アメリカと日本の子育ての違いは?海外の子育てから学ぶべきこと
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あなたは子育てをしていて、このような悩みを抱えていませんか?
子育てに正解はないと言われるものの、子供に真剣に向き合うほど子育てに関する悩みや疑問が生まれてくるものです。
この記事では、そんなあなたにアメリカの子育てについて詳しく解説します。
アメリカの子育ては、日本で「常識」と考えられている子育てとはさまざまな点で異なります。
それは、子育ての目的や方向性が大きく異なるからです。
どちらの子育てが正しいということはありません。
アメリカの子育ての方法や考え方を知ることで、「こんな子育てもアリなんだ」とあなたの視野を広げることに役立ててもらえたら嬉しいです。
自立心を育むアメリカと協調性を養う日本
そもそも、アメリカと日本の育児は方向性が異なります。
子供を叱る場面を思い浮かべてみてください。
誰かに迷惑をかけたときに叱ることが多いのではないでしょうか?
このように日本では、周りの人と上手に付き合えるように「協調性を養う」ことを目的とした子育てをすることが特徴です。
それに対して、アメリカでは子供の「自立心を育む」ことを目的としています。
何かあるとすぐに子供に「どう思う?」と聞いて、小さい頃から子供の考える力や個性を伸ばそうとする傾向があるのです。
また、お父さんとお母さんの影響力も日本とアメリカで異なります。
日本ではお母さんの方がお父さんよりも子供と過ごす時間が長いためか、お母さんの存在が大きく、子供のことで意見が食い違うとお母さんの意見が通ることが多いです。
しかし、アメリカでは夫婦2人で話し合って決めることを基本とし、どうしても結論が出ない場合はお父さんが決めることが多いという傾向があります。
このように、子育ての方向性や意思決定者が異なることで日本とアメリカの子育てのやり方にも大きな違いを生み出しています。
次章で詳しく見ていきましょう。
日本にはないアメリカの子育ての特徴
日本とアメリカは子育ての方向性が異なるため、子育ての常識も下記のように大きく異なります。
- 夜に両親と子供が別室で寝る
- 子供と一緒にお風呂に入らない
- 幼い頃から子供が自分でお金の管理をする
- 子供を褒めたり自慢したりすることが多い
- 子供に決めさせる
- 子供が泣いても泣き止ませない
- しつけとして叩いたり放置したりすることはない
ここでは、アメリカの子育ての常識について詳しく解説します。
日本の子育てとの違いに驚くとともに、学びもあるはずです。
ぜひ参考にしてください。
夜に両親と子供が別室で寝る
アメリカでは、生まれた直後から数ヶ月程度は母親と一緒に寝ますが、そのあとは赤ちゃんであっても子供部屋で1人で寝ます。
これは、赤ちゃんであっても大人と同じように1人の人間でプライバシーが確保されるべきであるという考えに基づいているからです。
日本のように、親子で川の字で寝るということはアメリカにはありません。
「赤ちゃんが夜泣きするのでは?」と、気になる保護者もいるでしょう。
日本では赤ちゃんが夜泣きをすると保護者がすぐに対応しますが、アメリカでは赤ちゃんの部屋にすぐに駆けつけずにしばらく様子を見ます。
こうすることで、赤ちゃんは泣き疲れて自分で寝ることを覚えるからです。
とはいえ、アメリカの家庭も別室で寝ている赤ちゃんを完全に放置するのではなく、部屋にベビーモニターを設置して、異常が発生したときにはすぐに駆けつけることができるようにしています。
子供と一緒にお風呂に入らない
親子の入浴についても寝室と同様にプライバシーの観点から、親子で別々に入浴します。
そもそもアメリカ人は日本人とは異なり、湯船に入る習慣はなくシャワーで済ます人が大半です。
つまり、入浴中に溺水事故などの事故が起こりづらいため、日本の入浴よりは安全であるという特徴があります。
子供が1人でシャワーを浴びるのが難しい場合は、親は一緒にシャワーを浴びるのではなく、服を着たままシャワールームの外から見守るのが一般的です。
逆に、親が子供と一緒にシャワーを浴びていることが周囲に発覚すると、わいせつ行為あるいは児童虐待であると捉えられることがあります。
特に、父親と娘が一緒に入浴することについては注意することが必要です。
幼い頃から子供が自分でお金の管理をする
日本では子供がある程度の年齢になるまで、親が子供のお年玉を管理したり、年齢に合った金額の小遣いを渡したりしてお金の管理をしていることが一般的です。
アメリカでは幼い頃から金銭感覚を身につけさせるために、子供にまとまった額のお金を渡して、その中から自分でお菓子や日用品などを購入したり、お金の管理をさせたりします。
おやつや遊びに使いすぎてしまって必要なものが買えなくなってしまうことももちろんありますが、その際には翌月からお小遣いとして渡す金額を調整したり、毎月お小遣いから親に返済するようにしたりする家庭が多いです。
子供を褒めたり自慢したりすることが多い
アメリカでは積極的に子供を褒めます。
特に、何かを自力でできたときに、”I’m proud of you.”「あなたを誇りに思うわ。」と言って褒めることが多いです。
少し大袈裟な褒め方に感じるかもしれませんが、大袈裟にそして頻繁に褒められることで子供の自己肯定感が高まるのです。
また、日本では周囲に自分の子供について話す際には自慢をしない、あるいは謙遜するのが美徳であるとされていますが、アメリカでは異なります。
逆にアメリカでは家族のことを悪く言うと、相手にネガティブな印象を与える可能性があるため注意が必要です。
過剰な自慢はしませんが、身内のことであっても積極的に褒めます。
子供に決めさせる
アメリカでは、自主性や積極性が重んじられていることから、洋服、食べたいもの、そして習い事などさまざまなことを小さい頃から子供自身に考えさせて、選択や判断をするよう教育する家庭が多いです。
そのため、アメリカでは子供の選択や行動に対して否定することがほとんどありません。
「そんな育て方をしたら、子供がワガママになってしまうのではないか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、これは「自分の選択に責任を持つ」ことにつながります。
あとから子供が「やっぱり辞める」と言っても、「あなたが決めたことでしょ」「すぐに諦めないで。あなたならできる」と声掛けしながらサポートする保護者が多いです。
また、子供の言動を肯定することで、子供の自己肯定感を高める効果もあります。
子供が泣いても泣き止ませない
日本では公共の場で子供が泣くと、親は周囲の目を気にして泣き止ませようとするものですが、アメリカでは異なります。
アメリカでは公共の場で子供が泣くと、人が少ない場所や車の中など周囲に迷惑をかけない場所に子供を連れて行って、思いっきり泣かせます。
それは、子供が泣くのは感情表現の1つで、成長過程に欠かせないステップであると捉えられているからです。
自己主張を重んじるアメリカでは、「泣く」行為も自分の考えを主張するための行為であると考えており、「わがまま」や「恥ずかしい行為」であるという認識はありません。
しつけとして叩いたり放置したりすることはない
アメリカでは「虐待」として認識されることから、子供を叩いたり放置したりすることはありません。
「タイムアウト」という方法を使って子供をしつけます。
「タイムアウト」とは、子供が何か悪いことをしたら、部屋の隅など決められた場所に一定時間座らせて反省させるという方法です。
これは「罰」ではなく親子ともに落ち着かせるための時間として行い、生後18ヶ月前後から始めます。
互いに落ち着くことができれば、タイムアウトの後に冷静に話し合いの時間を設けて問題を解決することができるようになるでしょう。
タイムアウトのやり方はそれぞれの家庭で異なりますが、下記の手順を踏むことが一般的です。
STEP1: 「〜するなら、アイムアウトにするよ。」と子供に冷静に警告する
STEP2: タイムアウトにする前にその理由を冷静に子供に伝える
STEP3: タイムアウト開始。タイムアウトの時間は年齢×1分が目安。
STEP4: 時間が経って子供が落ち着いたらタイムアウト終了。
STEP5: 親子で話し合いの時間を設けて、何が悪かったのかを子供に説明する。
STEP6: 親が伝えた通りの行動を子供が取れたら、子供を思いっきり褒める
タイムアウトを実施する場合、下記の2点に注意しましょう。
- 「タイムアウト」をすることを子供に伝える際は、脅迫のようにならないようにすること
- 「タイムアウト」する場所は、誰もいない場所や暗い場所にしないこと
興味がある方は、ぜひ実践してみてください。
まとめ:アメリカ式の子育てで子供の自己肯定感が高まる!
アメリカの子育ては、日本とはさまざまな点で異なることが分かりましたか?
冒頭でもお伝えした通り、子育てに正解はなく、どちらの子育ての方が優れているということはありません。
しかし、他の国や地域の子育て方法を知ることで、「こんな方法で育てる方法もあるんだ!」「こんなやり方で育てると子供の自己肯定感を高めることにつながるんだ!」と学びや気づきにつながります。
アメリカでの子育ての方法を見て、良い部分や参考になるやり方はどんどん取り入れていきましょう!