英語習得は5歳までが勝負!?脳科学から見えてきた5歳の英語学習法
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子供が5歳になると、「成長したな。」と感じることが増えますね。
語彙力が増え、話し言葉が流暢になり、自分の考えや気持ちを上手に表現できるようになります。
社会性を身につけ、集団生活のルールを守り、お友達の気持ちを考えるようにもなりますね。
そんな5歳は幼児期と言われる最後の年です。
英語学習の方法も「幼児期」と言われるくくりから、次のステップに向かってアプローチを変えていく時期でもあります。
この記事では、そんな5歳のお子さまを持つ保護者さまに、脳科学や子供の発達段階の知見を参考に「5歳児の英語学習」に焦点を当てて、情報を共有してみたいと思います。
5歳という貴重な1年を、幼児期総仕上げの1年にしていきましょう。
英語は5歳までが勝負⁈ 脳科学者「茂木健一郎氏」の主張
脳科学者の「茂木健一郎氏」は、英語早期教育の重要性を強く訴える脳科学者のうちの1人です。
脳が急速に成長する「5歳まで」に、
- 英語を大量に聞くこと
- 英語を好きになっておくこと
の重要性を、ご本人の著書「5歳までにやっておきたい英語が得意な脳の育て方」で主張されています。
中でも英語の歌を聞くことが、幼児期の英語学習にとても効果があるそうです。
脳には、
- 言語を理解する、ウェルニッケ言語野
- 言語を作る、ブローカー言語野
という2つの言語野があります。
英語の歌は、言語を作る「ブローカー言語野を活性化させる」と茂木氏は言います。
この分野が活性化すると、
- 英語を話す能力
- コミュニケーション能力
が向上しやすくなるので、英語を話すということが容易になるそうです。
「英語の歌を聞くだけで、そんな効果があるの?」
と嬉しくなります。
保護者さまの中にも、
「洋楽をよく聞いていた友人は、英語が得意だった。」
という記憶を持つ方がいらっしゃるかも知れませんね。
小学生になると他教科の学習も始まり、忙しくなります。
比較的時間に余裕のある就学前の5歳の時期に、
- 英語を大量に聞く
- 英語の歌を聞いて楽しく歌う
そんな1年にしてみるのも良いかもしれません。
5歳が英語を学ぶメリット3選
5歳は幼児期から学童期へと移行する最後の1年です。
そんな5歳の子供たちの特徴を考慮して、この時期に英語を学ぶ「メリットを3つ」お伝えしたいと思います。
1. 言語習得が容易な時期である
「乳幼児は何カ国語も聞き分ける能力を持っている」ということを聞いたことがあると思います。
「その能力はいつまで続くの?」と疑問に思ったことはないですか?
以下にアメリカの言語博士が行った研究結果の一部を3つご紹介します。
- 乳幼児は、生後10か月から3歳頃まで「言語の音」を認識し登録を行っている
- この間、統計を取った言語は複数であっても違いを認識する能力がある
- 3歳を過ぎる頃、知らない言語の音は認識し辛くなっていく
とても興味深い内容ですね。
3歳までに、英語を聞かせておくことが大切ということが分かります。
「5歳はもう間に合わない?」と思われたかも知れませんが、そんなことはありません。
使わない能力は低下していきますが、上の図に表示されている通り、5歳はまだまだ言語習得能力が高い年齢です。
(※この図は「第二言語習得の臨界期」を表しています )
3歳から7歳までは習得能力が高く、17歳では難しくなってしまうことが確認できます。
5歳はまだまだ英語を容易に身に付けることができる時期です。
これから英語学習を始める・続けることで、バイリンガルも夢ではないでしょう。
2. 右脳優位なので感覚的に言語を習得できる
6歳頃までは、音・映像・言語などを感覚的に捉える「右脳が優位」と言われています。
英語も理屈ではなく「感覚」で学んでいます。
感覚で学ぶことができるのは幼児期の特権です。
この時期は、「聞く」「話す」能力を向上させることに注力すると良いでしょう。
個人差はありますが、7歳頃から徐々に記憶を積み重ねて全体を捉える「左脳の働き」に移ると言われています。
左脳に移る頃より、「読む」「書く」「学習」を取り入れると無理がないでしょう。
3. 自発性・社会性を育てることができる
5歳になると、自発的に何かを学ぼうとする意欲がでてきますね。
たくさん褒めて、やる気を伸ばす良い時期です。
この頃の「熱中体験」は、小学生になってからも自発的に学習する姿勢を育てます。
社会性も出てくる時期なので、英語を学び異文化に触れることで
- 他者への理解
- 異文化への興味
- 国際的な視野
を育てることもできるでしょう。
言語習得能力が高く自発性・社会性の育つこの5歳に、英語を学ぶことで得られるメリットは大きいと考えます。
【5歳×英語学習】効果的な英語学習のアプローチ!
5歳までに可能な限り英語をたくさん聞くことで、英語を自然に習得していけるのであれば、なんとかその環境を作ってあげたいですね。
5歳はインプットが大事な時期です。
英語の歌、映像、絵本などを活用して、英語に触れることから始めてみましょう。
自宅での英語学習
幼児期は、右脳を刺激するアプローチで英語を学ぶことが効果的です。
- 視覚からの刺激(絵・動画)
- 英語の歌を聞いて歌う
- 身体を動かしながら英語を学ぶ
5感を活かして「聞く」「話す」を中心に、お子さまが楽しめる環境を作ってあげて欲しいと思います。
ただし5歳になると、受け身的な教材には興味を示さない傾向もあります。
そのようなお子さまの場合、
- ゲームやクイズを使って英語を学ぶ
- 英語を使ったごっご遊び(お買い物ごっこなど)
- 英語の絵本でQ&A
のようにインタラクティブな方法で、保護者さまと英語でやり取りをしながら一緒に英語を楽しむ環境が理想です。
英語に自信がない、時間が思うように作れないといった保護者さまの場合、お子さまが「自ら体験」しながら英語を学ぶことができるアプリや教材を活用すると良いでしょう。
教育用であれば、効率良く学べるように体系化されています。
子供が夢中になる仕掛けもあるので安心して使用することができるでしょう。
英会話教室やオンライン英会話レッスンを活用
乳児期から自宅で英語学習を続けているというお子さまの場合、
「英語以外に興味が移ってしまった」
という時期かもしれません。
そんな様子が見られたら、「実際に英語を使う体験」をさせてあげると良いでしょう。
英会話教室に通うことを視野に入れても良いのでは、と考えます。
他の子供たちと一緒に英語を学ぶことで、「英語を学ぶ意味」を体感させてあげることができるからです。
加えて英語教室は、年齢に合わせて楽しみながら学べる工夫もされています。
「楽しい!」「英語が分かる!」といった経験から、英語への興味を取り戻してくれるのではないでしょうか。
英会話教室に通わせる時間がないという保護者さまの場合、自宅でオンライン英会話レッスンを受講させるのもお勧めです。
先生と英語を話す経験は、新しい刺激になるでしょう。
5歳は、人とのコミュニケーションが上手になる時期です。
このタイミングで「英語でやりとりをする機会」を設けることは、英語への好奇心を育てる良いきっかけになりそうです。
脳科学・発達段階×5歳の英語学習 のまとめ
5歳は、脳科学・発達段階の側面からも「英語を学びやすい1年」であるということをお伝えしてみました。
もう一度要点を以下にまとめます。
脳科学・発達段階×5歳の英語学習
- 脳科学者・茂木健一郎氏は、5歳までに英語を大量に聞く重要性を説いている
- 英語の習得が容易な時期である
- 右脳が優位な時期なので、英語を感覚的に習得できる能力がある
- 右脳を刺激するアプローチで、英語学習をすることが効果的
- 体験型の英語学習を好む傾向
- 自発性・社会性が育つ時期なので、外に目を向けた英語体験が好奇心を育てる
大切にしないと勿体ないと思える1年ではないでしょうか?
お子さまが5歳で英語を学び始めたら、シード権を獲得したようなものです。
その後も継続できるように、英語への興味を育ててあげてくださいね。