ALT活用の現状とオンライン英会話併用をおすすめする6つの理由
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小学校での英語学習が大きく変わろうとしています。これに伴い、ALT(外国語指導助手)を授業に活用する学校が増えています。
しかし、学校によってはALTによる授業が十分行なわれていない所もあり、授業内容もまちまちというのが現状です。
そこでおすすめしたいのは、小学校のうちからオンライン英会話をうまく活用して英語学習を進めていくということです。
通っている学校ではすでにALTがいて、満足いく授業が行なわれているという場合はどうでしょう。小学校のうちはそれだけで十分なのでしょうか。
今回は、ALTの活用の状況を踏まえながら、オンライン英会話を活用する必要性やメリットなどについてお話ししていこうと思います。以下のような保護者の方に読んで頂きたい記事です。
・小学校におけるALT活用の現状を知りたい
・ALTによる英語の授業だけで足りるのか知りたい
・子供にオンライン英会話のレッスンを受けさせるメリットを知りたい
ALT導入の実状
小学校においてALTの活用が進んでいることは事実です。
文部科学省が全国の公立小学校から高等学校までを対象に英語教育の現状を調査した「英語教育実施状況調査」を見てみましょう。
令和元年度の調査では、小学校におけるALT等の活用人数は、小中高の中で小学校が最も多く、また、小学校では平成30年の調査時の結果と比較すると、282名ほど増加しています。
加えて、小学校においては、授業時数の40%以上につきALTを活用しているとの回答結果が出ています。このように、表面的には、ALT協力の下での英語の授業は広く行なわれるようになっていると言えます。
ALTによる授業であれば心配ないのか
ALTによる授業が行なわれている学校に通っているのであれば、わざわざ家でオンライン英会話を採り入れる必要はないのではと考える保護者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実はそうとも言えないのです。
ALTの協力の下で行なわれる授業が一様に質の高いものならば良いのですが、残念ながらそうではないためです。
これは、ALT自身の指導力に差があることも原因ですが、それだけではありません。
学級担任その他、ALT以外の指導者となる先生が、英語力が十分でないことも原因の一つとして挙げることができます。
先生の英語力がたりなくても、ALTがいればいいのではないかと思われがちですが、担当の教師とALTとの間で充分に意思の疎通が図れない場合、授業計画の作成などに支障が出ますから、両者が協力して指導するということが困難であるケースも多いのです。
それ以外の理由としては、現在のALTの活用状況が挙げられます。英語教育実施状況調査には、ALTをどのように活用しているかを調べた項目があります。
それによれば、最も多いALTの活用場面は、「教師とのやり取りを児童生徒に示す」と「発音のモデル・発音指導」でした。
つまり、発音のお手本を示すといった場面で活用しているにすぎないという場合が多いのです。
これは言い換えれば、ネイティブのALTがいたとしても、子供たちが英語を使って彼らと話す機会は少ないということであり、この点については文部科学省も調査の概要の中で、「授業外での児童生徒との交流」に「一層の活用の余地がある」と述べています。
オンライン英会話をおすすめする理由
では、ここからは、ALTによる英語の授業の有無にかかわらず、オンライン英会話の活用をおすすめする具体的な理由を見ていきましょう。
英語指導のノウハウが確立されている
学校における英語教育の質が以前と比べて徐々に向上していることは間違いありません。
しかし、勉強としての英語ではなく、語学教育として見た時に一定の質が確保されているのか、行なわれる指導法が学習効率のいいものなのか等については疑問が残ります。
特に、小学校の場合まだ手探りの状態です。試行錯誤しながら効果の高い学習内容を模索している状態というのが現状です。
一方、オンライン英会話では、そこで提供されるカリキュラムや指導のノウハウが確立されていますから、上に挙げたような点を心配する必要は基本的にありません。
ですから、当然学校の授業と比較してより高い学習効果が期待できます。
ネイティブの発音に触れることができる
ALTの場合、英会話の教材で使われているようなきれいな発音の英語(標準的な発音の英語)を話す人だけとは限りません。出身国もさまざまですから、強い訛りを持つ人も中にはいるわけです。
英語の学習として見た場合、これは決して悪いことではありません。
英語圏の人、つまりアメリカやイギリスの標準的な英語だけに慣れてしまうと、訛りのある英語に対応できないという問題が出てきます。
仕事などで英語を使って外国の人と意思疎通を図るとなった場合、英語圏の人が話す英語だけを相手にするのではありません。国際語として英語を使っていく場合、さまざまなアクセントの英語に馴染んでおくのは決して悪いことではありません。
ただやはり、それが初めて英語に触れる子供の場合、標準的な英語の音に触れておく方が良いのは確かです。オンライン英会話の場合、講師の選択肢は広がります。レベルに合わせてより聞き取り易い英語を話す講師を探すことも可能です。
人見知りの子でも成功体験による自信を得やすい
子供達の中には、人前で英語の発音をすることを恥ずかしいと感じてしまう子も少なくありません。また、英語を使ってみたくても間違うことを恐れて、最初の一歩が踏み出せない子もいます。
こういったケースでは、成功体験を得ることで一気に英語を使うことが好きになるという場合も多いのです。そして、そういう場合、大人数の受講生がいるスクールなどよりも、オンライン英会話を活用して自宅で成功体験を積むことの方が有効です。
クラスメイトが大勢いる中で発音練習をするのが恥ずかしい場合でも、自宅で一対一であれば抵抗感は薄れるでしょう。
また、成功体験という意味では、普段から英語を使っているという体験が心理的なアドバンテージとなり学校での授業も積極的になれる効果が期待できます。
アウトプットの練習ができる
上でお話しした調査結果からも窺えるように、ALTは発音ややり取りなどのお手本を示す場面に活用される例が最も多く、児童達との英語での会話はそれほどなされていない傾向がありました。
つまり、ALTが居たとしても英会話の練習をする機会は少ないわけです。
学んだことを自分のものにするためには、実際に会話の中で使ってみることが一番の上達法です。学校の授業に加えて家庭でのオンライン英会話という組合せは、「学んだことを使う」という良いサイクルを作り学習効果を挙げるために最適です。
習得に必要な「英語に触れる時間」を上乗せできる
学習指導要領が改訂に伴い、小学校では中学年より「外国語活動」として英語に触れていくこととなります。これにより、小学生のうちから英語に親しむ環境が与えられるわけです。
しかし、単に英語に親しむのみならず、英語を身につけることまで考えた場合、学校の授業だけでは圧倒的に時間が足りません。特に、会話をする上で、欠かせない要素であるリスニングの能力は一定量の英語を聴くことによって初めて得ることができるのです。
これをどう補っていくか、考える必要があります。
自宅でできる方法としては、英語の動画、CD,DVDなどを利用する、スクールに通うなど様々な選択肢が考えられますが、スクールなどと比較して利便性や経済面で優れており、一般的な教材よりも双方向性のやりとりができるオンライン英会話で英語に触れる時間を増やすのは良い方法です。
小学校から中学校への橋渡しがスムーズ
これまでは、本格的な英語学習が始まるのは中学生からでした。
しかし、新学習指導要領の下では、小学高学年から「外国語」という名の教科として本格的な学習が始まります。そこで大切になってくるのが、小学校で習ったことを中学校での学習につなげていくことです。
しかし、英語教育実施状況調査の調査結果からも見えてくる通り、小学校と中学校の連携はまだ十分とは言いにくい状況にあります。
同じオンライン英会話を利用し学習を継続していくことで、小学校から中学校、入門レベルからさらにハイレベルなコース等、スムーズにステップアップしていけますから、学んだことが無駄になりません。
さいごに
このように、オンライン英会話には、さまざまなメリットがあります。ALTによる指導ではカバーしきれない問題も、オンライン英会話は解決してくれる可能性が高いですし、また、現在ALTによる質の高い授業を受けることができている場合でもこれと併用することで大きな相乗効果が期待できます。
ALTによる授業が行なわれているか否かにかかわらず、オンライン英会話の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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さびねこ
【自己紹介】
英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。
【英語力・指導経験】
都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。
【資格およびスキル等】
・英検1級・法律英語
・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)