【語順・文型について徹底解説!】英文法の基礎を抑えて正しい英文を作ろう!
英語はなぜ難しく感じてしまうのでしょうか。
簡単に言うと、それは日本語の語順と英語の語順に大きな違いがあるからです。
いくら数多くの英単語を知っていたとしても、それら単語を適切な語順で文を作らなければ、相手に自分の意思を伝えることができません。
そのため本記事では、英語の根幹にあたる『文型』を詳しく解説していきたいと思います。特にこれから英語を勉強しようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください!
1.日本語と英語の違いとは
英語は、日本語の言語体系からトックプラスにかけ離れた言語だと言われることがあります。
英語が難しいと感じるにあたって、日本語話者からすると以下のような理由が考えられるでしょう。
①主語に対する意識が異なる 日本語では主語が省略されることが多いですが、英語ではほとんどの場合で主語を言わなければなりません。 |
②使う文字が異なる 日本語は平仮名や漢字を使いますが、英語はアルファベットを用います。例えばフランス語やドイツ語が第1言語の方は、元からアルファベットを使うので英語に親しみやすいはずです。 |
③発音が異なる 英語には日本語にはない発音があります。例えば”she, see, sea”の発音をカタカナにすると「シー」と表記されますが、実際の発音は左から『 [ ʃíː] [ síː] [ síː] 』です。耳を鳴らさなければなかなか聞き取ることは難しいでしょう。 |
そして大きく異なるのが『語順』です。
例えば以下の図のように「彼は昨日、私に指輪をくれた」と言いたい場合、英語で「He yesterday, me a ring gave.」という語順にはなりません。
語順がガラッと変わり「He gave me a ring yesterday.」になるのです。
初見だとチンプンカンプンに感じられることでしょう!
しかし英単語を習得しこの語順さえマスターしてしまえば、自ら伝わる英語を作ることができるのです。なんだかワクワクしてきませんか?
1-1.英語は「言いたいことを先に言う」言語
稀に「英語は客観的な言語で無機質だ」と耳にすることがありますが、決してそのようなわけではありません。以下の疑問文を見てみましょう!
疑問文:Is this my ticket?「これは私のチケットですか?」 |
平叙文“This is my ticket.”を疑問文にすると『be動詞』から始まります。多くの方は一つのルールとして理解しているかもしれませんが、この文には「結論を先に言う」という英語の特徴が含まれています。
この場合、話者が言いたいのは「チケットが私のものなのかどうか」です。
This is my ticket. |
This is not my ticket. |
上にあるように、”is”なのか”is not”なのかを知りたいわけです。そのため『be動詞』を文頭に持ってくることで、話し手に意図を明確に伝えているのです。
同じように”What are you doing?「あなたは何をしているのですか?」”という文も、聞きたいことはやはり疑問詞”what”であることが分かるでしょう。
このように考えると、英語は『話者の気持ちに寄り添った言語』だと言うことができます。
2.文型とは
さて、英語の語順を正しく理解するためには文型への知識が欠かせません。そして文型とは文を作るパターンのことを指します。
つまり、どのような順番で英単語を並べれば相手に伝わる文が出来上がるのかが決まっているのです。
そして文型を理解するには、たくさんの動詞を知っておくことが大切です。
どの動詞を使うかによって文型が決まるといっても過言ではありません。
第1文型になりやすい動詞、第2文型を作りやすい動詞など、ある程度動詞によって作られる文型が決まっていますので、動詞を気にしながら本記事をお読みいただければ幸いです。
3.文型に登場する用語一覧
まずは文型を理解するうえで覚えておかなければならない用語です。
どの参考書でも、文型では主語を意味する”subject”の頭文字をとって『主語=S』と表し、以下の表のように“S, V, O, C, M”を使って文の語順を組み立てていきます。まずはこちらを暗記しましょう!
S (Subject) |
主語【名詞】 「〜は」「〜が」 |
V (Verb) |
動詞 「〜する(動作)」「〜である(状態)」 |
O (Object) |
目的語【名詞】 「〜を」「〜に」 |
C (Complement) |
補語【形容詞・名詞】情報を補ってくれるもの どのような状態であるのか |
M (Modifier) |
修飾語【副詞・前置詞】 場所や時間など |
4.英語の文型一覧
英語を使いこなすにあたって文型は5つあります。まずは以下の例文を読んで、それぞれどのような違いがあるのか言葉で説明してみましょう。
もし分からなければ、後からご説明するのでご安心ください。
文型 |
|
第1文型 SV |
Natsu lives in a detached house. 「奈津は一軒家に住んでいます」 |
第2文型 SVC |
Natsu became a nurse. 「奈津は看護師になりました」 |
第3文型 SVO |
Natsu studies English every day. 「奈津は毎日、英語を勉強しています」 |
第4文型 SVOO |
Natsu gave her son a bicycle as a Christmas gift. 「奈津は息子にクリスマスプレゼントとして自転車を渡しました」 |
第5文型 SVOC |
Natsu calls her dog One. 「奈津は犬のことをワンと呼んでいます」 |
5. 第1文型の特徴とおさえるべきポイント
第1文型SVのVには自動詞がきます。そして自動詞とは「主語だけで自己完結できる動詞」のこと。例えば以下の英文をご覧ください。
① I run.「私は日常的に走っています。」(自動詞)
② I bought.「私は買いました。」(他動詞)
①の英文では、主語である「私」は「自身で走る」だけで動作が完了します。しかし②はいかがでしょうか。
「買った(bought)」と言う動作は「私だけ」では完了しません。
実際に購入した「モノ」がなければ不完全な文となってしまいます。そのため第1文型に置くことができる動詞は『主語だけで完結する自動詞』を置かなければならないのです。
以下にいくつか自動詞の例を挙げてみました。ご確認ください。
・例文
I and Bruce walked home together. 「私とブルースは家まで一緒に歩いた」 |
We will go to America next year. 「私たちは来年アメリカに行きます」 |
My dog is lying on the table . 「私の犬がテーブルに寝そべっている」 |
6. 第3文型の特徴とおさえるべきポイント
説明の都合上、第2文型をスキップして第3文型についてお話します。
前項で上げた自動詞に対して『主語だけで完結できない動詞』を他動詞と呼びます。
下記の③で示している「買った(bought)」のように「(何かを)買う」動作は主語以外に必要な対象を置かなければなりません。
例えば日本語でも唐突に「私は買った!」とだけ言われても意味が理解できないと思います。そのため『何を購入したのか』を言う必要があります。
英語では、その対象を動詞の後に置きます。そして他動詞の後に置かれる名詞のことを目的語(O)と呼びます。
③ I bought a famous book.「私は有名な本を購入した」
③ように、第3文型SVOは目的語を必要とし、他動詞が登場する英文であることを覚えておきましょう!
・例文
He had breakfast, reading a newspaper. 「彼は新聞を読みながら朝食を取りました」 |
She hit the ball farther. 「彼女は遠くにボールを飛ばした」 |
Bruce posted this picture on social media. 「ブルースはこの写真をSNSにアップした」 |
6-1.自動詞と他動詞の見分け方
第1文型SVと第3文型SVOは動詞で決まってしまうのです。では、どのように自動詞と他動詞を見分ければ良いのでしょうか。
まずは動作に対して「何を???」と聞いてみましょう!
例えば「私は走ります」に対してこの質問を投げかけると、質問が成立しません。しかし「私は買います」に対して「何を?」と問うことは自然な問いかけだと感じられます。
質問が成立しない場合は目的語を必要としないため自動詞、対して質問が成立する場合は目的語が必要となるため他動詞だと、ある程度見分けることができます。
私は走ります。 |
→ |
何を? |
→ |
質問が成立しない。 |
→ |
自動詞 |
私は買います。 |
→ |
何を? |
→ |
質問が成立する。 |
→ |
他動詞 |
また、なかには一つの動詞に自動詞と他動詞の意味が含まれている場合があります。
I run every morning. 「私は毎朝走っています」 |
I run this restaurant. 「私はこのレストランを経営しています」 |
このように二つの役割を担っている動詞もあるので、登場した際はぜひメモをして覚えておきましょう。英文法の理解が各段に進むはずです。
7. 第2文型の特徴とおさえるべきポイント
第2文型SVCは『S=Cが成り立つ英文』だと言うことができます。補語は主語の情報を補う語で、主語がどのような状況・状態であるのかを指し示します。
④ He is a student.「彼は学生です」
例えば④は『彼=学生』という関係性が成り立ちます。このように、主語と動詞の直後の名詞がイコール関係で結ばれる場合は第2文型SVCだと言うことができます。
そしてこのSVCを作りやすい動詞はおおよそ決まっているため、以下の例文と単語表をチェックしてみてください。
・例文
His son became a big star. 「彼の息子はビッグスターになった」(彼の息子=ビッグスター) |
She looks nervous. 「彼女は緊張しているように見える」(彼女=緊張している) |
Your cooking tastes good. 「あなたの料理は美味しい」(あなたの料理=美味) |
・第2文型を作りやすい動詞
grow |
成長する |
seem |
〜に見える |
smell |
匂う |
keep |
保つ |
8.第4文型の特徴とおさえるべきポイント
第4文型は『渡すニュアンスを含んでいる動詞』が頻出します。そして動詞の後に目的語(O)が2度続くのが特徴です。例えば以下の例文を見てみましょう。
⑤ I gave Miki a ring.
「私は彼女に指輪をあげた」
⑥ My teacher taught me math.
「先生は私に数学を教えてくれた」
⑤も⑥も下線部の名詞が2回続いています。そして意味に着目してみると⑤は「指輪が私から彼女に渡されて」おり、⑥は「先生から私に数学(知識)が渡されている」ことが分かります。
このようにモノや知識を渡すニュアンスのある動詞が使われる場合は第4文型を取りやすいです。
・例文
A guide showed me a map. 「ガイドさんが私にマップを見せてくれた」 |
My classmates sent me a birthday card. 「クラスメイトたちが私に誕生日カードを送ってくれた」 |
His father made his daughter a cup of coffee. 「彼の父は娘に一杯のコーヒーを作った」 |
9.第5文型の特徴とおさえるべきポイント
第5文型SVOCは『O=Cの関係』を作る文型です。この文型についても、ある程度動詞が決まっているのでぜひ覚えておいてください。
ちなみに第5文型は、TOEICや実用英語技能検定などの資格テストや学校の試験でよく狙われるトピックです。
⑦ We call this cat Ram.
「私たちはこの猫をラムと呼んでいます」
⑦の文は『O=this cat』『C=RAM』であり、第4文型SVOOのように渡すニュアンスは含まれていません。そしてこの場合「この猫=ラム」という構図が成り立ちます。この構図こそが第5文型SVOCの特徴です。
補語であるCが目的語Oを詳しくするイメージです。
・例文
I will make you happy. 「私はあなたを幸せにします」 |
My grandfather printed the wall gray. 「私の祖父は壁をグレーに塗った」 |
He always keeps the door open. 「彼はドアを開けたままにしている」 |
10. これら基本文型に形容詞や副詞をプラスしてみる
今までご説明してきたこれらの文型に、形容詞や副詞を取り入れることで英語の表現の幅が一気に広がります。
基本的に『形容詞は名詞の直前につける』『副詞は比較的自由で、文頭、動詞の前後、文の最後のいずれかにつける』ことを意識していただければ問題ないと思います。
・例文
Both companies finally agreed to terminate the contract.【第1文型】 「両方の会社は最終的に、契約切りに同意した」 |
My favorite restaurant will open its fifth location next month.【第3文型】 「お気に入りのレストランが来月、5店舗目をオープンする」 |
The news that he won the game made her glad.【第5文型】 「彼が試合に勝ったというニュースは彼女を喜ばせた」 |
11.おわりに
英語を正しく使いこなすには語順への理解が必要です。英語は結論を先に言いたがる言語だということ。そして文を作るパターンは5種類存在し、おおよそは動詞で決まってくるということ。これらを理解してあなたらしい英語を使っていきましょう!
日常会話では文型にこだわりすぎず「伝わればオッケー」くらいの気持ちでいることも大切です!
みなさまの英語ライフが有意義なものになるよう、陰ながら応援しています!