小学生向け英検®3級対策[文法編part.5(不可疑問文)]
小学生向け英検®3級対策、文法編の第5回目です。
前回の記事を読んでいない方は、まずそちらをどうぞ。
→4回目はコチラ
この記事は、現役の英会話スクール講師が「小学生でもわかりやすい」を目標に英文法を紹介するものです。
今書店で買える文法書の多くは中学生以上向けで、漢字や文法用語がふんだんに使われており、子供1人で勉強をするには難しいことでしょう。
学校や中学校でどんどん内容が難しくなってきている英語という科目を、予備知識なしで独学するには大変な根気とやる気が必要だからです。
残念ながら多くの小学生にとって、英語に対してそれほどのモチベーションはありません。
かといって保護者の方がつきっきりで教える、ということは時間的にも難しいでしょうし、大抵思春期に入ってきている子供と親は口論になります。
この記事の目標は、子供が自力で英語の教科書を使って学べるようになるための予備知識をつけることです。
そのため、極力文法用語を使わずに英検®3級の英文法をご紹介します。是非お子様と一緒にご覧ください。
後半に練習問題を付け加えます。知識の定着にお役立て下さい。
付加疑問文とは
“It is a good day, isn’t it?” 今日はとても良い天気じゃない?
“You don’t like fish, do you?” あなた魚嫌いだったよね?
“Ken is tired, isn’t he?” ケンって疲れてるよね?
“She can’t swim well, can she?” 彼女は泳ぐの得意じゃなかったよね?
“Ann lives in America, doesn’t she?” アンってアメリカに住んでるよね?
“You went to Takuya’s house yesterday, didn’t you?” 昨日タクヤの家に行ったよね?
今回は、英語で確認をとったり賛成かどうか聞いたりするときに使える表現を紹介します。
これまでに紹介した、
“You are a teacher.” あなたは先生です。
“You like dogs.” あなたは犬好きです。
のような文は、「あなたは~~です。」と断言する文でした。
“You are a teacher, aren’t you?” (たしか…)あなたは先生でしたよね?
“You like dogs, don’t you?” (たしか…)あなたは犬好きでしたよね?
しかし、語尾に”aren’t you?” 等を付け足すことで「たしか~だったよね?」
と確認を取ることができます。
友達同士だったり、親しい間柄だったりではよく使う表現ですね。
ふつうの文に少し付け加えて疑問文をつくるので、付加疑問文という名前がついています。
付け加え方はシンプルで、
ふつうの文であれば否定形で、
否定文であれば、ふつうに疑問文を足してあげるだけです。
例えば、
“She can’t swim well.” 彼女は上手に泳げません。
これは否定文ですので、ふつうの疑問文の形で付け足します。
疑問文は、
“Can she swim well?” 彼女は上手に泳げますか?
なのでその頭の部分だけを取り、付加疑問文を作ります。
“She can’t swim well, can she?” 彼女は上手に泳げませんよね?
となります。”swim well”は二度繰り返す必要がないから省略して良いのです。
今回登場した「付加疑問文」という文法用語は、できたら覚えるくらいで最初は問題ないです。
大事なことは、使うとどういう意味になるのか、どのようなときに使わないといけないのか、ルールを知ることです。
あとはたくさん練習をして、完全に定着させていきましょう。
実際に問題を解いてみよう!
では、実際に問題を解いてみましょう。指示された英文を書き直してみましょう。
日本語にも直してみましょう。
(1) You wanted a chocolate cake.
[チョコレートケーキが欲しかったよね?という意味の文にしましょう。]
(2) He brought his camera yesterday.
[彼は昨日カメラ持ってきたよね?という意味の文にしましょう。]
(3) Wow. These fruits look delicious.
[果物おいしそうだね?という意味の文にしましょう。]
(4) You have some paper. Can I have some?
[紙持ってるよね?もらっていい?という意味の文にしましょう。]
(5) You didn’t go to see the movie last week.
[先週映画を見に行かなかったよね?という意味の文にしましょう。]
(6) Joe is a police officer.
[ジョーって警官だったよね?という意味の文にしましょう。]
(7) You finished your homework.
[宿題は終わらせたよね?という意味の文にしましょう。]
(8) You can play the piano.
[ピアノ弾けたよね?という意味の文にしましょう。]
(9) Eren will see a doctor tomorrow.
[エレンは明日医者に行くよね?という意味の文にしましょう。]
(10) It looks good.
[それよくない?という意味の文にしましょう。]
[解答]
(1) You wanted a chocolate cake ,didn’t you?
チョコレートケーキが欲しかったよね?
(2) He brought his camera yesterday, didn’t he?
彼は昨日カメラ持ってきたよね?
(3) Wow. These fruits look delicious, aren’t they?
おお、果物おいしそうだね?
(4) You have some paper, don’t you? Can I have some?
紙持ってるよね? もらっていい?
(5) You didn’t go to see the movie last week, did you?
先週映画を見に行かなかったよね?
(6) Joe is a police officer, isn’t he?
ジョーって警官だったよね?
(7) You finished your homework, didn’t you?
宿題は終わらせたよね?
(8) You can play the piano, can’t you?
ピアノ弾けたよね?
(9) Eren will see a doctor tomorrow, won’t he?
エレンは明日医者に行くよね?
(10) It looks good, isn’t it?
それよくない?
最後に
今まで述べてきたことをまとめると、
・語尾に”isn’t it?” 等を付け足して確認を取ることができる
・ふつうの文には否定文、否定文には普通の疑問文を後ろに付け足す
の2点です。
かなりかいつまんで紹介したため、説明しきれていない部分もあることでしょうが、それは次回以降で補填できればと考えております。
付加疑問文は日常会話でも多用される表現です。
英検®3級で出題されるだけでなく中学3年生定期テストでも出題されます。
小学生のうちから将来の負担を軽減するべく前倒しできると良いでしょう。
様々な文法用語を教えていますが、専門用語などが苦手な子供からすると”be動詞”という言葉とルールを覚えるだけで1月かかる生徒もいます。
英語をある程度読めるようになってきた小学生相手に細かい知識やルールを押し付けることは場合によっては英語嫌いを助長してしまいかねません。
まずは参考書を自力で学習できるような下地を作ってあげるのが、保護者や教師を始めとする周りの大人達の役割なのではと考えております。
しっかりと努力し勉強すれば、小学生でも中学生レベルの文法事項を理解することは決して不可能な目標ではありません。
その学習意欲を維持するためにも、英検®は良い選択肢であると思います。
この記事が、少しでも多くの英語学習者や保護者の方々の役に立てば幸いです。
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
さびねこ
【自己紹介】
英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。
【英語力・指導経験】
都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。
【資格およびスキル等】
・英検1級・法律英語
・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)