目指せ英検準2級合格!英検面接対策マニュアル
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実用英語技能検定(以下英検)の3級以上には、二次試験(スピーキング)があります。面接形式の場合は試験官と1対1(1級の場合は2対1)で行われる形式で、全て英語で受け答えをする試験です。
一次試験を合格した受験者のみが受けることができ、どの級でも一次試験と比べ合格率が高いです。しっかりと対策していけば、一次試験を合格できた実力がある場合心配はないでしょう。
不吉な話ですが、万一落ちてしまったとしても、1年間は一次試験免除が可能です。仮に失敗しても次の回でチャレンジすることだってできます。気負い過ぎず適度な緊張感で試験に臨めると良いですね。
この記事では、英検準2級の面接試験に注目し、細かな受け答えのコツ、合格に必要な点数などを解説します。
実際の面接の形式
試験自体は7分ほどの短いものですが、
・入室
・簡単な会話(アイスブレイク)
・カードに書かれた文章を黙読
・黙読したものを音読
・Question1~Question5(以下Q1~Q5)の設問に答える
・退出
と6つのステップがあります。
英検準2級の面接試験は、音読5点、Q1~Q5各5点、態度点(Attitude)3点の計33点満点で、合格点はおよそ67%であると言われています。少し余裕をもって22点以上取れるように練習をしましょう。
また、態度点と聞くと、礼儀正しくすれば3点もらえると勘違いする受験者がいますが、礼儀正しく受け答えすることは当たり前です。
そこを評価されることに期待すべきでないでしょう。あくまでこの点数は礼儀正しい良い子であるのか、という観点ではなく英語を用いてコミュニケーションをする意欲はあるかという観点で評価されます。
自信がなくても、恥ずかしくても、相手の顔を見ながら大きな声でハキハキと話し、意欲を面接官へ伝えましょう。
面接試験において一番気をつける点は、発音や内容も大切ではありますが、声量と黙らないことの二つです。この二つが欠けてしまうと、単純に面接官が評価できず、部分点すら望めないためです。
具体的な注意点
入室段階から、試験はすでに始まっています。
まずノックを3回した後、少し扉を開け、
” May I come in?”
と入ってもいいか確認をとります。
いきなり扉を開けてもいいのか、と思うかもしれませんが、試験会場は広く、隣の部屋でも同じように試験が行われています。
扉越しの声はほとんど通りません。基本的に係の方から事前に入出許可が下りてから試験に挑むので、扉の前でひたすら待っている必要はありません。
そもそも、大きな声で失礼します!と言って入室し合格した教え子もいました。いつもの癖なのでしょうね。
あまり気負いせず、伸び伸びと挑戦して下さい。
入室後はしっかりと、
” Hello!”
と大きな声で挨拶しましょう。
コロナウィルス対策の影響で、全ての人間がマスク着用義務のものと試験が行われます。ただでさえ緊張して声量が落ちてしまいがちな状況に、マスクで声が曇るというハンデまであるのです。いつもの3割増しは心掛けましょう。
“Hello. May I have your card, please?”
と受験カードを求められるので、
“Here you are.”
としっかり受験カードを手渡しましょう。
“Please have a seat.
と席を勧められた後、礼を言って着席します。
“May I have your name, please?”
と名前を聞かれたら、
“My name is Taro Yamada.”
としっかりハキハキと答えましょう。
その後、
“Ok. Mr. Yamada. How are you today?”
“This is the 3rd grade test, is it ok?”
“How old are you?”
“Do you play sports?”
“How did you come here today?”
“What did you do last night?”
といった簡単な確認や日常会話が行われます。
これはアイスブレイクといって、あくまで受験者の緊張を解きほぐすため、面接官が自身の用紙に必要事項を記入する時間稼ぎのために行われるものです。態度点には響くでしょうが、多少口ごもっても気負わないようにしましょう。
緊張で頭が真っ白になってしまった。面接官が何を話しているのかわからなかった、という場合は素直に聞き返しましょう。一回聞き返すくらい失礼なことではありませんし、そこで黙って俯いしまっては、何もわかっていないなと誤解されてしまいます。
“Sorry? Could you say that again?” (Could you repeat that again? でも良い)
と聞き返すフレーズは丸暗記しておきましょう。簡単な会話のあと、問題カードを渡されます。
“Please read the passage silently for 20seconds.”
と言われたら、黙読をします。黙読時には、頭から全て読むのではなく”so” “by doing so” “in this way”という接続副詞を探し、場所を覚えておきましょう。
これらのキーワードの前の文がQ1の答えになるためです。英検面接問題は全て型が決まっており、こう聞かれたらこう返す、というものが存在するのです。
その後は音読です。
“Please read the passage aloud.”
と指示をされます。例え発音に自信がなくても、読めない単語が混ざっていたとしても途中で止まらず、大きな声で最後まで読み切りましょう。
Q1は、基本的に”Why~?” か” How~?” で尋ねられます。
Whyで聞かれれば”Because~.”と答えましょう。残りはキーワードの前の文を読むだけですが、その時主語を代名詞に置き換えることも忘れないよう意識することが必要です。Howで聞かれればBy~ing…の形で、主語を省略して読むだけで満点が取れます。
模範解答例を参考に型を学びつつ過去問に多く触れましょう。毎度似たような形式が問われていることに気づくかと思います。
Q2は、絵を見て質問を答えるものです。
5人(時々6人)の登場人物の動きをそれぞれ質問の形に合わせ、
“A boy is ~ing.”
“A woman is ~ing.”
“Two girls are ~ing.”
の形で全て答えられるように練習しましょう。これもQ1と同じく、毎年のようによく出る動きがあります。過去問に多く触れれば、”drink”, ”plant”, “feed”, “count”, “carry”などの語が頻出であることも気づくかと思います、
Q3も同じく絵を見て答える問題ですが、状況をわかりやすく簡潔に説明する必要があります。
問題は2パターンあり、
何かをしたいが何か障害があってできない。
何かトラブルが発生しており、それを解決するために何かをしようとしている。
です。
基本的に接続詞である”but”, “and”, “so”, “because”のいずれかを用いて説明できるように練習しましょう。
“A man can’t open the door because he has a lot of books.”
以上のような短い文でも、スムーズにミスなく答えさえすれば高得点が期待できます。
Q4, 5は個人的な内容を英語で尋ねられる形式です。
“Do you think people will eat at restaurants more often in the future?”
“There are many different kinds of housework. Do you do any housework?”
のようなYes/No Questionが尋ねられます。ここではどちらを答えても追及されます。
“Yes” と答えれば、
“Please tell me more.”
と追及されます。
3級までは、”No” と言えばほとんどの場合質問内容が変わりました。そのため、答えにくいなと感じた場合はNoと答えて質問を変えるという作戦が使えましたが、準2級では”Why not?” と追及されてしまいます。
また、3級と異なり2文ほどの文量で答えることも求められます。パッと聞かれた質問に対して二文以上で答えるという行為は、やはり練習なしでは不可能でしょう。
一番ダメなことはとにかく、答えが思い浮かばず黙ることです。
何でも良いので、最悪嘘でも一単語でも良いので何かを言いましょう。黙ってしまうと、0点となり次の問題へ飛ばされてしまいます。何か口に出すということが面接において一番大切です。
また、誤解を恐れずに言うと英検面接試験において嘘は方便です。別に家事をやらなくても、
“I wash dishes every day after school. I like helping my mother.”
と答えても良いのです。
面接試験ではとにかく話すことが求められます。時には考える時間を稼ぎたい、相手が何を質問したいのか確認するために、もう一度聞き返すことも必要になってくるでしょう。
先の聞き返しフレーズを丸暗記し、とにかく無言の時間を作らないようにする作戦を事前にたてておくことが、本番での心のゆとりに繋がるかと思います。
全ての質問が終わると面接官から、
“You may go now.”
と退出の許可が下りるので、
“Thank you.”
としっかり礼を述べてから退出しましょう。
面接試験はこれで以上です。
最後に
今まで述べてきたことをまとめると、
・大きな声でハキハキと
・決して黙らない
・嘘も方便
の3点です。
母国語でない言葉を使って、初対面の大人と、しかも自分を評価しようとしてくる人と一対一で話すことは大人でも緊張することです。緊張と恐怖で頭が真っ白になることもあるでしょう。
どうすれば緊張しなくなるのか、という必勝法は存在しないと思います。我々にできることはただ、本番に向けて準備をし、練習をし、当日普段の力が出せるようコンディションを整えることだけだと思います。
しっかりと努力し準備すれば、準2級合格は決して到達不可能な目標ではありません。受験者の皆様を応援しています。
この記事が、少しでも多くの英語学習者や保護者の方々の役に立てば幸いです。