TOEFL スピーキングの評価基準は?効果的な勉強法と対策のコツを解説
今回は、英語試験「TOEFL」のスピーキングセクションに特化して解説していきます。
(TOEFLの正式名称は「TOEFL iBT」ですが、これ以降はTOEFLという表記で統一いたします。)
以下のようなお悩みを持っている方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
- TOEFLのスピーキング試験の概要を知りたい
- TOEFLの採点基準を知りたい
- TOEFL スピーキングの対策と勉強法を知りたい
TOEFLは難関英語試験のひとつで、スピーキングに苦労している日本人は少なくありません。
でも、ご安心ください。
この記事を最後まで読めば、TOEFLのスピーキングについて網羅的に理解でき、明日からどのように対策すれば良いかが明確になりますよ。
TOEFL スピーキングの試験概要
まずは、TOEFLのスピーキング試験の概要について簡単におさらいしておきましょう。
TOEFLはアメリカのETS(Educational Testing Service)が開発した英語試験で、「非英語圏出身者が、英語圏の大学に入学できる英語力を備えているか」を測ることを目的としています。
近年では海外大学への入学以外にも使用されることがあり、自分の英語力を数値という客観的な指標で証明する有効なツールです。
- 就職や転職での資格として使える
- 日本の大学・大学院への受験に使える
- 外資系企業への就職に有利になる
TOEFLは英語4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)の能力が各セクションで測定されるため、TOEICなどの読み書きだけでは高得点が取れないのも特徴です。
実際、試験時間は4技能分のセクションを合計すると、4時間30分かかります。
では、スピーキングの問題形式はどういったものなのでしょうか。
設問はすべてで4つ用意されており、合計で約15分の試験時間となっています。
採点は5段階評価(0点〜4点)で評価され、その採点基準は下記のとおりです。
0〜4点の代表的な採点基準は以下の通りです。
0点 |
回答する姿勢がなく全く話していない、または問題とは関係ないことを話している |
1点 |
問題に関連する内容をほぼ話せていない・口ごもりが多い |
2点 |
回答自体はできているが、内容が不十分・英語の間違いが散見される・論理性に問題がある・流暢さがない |
3点 |
回答にはよく答えていて、ある程度流暢に話せるが、英語の間違いが散見される・言葉のつまりがある |
4点 |
しっかり回答できており、英語の間違いはほぼなく、流暢さや話の論理性にも問題ない |
TOEFL スピーキングの問題傾向は?
ここからは、具体的なスピーキングセクションの問題傾向をそれぞれの設問ごとに解説していきます。
結論から先にお伝えすると、TOEFLのスピーキングセクションでは大きく分けて2種類の問題形式があります。
- Independent task
- Integrated task
それぞれ難しさのポイントは違っています。そのため、TOEFLで高得点を取りたいなら、どちらの問題にも対応できる柔軟な英会話力が求められます。
それでは、各設問の概要を見ていきましょう。
Question1の問題形式
Question1はIndependent taskに分類される設問で、ある課題に対して自分の立場から意見を述べる力が求められます。
それと同時に、自分の意見に何らかの根拠を交えていることが重要視されるのもQuestion1の特徴です。
求められる意見として、まずは大まかな意見が求められます。
- 「Agree/Disagree(賛成/反対)」
- 「Good/Bad(良い/悪い)」
その後、「なぜあなたは賛成なのか?」といった形で根拠を交えながら、自分の意見を論理立てて話します。
Question2~4の問題形式
残りのQuestion2〜4の3つはどれもIntegrated taskに分類されます。
Integrated taskでは、まず用意されている英文を読んで、英語音声を聞きます。そして、それら2つの情報を英語で要約する部分が録音されるのです。
同じIntegrated taskであっても、問題形式には違いがあるため、下記の表でQuestion2〜4の全体像を把握しておいてください。
設問 |
問題形式 |
Question2 |
文章を読み、人物の会話文を聞いて要約 |
Question3・4 |
アカデミックな内容のレクチャーを聞いて要約 |
このように一口にスピーキングのテストと言っても、TOEFLで求められる能力は多面的で、あらゆるシチュエーションに対応できる柔軟な英語力が必要だと言えるでしょう。
TOEFL スピーキングの評価基準4つを解説
ここまで読んで、TOEFLのスピーキング試験について全体像は理解できたと思います。
そうなると、次に知りたいのは「TOEFLのスピーキングセクションはどのような評価基準のもと、点数が付けられるのか?」ということだと思います。
TOEFLは「スピーキングセクションの評価基準が計4つある」と公式が発表しているため、その情報を下に何に気をつければいいかを考えていきましょう。
>>TOEFL iBT®テスト スコアガイド (Speaking)(PDF形式/133KB)
その採点基準というのがこちらの4つ。
①General Description |
質問に適切に回答できているか |
②Delivery |
英語が流暢に話せているか、発音やイントネーションが明瞭か |
③Language Use |
適切な表現を使えているか、正しい文法か |
④Topic Development |
主張の展開が論理的か |
参考:TOEFL iBT®Independent Speaking Rubric
受験者は上記4項目に対して、前述した「0〜4点」の5段階評価を受けることになります。
1. General Description
General Descriptionでは、質問に対して適切な回答ができているかが採点基準となっています。
この項目では文法ミスや語彙力などはあまり重要視されません。
それよりも、質問者が求める答えを適切に回答できるかが高得点へのカギです。
例えば、下記のような回答をしていると、General Descriptionで高得点を取ることは難しいでしょう。
- ”Do you think 〜 ?”で質問されているのに、最初にYes/Noの意見の方向性を答えない
- 主張に客観的な根拠がない
- 論理立てて主張が展開されていない
ただし、あまり難しく考えすぎる必要もありません。
質問の意図を正しく理解して、求められている回答を過不足なく答えることができればスコア「4」の評価がもらえるでしょう。
2. Delivery
Deliveryでは英語が流暢に話せているかが採点基準となっています。
そのため、下記のポイントに気をつけることで高得点を目指せるでしょう。
- 正しく英語を発音する(できるだけネイティブのように発音する)
- スラスラと英語が発話する
一言で言ってしまうと、”英語のペラペラ感”があるかないかがこの項目では重要になります。
ただし、スラスラ話しているふりをしようと、考えている間などに「Well…」や「Let me see…」と言いすぎるのも減点対象になります。
スラスラ英語が口から出るようになるには、英会話の機会を増やして、慣れていくことが大切です。
オンライン英会話などのサービスを使って、日本にいながら英会話のチャンスを増やすことを意識してみてはいかがでしょうか。
3. Language use
Language useでは語彙力や文法力といった”知識としての英語力”が採点対象になります。
TOEFLに特化した単語帳を使って勉強したり、基礎的な文法事項を改めて復習しておくことが対策になるでしょう。
ただし、難しい単語ばかりを使えば高得点になるということでもありません。
その場にあった適切な単語を適切なタイミングで使いこなせていれば、十分に4点をつけてもらえるでしょう。
かえって難しい文法・単語を使おうとしてミスが増えるくらいなら、基本的な単語・文法を上手に組み合わせてスラスラ話せたほうが高得点を狙えます。
4. Topic development
Topic developmentでは、「主張や意見の論理展開が正しいかどうか」が採点対象です。
1つ目のGeneral Descriptionにも似ていますが、意見を言った後の具体例や根拠に一貫性がないと減点を受けてしまいます。
英語で論理的な自分の思考・意見を言語化することは簡単ではありません。
しかし、事前にさまざまなテーマで自分の意見を述べる練習をして、オンライン英会話でアウトプットしておけば十分に対策できます。
以上が、TOEFLのスピーキング試験の4つの評価基準でした。
次に、具体的なTOEFLスピーキングで高得点を取るコツについて解説していくので、ぜひあわせてチェックしておきましょう。
TOEFL スピーキングで高得点を取るコツ【5選】
ここまでで、TOEFLのスピーキング試験で求められる能力や採点基準は明らかになりました。
次に、具体的なTOEFLのスピーキングで高得点を取るコツを計5つ紹介します。
- 短文をつなげてテンポよく話す
- テンプレートを作っておく
- 効率よくメモを取る
- 発音・イントネーションをキレイにする
- 制限時間内は話し続ける
ひとつずつ見ていきましょう。
コツ①:短文をつなげてテンポよく話す
まずは、短文をつなげてテンポよく話すことを意識しましょう。そうすることで、評価基準の2つ目にあたる「Delivery」の観点で高得点を狙えます。
難しい単語や熟語、言い回しを使おうとすれば自ずと流暢さは反比例していくので、自分の使いこなせるボキャブラリーの中で短文を繋いでいくことを意識しましょう。
コツ②:テンプレートを作っておく
また、テンプレートを作っておくのもTOEFLで高得点を取るための大事な手段となります。
と言うのも、Question1などである問題に対して自分の意見を言う際、「これって日本語で言うのも難しいな」と感じたことはありませんか。
日本は海外よりもディベートする習慣がないため、多くの日本人にとって「自分の意見を述べる」ことは日本語でも難しいと感じているかもしれません。
「じゃあ英語で言うにはどうしたらいいの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
TOEFLの試験対策として、テンプレートを覚えてたくさんのテーマで演習を繰り返しておけば大丈夫です。
TOEFLの試験問題というのはインターネット上にもたくさんあるので、それらの問題に対して1日1題でいいので、解く習慣を身につけましょう。
そうすることで、徐々に「〇〇系の問題には▼▼な意見を言おう」と自分の中でテンプレートが形成されていきます。
「丸暗記したものをただ述べる」という対策はあまり効率的ではありませんが、自分の意見を整理する意味でも、さまざまな問題を解いてテンプレートを作っておくことが大切です。
コツ③:効率よくメモを取る
TOEFLのIntegratedのスピーキング試験では、メモの取り方がスコアに大きな影響を与えると言っても過言ではありません。
流れてくる音声の中に出てくる重要キーワードをしっかりメモしておかないと正しい答えが導けないので、「リスニングしながらメモを取る」ことに慣れておく必要があります。
効率よくメモを取る方法にはいくつかコツがあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 登場人物別に意見をメモする
- メインテーマを明らかにする
- 話全体の大まかな流れを把握する
リスニングしながらメモをするのは簡単ではありません。細部の情報までメモしていると、次の音声を聞き逃す恐れもあります。
そのため、メモする内容は「重要キーワード」と「大まかな話の流れ」だけに絞り、細部の情報は頭で記憶するのがおすすめです。
コツ④:発音・イントネーションをキレイにする
また、発音やイントネーションをキレイにするのも得点アップに直結します。
こちらも「Delivery」の観点に影響する項目で、TOEFLスピーキングでハイスコアを目指すなら、ネイティブっぽい流暢な英語を話す習慣をつけておきましょう。
英語の発音を良くするための勉強法は主に2つあります。
- 発音記号を覚える
- シャドーイング(&録音)
まずは発音記号を覚えて、各アルファベットの正しい発音を身につけることが大切です。そうすれば、実際の音声を聞かなくても正しい英語の発音がわかるようになるので、一石二鳥ですよ。
また、シャドーイングをして自分の声を録音することで、自分の発音と英語音声の差分を客観視できます。
コツ⑤:制限時間内は話し続ける
TOEFLのスピーキング試験で減点対象になってしまうのが、過度な沈黙です。
思考を整理するための1、2秒ぐらいの沈黙ならOKですが、「下手な英語を喋って減点されたくないから、文法を正しく整えた英語を話そう」と5秒も沈黙してから英語を話していると、マイナス評価を受けてしまいます。
かと言って、早口で喋りすぎて時間が余ってしまうのも減点対象になってしまうため、日頃の練習段階からタイムを計測しましょう。そうすれば、適切な話しの「間」を覚えられますよ。
多少ゆっくりでも沈黙を作るよりは全然いいので、制限時間内で自分の意見をしっかり伝えることを意識してください。
以上が、TOEFLのスピーキング試験で高得点を取るための5つのコツでした。
TOEFL対策になるスピーキングのおすすめ勉強法
最後に、TOEFL対策になるオススメのスピーキング勉強法を計3つ紹介していきます。
- 過去問を解く
- シャドーイング
- オンライン英会話
英語のスピーキングは一朝一夕で身につくものではありませんが、個々で紹介する勉強法を毎日コツコツ繰り返してみてください。少しずつでも成長を実感できるはずです。
勉強法①:過去問を解く【テンプレートを作るなら】
1つ目のオススメ勉強法は、過去問を解くことです。
素晴らしい英語力があることと、英語試験で高得点を取ることは必ずしも一致するとは限りません。それだけ、英語試験には英語試験特有の難しさがあるのです。
TOEFLも同様なので、過去問をたくさん解いて問題傾向に慣れることは高得点を目指すために必要不可欠でしょう。
ただし、模試や過去問を解く際には下記の点に注意してください。
- 1回解いただけで終わらない
- 点数に一喜一憂しない
- 本番に近い環境で行う
模試や過去問を解いただけでは、TOEFLのスコアを伸ばすことはできません。むしろ、解いた後の復習や回答を読むことで自分の苦手が少しずつ減り、点数アップに繋がります。
また、過去問を解いたときの点数に一喜一憂しないことも大切です。
さらに、本番にできるだけ近い環境で過去問を解く機会を設けるようにしましょう。
家などのくつろげる空間で問題を解くのと、試験会場のような慣れない環境で問題を解くのとでは状況は大きく異なります。
可能であれば、試験本番に近い環境で英語を話す機会も作れるとさらに効果的です。
勉強法②:シャドーイング【発音&リスニング力を鍛えるなら】
TOEFLのスピーキング試験では英語音声を聞いて、それに対して発話するという形式が多いです。
そのため、スピーキング試験ではありますが、リスニング力も同時に要求されます。
そのため、リスニング対策ができるシャドーイングを勉強に取り入れることをおすすめします。その理由は下記の2つです。
- 発音力を上げることもできる
- 英語を話す練習になる
リスニング力アップに効果のあるシャドーイングですが、発音力を上げることも期待できるのが特徴です。
そのため、時間のない社会人の方でも効率よくTOEFL対策ができます。
また、そもそも日本人の多くは英語を話す・声に出す機会が少ないので、そのような機会を強制的に設けられるのもシャドーイングの魅力と言えるでしょう。
シャドーイングはかなり負荷の高い勉強法のため、長時間し続けることは難しいです。しかし、短時間でも毎日コツコツ継続することで間違いなくあなたの英語力アップに貢献してくれますよ。
勉強法③:オンライン英会話【実践力を鍛えるなら】
英語のスピーキング力を上げるなら、話す機会を増やしてしまうのが最も効率が良いです。
現代ではオンラインを使えば自宅で英語を話す機会をいくらでも作ることができるので、TOEFL対策に活用しない手はないでしょう。
ただし、オンライン英会話は使い方を間違えてしまっては、十分な効果が得られないので注意が必要です。
特に下記の3点に注意して、利用していただければと思います。
- レッスン前後に予習・復習をしない
- 目的もなくレッスンを受ける
- 目的に合わないサービスを利用する
英語を話さないよりは話す方がスピーキング力が伸びますが、目的もなく漠然と話すだけでは効率が悪くなります。
レッスンを受ける目的を明確にし、その前後で言いたい英語をリスト化したり、言えなかった自分の意見をレッスン後に英語にしてみるという予習・復習も必ずセットで行いましょう。
また、オンライン英会話サービスは世界中に多くあり、一人ひとりに向き・不向きがあります。
自分にとって余分なサービスがあるせいでレッスン料金が高かったり、サービス内容が不十分で英語力が効率的に伸ばせないということを避けるためにも、しっかり吟味してサービスを選びましょう。
でも、ご安心ください。
QQEnglishを含め、多くのオンライン英会話サービスでは無料体験レッスンが受けられるようになっているので、色々なサービスを体験してみて、自分の目で合っているか確かめてみましょう。
まとめ:スピーキング力を向上させるには「オンライン英会話」がおすすめ!
今回はTOEFLのスピーキングセクションの概要と対策法について解説しました。
最後にはおすすめの勉強法についても解説したので、今日から実践して頂ける内容をお伝えできたと思います。
QQEnglishではTOEFL対策コースというものはありませんが、英語のスピーキング力全般を向上させられるレッスンカリキュラムが多数あります。
そのため、TOEFL対策とその先の英語を自由自在に話している未来の自分に近づく手助けになるでしょう。
24時間いつでもレッスンが受けられ、月額2,980円(税込)から始められるので、気になる方は無料体験レッスンからスタートしてみてはいかがでしょうか。