TOEICのリスニングが聞き取れないのはなぜ?原因と効果的な学習法を徹底解説!
「TOEICのリスニングが全然聞き取れない」
「何回か聞けば分かるけど1回では内容を把握できない」
とお悩みの方は少なくありません。
基本的に、TOEICのリスニング問題がうまく聞き取れない理由は1つではなく、複数の原因が相関しあっていることが多いです。
そして、リスニングのスコアアップを目指すには、自分の課題を特定し、課題ごとに最適な学習・トレーニングを行う必要があります。
また、日本のTOEICテストの結果では、ほぼ毎回リスニングセクションの方がリーディングパートよりも50点ほど高いというデータが出ています。
つまり、リスニングの方がリーディングよりも比較的点数を取りやすく、点数を伸ばしやすいということです。
本記事では、TOEICのリスニング問題が聞き取れない原因を細分化し、それぞれの課題への適切なアプローチ方法を解説していきます。
学習方法やおすすめの教材だけでなく、試験当日に意識すべきテクニックまで、網羅的に触れているので、TOEICを直前に控えている方にも有益な内容となっています。
- リーディングパートは得意なのに、リスニングセクションでどうしても点数が取れない
- TOEICスコアを効率よく伸ばしたい
- 本番のTOEICリスニングセクションで気をつけるべきことを知りたい
とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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TOEICのリスニング問題形式と構成
TOEICのリスニング対策を適切に行うには、まずどのような問題形式および構成になっているかを十分に理解しておくことが重要です。
TOEICのリスニングセクションは、英語を母国語としない人々が実際のビジネスシーンや日常生活で英語を使用する際の聞き取り能力を測定することを目的として設計されています。
会話やナレーションを聞いて設問に解答する形式で、所要時間は約45分間、4パートに分かれており、全体で100問の問題から構成されています。
全パート問題文は1回しか読まれません。
そのため、一つ一つの問題に対する集中力や、本文が読まれる前に問題文や選択肢に目を通しておくことがハイスコア獲得のカギとなります。
これについては、記事の後半でより詳しく触れていきます。
リスニングセクションの構成と各パートの特徴は以下の通りです。
【Part1:写真描写問題】
Part1 サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
<問題数>
6問
<形式>
1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送されます。
説明文は印刷されていません。
4つのうち、写真を最も的確に描写しているものを選び解答用紙にマークする形式です。
<特徴>
説明文が短いのでリスニングの難易度自体はそれほど高くありませんが、話の文脈による内容補完ができないため、聞き逃しが致命的になります。
また、写真に写っている人物や物の単語が聞こえたとしても、その選択肢が正解になるとは限らないので、ひっかけに注意しましょう。
比較的対策がしやすいパートなので、600点以上を目指す中級者以上であれば満点を狙っていきたいです。
<例題>
写真:
(※画像はAIで生成した架空のものです)
選択肢:
(A) “The woman is cooking a meal.”
(B) “The children are swimming in the lake.”
(C) “A woman is reading a book on a bench.”
(D) “Several cars are parked on the street.”
解答:(C)
【Part2:応答問題】
Part2 サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
<問題数>
25問
<形式>
1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送されます。
質問または文章、および3つの答えはすべて印刷されていません。
設問に対して最もふさわしい答えを選び解答用紙にマークする形式です。
<特徴>
Part2は写真や文章による視覚情報はないため、リスニングのみで問題に回答しなくてはなりません。
質問および3つの選択肢は問題用紙には印刷されていないので、耳で情報を聞き取り、正しい選択肢を選ぶ必要があります。
こちらもPart1同様に、話の文脈による内容補完ができないため、英語上級者であってもミスしてしまう可能性は十分にあります。
油断せずに1問1問確実に聞き取っていきましょう。
また、質問文に対して比較的ストレートな返答が答えとなる問題だけでなく、ややトリッキーな選択肢が回答となることもあります。
例えば、”When~?” と問われているにも関わらず、時間以外に言及している選択肢が答えとなるパターンです。
過去に回答テクニックとしてよく言われていた、「疑問詞さえ聞き取れればOK」という解法は、現在のTOEICの出題傾向においては通用しないので、注意しましょう。
<例題>
(1)
質問または文章:
“Why didn’t you attend the meeting yesterday?”
選択肢:
(A) “Yes, I’ve been to the meetings before.”
(B) “I was out of the office on a client visit.”
(C) “The meeting will be held in Conference Room B.”
解答:(B)
(2)
質問または文章:
“When are we going to address the issue with the delayed shipments?”
選択肢:
(A) “We’ll discuss it thoroughly in our next team meeting.”
(B) “The shipments usually arrive in the morning.”
(C) “He’s responsible for handling the shipments.”
解答:(A)
【Part3:会話問題】
Part3 サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
<問題数>
13の会話に対して各3問、計39問
<形式>
2人または3人の人物による会話が1度だけ放送されます。
会話の内容は印刷はされていませんが、設問と選択肢は全て問題用紙に記載されています。
会話を聞いて問題用紙に印刷された設問(設問も放送されます)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする形式です。
会話の中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もあります。
<特徴>
Part3では、「同僚同士の仕事上でのやり取り」や「店員との電話のやり取り」など、ビジネスや日常生活に関連したシチュエーションの会話が出題されます。
基本的には2人の人物(主に男女)による会話ですが、全13問中、3人による会話が1~2問程度出題されます。
3人の会話では同じ性別の登場人物が2人出てくる、かつ会話の内容がより複雑になるので、やや難易度が高いです。
登場人物の関係性およびトピックをなるべく早い段階で把握して、会話が行われている場面を具体的にイメージすることで、会話全体の理解度向上につながります。
Part3の問題の出題パターンは以下の通りです。
- 会話の概要を尋ねる問題:会話が行われている場所やメイントピック、登場人物の職業などが問われる
- 会話内容の詳細を尋ねる問題:「女性は男性に対して何を依頼したか」など、会話の具体的な内容が問われる
- 発言の意図を問う問題:特定の発言が、会話の流れでどのような意図を持っていたかが問われる
- 図表から答えを導く問題:フロア案内や料金表などの図表を見て、登場人物が取りうる行動について問われる
いずれの出題パターンであっても、基本的に設問の並び順と会話の展開は対応していることがほとんどです。
Part1,2と違って放送される英文の量が長く、会話文になっているので、部分的に聞き逃してしまったとしても、後に続く内容から推測できる可能性もあります。
一語一句すべてを聞き取るというよりは、全体の流れを大まかに把握するように意識しましょう。
<例題>
会話文:
Man: “Good morning, Lisa. Have you had a chance to look at the report I sent you yesterday?”
Woman: “Yes, I reviewed it this morning. It looks like our sales figures have improved significantly from last quarter.”
Man: “That’s right. We saw a 15% increase, which is beyond our initial projections. I’m thinking of presenting these results in the next board meeting.”
Woman: “That sounds like a good plan. Do you think we should also discuss our strategies for the next quarter?”
Man: “Absolutely. I’ll include that in the presentation as well. I was also considering proposing a budget increase for marketing.”
Woman: “I agree. A larger marketing budget could help us maintain our momentum. Let’s schedule a meeting to draft the proposal.”
問題文および選択肢:
(1) What did the woman do this morning?
(A) She sent a report.
(B) She reviewed a report.
(C) She prepared for a board meeting.
(D) She increased the marketing budget.
(2) What are the man and woman planning to discuss at the board meeting?
(A) Sales figures from last quarter.
(B) Initial projections for sales.
(C) Strategies for the next quarter.
(D) Results of a marketing campaign.
(3) What does the man propose?
(A) Scheduling another meeting.
(B) Drafting a proposal for the board.
(C) Increasing the marketing budget.
(D) Reviewing the sales report again.
解答:
(B) She reviewed a report.
(C) Strategies for the next quarter.
(C) Increasing the marketing budget.
【Part4:説明文問題】
Part4 サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
<問題数>
10のトークに対して各3問、計30問
<形式>
アナウンスやナレーションのようなミニトークが1度だけ放送されます。
トーク内容は印刷はされていませんが、設問と選択肢は全て問題用紙に記載されています。
各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問(設問も放送されます)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする形式です。
トークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もあります。
<特徴>
Part4は、1人の人物によるアナウンスやスピーチなどの長文英語を聞くパートです。
トークの内容は、大きく分けて以下の5つのジャンルとなります。
- broadcast(テレビやラジオ放送)
- announcement(お知らせ)
- advertisement(広告)
- telephone message(留守番電話メッセージ)
- meeting(会議の冒頭や一部)
各問題の音声が流れる前には、”Questions (番号) through (番号) refer to the following 〇〇.” という案内が流れるので、ここで何について話されるのかを把握しましょう。
基本的な解法はPart3と似ていますが、会話文に比べて場面設定を思い浮かべづらかったり、内容把握が難しい傾向にあるので、試験対策に時間をかけたいパートです。
<例題>
説明文:
Ladies and gentlemen, thank you for flying with us today. We are currently cruising at an altitude of 35,000 feet and our estimated time of arrival in London is 3:30 PM local time, which is approximately 30 minutes ahead of schedule. The weather in London is partly cloudy with a mild temperature of 15 degrees Celsius. Please make sure your seat belts are fastened as we may experience some turbulence due to the current weather conditions. Our in-flight entertainment system is available for your enjoyment, and we will be serving a light meal shortly. If you have any questions or need assistance, please don’t hesitate to ask one of our flight attendants. Thank you and enjoy your flight.
問題文および選択肢:
(1) What is the current status of the flight?
(A) It is delayed due to bad weather.
(B) It is ahead of schedule.
(C) It is waiting for clearance to take off.
(D) It has just landed.
(2) What are the passengers advised to do because of the weather conditions?
(A) Enjoy the in-flight entertainment.
(B) Prepare for the light meal.
(C) Fasten their seat belts.
(D) Contact a flight attendant for more information.
(3) What will be provided to passengers shortly?
(A) A weather update.
(B) A light meal.
(C) Landing instructions.
(D) Information on connecting flights.
解答:
(B) It is ahead of schedule.
(C) Fasten their seat belts.
(B) A light meal.
TOEICのリスニング問題では、聞き取った英文を瞬時に理解するスキルが求められます。
純粋な英語力の向上も重要ですが、問題形式に慣れ、素早く問題に回答するためのテクニックを身につけることも重要となります。
記事後半では、各パートの正答率を上げるための回答テクニックについても解説していきますので、そちらも参考にしていただき、ハイスコアを目指していきましょう。
参照:【公式】テストの形式と構成|TOEIC Listening & Reading Test
日本人のTOEICのリスニングセクションの平均スコアはどのくらい?
引用元:IiBC TOEIC Program DAA2023(和文)2023年8月版
TOEICは、リーディングセクション、リスニングセクション共に5~495点で推移します。
日本人のTOEICのトータルスコアの平均は、例年600点前後となることが多いです。
リスニングとリーディングで比較した際には、リスニングの方が得点率が高く、大体330点前後で、リーディングよりも50点ほど高い傾向にあります。
海外でビジネス活動を行うには、トータルスコア650点以上が一つの目安となると言われているので、まずは日本人平均を超えることを目指しましょう。
TOEICのリスニングが聞き取れない主な原因
TOEICのリスニングセクションで苦労する理由は多岐にわたりますが、その中でもいくつかの共通した原因があります。
スコアアップに重要なのは、自分の弱点・課題を正確に把握し、それに合わせた適切な対策を行うことです。
ここでは、TOEICのリスニングセクションが聞き取れない原因を9つに細分化して、徹底解説していきます。
- 語彙力が不足している
- 文法構造が理解できていない
- 英語を英語の語順で理解できていない
- 英語特有の音の変化に対応できていない
- アクセントや発音に訛りのある英語への慣れが足りない
- ネイティブのスピードに追いつけていない
- トピックや文化的背景に馴染みがない
- 英文をすべて理解しようとしている
- 集中力が切れてしまっている
まずは、自分がどれに当てはまっているのかを特定していきましょう。
語彙力が不足している
TOEICリスニングでの理解度に大きく影響するのが、語彙力の有無です。
TOEICでは、ビジネスシーンや日常生活における様々な状況が想定され、それぞれに関連する特定の語彙が頻繁に使用されます。
語彙力が不足していると、聞き取れた単語の意味を理解できず、結果として全体の文脈や話の流れを把握することが困難になります。
語彙力を向上させるためには、TOEICに特化した単語帳やアプリを活用して、意識的に新しい単語を学習していきましょう。
また、単語を文脈の中で見ることで、その使用法を理解し、記憶に定着させやすくなります。
TOEICには、リスニング・リスニングそれぞれでよく出題される単語があるので、模試や公式教材で出てきた単語をノートなどに蓄積して覚えるのもおすすめです。
また、新しく学んだ単語は定期的に復習し、忘れないようにすることが重要です。
さらに、学んだ単語を実際に使うことで、より深く理解し、長期記憶に移行させることができます。
英会話など、日常生活で英語を使用する場面がある方は、積極的に覚えた単語を使ってみてください。
語彙力はTOEICのリスニングセクションではもちろん、英語の4技能すべてに共通する大切な基礎力となるので、しっかり鍛えていきましょう。
文法構造が理解できていない
英語の文は、主語、動詞、目的語などの基本的な構成要素から成り立っています。
また、時制や受動態、関係代名詞などの文法要素が意味の理解に直接関わってきます。
これらの文法構造を理解していないと、文の意味を取り違えたり、重要な情報を見落としたりする可能性があるでしょう。
また、TOEICリスニングのリスニングでは、話者が使用する文法構造を迅速に理解し、意味を把握する能力が求められます。
文法構造が理解できないと、単語が聞き取れても、その情報を正確に組み立てて全体の意味を理解することが難しくなります。
基本的には、TOEICの問題演習を行いながら、分からない文法や構造が出てきた時に解説を読んだり、調べたりして都度知識を身につけていくのがおすすめです。
しかし、あまりにも文法に関しての疑問点が多く出てくるケースでは、基礎知識が不足している可能性があるので、一度文法に特化した学習を行った方が良い場合もあります。
TOEICでは、そこまで高度な文法知識は必要ないので、中学レベルおよび高校レベルの基礎程度が十分に理解できていれば問題ありません。
心配な方は、一度中高生向けの文法教材で復習しておきましょう。
英語を英語の語順で理解できていない
英語と日本語では、文の構造や情報が提示される順番が異なります。
そのため、英語を英語の語順で理解できていない場合、リスニングにおいては致命的となります。
特に、リーディングの際に日本語の語順で理解しようとする「返り読み」の癖があると、リスニングにおいても英語を自然な流れで受け取り、処理することが難しくなるでしょう。
返り読みの習慣があると、脳は文を最後まで聞いてから全体の意味を組み立てようとします。
しかし、英語のリスニングでは、話が進むにつれて即座に情報を処理し、理解を深めていく必要があります。
そのため、英語の自然な語順で内容を追いかけ、理解する能力が必要不可欠です。
この弱点を克服するためにはいくつか方法がありますが、返り読みの癖がある方は、まずリーディングの方法から見直していきましょう。
リーディングにおいて英語を前から順番に処理していく力を身につけることができると、自然とリスニングでもそれができるようになっていきます。
有効な学習法としては、
- 精読
- 速読
- 多読
- シャドーイング
などがあります。
特にシャドーイングは、話者が使用する語順でそのまま繰り返し発話することで、リスニング力を鍛えながら、英語の自然な流れや語順に慣れるのに有効な練習法です。
英語を英語の語順で理解できるようになると、リスニングでの情報処理速度が向上し、より素早くかつ正確に内容を把握できるようになります。
上記の学習法については、それぞれ本ブログの以下の記事で詳しい取り組み方をご確認ください。
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英語特有の音の変化に対応できていない
自然な英語の会話では、単語と単語が連結されたり、特定の音が脱落したりする、日本語にはない音の変化が起こります。
これらの現象を理解し、適切に処理できないと、リスニングで何を言われているのかを把握することができません。
例えば、”How about you?”という文章は、「ハウアバウトユー」ではなく「ハウバウチュー」のように発音されます。
これは、英語特有の「連結」という音の変化が生じるためです。
これらの音の変化を瞬時に聞き取り、発話されている内容を判断できないと、文の意味を正確に捉えることができず、リスニングの理解度が大きく低下する可能性があります。
実際の音源の中で慣れていくのも良いですが、一度体系的に理論立てて学習するのもおすすめです。
学習教材の中には、連結や脱落といった音の変化に特化した教材があります。
これらの教材を活用して、具体的な例を通じて音の変化を理屈で学んだ上で、耳を慣らしていくと、音の変化に対応できるスキルを効率的に身につけられます。
アクセントや発音に訛りのある英語への慣れが足りない
TOEICのリスニングセクションでは、アメリカ人・カナダ人・イギリス人・オーストラリア人・ニュージーランド人の5カ国の話者が登場します。
それぞれの国特有の英語の発音に慣れていないと、聞き取りがうまくできない可能性があります。
特に、日本の英語教育で標準的なアメリカ英語やイギリス英語には慣れていても、その他の地域のアクセントや訛りは聞き馴染みがなく、難しいと感じる方が多いです。
これに関しては、知識不足というよりは、単純に多様な英語アクセントへの慣れが不足している可能性が高いので、実際に多様なアクセントの英語を聞きながら、その内容を正確に理解し、要点を把握する練習を繰り返し行いましょう。
TOEICの本番形式で、5カ国のスピーカーによる問題がランダムで登場するような教材で学習するのが実践的でおすすめです。
初めは難しいかもしれませんが、継続的に練習を積み重ねていくことで、徐々に慣れていきます。
また、全世界で話されている英語の多様性を理解し、聞き取れるようになると、TOEICスコアだけでなく、グローバルなコミュニケーション能力の向上にも繋がります。
ネイティブのスピードに追いつけていない
英語が母国語でない学習者にとって、ネイティブの速度で話される英語をリアルタイムで処理し、理解するのは非常に難しいことです。
英語発話および読解スピードを表す指標としてWPM(Words Per Minute)というものがあります。
これは、1分間に読める・発話できるワード(単語)数のことです。
TOEICのリスニング音声は、基本的にWPM150、つまり1分間に150語読まれています。
一般的なネイティブスピーカーは、WPM200前後で会話を行うとされているので、それよりは少しスローペースです。
WPM150の等速で内容理解が難しいという方は、まずは少しスピードを落としてWPM120前後でリスニングの問題に触れてみましょう。
そして、慣れてきたら徐々にWPMを上げていくことで、本番と同じ速度の音声でも問題なく理解できるようになります。
リスニング学習アプリの中にスピードを調整できるものがあるため、それらを活用したり、音声のスピードを変えられるアプリを使用したりするのも良いでしょう。
また、中級以上の方であれば、練習段階ではあえてWPM200ほどに設定して練習するのもおすすめです。
ネイティブのナチュラルスピードに慣れておくことで、TOEIC本番の音声を聞いた時に、内容を即座に理解する瞬発力が高まります。
短期的に解決できる課題ではないものの、練習を重ねることで徐々に改善されるので、コツコツと努力を積み重ねていきましょう。
トピックや文化的背景に馴染みがない
TOEICリスニングセクションで扱われるトピックは多岐にわたり、ビジネス、旅行、日常生活など、様々なシーンでの会話やアナウンスが問題となります。
これらのトピックに対する理解が浅い、または特定の文化的背景に馴染みがないと、リスニング時に話の流れを追いかけたり、内容を正確に把握したりするのが難しくなる可能性があります。
長期的な視点で見た時には、ドラマや映画、スピーチやプレゼンテーションなど、ネイティブの会話にたくさん触れるのが理想的ですが、手っ取り早いのはTOEICの問題にたくさん触れることです。
多くの問題を解いているうちに、TOEICで出題されやすいシチュエーションが分かってくるので、体で問題傾向を掴んでいくのが良いでしょう。
一般的に、TOEICのリスニング対策に特化した教材では、幅広いシチュエーションの音源が含まれているので、これらを活用して慣れていきましょう。
英文をすべて理解しようとしている
TOEICリスニングにおいて、提示された英文をすべて完全に理解しようとする方は少なくありません。
特に真面目な方ほど、細部までしっかりと聞き取ろうとする傾向があります。
しかし、こういった意識は「全部聞き取らなきゃ」とプレッシャーを増大させてしまい、重要な情報の聞き逃しや、全体の理解を妨げる原因にもなりかねません。
TOEICリスニングでは、全文を完全に理解する必要はありません。
問題文に書かれている特に重要なポイントやキーワードに注目して、話の内容を8〜9割程度理解できていれば、しっかりと答えが導き出せます。
また、全ての単語や表現が理解できなくても、文脈から話の流れや大意を把握することは可能です。
分からない部分があったとしても焦らずに、文脈上の手がかりを活用し、話の全体像を想像によって補ってみてください。
ただし、問題によっては、1つの単語やセリフが正解の選択肢に直結する問題もあるので、油断は禁物です。
集中力が切れてしまっている
TOEICは合計約2時間で200問に回答しなくてはならないかなりボリューミーなテストです。
特にリスニングセクションでは、継続的に高い集中力を維持することが求められます。
社会人になると、これだけの長時間試験に集中することはほとんどなくなるので、テストの後半にかけて集中力がなくなってしまうという方は少なくありません。
実際、人間が集中できるマックスの時間は約50分と言われているので、限界をはるかに超えています。
スポーツに基礎体力が必要なように、TOEIC試験を乗り切るためにも集中力や精神力を鍛える必要があります。
普段の学習を短時間の細切れでやっている方は、できる限りまとまった時間を確保し、本番同様に2時間集中することに慣れるような習慣を形成していきましょう。
関連記事:TOEICリスニングで満点を取るには?おすすめの勉強方法を紹介
TOEICのリスニング力アップにオンライン英会話がおすすめ?
意外かもしれませんが、オンライン英会話はTOEICのリスニング力アップに効果があるんです。
長い目で見てTOEICリスニング力を向上させるためには、実際に英語を話し、聞く経験を積むことが非常に重要です。
この点で、オンライン英会話は非常に有効な学習ツールとなります。
特に、TOEICのスコア向上を目指す受講者のニーズに特化したコースを提供しているオンライン英会話サービスを利用することで、実践的なリスニング力とスピーキング力の双方を同時に鍛える絶好の機会となります。
QQEnglishの「TOEIC 目指せ! ハイスコアラー」は、TOEICスコアアップを目指す学習者に特化したコースです。
このコースは、TOEICで高得点を獲得するために必要なスキルを集中的に練習することができるように設計されています。
TOEIC指導に特化した経験豊富な教師が、受講者一人ひとりのレベルやニーズに合わせてレッスンを展開していくので、効率よくスキルアップができます。
レッスンは自分のライフスタイルに合わせて柔軟に設定できるので、忙しい日々の中でも、効率的にTOEIC対策を行うことが可能です。
また、オンライン英会話の練習を重ねることで、リスニング力だけでなく、英語を総合的に使用する能力も合わせて向上できます。
本ブログの以下の記事では、TOEIC900点超えの筆者がオンライン英会話を使用したTOEIC対策について詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧になってみてください。
関連記事:オンライン英会話のTOEIC対策で効果は本当に出る?900点越え筆者が徹底解説
>>100日間、4倍速の学習体験!カランメソッド×英語コーチング「Boost Coaching」
実は非効率なTOEICのリスニング学習法に要注意!
TOEICのリスニングスコアを向上させるためには、時間を効率的に使い、実際のテストの形式に合わせた学習法を選ぶことが重要ということは十分お分かりいただけたでしょう。
しかし、一見すると有効そうな学習法でも、実はTOEICのリスニングにおいては非効率であることがあります。
その代表例として、3つの学習法を取り上げ、なぜTOEICリスニングの学習においておすすめできないかを理由と共に解説していきます。
ディクテーション
ディクテーションは、聞こえた英語を文字に起こす学習法で、基礎的な英語学習法の一つとして広く知られています。
しかし、TOEICのリスニングにおいて書き取りは必要なく、一語一語を正確に聞き取るより、会話や話の流れの全体像や概要を素早く理解し、問題に正しく答える能力が求められます。
一語一語を正確に聞き取るスキルを養うのには有効ですが、TOEICではより速い情報の処理と全体の理解が重要になるため、テスト対策としてはやや非効率です。
ポッドキャスト・ドラマ・映画を使った学習
実践的な英語力を養うのに有効な方法として、ポッドキャスト・ドラマ・映画など、ネイティブのナチュラルな英語素材を使った学習があります。
この学習法は、たしかに英語リスニングの実践的な練習となり、異なるアクセントや表現に慣れるために有効な手段となり得ます。
しかし、TOEICのリスニングセクションの特性を考慮すると、効率的な学習法とは言えないでしょう。
主な理由としては、TOEICのリスニングセクションには特定のシーン設定や問題形式に傾向があるためです。
TOEICリスニングでは、ビジネス会議、空港のアナウンス、日常会話など特定のシチュエーションが頻繁に取り上げられます。
これらの頻出シチュエーションに特化したリスニング練習を行った方が、試験形式に沿って効率的にリスニング力を向上させることができます。
しかし、TOEIC試験の日程がまだ先であり、英語リスニング力を長い目で見て総合的に向上させたい場合には、この方法は有効です。
ネイティブのナチュラルな英語は、TOEICよりもさらに難易度が高いので、特に中級者以上の方におすすめです。
英語の流し聞き
英語の流し聞きは、日常生活の中で英語に触れる方法として人気があります。
バックグラウンドで英語の音声を流すことで、他の活動をしながらも自然と英語耳を養うことが目的です。
しかし、この方法がTOEICリスニングスコアの向上に直接的に役立つかというと、効果は限定的であると言えます。
TOEICリスニングセクションでは、具体的な内容を正確に理解し、選択肢から正しい答えを選ぶ能力が求められます。
このような能力を養うには、ただ音声を流して漠然と聞くだけではなく、聞いた内容に基づいて問題を解く練習が必要です。
また、この方法はそもそもリスニング力向上自体にもあまり効果的ではありません。
理由としては、能動的な聞き取りや内容の理解が伴わない場合が多いためです。
BGMとして音楽を流していても、歌詞の意味や内容が頭に入ってこないことをイメージすると分かりやすいでしょう。
学習の効果を高めるには、流し聞きを問題演習と組み合わせるのがおすすめです。
例えば、リスニング素材を聞いた後、その内容に関する質問に答える、または聞いた内容を要約するなどすると、リスニング力向上に一定の効果が見込めます。
このように、一般的にリスニング力向上に効果があるとされている学習であっても、TOEIC対策としては非効率なこともあります。
学習方法を選定する際には、「TOEICでリスニング問題に回答するための実力がつけられるか」という観点で一度精査してみてください。
TOEICのリスニング対策に特化したおすすめの教材5選
TOEICのリスニングセクションは、適切な教材を使って効率的に学習することが大変重要となります。
特に独学で学習を進める場合、適切な教材選びがスコアの伸びを左右すると言っても過言ではありません。
そこで、ここではTOEICのリスニング対策に特化したおすすめの教材を5つ紹介します。
初級者から上級者まで、幅広いレベルの教材を紹介していきますので、自分に合った教材選びの参考にしてみてください。
TOEICテストリスニングをひとつひとつわかりやすく。
『TOEICテストリスニングをひとつひとつわかりやすく。』は、シリーズ累計450万部突破の人気シリーズ「ひとつひとつわかりやすく」TOEIC(R) L&Rテスト対策版です。
TOEIC L&Rテストのリスニングパートの概要と攻略のポイントを、タイトル通り「ひとつひとつわかりやすく」解説する演習型の参考書です。
リスニングセクションの各パートの特徴や解法のポイントを講義形式で習得した上で実際に問題を解くため、体系的に理解できるようになっています。
また、イラストや図解を用いて、やさしく分かりやすく説明されているので、英語に苦手意識がある方やこれまで学習習慣がなかったという方にもおすすめです。
パートごとの練習問題、まとまりごとの復習が可能な実践テスト、そして巻末には模擬試験が収録されており、実践形式での練習を通じて、スコアの向上を目指すことができます。
また、リスニング音声は、実際のTOEICテスト同様に、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4カ国の発音に対応しています。
中学・高校の英文法のおさらいから始めたい方、英語の勉強を久しぶりに再開する方、TOEIC L&Rテストのリスニングを基礎から学びたいと考えている方々に最適です。
書籍名 |
TOEICテストリスニングをひとつひとつわかりやすく。 |
発売日 |
2017/11/14 |
著者(監修者) |
関戸冬彦 |
出版社 |
学研プラス |
価格 |
1,595円 (税込) |
難易度 |
初級者向け |
こんな人におすすめ |
|
購入サイト |
TOEIC L&Rテスト でる模試 リスニング700問
『TOEIC L&Rテスト でる模試 リスニング700問』には、実際のTOEICに即した形式のリスニング問題が700問収録されています。
良質な問題が豊富に含まれているので、基本的な知識や解法が身についていて、本番形式に慣れるためにとにかく問題を解きたいという方に特におすすめです。
難易度はやや高めなので、中級者以上の方向けです。
普段の練習で本書のレベルに慣れておけば、本番の試験が易しく感じられるでしょう。
また、同じシリーズでPart 2の対策に特化した「TOEIC L&Rテスト Part2 応答問題 でる600問」と言う書籍も出版されています。
Part2は文脈推測ができず、聞き逃しが致命的となるがゆえに、苦手意識を持つ方が多いパートなので、失点が多い方はPart2特化型の書籍で練習するのも良いでしょう。
ちなみに、リーディングパートの対策ができる「TOEIC L&Rテスト でる模試 リーディング700問」も出版されています。
書籍名 |
TOEIC L&Rテスト でる模試 リスニング700問 |
発売日 |
2017/1/21 |
著者(監修者) |
ハッカーズ語学研究所 |
出版社 |
アスク |
価格 |
2,640円 (税込) |
難易度 |
中級者〜上級者向け |
こんな人におすすめ |
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購入サイト |
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング
『TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング』は、本番さながらのリスニングセクションのテストが、5回分の模試形式で解ける書籍です。
1セットごとに本番でのスコアを予測できる「スコア算出表」が付属しており、質と量において最速でスコアアップを目指せるように設計されています。
また、精鋭講師陣による新形式と最新の出題傾向についての徹底解説が収録されており、各設問に対して正解を導くための手順や考え方が丁寧に説明されています。
加えて、スコアアップに直結する解答戦略や学習ポイントについてのアドバイスが掲載されているコラムも充実しており、実践的なテクニックも身につけられ、至れり尽くせりです。
問題のレベルは、先に紹介した『TOEIC L&Rテスト でる模試 リスニング700問』よりもさらに難しい傾向にあるので、中上級者以上で、よりリスニングの実力を磨きたい方におすすめです。
現在のところ、第2弾まで発売されています。
また、リーディングパートの対策ができる「TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング」も出版されています。
書籍名 |
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング |
発売日 |
2017/11/14 |
著者(監修者) |
中村紳一郎、スーザン・アンダートン、加藤優、野村知也、小林美和、ブラッドリー・トール |
出版社 |
ジャパンタイムズ出版 |
価格 |
2,090円 (税込) |
難易度 |
中上級者〜上級者向け |
こんな人におすすめ |
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購入サイト |
TOEIC L&R TEST 5分間特急 超集中リスニング
「TOEIC 特急シリーズ」という名前に聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
英単語や熟語、フレーズの基礎学習から、リスニング・リーディングなどの実践対策まで、TOEICのあらゆるパートを網羅した大人気シリーズです。
コンパクトな新書サイズで、かさばらず、隙間時間にサッと開いて学習ができる手軽さも人気の秘訣です。
リスニングに特化した書籍としては『TOEIC L&R TEST 5分間特急 超集中リスニング』があります。
毎日5分の積み重ねで、「英文スクリプトを見れば理解できるのに、なぜこんな基本的な英語が聞き取れないのか」という悩みを解決できるように設計されています。
細切れでの勉強が想定されているので、忙しくてまとまった学習時間が取れないという方にもおすすめです。
また、著者がリスニング講座の中で繰り返し伝えているTIPSの中から、受講者アンケートで特にスコアアップに役立ったと評価の高かった厳選アドバイスを50個収録しています。
英語教材アプリ「abceed」(無料)に完全対応しており、音声スピードを自由に変えることが可能なので、シャドーイングトレーニングを行うのにも便利です。
書籍名 |
TOEIC L&R TEST 5分間特急 超集中リスニング |
発売日 |
2021/10/7 |
著者(監修者) |
八島晶 |
出版社 |
朝日新聞出版 |
価格 |
858円 (税込) |
難易度 |
初級者〜上級者向け |
こんな人におすすめ |
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購入サイト |
TOEIC(R)テスト リスニング プラチナ講義
『TOEIC®テスト リスニング プラチナ講義』は、先に紹介した『TOEICテストリスニングをひとつひとつわかりやすく。 』と似た、講義+問題演習形式の書籍です。
リスニング問題への対応力を高めるために、英語の音の特徴を理解し、リスニングセクションに頻出する語句や表現を確認し、文法耳を鍛え、実際の問題にチャレンジするというステップで構成されています。
また、2時間30分に及ぶMP3音声が無料でダウンロードでき、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの英語をネイティブスピードで聞くことができます。
リスニングセクションの解放やテクニック、そして英語の音の解説も網羅的に書かれているため、初級から中級者の方に特におすすめです。
書籍名 |
TOEIC(R)テスト リスニング プラチナ講義 |
発売日 |
2017/3/31 |
著者(監修者) |
ジャパンタイムズ&ロゴポート(著者) |
出版社 |
ジャパンタイムズ |
価格 |
2,090円 (税込) |
難易度 |
初級者〜中級者向け |
こんな人におすすめ |
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購入サイト |
TOEICのリスニング教材の効果的な活用方法
TOEICリスニングのスコアを効率的に向上させるには、単に多くの教材をこなすだけでは不十分です。
教材を効果的に活用するためには、戦略的なアプローチが必要となります。
ここでは、TOEICのリスニング教材の効果的な活用方法について詳しく解説します。
目標スコアを設定した上で取り組む
まずは、自分が目指すスコアを明確に設定することから始めましょう。
目標スコアを設定することで学習の方向性が決まり、必要な学習量や重点を置くべきパートが明確になります。
TOEICリスニングでは、各パートに特徴があり、難易度も異なります。
そのため、目標スコアに応じて、特に力を入れるべき問題タイプや、苦手でもスコア目標達成に影響が少ない問題を見極めることが重要です。
例えば、高得点を目指す場合は、Part1やPart2は確実に取り、Part3やPart4でも高い正答率を目指す必要があります。
一方で、平均点程度のスコアを目標とする場合は、Part1やPart2で確実に点数を取れれば、Part3やPart4は1つの文章につき3問全問正解を目指す必要がない場合もあります。
また、目標スコアを設定して学習に取り組むことは、モチベーション維持にも効果的です。
自分自身の進捗を目標スコアと比較することで、どの程度の成果が上がっているのかを客観的に把握し、必要に応じて学習計画を調整することが可能になります。
自分の現在の実力と試験までの期間に応じて、無理のない目標を設定しましょう。
苦手なパート/得点が取りやすいパートを優先的に対策する
自分の得意なパートと苦手なパートを明確に把握し、優先的に対策を講じることで効率よくスコアアップが可能になります。
特に、リスニングセクション全体でバランス良くスコアを伸ばすためには、得点が取りやすいパートを確実に得点源とする戦略と、苦手なパートを克服するためのアプローチの両方が必要です。
Part1とPart2は、比較的短い文章を聞いて正解を導くパートなので、初級者や低スコアの受験者にとって得点を伸ばしやすいパートです。
日頃の学習では、ここで確実に点数を取ることを意識して、前半パートに特化した学習教材を選ぶなどが良い戦略となります。
既にある程度のスコアが取れている受験者の場合、さらに高得点を目指すには、苦手とするパートの対策を優先的に行う必要があります。
一般的に文章量が多いPart3,Part4が苦手という方がほとんどですが、文脈からの推測ができないPart1,Part2が苦手という方もいるので、自分の得点状況に合わせて対策を練りましょう。
スラッシュリーディングをする
英語を前から捉えるのが苦手という方におすすめなのが、「スラッシュリーディング」です。
スラッシュリーディングとは、文章を読む際に、意味の区切りごとにスラッシュ(/)を入れていくことで、文章全体を小さな意味の塊に分けて理解するテクニックです。
この方法により、文章の流れを素早く把握し、返り読みの癖をなくすことができます。
TOEICリスニングの練習問題を解いた後、正解と自分の答えを確認したら、スクリプトを読みながら、自然な区切りや意味のまとまりごとにスラッシュを入れていきましょう。
こうすることで、文の構造や情報のまとまりを理解し、文章を素早く、かつ正確に理解する能力が養われます。
スラッシュリーディングは、複数の情報が提示され、それらを素早く理解する必要がある特にPart 3やPart 4パートの対策に有効です。
また、日常的に英文を読む際にもこのテクニックを活用することで、読解スピードの向上に役立ち、リーディングスコアの向上にもつながります。
文章を塊で捉えることができれば、返り読みの癖を減らし、時間内に多くの問題に正確に答えることが可能になります。
リスニング問題に限らず、慣れるまでは普段の英語学習の様々な場面においてスラッシュリーディングを実践することで、より効率的な読み方を身につけることができるでしょう。
スラッシュリーディングについては、本ブログの以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご参照ください。
関連記事:TOEICリーディングの時間配分全パートまとめ【955点取得者が解説】
定期的に同じ教材を復習する
TOEICリスニングのスコアを向上させるには、新しい教材に挑戦するだけでなく、既に学習した教材を定期的に復習することも非常に重要です。
新しい言語知識やスキルを獲得した直後は、その情報は短期記憶に留まります。
定期的な復習を行うことで、これらの情報を長期記憶に移行させ、忘れにくくすることができます。
特に言語学習においては、繰り返しの復習が、知識の定着には必要不可欠です。
また、初めて教材を学習した際に苦手だと感じた部分も、復習を通じて理解を深め、克服することが可能になります。
同じ教材を何度も取り組むことで、最初は気づかなかった細かなポイントや、誤って捉えていた部分にも気づけるようになるでしょう。
加えて、定期的に同じ教材を使用することで、自分の学習進捗やスキルの向上度合いを客観的に評価することができます。
初めて教材に取り組んだ時と比較して、理解の深さや解答速度の向上を実感することが、モチベーションの向上にもつながります。
定期的な復習を計画に組み込む際は、復習するタイミングや間隔を工夫することが重要です。
学習した内容を24時間以内に一度復習し、その後数日ごと、そして数週間後に再復習するなど、復習の間隔を徐々に広げていく「間隔反復法」を取り入れると効果的です。
問題・選択肢中に出てきた単語は覚える
TOEICリスニングの学習を進める中で、問題や選択肢に頻繁に登場する単語を覚えることは、スコアアップに直結するので大変おすすめです。
TOEICリスニングセクションにおいて、特定の単語や表現は繰り返し登場します。
つまり、リスニング教材で登場する単語は、その場限りでなく、本番でも出題される可能性が高いということです。
そのため、問題や選択肢に出てきた単語の意味や使われ方を理解し、記憶することは、効果的な学習方法と言えます。
市販の単語帳を使った学習に加えて、ノートや単語帳を自作できるアプリなどを活用して、学習中に出会った単語のストックも適宜増やしていきましょう。
スピードを遅く/速くして問題を解く
TOEICリスニングセクションの学習において、必要に応じて問題の音声を調整して聞くことは、リスニングスキル向上のための有効な手段となります。
音声を遅くして聞くことは、初級者やリスニングに自信がない方にとって特に有効です。
遅いスピードで聞くことで、単語やフレーズの発音をよりはっきりと捉え、理解する時間が増えるため、聞き取り能力の基礎を固めるのに役立ちます。
また、音声の細部に注意を払うことで、発音やアクセントの理解も深まります。
一方で、音声を速くして聞く練習は、上級者やすでに一定のリスニングスキルを持つ方におすすめです。
速いスピードに慣れておくことで、実際の試験環境でもパニックにならずに済み、情報を素早く処理する能力が養われます。
実際の音声のスピードについていくのが難しい場合は遅く、よりハイレベルな練習を行いたい場合は速く、といったようにスピードを変えて学習してみましょう。
模試を解く際は本番と同じマークシートを使用する
TOEICリスニングの対策として模擬試験(模試)を解くことは非常に有効です。
模試を解く際には、できる限り本番の試験と同じマークシートを使用しましょう。
実際の試験では、マークシートを塗りつぶす時間が発生します。
特にリスニングにおいては、問題を聞きながらマークシートを塗りつぶす必要があるので、慣れていないと回答のリズムに戸惑ってしまうことがあります。
普段の学習段階から本番をイメージして、「聞く→選ぶ→マークする」というリズムを体で覚えて慣れておきましょう。
また、実際と同じ形式で模試を解くことで、試験当日の状況をより忠実に再現することができ、試験のプレッシャーや緊張感に慣れるという点でもおすすめです。
本番のTOEICリスニングで絶対に意識すべきポイント
TOEICリスニングセクションでは、それぞれのパートで異なるテクニックが要求されます。
試験本番で高得点を目指すためには、パートごとの問題傾向を理解し、意識すべきポイントを押さえることが重要です。
ここでは、TOEICリスニングセクションのそれぞれのパートに焦点を当てて、本番で絶対に意識すべきポイントを解説します。
【Part1】写真に写っているものを確認する
Part 1では、様々なシーンや活動が写された写真に基づいた問題が出題されます。
このパートでは、写真に写っている要素を正確に把握し、選択肢と照らし合わせることが重要です。
音声が流れる前に、写真を見て、その全体像を素早く把握しましょう。
人物がいるか、どのような場所で何が行われているのかなど、大まかなシーンを頭に入れておくことが大切です。
基本的に、写真の細部の情報が答えとなることはほとんどないので、間違い探しのように極端に細かい部分にまで目を配る必要はありません。
Part1の選択肢によくあるパターンとして、名詞が抽象化されるという傾向があります。
例えば、車が写真に写っているとして、これは「car(車)」ではなく「vehicle(乗り物)」と表現されることがほとんどです。
こういった物の総称を表す単語はしっかり暗記しておきましょう。
また、選択肢の時制にも注意が必要です。
Part1は写真で切り取られた時点での内容に関する問題のため、正答となり得るのは「現在形」「現在進行形」「現在完了形」の3つです。
答えとなる最も基本的な時制は現在進行形(be+ing)です。
また、受動態の進行形も多く出題されます。
例えば
“A fence is being removed.”
(フェンスは撤去されているところだ。)
といった形です。
注意しなくてはならないのは、現在進行形は状態が進行していることを示すため、基本的に行動している人が写っていなければならないという点です。
つまり、動作主がいない場合には正答になりません。
【Part2】質問文の疑問詞に集中する
Part 2では、質問に対する最適な答えを選ぶ問題が出題されます。
このパートでは、質問文自体に集中すること、特に疑問詞を正確に把握することが重要です。
「Who(誰が)」「What(何を)」「Where(どこで)」「When(いつ)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」など、疑問詞は質問の核となる要素です。
質問文を聞いた瞬間に、疑問詞を頼りに、何を問いかけている質問なのかを素早く理解しましょう。
また、本記事の前半で解説したように、疑問詞と一見結びつかない選択肢が解答となることがあります。
そのため、「”When”が聞こえたから、時間に関する言及がある選択肢が答えだ!」と、安直に確定しないようにしましょう。
質問文の疑問詞に迅速に反応し、意味を把握する能力は、練習を通じて養われます。
特にPart2は文脈による推測ができず、聞き逃しが許されないパートなので、上級者の方でも失点する可能性は十分にあります。
Part2の形式でのリスニング練習を十分に重ね、瞬発力を鍛えていきましょう。
【Part3&4】問題は必ず先読みする
Part 3とPart 4では、1つの音声に対して3つの質問がなされます。
この2つのパートで高得点を目指すためには、音声が流れる前に問題文を先読みする戦略が非常に有効です。
音声を聞く前に問題文を先読みすることで、どの情報に注目すべきか、何を聞き取る必要があるかを事前に把握できます。
これにより、音声が流れる際に重要な情報を逃さずに捉えられ、効率的に問題を解くことができます。
先読みする際には、問題文の中で、特にキーワードや重要そうな情報に注目し、そのキーワードが音声の中でどのように使われているかに注意を払いましょう。
また、各問題が具体的な事実を尋ねているのか、意見や態度を問うものなのか、概要を聞いているのかなど、問題のタイプを事前に把握しておくことも大切です。
選択肢の先読みの是非については、本記事の最後の「TOEICのリスニングに関してよくある疑問」の見出しで触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
【Part4】ナレーション部分を良く聞く
Part4では、文章の冒頭でナレーターによって提供される「ナレーション部分」を正確に聞き取ることが重要です。
ナレーション部分では、文章のテーマや主題が読まれることが多いです。
例えば、以下のような文章が読まれます。
“Questions 80 through 82, refer to the following excerpt from the meeting”
(問題番号80から82、これから流れる会議の抜粋について)
この部分を注意深く聞くことで、話全体の流れや話の主題を予測しやすくなり、情報を正しく聞き取り、整理しやすくなります。
万が一、話の途中で情報を聞き逃した場合でも、ナレーションで把握したテーマや概要から、失われた情報の内容の推測が可能です。
マークを塗りつぶしていたり、先読みをしていたりなどで、ナレーション部分は油断してしまいやすいですが、初級者から上級者の方まで、みなさん注意しましょう。
【全パート共通】ミスを引きずらない
TOEICリスニングセクション全パートにおいて、1つの問題で聞き逃したりミスをしたとしても、それを引きずらないことが非常に重要です。
ミスをしたことに対して過度に心配したり、自分を責めたりすると、その後の問題に集中できなくなり、さらに多くの誤答を引き起こす原因となり得ます。
聞き取れない単語がある、回答に自信がないなどのトラブルが発生したとしても、それをすぐに受け入れ、次の問題に集中しましょう。
素早く切り替え、残りの試験でできるだけ多くの問題に正解することにフォーカスすることでミスを取り返せます。
普段の練習段階から、1つの問題でミスをしたと感じても、次の問題への集中力を切り替える練習をしておくのも良いでしょう。
深呼吸をする、心の中で自分を励ますなど、お決まりのルーティーンを作ることで、気持ちを切り替えやすくなります。
ちなみに、TOEICの採点では、正答数そのままの素点ではなく、スコアの同一化と呼ばれる統計処理によって算出された換算点が総合点となります。
つまり、1問につき5点ずつ加点されるような単純計算の採点方式ではありません。
問題の難易度によってスコアに差が出ると不公平な状態になるため、過去の数値も用いて算出されています。
そのため、数問ミスしたとしても満点が取れるようになっているので、ハイスコアを目指す方であっても、過剰に1問1問にこだわりすぎる必要はありません。
TOEICスコアを効率的に伸ばしたいならコーチングがおすすめ!
TOEICのリスニングパートの学習は独学でも進められますが、初級者・中級者・上級者、それぞれの段階で異なる壁にぶつかる傾向にあります。
一般的に、多くの学習者は以下のような悩みを抱えることが多いです。
- 初級者:正しい学習方法が分からない。自分に合った教材の選び方が分からない。
- 中級者:アメリカ英語は聞き取れるのに、訛りがあると急に分からなくなる。
- 上級者:自分の弱点が特定できない。満点まであと一歩なのに、いつも失点してしまう。
コーチングでは、英語学習のプロフェッショナルがこれらすべての悩みに対して適切にアプローチし、より効果的かつ効率的に学習を進められるようにサポートします。
TOEICのスコアが伸びない原因に頭を悩ませるより、プロに学習の質を担保してもらい、自身は学習を行うことのみに集中した方が、より短期間でスコアアップを目指せるでしょう。
英語のコーチやコンサルタントは、学習者のニーズやレベルに合わせた指導を行います。
例えば、課題の特定やそれに合わせた適切な学習プランの策定、モチベーションの維持など、独学では難しい部分を徹底的にサポートします。
学習者一人一人にカスタマイズした指導プランによって、短時間の学習でも最大の効果を得ることが可能です。
QQEnglishのコーチングサービス「Boost Coaching」では、独自のプログラムによって、100日間という短期間で英語力を向上させることができます。
独学での学習を続けているのに英語力が上がっていないと感じた際には、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、本コーチングで使用されているカランメソッドは、英語の瞬発力向上に焦点を当てているので、TOEICに限らず、実際の英語コミュニケーションでのリスニング力向上にも効果があります。
「英語コーチングや英語学習コンサルタントってどんなことしているの?」という方は、本ブログのこちらの記事も併せて読んでみてください!
関連記事:英語学習コンサルタントとは?期待できる効果やおすすめできる人を解説!
>>QQEnglishのコーチングサービス「Boost Coaching」
TOEICのリスニングに関してよくある疑問
Q. リスニングのスコアアップにはどれくらいの期間の学習が必要?
リスニングのスコアアップに必要な期間は、現在のレベル、目標スコア、学習に費やす時間、使用する教材やトレーニング方法、そして何よりも学習者の継続的な努力に大きく依存します。
一般的に、初級者や中級レベルの受験者が大幅なスコアアップを目指す場合、少なくとも3ヶ月から6ヶ月の集中的な学習が必要とされます。
しかし、これはあくまで目安であり、個人差が大きいという点には十分留意しましょう。
参考までに、過去に行われた200時間以上の学習コースの学生を対象とした大規模な研究(Saegusa 1985)では、平均的なスコアの上昇はわずか110点だったという結果が出ました。
以下の表は、学生の現在のスコアを特定の目標レベルまで上げるために必要な平均勉強時間のおおよその見積もりを表しています。
例えば、現在TOEIC650点の学習者が200点アップの850点を目指す場合、およそ500時間の学習が必要となります。
1日3時間程度学習するとなると、約半年かかる計算です。
しかし、これをお読みの方の中には、試験までそんなに時間がないという方もいるでしょう。
そこで、短期間でスコアアップを目指す場合と、試験まで比較的余裕がある場合とで分けて、学習の戦略を簡潔に紹介します。
<短期間でのスコアアップを目指す場合>
・毎日の学習
短期間でのスコアアップを目指す場合、毎日一定時間の学習を心がけることが重要です。
特にリスニング力の向上には、英語の音声に毎日触れることが必要不可欠です。
まとまった学習時間を確保するのが難しい場合は、アプリ学習などを上手に取り入れて、隙間時間で学習を進めていきましょう。
・集中的なトレーニング
TOEICのリスニングセクションに特化した教材を使用し、特に苦手とするパートを集中して対策することが効果的です。
リーディングパートに課題が少ないようであれば、模試のリスニングセクションだけに絞って演習するのもおすすめです。
・問題傾向を身につける
英語力向上という観点では本質的ではありませんが、試験が迫っていて時間がないという場合、模試演習を通して、問題傾向を身につけることも有効です。
TOEICの問題には一定の出題傾向があるので、問題の形式に慣れることで、本番の試験でスコアを取りやすくなるでしょう。
<長期的にスコアアップを目指す場合>
・徐々に学習量を増やす
長期的な視点で学習する場合、最初は短時間でも良いので、徐々に学習時間を延ばしていくことが大切です。
継続は力なり、という言葉が示す通り、長期間続けることで着実に力がついてきます。
短期間でスコアアップを目指す場合同様に、毎日の継続が重要となるので、忙しさやモチベーションに関わらず、毎日続けられるトレーニング計画を組みましょう。
・多様なリスニング素材を活用
TOEICの学習だけでなく、英語のポッドキャストを聞いたり、英語のニュースを見たりすることで、実践的なリスニング力の向上に役立ちます。
また、様々なアクセントや発音に触れることで、実際の試験における理解力が高まります。
リスニングのスコアアップには、「質」と「量」のバランスが重要です。
定量的な目標を設定し、自分に合った学習方法を見つけて計画的に学習を進めることが、効果的なスコアアップに繋がります。
課題や自分に合った学習方法が分からないまま闇雲に学習を進めてしまうと、学習効果が減り、効率が悪くなってしまうこともあります。
自分で適切な学習戦略が立てられない場合は、コーチングサービスを活用して、プロに課題の特定及び対策を検討してもらうのが良いでしょう。
Q. リスニング教材を選ぶ際の基準は?
リスニング教材を選ぶ際には、いくつかの基準に準拠しているかを十分に照らし合わせて検討することで、より学習効果が高まります。
具体的には、下記の5つの基準を満たしている教材かどうかを確認した上で、学習に組み込みましょう。
- 目標とするスコアレベルに合致しているか
自分の現在のリスニング力と目指すTOEICスコアに適したレベルの教材を選びましょう。
多くの教材は、何点を目指す学習者向けかを明確に設定しているので、それらを参考にするのがおすすめです。
TOEICを初めて受けるという方は、まず公式TOEIC Listening & Reading 問題集を解き、自分の現状のスコアを把握した上で、学習教材を検討しましょう。
- 総合的なリスニング力を鍛えることができるか
TOEICのリスニングセクションでは、短文から長文、会話やアナウンスなど様々な形式の問題が出題されます。
これら全てに対応できるように、総合的なリスニング力を鍛えられる教材を選ぶことが重要です。
基本的に、初〜中級者の方であれば、リスニングの全パートが網羅されている教材を選んでおけば間違いありません。
ただし、中〜上級者の方で、特定のパートに苦手意識がある、重点的に対策を行いたいパートがあるという場合は、特化型の教材で学習するのも良いでしょう。
- 教材の質
基本的に書籍として出版されている教材であれば、著しく低品質なものはほとんどありません。
しかし、TOEICは不定期で問題傾向のアップデートが行われるので、教材の情報が正確で最新のものであるかどうかを必ず確認しましょう。
アプリやネット上の教材、YouTubeなどで一般の方が発信しているコンテンツは、情報の真偽および教材の質があまり良くない場合もあります。
それらを学習に活用する場合は、内容に相違がないかという点に注意しましょう。
基本的には、TOEIC公式から発売されている教材の情報が最も信用できるかつ最新のものとなります。
そのため、教材選びが不安という方は、公式の出版物を活用するのが良いでしょう。
これらの基準を参考にしながら、自分に最適なリスニング教材を選ぶことで、学習効率を向上させ、目標達成への道のりをよりスムーズに進めることができます。
Q. アクセントや発音の違いにどう対応するべき?
TOEICのリスニングセクションでは、アメリカ人・カナダ人・イギリス人・オーストラリア人・ニュージーランド人の5カ国のスピーカーが登場します。
それぞれの国特有のアクセントや発音の違いがあるので、幅広い英語の音に対応できる必要があります。
また、TOEICで出題される5カ国の英語以外にも多様なアクセントが存在するため、英語の音の違いに慣れることは、国際的なコミュニケーション能力を高める上でも非常に効果的です。
普段聴き慣れているアメリカ英語だけでなく、イギリス英語、オーストラリア英語、カナダ英語など、異なる国の英語に触れてみましょう。
映画、テレビ番組、ポッドキャスト、YouTubeなど、幅広いメディアを活用するのがおすすめです。
また、TOEICに特化した学習教材を選ぶ際も、アメリカ人スピーカーだけでなく、他の4カ国のスピーカーの音声が収録されているものを選ぶのが良いでしょう。
しかし、それぞれの国特有のアクセントや発音の違いがあるとはいえ、リスニング力が十分に高い方であれば、これらの違いによって英語の聞き取りが困難になることはほとんどありません。
つまりは、根本的なリスニング力を鍛えることが一番の対策となります。
日々の練習を通じて、耳を多様な英語の音に慣らし、リスニング力を高めることで、スコアアップだけでなく、グローバルなビジネスシーンでのコミュニケーション能力向上にも繋がります。
Q. リスニングの際に聞き逃した情報がある場合、どうすれば良いのか?
リスニング中に大事な情報を聞き逃した際に、多くの受験者がパニックに陥りがちですが、この状況を冷静に乗り切る方法はいくつかあります。
万が一、問題の途中で話の内容が分からなくなってしまったり、聞き逃してしまったりした際には、以下の方法を試してみてください。
- まずは冷静さを保つ
一部の情報を聞き逃しても、テスト全体のパフォーマンスに致命的な影響を与えるわけではありません。
TOEICの得点は、「スコアの同一化」と呼ばれる統計処理が行われた換算点で算出されるため、仮に数問間違えても、満点が取れるようになっています。
そのため、冷静さを保ち、次の問題に進むことが重要です。
聞き逃しのショックを引きずってしまうと、複数の問題にまたがってミスを連発してしまう可能性があるので、すぐに切り替えましょう。
- 文脈から推測する
Part3またはPart4では、話の流れや既に分かっている情報から、聞き逃した内容を推測できる場合があります。
また、試験とはいえ、実際の日常生活やビジネスシーンに即した形で問題が作られているので、常識的にありえない選択肢は正解となりえません。
重要な部分を聞き逃してしまって、勘で答えるしかないという場合は、現実のシチュエーションをイメージして、不自然な展開にならない選択肢を選びましょう。
- 重要なキーワードに注意を払う
会話やアナウンスの中で何度も繰り返され、強調されるような単語やフレーズには、重要な情報が含まれていることが多いです。
これらのキーワードを捉えることで、聞き逃した部分を補う手がかりにすることができます。
- 後で答える
Part3,4の問題は、先に解説したように問題の並び順と話の時系列が対応しています。
本文を聴きながら問題に回答する場合、序盤を聞き逃してしまうことで、1問目だけでなく、2問目3問目の回答に必要な情報も聞き逃してしまうかもしれません。
万が一聞き逃してしまった場合は、一旦不確かな部分を後回しにして、他の問題に集中することで、不用意な失点を防ぐことに繋がります。
リスニングで情報を聞き逃すことは誰にでも起こりうることですが、適切な対処法によって、誤答を最小限に食い止めることができます。
焦らず、冷静に対処しましょう。
Q. 問題の選択肢には事前に目を通した方が良いのか?
先に解説したように、TOEICリスニングセクションにおいて、問題の先読みは一般的に多くのメリットがある有効なアプローチとされています。
一方で、問題の選択肢に事前に目を通すかどうかは、人によって見解が分かれている部分です。
スクールや教師によっても指導方針が異なるので、一概にどちらが良いかを断定することはできません。
そのため、ここでは問題の選択肢の先読みによるメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
どちらの方法も事前に模擬試験などで試してみて、自分に合った方法を選択することをおすすめします。
<問題の選択肢を先読みするメリット>
問題の選択肢を先読みする一番のメリットは、問題の音声が流れる前に選択肢を見ておくことで、リスニング中に選択肢に目を通す時間を節約できる点でしょう。
問題文が読まれているわずかな時間でマークシートに回答しなくてはならないので、回答の際に初めて選択肢に目を通すと読解が間に合わない、という方にとっては大きなメリットになります。
また、選択肢を先に読むことで、どのような情報が聞かれるのか予測し、特定のキーワードや情報に集中することができる点も利点の一つです。
これにより、聞き取った情報を正しく解釈しやすくなります。
<問題の選択肢を先読みするデメリット>
選択肢を読むことで、あらかじめ読まれる内容の予想が立てられるのはメリットとなる一方で、時には誤った予想をしてしまうこともあるので、デメリットともなり得ます。
特にTOEICの問題に慣れていない方の場合、出題されやすいストーリーの傾向を把握していないことで、想像したのとはまったく違う話が展開されることもあるかもしれません。
また、選択肢の内容を誤読していた場合、内容の予測がズレてしまうリスクもあります。
そのため、選択肢に先入観を持ち過ぎず、実際に聞こえる内容を基に判断することが重要です。
選択肢を読んだ後は、その情報を念頭に置きつつも、音声に集中し、全体の文脈を理解するようにしましょう。
結論、問題の選択肢を事前に確認することは、TOEICリスニングセクションで効率的に問題を解くための有効な戦略となり得る一方で、最終的には選択肢の情報を適切に扱い、実際に聞き取った内容に基づいた正確な判断を下す能力が求められます。
練習を通じて、このバランスを見つけ、自分に合った最適な解き方を確立しましょう。
Q. Part3,4の問題においてマークシートはどのタイミングで塗る?
TOEICは、リスニング、リーディングセクション共に、マークシートを塗りつぶして回答する形式の試験です。
問題用紙への書き込みやマークは禁止されています。
当然ながらマークシートにメモを取ることもできません。
そのためリスニングセクションのPart3,4では、問題を聞いて解きながら適宜マークシートを塗っていく必要があります。
最適なマークのタイミングは、個々のスタイルや好みによって異なりますが、いくつかのパターンがあるので、それらについて紹介していきます。
- 各問題の音声が終わった直後にマークする
このやり方では、音声が流れている間は選択肢を考え、正解だと思われるものを心の中で決めておき、マークシートを塗る作業は音声が終わってから行います。
各問題の音声が終わると、次の問題へ移る前に数秒の間があるので、この時間を活用する方法です。
ただし、音声に集中できるメリットがある一方で、選んだ選択肢を忘れてしまうリスクがあります。
- 1セット終わったタイミングで3つ一気に塗りつぶす
Part3,4では、1つの会話やアナウンスに対して各3問の問題があります。
これを1セットとカウントし、セットが終わったタイミングで3問分塗りつぶすという方法です。
セットを1つの区切りとできるので、人によっては先に紹介した1問ごとに塗る方法よりも集中できるかもしれません。
一方で、選択肢を忘れてしまうリスクはより高くなります。
単に覚えておくだけでなく、選んだ選択肢を指で押さえておくなどすると忘れにくくなるのでおすすめです。
- マークシートの正解と思われる選択肢に軽く印をつけて、1セット終わった後でまとめて色を塗る
先に触れたように、TOEICでは問題用紙およびマークシートに文字や記号などのメモを取ることは禁止されています。
しかし、一度塗ったマークを消して、別の選択肢を塗り直すことは可能です。
これを活用し、マークシートの選択肢に薄く印をつけておく方法です。
完全に塗りつぶすのではなく、点を書く、線を引いて、回答を仮置きしましょう。
そして1セットが終わったタイミングで塗りつぶしていきます。
このやり方であれば、選んだ選択肢を忘れてしまうリスクを防ぐことができます。
また、薄く塗っているだけなので、万が一他の選択肢に回答を変える場合でも、素早く消しゴムで消せる点もメリットと言えるでしょう。
不確実な答えは一旦塗りつぶすのを避ける、迷っている複数の選択肢に仮で印をつけておくなどして、時間がある時に再度検討することも一つの戦略です。
一般的にはこの3つの方法に分けられます。
1セット以上塗るタイミングが空いてしまうと、塗り間違えや塗り忘れのリスクが高くなるのであまりおすすめできません。
また、いずれの方法を採用する場合でも、リスニングセクションがすべて終了した時点および試験終了間際には、未回答の問題がないかを今一度確認しましょう。
まとめ
この記事では、TOEICのリスニングセクションが聞き取れない理由や対策方法について解説してきました。
TOEICのリスニングセクションは、課題に合わせて適切なアプローチを取れば、いわゆる「純ジャパ(海外旅行や海外留学の経験のない日本人)」の方でも満点を取ることは十分に可能です
本記事で解説したことを踏まえて、自分の苦手箇所に焦点を当てて、リスニングセクションのスコアアップを目指しましょう。
しかし、独学での英語学習に不安がある方や、できるだけ短期間で英語力をアップさせたいという方は、コーチングサービスの利用を検討してみるのもおすすめです。
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TOEICでは自身の弱点を正確に分析することが非常に重要です。
コーチングを受けることで、自身の苦手な傾向をプロから的確に指摘してもらえます。
苦手箇所に絞って重点的に対策を行うことで、短期間での大幅なスコアアップも夢ではありません。
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