おうち英語をしないと発音は伸びない?|新!保護者の知恵袋 #13
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保護者の悩み(男の子 8歳)
早くから英語に親しむと発音が良くなると聞き、3歳から英語教室に行かせてますが、8歳になった今でもあまり上達してるように思えません。
やはり、家庭でも英会話を取り入れないと飛躍的な英語力(発音)を伸ばすことは難しいのでしょうか?
ちなみに両親とも英語は喋れません。
家庭内でも英会話を取り入れないと英語の発音を伸ばすことは難しい?
小さなころからネイティブの発音を聞かせることで「英語耳」が育つと言われます。
お子様の将来を考えて、幼少期から英語教室に行かせる保護者さまもいらっしゃいますね。
今回はお子様の英語の発音に関してのご相談です。
子供の英語の発音を良くするために必要なこと
英語の発音は、子供のうちから勉強すると正しい発音が身につきやすいそうです。
その理由のひとつは、文法などの理屈が先立つ大人に比べて、子供は英語を「音」としてとらえることができるからだと言われています。
少し科学的な話ですが、私たちの脳は「左脳」と「右脳」に分けられます。
脳には様々な機能がありますが、そのうち「言語」を司るのは「左脳」です。
子供の脳は右脳から先に発達が始まり、後に左脳が育ちます。
10歳くらいになると左脳の発達も落ち着いて、右脳・左脳のバランスがとれてくるそうです。
言語理解の基盤となる母国語が構築されるのもこのころとなります。
ということは、第二言語である英語は、母国語が整ったこの後から次第に効果が表れるはじめるのではないでしょうか。
幼いころから英語を学ぶメリット
子供が英語を学ぶことのメリットは「発音」に関するものだけではありません。
「自国」「外国」の垣根がない子供は、異文化への抵抗感も少ないため、「英語を話さなければ」というプレッシャーが弱く、ごく自然に英語を使ったコミュニケーションを受け入れられます。
また、日本人は自分の英語、特に発音をほかの日本人に評価されることを極端に恐れがちです。
子供であれば「人からの評価」を過大に恐れることなく、トライすることができるでしょう。
例えその発音がつたないものであったとしても、外国語は使えば使うほど磨かれていくものです。
自由な心を持つ子供のうちから英語に触れさせることは多くのメリットを享受できますね。
子供の英語の発音が良くならない原因と対策
子供の英語の発音をよくするためには、まずはなぜ発音が良くないのか理由を探ってみましょう。
発音がよくない理由
- そもそも英語に興味がない
- 勉強時間が足りていない
- アウトプットする機会が少ない
理由その①:英語に興味がない
お子さまが定期的に英語のレッスンを受けているのにも関わらず、思ったほどの効果が見えない場合、まず真っ先に思いつくのが、お子さま自身が英語に興味を持っておられないというパターンです。
小学校中学年までは、周りのお友達が英語を習っていないため、話題にならないこともあり得ます。
そのせいで、お子さまも周囲と同じように、英語にあまり関心が沸かない状態なのかもしれません。
英語にもっと関心を持ってもらうためには
- 携帯のアプリで動画やゲームを見せてみる
- 英語教室を変えてみる
- 先生を変えてみる
- オンライン英会話をする
など、外部との接触を増やしてみてはいかがでしょうか。
理由その②:勉強時間が足りていない
一般的に、英語を流暢に話せるようになるには、3,000時間が必要だそうです。
1日2時間、毎日勉強しても約4年かかる計算になります。
質問者さまのお子様の場合で考えますと、仮に週1回約25分の教室であれば一年で約40時間です。
3歳から8歳までの5年間で約200時間が勉強に充てられたことになります。
ただし、3,000時間という条件は「英語に不自由を感じない、ネイティブと対等レベル」となる時間数です。
カジュアルに英会話を楽しみたい場合はもっと短めでもかまいません。
まずは500-1,000時間を目標に勉強をしてみましょう。
理由その③:アウトプットする機会が少ない
たとえたくさんの単語を覚えても、使わなければいつかは忘れてしまいます。
「使う」というのは、アウトプットするということです。
英語で会話をしたり、日記を書いたり、歌を歌ったり、試験を受けたり、「英語で」何かを行うようしましょう。
一日5分を3回など、時間は短くても構いません。
いつもの英語教室のレッスン以外にも、英語のキッズ交流会がないか、英語で行われる季節のイベントがないかなど、常にアンテナを張って情報をキャッチしましょう。
お子様も、同年代の子供たちが英語で会話することは、良い刺激となるはずです。
また、英語教室がグループレッスンならば、個人レッスンを加えるか、オンライン英会話などを検討してみてください。
多くのオンライン英会話は、1対1のレッスンが提供されており、25分間、プロの講師がお子様の英語だけに集中して指導をしてくれます。
発音をよくするためにできること
子供の英語の発音を良くするためには以下の方法がお勧めです。
ぜひ日々の勉強に取り入れてみてくださいね。
発音を良くする対策
- フォニックスを勉強する
- 音読を行う
対策①|フォニックスを勉強する
日本の子供たちが「あいうえお」の読み書きを一から習うように、英語圏の子供たちもアルファベットの読み書きを習います。
その英語の読み書きに関するルールが「フォニックス」です。
フォニックスは子供から大人まで、知っておくと役に立つルールがたくさんあります。
お子様がフォニックスを習うなら、それを機会に保護者さまも一緒に取り組んでみませんか。
フォニックスについて、少しだけ解説いたします。
ABCで見てみましょう。
- A, a=エイ(名前)| ア(音)
- B, b=ビー(名前)| ブッ(音)
- C, c=シー(名前)| クッ(音)
すべてのアルファベットには「名前」と「音」があります。
「名前」はABCを呼ぶ時に使われます。
例:「”A”を書きましょう」など
「音」はABCを組み合わせて「単語」を作ったときに使われます。
例:book, train, apple, car…
“Book”は、「ビーオーオーケイ」ではなく「ブック」など、どの単語も「アルファベットの名前」では発音されず、フォニックスで決まっている「音」のルールによって読むことができます。
これらのルールを覚えれば、英語全体の約7割りの単語が読めるとのことです。
フォニックスはとても大切なルールなので、メジャーなオンライン英会話スクールであればプログラムとして扱っているところがたくさん見つけられます。
興味があれば、ぜひ探してみてください。
対策②|音読をする
英語の発音は日本語とは違う口周辺の筋肉を使って行われています。
英語用の筋肉がついていない状態では、ネイティブのような発音にはなりません。
普段の勉強に英語の音読を加えることで、口周辺の筋肉を鍛えることができるでしょう。
また、音読をすることで、英語をまとまりで捉え、文の構成や論展開をつかみやすくなります。
そのため、内容理解が深まり、学習効果を最大化できるなどといった効果もあります。
子供の音読練習には、お気に入りの絵本を声を出して読んだり、英語の歌を歌ったりするのがおすすめです。
たくさんの量を読み込むよりも、毎日続けることが大切です。
音読を継続して行い、ネイティブと同じような口の動きが自然にできるようになることで、より「英語らしい」発音になることが期待できます。
まとめ
今回のお悩みには、まずは「10歳ぐらいまでは様子を見る」ことをお勧めいたします。
言語脳である左脳が整い母国語が確立されると、第二言語への理解もより深まることが予想されるためです。
それまでにインプット量を増やしたい場合は、英検などの試験を受けてみたり、週に1回程度のオンライン英会話レッスンを追加するなど、お子様の性格に合わせて刺激を与えるのも効果があるかもしれません。
せっかく英語を話すなら、発音もネイティブのようにきれいになって欲しいと願うのは当然のことです。
例えネイティブの子供であっても「子供のが話す発音」というのは聞き取りにくい場合もあります。
成長期にあるお子様には、まずは「英語を好きでいてもらう」ことを最優先にして、英語ライフを楽しんでくださいね。