介
TOEFL ITPは、英語力を測るために大学や企業が実施する団体向けの英語試験です。TOEICやTOEFL iBTとは異なり、リスニングとリーディングに特化しているため、特定のスキルを集中的に伸ばせる利点があります。
本記事では、TOEFL ITPの難易度やスコア換算表を紹介します。自分の英語力を証明するために、どの試験を選ぶべきか悩んでいる方に向けて、スコアの目安や効率的な対策方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
TOEFL ITPの基本概要
まずは、TOEFL ITPの概要について見ていきましょう。
TOEFL ITPとは?
TOEFL ITP(Institutional Testing Program)は、アメリカの教育測定機関ETS(Educational Testing Service)が開発した英語能力を総合的に測定する試験です。
英語を第二外国語として学習する方々を対象に、自分自身の英語力を証明するための資格として認知されています。TOEFL ITPは、主に大学や企業などの団体向けに提供されており、個人での受験はできない仕様となっているのが特徴です。
本記事をご覧の皆さんのなかにも「学校や会社で受験義務があるから調べている」という方が多いのではないでしょうか。
次に、TOEFL ITPの試験形式について解説します。
TOEFL ITPの試験形式・問題内容
TOEFL ITPは、Level 1とLevel 2の2つのレベルに分かれており、それぞれ試験時間や問題の難易度が異なります。
Level 1は約2時間なのに対し、Level 2は約1時間10分です。どちらも、リスニング・文法問題・リーディングの3つのセクションで問題が出題されます。
Level 1 |
Level 2 |
|
リスニング |
35分 |
22分 |
文法 |
25分 |
17分 |
リーディング |
55分 |
31分 |
どのセクションもいくつかの選択肢から正解のものを選ぶ方式です。単語を書いたり、文章をライティングする必要はありません。スコアは、Level 1が310~677点、Level 2が200~500点で評価されます。
ただし、ほとんどの団体がTOEFL ITPを受験する際は「Level 1」を選択するため、本記事でもLevel 1を受験することを想定して解説します。
TOEFL ITPとTOEFL iBTの違いは?
TOEFLは世界的に信頼されている英語試験です。そのため、海外留学や外資系企業へ就職・転職する際は、TOEICや英検などの日本主体の英語試験よりも重宝されます。
しかし、TOEFLにはいくつか種類があることをご存じでしょうか。主に「TOEFL ITP」と「TOEFL iBT」の2種類があります。どちらもETSが提供する英語能力試験という点では同じですが、いくつかの点で異なります。
まず、TOEFL ITPはペーパー形式で団体向けに提供されるのに対し、TOEFL iBTは個人受験ができるインターネットを利用した試験です。どちらも会場で受験することに変わりはないですが、個人でTOEFLを受験したいならTOEFL iBT一択になります。
また、TOEFL ITPは大きく分けて「リーディング」と「リスニング」の2つの技能が測定されるのに対し、TOEFL iBTでは英語4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)の4つすべてがセクションで構成されており、より総合的な英語能力が測定されるのです。
TOEFL iBTのスコアは0〜120点で評価され、一般的にTOEFL iBTの方が難易度が高いとされています。
以上が、TOEFL ITPの基本概要でした。次に、TOEFL ITPのスコアの目安を見ていきましょう。
TOEFL ITPのスコアの目安
前述したように、TOEFL ITPのスコアはLevel 1なら「310~677点」の間で測定されます。では、それぞれのスコアを取得するのにどれくらいの英語力を必要とするのでしょうか。
TOEFL ITPの公式HPの情報を参考にスコア別の英語力の目安を表にまとめたので、参考程度にご覧ください。
TOEFL ITPのスコア |
英語力の目安 |
627-677(CEFR:C1レベル) |
|
543-610(CEFR:B2レベル) |
|
460-542(CEFR:B1レベル) |
|
337−459(CEFR:A2レベル) |
|
あくまで、リスニングとリーディングの能力しか測れない英語試験なので「英語を話せるかどうか」を証明することはできません。ただし、TOEFL ITPで高得点を取ることで、アカデミックな英語を理解できることを証明できるでしょう。
TOEFL ITPとTOEICなどの他英語試験とのスコア換算表を紹介
それでは、TOEFL ITPのスコアはTOEICなどの他英語試験に換算すると、何点になるのでしょうか。
各サイトで、目安となる換算表が公開されています。換算表があると、各試験の難易度がより明確に理解でき、自分の目標スコアが設定しやすくなるため、ぜひご活用ください。
その換算表というのがこちらです。
TOEFL ITP |
TOEIC |
IELTS |
英検 |
600-677 |
900〜990 |
7.0〜8.0 |
1級 |
550〜599 |
700〜895 |
5.5〜6.5 |
準1級〜1級 |
450〜549 |
450〜695 |
4.0〜5.0 |
2級〜準1級 |
400〜450 |
295〜445 |
ー |
準2級〜2級 |
310〜400 |
10〜290 |
ー |
3級 |
TOEICとTOEFL ITPは測定している英語力の指標も同じです。世間的にTOEIC700点を超えると資格として優位に働くと言われているため、TOEFL ITPでは550点〜を目指すと良いことがわかります。
IELTSや英検はスピーキングやライティングなどのその他の指標も含まれているため、換算表はあくまで参考程度に活用していただければ幸いです。
TOEFL ITPに関するよくある質問
最後に、TOEFL ITPに関する質問に計2つ答えていきます。
Q1. 何点を目指せばいいの?
TOEFL ITPのスコア目標は、受験目的や個人の英語力によって異なります。
一般的に550点〜を取得できれば、日本企業で「英語が得意な人」と評価してもらえるでしょう。しかし、外資系企業や業務で英語をよく使う職種の場合はさらに高いスコアが求められるでしょう。
TOEIC800点以上を条件とする企業も近年は増えており、TOEFL ITPなら600点付近を目標スコアにすることもおすすめです。
Q2. TOEFL iBTとTOEFL ITPのどっちを勉強すればいいの?
大前提として、TOEFL ITPは団体向けのテストプログラムで、個人では申し込めません。そのため、個人的に英語力を証明できる英語資格を取得したいのであれば、TOEFL iBTを選択しましょう。TOEFL ITPは主に大学や企業内での英語力測定やクラス分けに使用されるものです。
一方、TOEFL iBTは個人向けのデジタル試験で、海外留学や就職を目的とする場合に適した試験となっています。海外の大学進学や就職を希望する場合は「TOEFL iBT」か「IELTS」のどちらかの試験で高得点を取っておく必要があります。
目的によって受験すべき試験は異なりますが、個人受験なら「TOEFL iBT」、団体受験なら「TOEFL ITP」と覚えておきましょう。
まとめ:正しく対策すれば、TOEFL ITPで高得点を取れる!
今回は、TOEFL ITPについて詳しく解説しました。
TOEFL ITPはリスニングとリーディングの2つの英語指標を測定する団体受験形式のテストで、学校や会社から強制的に受験させられるという方は多いと思います。しかし、せっかく受験するために時間を取るなら高得点を取ったほうがお得です。
TOEFL iBTとは違い、対策すべき項目も絞られているため、正しい対策法を取れば、短期間でも大きな成果を望めるでしょう。
オンライン英会話を使ってリスニング力を鍛えながら、TOEFL対策の単語帳などで語彙力を鍛えてみてください。この記事が、少しでも皆さんのスコアアップにつながれば幸いです。